2013年01月31日

ジュリー石川の「コーンスネーク」ってどう飼うの?

ジュリー石川です。
以前に投稿したフトアゴヒゲトカゲの飼い方の記事に続いて、今回はコーンスネークの飼い方をご紹介します。
今年に入ってからお問い合わせの多いコーンスネーク。
最も愛されているペットスネークといっても過言ではないと思います。
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コーンスネークの魅力を探っていきたいと思います。

【コーンスネークって何?】
Elaphe guttata guttataPantherophis guttatus guttatus
北米に分布する中型のナミヘビです。
寒さに強く、温和な性格でペット向きのヘビだといえます。
「コーンスネークって咬むの?」とよく質問されますが、そんなことはありません。
臆病な生き物なので、人間が攻撃しなければ、興奮することもないのです。
優しく接すれば、咬まれることはまずないでしょう。
全長も120〜150cm程度で、日本の住宅環境でも十分に飼育することが可能です。
平均寿命は10〜15年程度です。
本種が人気があるポイントは、その品種の多彩さにあります。
もともとは赤やオレンジの地色に黒い縁取り模様が入るヘビですが、長年に渡る品種改良の結果、黒や赤の色素が無い白いコーンスネーク(スノー)や、本来あるべき柄が消失するもの(ブラッドレッド)など、魅力的な品種が数多く登場しています。
現在も、新品種が毎年誕生しています。
コレクション性もさることながら、奥深い遺伝的ギミックも人気の秘訣です。
日本でも精力的に繁殖されていて、ビギナーからエキスパートまで幅広い層を虜にしています。

【コーンスネークの飼い方】
コーンスネークの飼育方法はヘビ飼育のスタンダードといえます。
寒さには強いのですが、冬は温度が下がり過ぎないように注意が必要です。
低温で管理するとエサ食いが悪くなったり、消化不良になりやすいです。
ただし、寒いアメリカの気候に適応しているため、冬季休眠(ウィンタークーリング)させることも可能です。
ベビーサイズを休眠させるのは少し怖いので、ある程度育った1年ものくらいの大きさ(イヤリングサイズといいます)から休眠させるのが良いでしょう。
エサは冷凍マウスを与えます。餌付きが良いので、爬虫類飼育ビギナーでも問題なく飼うことができます。
ヘビのサイズにあった冷凍マウスを解凍して与えます。
成長期のヤングサイズくらいまでは週に2回程度給餌します。
アダルトになれば大きめの冷凍ラットに切り替え、給餌間隔を長くしていきます。
成長するためではなく、体を維持するためにエサを食べるようになるからです。
給餌間隔が長いため、エサ代もそれほどかかりません。

【飼育用品】
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プラケース(左)またはアクリルケース(右)
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パネルヒーター、水入れ、温度計、床材(ウッドシェイブ、新聞紙など)、ピンセット

【ケース】
コーンスネークの全長(アダルト)は120〜150cm程度です。
数字で表すと大きく感じますが、実際はとぐろを巻いているのでそれほど大きく感じないと思います。
キープするという意味では、大きいプラケースやアクリルケースでも飼育可能です。
多くの方はベビーサイズから飼育を始めると思うので、最初は管理しやすいコンパクトなケースでも問題ありません。
ゆとりのある環境を用意するならば、爬虫類ケージがオススメです。

【ヒーター】
プラケースやアクリルケースであれば、底面に設置するパネルヒーターで大丈夫です。
部屋の温度にもよりますが、ケース内の温度が25〜30℃程度あればよいでしょう。
低温に強いヘビですが、温度が低すぎるとエサ食いが悪くなったり、消化不良になります。
ケースが大きければ大きいほど、ヒーターのパワーが必要になってきます。
大きな爬虫類ケージの場合は、パネルヒーターで温まりきらないので上部ヒーターの暖突や網蓋の上にのせるクランプライトを利用して保温します。

【水入れ】
全身が浸かれるくらいの大きさの水入れを設置します。
使いやすいタッパーやウォーターボールが向いています。
基本的には飲み水用です。暑い時や脱皮前は体をふやかすために水浴することもあります。
冷水だと体がびっくりしてしますので、少しぬるいくらいが丁度よいでしょう。

