2009年03月

2009年03月27日

■侍ジャパン連覇

 WBC日本代表が連覇を果たし、永田町界隈も久しぶりに明るさに包まれた。

 ちょうど本会議中に終盤を迎え、どこからかアウトカウントが伝わってきたが、そのうち同点延長。議場でもため息が漏れる一幕も。本会議後、安倍事務所で打合せの最中イチローのタイムリーで会議は中断。苦しんでいたイチローが最後には最高の活躍を果たした。文科省と都の打合せでは「ウイニングの時、オリンピック招致のフラッグ持って行ってもらえばよかったのに」「『2016年ベースボール アゲイン』なら米国も納得したろう」と早速反省会。来月のIOC委員の来日時には失敗のないよう、念入りな計画を立てている。

 他方、もう一方の一郎は秘書の起訴を受けても続投を宣言。企業献金の禁止を自ら発言するなど、厚かましさは一流だ。リクルートの時もそうだったがゼネコンの数億円と、我々の地元の中小企業の親父さんが「がんばれ」と応援してくれる1万円を一括りにされても困る。「個人なら善で、企業は悪」という概念が固定化されるのもどうかと思う。要は中身と良識の問題で、透明性がしっかりと保たれる事が求められる。

 さて、公務の合間を縫って母校 第10小学校の卒業式に2年ぶりに出席した。我家もそうだったが、何度も着ないブレザーを購入した親の負担を考えると「かっこいいから春休み毎日着ないともったいないぞ」と控えの通路で声をかけたが近年、制服を作ると無料レンタルをする制服屋さんが多いそうだ。民間の営業戦略に感心する。

 昨年からなのか、卒業証書授与の前に一言ずつ将来の夢や中学校での目標を発表する事になっていた。演台の上で小学生として最後の決意を同級生や先生、両親の前で大きな声で発表する事は意義深い。「プロ野球選手になってWBCで活躍したい」「ダンサーになりたい」「中学校で英検2級を取る」から「同級生の○○君と料理屋を開き、そこで同窓会をやりたい」というユニークな夢で会場を沸かせた。ありがたい事に「国会議員になって、世の中の人の為に働きたい」という少年がいた。名前はわからなかったが、多分国会見学に来て本当にそう思ってくれたんだと思う。

 政治と金の報道が毎日される中で、子供たちにはこの職業がどんな風に映るんだろう。

 せめて八王子の子供達にとって尊敬され、あこがれる職業になれるよう、後輩達にバトンタッチするまでがんばらなくてはならない。


hagiuda1 at 20:07|Permalink

2009年03月20日

■年度末

 遅れていたディスカバリーによる若田光一宇宙飛行士が宇宙ステーションへ無事飛び立ち、止まっていたオリンピックの国会決議が衆参両院で可決され、忘れかけていた都立学校の行き過ぎた性教育裁判でおかしな判決が出たり、と突発事案にドタバタしながら委員会答弁、人事審査等、公務にも走る一週間だった。

 当初は3月3日に宇宙ステーションで、滞在安定期に入った若田飛行士と彼の母校の埼玉の小学校へ総理と出向き6年生と一緒に宇宙と交信をする予定だったが、再三の延期でついには卒業式に間に合わなくなってしまった。何とか来週中に予定できないか掛け合ったが、それこそ分刻みのNASAのミッションスケジュールが組まれており、当方の都合だけではどうにもならず子供達には残念な思いをさせてしまった。

 他方、改築によりグランドを使えなかった第三小の6年生には文科省が進めているトップアスリート授業を年度末駆け込みで申請でき、大きな市民体育館でバスケットの日本代表の折茂選手を迎え卒業前のプレゼントができた。2m近い一流選手の指導に子供達も歓声を上げ、学校体育とは一味違うスポーツの醍醐味を感じてくれたと思う。恥ずかしながら私も政務官になるまでよく知らなかったのだが、こういうメニューを各自治体各学校、是非活用していただきたい。他にもサッカー、体操、陸上、卓球等、オリンピックや世界大会を経験した一流アスリートが参画しスタンバイをしてくれている。

省内では、選手のセカンドキャリアの検討をしているが、体育の先生や全国の自治体のスポーツ課の職員等、中途で採用していただければ地域スポーツの底上げにもつながるのではと提案している。

 子供達に激励をし、国会へ向かったが体育館脇の富士森の桜を伐採作業しているのに驚き車を止めた。聞いてみると、てんぐ巣病という植物の伝染病の被害に遭い、やむを得ず120本を伐採し残りを枝打ちする事になったそうだ。年度途中の発覚で補正予算で対応する為、月末に完了しなくてはならないという地方自治体の単年度予算主義も関係する。

 桜の名所である富士森の花見を心待ちにしている市民も数多くいる。樹齢40年を越える富士森の桜は480本あり、今回の大手術で残り360本。満開になっても枝打ち後の今年は例年の華やかさはないだろう。

