2008年10月29日

ギョイゾー!の裏側

今日は少し技術的な話です。スタロジはいわゆるウォーターフォール型というスタイルで仕事をしています。そして工程別に担当が分かれています。

プロジェクトが始まったら打ち合わせをしていきます。このときにBurix Studio(通称ブリスタ)というCADツールにどんどん情報を入れていきます。作るシステムで管理したいデータ項目・業務フロー・権限について入力します。この時点で、UIモックアップをリアルタイムに見て触ることが出来るので、どんどんシステムの内容を決めていきます。

ブリスタを使っての打ち合わせが完了したら、ブリスタから設計情報を出力してスタロジの中でファクトリと呼んでいる所謂工場のライン的なチームにそれを回します。すると、プロジェクトごとの段取り替えなど含めておよそ20〜30分程度で実際に納品可能なシステムが一式出来上がります。

・正規化されたデータベース
・追加・更新・削除の一連の処理
・権限によるアクセスコントロール
・ワークフロー
・多様な検索
・検索結果のCSVダウンロード
・入力支援のためのポップアップするマスタ検索画面など
・各種仕様書

およそ業務システムとして必要な一式が完成します。これは画面数やテーブル数などの規模には左右されません。工場となっているサーバのメモリ容量などの物理的成約で作業時間が決まります。出来上がったものの品質は一定ですので、特に単体レベルでの検査は不要です。

ここに、俗に業務ルールと呼ばれるような、プログラマが手で書かざるを得ない処理を別途コンポーネントとして作成して組み込んでいくという形になります。また、ギョイゾー!の標準的な画面構成だと業務上都合が悪いという場合は、画面部分だけカスタマイズをしていきます。残念ながら現時点ではレポートについては、レイアウトを手で作っていくことになるので、普通に作業工数が発生します。但し、DBアクセスなどは既に出来上がっているので、主に見た目などが中心となります。

この時点で納品前検査として、打ち合わせのとおりの業務で果たしてちゃんと回るかを確認します。確認が終わったら納品のための構成にまとめます。これが30分程度です。後はお客様のところに訪問して、サーバに導入します。

今のところ、お客様と打ち合わせをして作るものを固めるところの時間短縮が課題です。またそれと連動する形で、打ち合わせ通りになっているかを検証する時間の短縮も課題です。開発については手書きの業務ルールを出来るだけ打ち合わせ段階の資料からそのまま落とせるようにするということを考えていますが、これはあと2年ほどはかかるかと思います。

よくオフショアに出したりしているようなもの、つまり作るものがはっきりしていて製造フェーズに特化した状態であれば、スタロジでは1日もかからない状態です。それが1000画面だろうが100人月相当だろうが、基本的には変わりません。作業者はひとりですから、いくらオフショアが安価だと言っても1人日で出来ることを考えると、恐らくは私どもの方がお値打ちだと考えています。手書きの業務ルールがないシステム(そしてワークステートを実現したら、結構そういうシステムというのは多かったりするのは衝撃的です)であれば、この時点で納品と実稼働まで可能です。

とはいえ、もちろん手で書いている部分はありますからそこの工数は変わりませんが、例えば必要な項目を決めさえすればDB設計は不要ですし、DBアクセスのコードも複雑なレポートのとき以外は基本的には不要です。アクセスコントロール系のコードも書きませんし、データの状態を見分けるためのフラグ判定などは一切不要です。これだけでも随分と工数に差が出ると感じています。

ではスタロジのプログラマは何をやってるのかというと、業務ルールの手書き以外は基本的に仕組み作りです。ライブラリやフレームワーク、ジェネレータなどの仕組みを作っています。但し、頭でっかちにならないように、実際の案件にも関わってもらっています。そして実案件の中で手書きしたものに一定のパターンが見えたら、それを仕組み化していくということをします。つまり仕組み化の要件が定まるまでは手書きをするということです。

このようにスタロジは、基本的にはお客様とフェイスするチームと仕組み作りチームに分かれています。そして相対的にですが圧倒的に時間がかかっているのがお客様との打ち合わせです。この打ち合わせの時間も、ブリスタのおかげで恐らくは一般的なプロトタイピングなどと比較すると随分と短い時間でやれていると思いますが、結局はお客様の「うん、こういう業務でいいんだよ」という確信にたどり着くまでの時間次第ということになっています。業務上の確信という点ではマジカ!を使ったりもしていますが、何にせよ意志決定ということがテーマなわけですから越えるべきテーマは色々とあります。

で、ここで設計情報を予めテンプレート化しておいて、いわゆるパッケージカスタマイズな商売を、というのは誰しもが考えることで、でもそれをやったら所謂星取り合戦に陥ってしまう(俗に言うレッドオーシャン)のですが、ここはひとつ先日突き抜けたのでこれからやるべきことをやってミッシングリンクを徐々に埋めていこうと考えています。

打ち合わせ工程は、人を増やせば生産性が上がるというものでもありません。お客様の納得が育つにはどうしても時間がかかるからです。一方で作るものが決まれば製造は瞬殺ですからものを作るところで人手を集める必要などありません。つまり少人数でプロジェクトを十分に回せます。逆に言うと、お客様が意志決定してくれないとどうしようもないので、数を並行してこなすということを目指しています。加えて簡単にどんどん意志決定していただきやすい仕組みを考えています。これはつまり商談プロセスの再構築ということになります。

もちろん課題は山積していて人手が足りないと感じることもあるのですが、一方で足りないからというだけで人を増やすと今の社風が雑になってしまうのも不味いと考えて、その辺のバランスをどう取るかということがテーマになっています。慌てず急いで着実に、を心がけながら徐々に進めていこうと考えています。

habuakihiro at 11:42│TrackBack(2)ギョイゾー! | スタロジこのエントリーを含むはてなブックマーク

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1. [日記]情シス★オフ行ってきた  [ 電脳戦士ハラキリ -SE道とは死ぬ事と見つけたり- ]   2008年10月30日 01:07
id:gothedistance氏がtwitterでつぶやいていたのを見て参加してきました。 まとめはid:kirara_397氏のが詳しいのでそちらを参照するとして、すると自分は書くことがなくなった罠。 情シス★オフ 潜入記 - kirara_397の日記http://d.hatena.ne.jp/kirara_397/20081026/122502
2. ギョイゾー!はヤバイ!!  [ mark-wada blog ]   2008年11月03日 16:02
先日の情シスオフ会でスタロジの羽生さんが「ブリスタ」を惜しげもなく公開して、その...