【温度計】
ケースが適切な温度(25〜30℃)になっているかを測定するために使います。
ヒーターの真上だと誤って測定されることもあるので、温度が安定している場所に設置します。
センサーが吸盤取り付け式の場合は、パネルヒーターの位置より少し上で、ヘビが普段活動している高さに設置してください。

【床材】
ウッドシェイブ、新聞紙、ペットシーツのどれでもかまいません。
ウッドシェイブは糞尿をした場所を部分的に交換することができます。
全体が汚れてきたら使い古しのウッドシェイブを捨てて新しいものに交換します。
また、ヘビがウッドシェイブに潜ることもできます。
新聞紙などの紙は、糞尿を見つけた場合すぐに交換しなければなりません。
紙を交換するだけなので、メンテナンスの時間はかかりません。
床材は好みで選んで問題ありません。

【ピンセット】
給餌に使います。頻繁に買い換えるものではありません。
ある程度の長さがある方がヘビが成長してからも使えるので良いでしょう。
竹、ステンレスのどちらの素材でも構いません。

【セッティング】
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用品をセットしてみました。
シンプルなセッティングですが、これで大丈夫です。オプションでシェルターを入れてもいいでしょう。
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プレートヒーターを敷いた上に、ケースをのせます。
(ヒーターをケース内に入れるわけではありません。)
ケース内にセットした温度計が25〜30℃くらいになるように工夫します。
自室の温度ではなく、ヘビの部屋であるケージ内の温度を測るのが重要です。
プレートヒーターは床の全面に敷くわけではありません。
基本的は1/2〜3/4くらい引いた状態を維持します。
ヘビは自分でケースの中を移動して、温度調整をします。
その時にケースの全面が熱いと逃げる場所がなく、バテてしまいます。
温度が上がらない場合のみ、広範囲にパネルヒーターを敷きます。
あとは床材や水入れをセットし、好みでシェルターを入れればOKです。

【エサやり】
エサは冷凍マウスを与えます。
活餌を与える必要はまったくありません。
コーンスネークの大きさにあわせてマウスの大きさを選びます。
ベビーはピンクマウス(毛の生えていない小さなマウス)が主です。
イヤリング(1年くらい育ったサイズ)はファジー〜ホッパー。
最終的にはアダルトマウスやラットを与えます。
エサの大きさの目安としては、胴の太さくらいのサイズが望ましいとされています。
ヘビはエサを丸飲みできます。
胴に収まれば消化することができるので、イメージより大きなエサを食べることができるのです。
冷凍マウスは冷凍庫で保存します。
必要な分を取り出し、自然解凍か湯煎解凍をします。
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自然解凍の場合、紙の上にマウスを置いておき、解凍されるのを待ちます。画像はピンクマウスのSサイズです。
エサのサイズにもよりますが、長くても3時間もあれば解凍できるはずです。
湯煎は60℃くらいの湯に冷凍マウスを解凍できるまで入れておきます。
自然解凍より速く解凍できるでしょう。いずれも、解凍しすぎは要注意です。エサが腐敗します。
解凍したマウスを触ってみて、凍っていなければ与えて問題ありません。
ピンセットで解凍したマウスを口元に持っていけばすぐに食べてくれます。
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おっ、エサなのかな?
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かぷっ!
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モグモグ。
あとは飲み込んでいくだけです。
飲み込みやすいように頭から食いつかせるのがポイント。
神経質な個体の場合、ピンセットを嫌がることがあります。
その場合はエサをケース内に置いておけばOKです。食べればよいのです。
ヤングサイズまでは、週に2回給餌します。成体であれば週1回でもよいでしょう。

【スキンシップ】
ハンドリング(手で触れること)して問題はありません。
コーンスネークが触られて喜ぶわけではありませんが、ある程度は飼い主に慣れるようになります。
ただし、給餌直後は触らないほうがよいでしょう。
腹部を刺激すると吐いてしまうことがあるので、注意が必要です。
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女性でも楽に扱うことができます。咬みつこうとすることもありません。

【ブリーディング】
個人でも繁殖に成功されている方はたくさんいらっしゃいます。
フルアダルトのオスとメスがいれば、繁殖することは可能です。
誰もがブリードする必要はありませんが、子孫を残したいと思った場合は挑戦してもよいでしょう。

