昨今の日本の景気回復は堅調のようだ。しかしながら、この春社会に飛び立った新人たちの労働環境は、以前過酷な状況にある。今春から働き出した若者たちの姿を追った。
「いきなり大阪に出張でした。当初は20日ほどの予定だったのが結局は1ヶ月弱で・・・。もう精神的にボロボロですよ・・・。」そう語るのは、この春東京の会計事務所に就職したhachigiku氏。初めての現場が出張ということで、戸惑いも大きかったという。
「慣れない現場で、先輩方に迷惑かけ続けて自己嫌悪になったり・・・。もう散々でした。」取材班に粛々と語るhachigiku氏。学生時代は闊達な笑顔で、数々の異性を虜にしたであろうその顔も、今では表情が曇りがちだ。
取材班との別れ際、hachigiku氏はこう呟いた。「こんなに働くのがしんどいなんて。うつに悩む人が多いわけですよ。これではニートやフリーターのほうがよほど健全なんじゃないかな。」聡明で誠実な人柄が印象深いhachigiku氏の言葉であるだけに、取材班一同の胸に迫るものがあった。