DVD REVEIWStar Trek: Nemesis
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パラマウント ホームエンタテイメント

009 スタートレック/ネメシス2003年アメリカ
八ちゃんの降水確率:15%
八ちゃんの満足度:★★★★★
八ちゃんの評価:★★★

恐るべきは自らの暗黒面(ダークサイド)だ。

劇場版スタートレックシリーズ第10弾。何気に007シリーズについて長いシリーズ物になりました。テレビドラマの劇場版であり、そこそこの興行成績しかあげられないのに、これだけ長く続くというのは、やはり根強い人気と映画化に対する要望が強いからに他ならないのでしょう。
(DVDタイトルはスタートレック:ネメシスです)
あらすじ&八ちゃんのレビュー
さよなら、TNGクルー。さよならデータ

最も人気の高い新スタートレックシリーズ(TNG)のクルーによる、最後の劇場版作品です。ネメシスったってバイオハザードII アポカリプスに出てくるネメシスではありませんよ。実はバイオハザードIIのサブタイトルが「アポカリプス」ではなく、「ネメシス」になる予定だったとかですが、こちらが先に製作発表されてしまったために、サブタイトルの変更が行われたそうです。
ネメシスの由来ははギリシア神話に登場する女神だそうで、人間が神に働く無礼に対する、神の憤りと罰の擬人化の象徴としてよく使われます。ネメシス、それはもう一人の自分。ドッペルゲンガーを意味する事もあり、この作品でも「もう一人の自分との対決」がテーマの一つになっています。
地球が属する惑星連邦(と言っても設立させたのは地球ですが…)に対抗する勢力のロミュラン帝国がついに和平を求めて話し合いの場を持とうと提案してきます。その特使としてエンタープライズ号がロミュランに向かいます。当然、冒頭の一つのシーンにロミュラン議会のメンバーが(クーデターで)不可解な装置によって、全員殺されてしまうあたり、本当の和平でない事が観客は理解している上で話は進みます。実は罠だったなんて言うサスペンスではないので、その事は気になりません。クーデターを起こした軍部の指揮官シンゾン(トム・ハーディ)は、ロミュランが連邦へのスパイ活動のために作られたピカードのクローンだったのです。スタートレックの世界に出てくる「敵」は「悪」そのものである事はあまりありません。地球上の国家・民族のように扱われています。敵対していると言っても敵もまた善と悪を両方持った「人類」の国家です。したがって、このクローン計画は、義的に問題ありと中止になり、シンゾンは「破棄」という扱いを受け、奴隷階級民族であるレムス人と共に過酷な環境で生きながらえるしかなくなります。不当な待遇を受けるレムス人と共にロミュランへの復習を誓ったシンゾンは傭兵から実績を積み指揮官にまで上り詰め、極秘のうちに戦艦を作りあげクーデターを起こします。
シンゾンはピカードのクローンであるために、野心やプライドなど…性格も非常に良く似ています。自分もピカードのように英雄になりたがり、そしてピカードにも自分と同じ非道な人間である事を言います。しかしながら、二人の絶対的な違いは境遇と経験です。ピカードは、彼を見て自分自身を考えます。ですが、やはりその上に覆いかぶさる経験が今の自分を形成している事を知ります。

最後のお話だけあって、部下が巣立っていくというテーマも盛り込まれています。冒頭にはライカー副長(ジョナサン・フレイクス)とディアナ(マリナ・サーティス)の結婚式が行われます。そのシーンに何と、ウーピー・ゴールドバーグが登場します。彼女は、D型エンタープライズのクルーでバーテンダーのガイナン役でTVシリーズに登場します。(劇場版第1作ジェネレーションズにも出てきます)
実は彼女が幼い頃に(黒人差別の残っていた時代に)、スタートレック(ファーストシリーズ)に登場した士官ウーラを観黒人女性たの一人で、黒人でもレギュラー女優として頑張っている姿に心を打たれ、女優を目指したと言うのです。レギュラーデビュー後、ゴースト〜ニューヨークの幻〜天使にラブソングをでブレイクしたのは言うまでもありません。
監督が、ジョナサン・フレイクスから、トゥームレイダーの、スチュアート・ベアードに変わって、明らかに今までと違う雰囲気になっています。


八ちゃんの感想
かっこいい!E型

歴代エンタープライズ号の中でE型(NCC-1801-E)が一番カッコいいと思っているのですが、前作(スタートレック 叛乱)からミニチュアモデルとかを使わないフルCGになっていますが、ん〜〜、カッコいい…。あの造形美はガンダムシリーズ並みです。
ラストと言うこともあり、明らかに狙った効果でしょう。監督を変えたことで、ある意味TNGらしくはないとも言えます。それがファンにとって賛否両論を生むことになるのですが、所詮ファンとはわがままなものですから。
アクションが多くなり異質です。しかも明るいのは最初の結婚式のシーンだけで、全体的にかなり暗めです。シリーズ特有のテーマを盛り込ませたストーリー展開ですから、手に汗握るとかテンポの良さとかを求めると、非常に不満が残るでしょう。それが一般にはなかなか受け入れられない理由でもあります。
ファンにとって(もちろん自分もそうなのですが)何より感慨深いのはデータが自己犠牲でピカードを救うということでしょう。TNGクルーの中で最も人気があるキャラクター・データ、人間に憧れ、常に向上心と探究心を持ったアンドロイドデータは、感情を持った機械の物語のすべてを凝縮したようなキャラクターなのです。「何もラスト作品だからって…」と嘆くファンも多いのですが…、一つの区切りとしてはこうした「イベント」は結構不可欠だったりするのでしょうね。実際のところデータの死が編集の都合上軽く扱われてしまって残念です。それだけの題材でも一つのエピソードが作れるようなものですからね。
B4がデータの代わりになる…なんて伏線を想像するファンも多いのですが、パラマウントも、もうTNGでは作らないだろう…。
データがブルースカイを歌っていますが、これまで映画シリーズで特殊効果を担当してきた制作会社がBlue Skyだって言うのと関係があるのでしょうか?
さよなら、ピカードとそのクルーたち。

そうそう、Xメンの監督ブライアン・シンガーがケリー役で登場します。


データファイル
スタートレック:ネメシス
シネスコサイズ(1:2.35)
監督:スチュアート・ベアード
製作:リック・バーマン
製作総指揮:マーティ・ホーンスタイン
脚本:ジョン・ローガン
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:パトリック・スチュワート、ブレント・スピナー、ジョナサン・フレイクス、マリナ・サーティス、マイケル・ドーン、レヴァー・バートン、ゲイツ・マクファーデン、トム・ハーディ、ロン・パールマン、ディナ・メイヤー、ケイト・マルグレー、ウーピー・ゴールドバーグ、アラン・デイル、シャノン・コクラン、ジュード・チコレッラ、ジョン・バーグ、マイケル・オーウェン、ブライアン・シンガー
配給:UIP(パラマウント・ピクチャーズ)