【品種】
ベーシックな品種をご紹介します。
≪カラーバリエーション≫
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ノーマル
レッドとも呼ばれます。
最もスタンダードなコーンスネークです。
野生にいるコーンスネークも赤地(オレンジ)に黒い縁取り模様です。
現在は品種改良が進み、CB(Captive bred、繁殖個体)のノーマルは明るい色合いのものが多いです。
分布している場所によって、色や柄に差があるとされています。
例えば、マイアミという品種は、フロリダ州のマイアミに分布していた個体郡をルーツに持つことから名付けられています。

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アルビノ
アルビノレッドとも呼ばれます。
アルビノ=アメラニスティック。黒い色素が無い状態のことです。
つまり、ノーマル(レッド)から黒を抜き取った状態がアルビノなのです。
ノーマルで目立っていた黒い縁取りも、白く抜けています。黒目が赤目になっています。
明るい赤が特徴です。
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エクストリームフロウレッセント  USA CB
ひと言にアルビノといっても、タイプによって大きく色合いが異なります。
これはオレンジを強めるように選別交配して作ったコーンスネークです。

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アネリ
ブラックとも呼ばれます。
アネリ=アネリスリスティック。赤い色素が欠乏した状態のことです。
ノーマルから赤を抜いたので、グレーぽくなるのですね。
小さいときは濃いグレーブラックなのですが、成長するにつれてやや茶色がかったグレーになっていきます。
このアネリは血統によって色合いが異なるため、「アネリA(一般的なアネリ)」「アネリB(チャコール)」「アネリC(シンダー)」と区別しています。
特別な表記が無い場合はアネリAと判断してよいでしょう。

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スノー
アルビノ×アネリA。
黒と赤の色素がなくなることで、ボディの色が白くなります。
ベビーではウロコが薄く、体がうっすら透けているためピンク色に見えますが、アダルトになるとウロコが厚くなり白く見えるようになるのです。
パターンはうっすらと残ります。
価格も手ごろで、コーンスネークの入門として絶大な人気を誇ります。
アルビノ×アネリB(チャコール)のブリザードはより白が強いとされ、こちらも大人気です。
ブリザードはスノーに比べて柄が薄くなるとされています。
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これがブリザード。大きくなるにつれてさらに白くなっていきます。
スノーはピンクやグリーンの発色が強い血統もあります。奥深い品種です。

≪パターンバリエーション≫
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ブロッチ
ブロッチはほとんどのコーンスネークに見られる一般的なパターンです。
ノーマルの場合は、黒に縁取られた短形(ブロッチ)が連続します。
黒い縁取りが濃いサウスカロライナ州の個体郡はオケッティと呼ばれ、区別されています。

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ストライプ
ブロッチが直線状に変化した状態。
ストライプが薄れて、ほとんど柄の無い状態(バニッシングストライプ)の個体も存在します。

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モトレー
ブロッチが円形状に変化した状態。
腹部のチェッカー模様もプレーンベリー(柄が無くなる)になります。

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ブラッドレッド
単純なパターンバリエーションではありませんが、便宜的にここで説明します。
育つにつれて全身の体色と柄の境界が曖昧になり、アダルトは赤一色になります。
上の画像の個体はまだイヤリングサイズなので、まだ完全な赤一色にはなっていません。
これからパターンが薄れて、赤くなっていきます。
模様が不鮮明になる特徴を活かして、他の品種とのコンビネーションもたくさん生み出されています。
代表的なのはファイア(ブラッドレッド×アルビノ)、ピューター(ブラッドレッド×アネリB)です。
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ハイポブラッドレッド USA CB
ベビーサイズではこんな感じのくっきりとした柄があるのです。

ここで紹介したものは、ベーシックな品種ですが、他にも数え切れないほどたくさんのカラーバリエーションがあります。
過去の記事でもコーンスネークの品種などに触れています。
こちらもあわせてご覧ください。その1 その2

品種が多く、混乱してしまうかもしれませんが、整理して考えれば難しくはありません。
基本的な品種を覚えれば、コーンスネークの世界にグッと入りやすくなるはずです。
爬虫類倶楽部 中野店では、最新品種から定番品種を数多く取り揃えております。
初心者はもちろん、すでに飼育されている方にも満足していただける品揃えです。

ヘビは省スペースで手もかからないという点で現代的なペットだと思います。
是非とも店頭で直接ご覧いただければと思います。
コーンスネークの多彩な魅力がきっと伝わるはずです。

中野店 石川

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