 せめてもう1〜2週間待てないのだろうか?私の問いに「胞子が飛散すると更に被害は拡大するので遅くとも開花前に伐採しなくてはならないんです。」専門家の意見に納得せざるを得ないが、世の中には表面では理解できない事が多いものだと改めて感じた。3年後には今より枝ぶりの良い桜になるとの事だがちょっぴり寂しい春の出来事だった。

 そういえば政治も今だけじゃなく将来に備える政策ほど国民に評判悪く誤解されやすい。
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hagiuda1 at 17:00|Permalink

2009年03月13日

■おくりびと

 連日の西松献金報道で国民の政治不信は深まるばかり、官房副長官の不用意な発言も加わり話を複雑にし、自民・民主は睨み合いの様相。共産党が存在感を示す異様な国会となっている。

 各委員会もやっと店開きができ文科委員会でも大臣所信、予算概要が示され論戦がスタートした。質問に代って答弁で参戦する事となる。

 さて、米国アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の滝田洋二郎監督と「つみきのいえ」で短編アニメ賞を受けた加藤久仁生監督に文化庁長官表彰が進呈され文科省を訪問された。日本の映像文化が海外で活躍しその力量が評価をされているのに後追いで文化庁が表彰するのだからやや情けない。
もっとも人の事は言えず、後援会主催の映画会を毎年秋に行っているが、夏までに作品を決めなくてはならず昨年、一度はエントリーした「おくりびと」を「築地魚河岸三代目」に変えた。うちの井草秘書が担当で「おくりびと」を奨励したが、当時は解散風が吹いている最中、もしかすると映画会が決起大会を兼ねるかもという状況で私はまだ観ていなかった「おくりびと」では馴染まないだろうと決めた。結局、映画会そのものが延期になりいずれも幻となったが、その話を滝田監督にすると「決起大会でおくりびとじゃね〜」と大笑い。「でもやっていれば後にセンスがいいと言われたのに」と皆で盛り上がった。

「つみきのへや」は17分のショートフィルムで街が海に沈んでいく中、部屋を上へ上への積み上げていく一人ぼっちになってしまった老人の話。セリフが無い分、環境や家族愛等色々な事を考えさせられる。中学生の総合学習の教材にしてはどうかと提案した。

 今、党内では子供達のキャリア教育の重要性が叫ばれている。ニート・フリーター対策の一環としても技術や資格を身につける事の大切さを見直し、専門高校や高等専門学校が見直しされている。
社会に出たら働くのだと言う当たり前の労働意識を持ってもらう為のキャリアウィークと言う一週間の実働体験も中学生に奨励している。

 「おくりびと」の中で納棺師に偏見を持つ妻は「普通の仕事に就いて」と夫に嘆願するが、やがて心が変わっていく。世の中には星の数ほど職業はあるが普通じゃない仕事、恥ずかしい仕事など存在しない。そういった職業感や社会的価値を涵養してこなかった学校教育を大いに反省し、キャリア教育の充実を図っていきたい。
政治家が恥ずかしい仕事と思われないように。


hagiuda1 at 14:21|Permalink

2009年03月06日

■三権分立

 定額給付金や高速道路の値下げ等の支出根拠となる平成20年度補正予算関連法が、衆議院の2/3の賛成再議決をもって可決した。紆余曲折あったが、この際、経済刺激策として是非地元で消費して欲しいと願う。

 さて、その前日、民主党 小沢党首の公設秘書が政治資金規正法違反の疑いで逮捕されるという激震が永田町を駆け巡った。「西松建設」の海外での裏金作りの脱税事件を捜査する延長で発覚した事案だ。党本部前で図らずも取材を受けた私は「敵失ではしゃぐ雰囲気は党内にない」とキッパリ答え、今後の司法の捜査を見守りたいと考えている。

 驚いたのは小沢氏本人も検察の不当性を訴え、鳩山幹事長や山岡国対委員長に至っては「国策捜査」だと声高に検察批判を繰り返した。これは我国の司法行政の信頼を損なうありえない発言であり、三権分立を否定する事になる。内閣の支持率が低下し、政権交代が現実味を帯びていた追い風の民主党の都合を察すればタイミングが悪い事は想像はつくが、日本の検察が政権党の言いなりになるなら田中角栄元首相も金丸元副総裁も捕まらずにいただろうし、この国の正義も治安もとっくに無くなっているはずで、民主党政権になれば国策捜査ができるとでも思っているのかあまりにも非常識である。既に逮捕された西松側の供述や証拠を持って時効との関係も加味し、決断をした事であり、既に長野では本件に関して自殺者が出ている事も見逃せない。民主党のみならず、我党にも同様の団体からの寄附が確認されている方もいるので、それぞれしっかりと説明責任を果たして欲しいと願う。

 確かに政治に金がかかることは否めない。ひも付きの政治資金が贈収賄の温床につながった事から、政治家個人への企業献金を禁止し政党助成金制度が創られ、だだっぴろい中選挙区制が小選挙区に変わった事で、私のような庶民も国政に参画させていただける事になった点は評価も出来るし、感謝したい。その一方で、政治家個人のキャラクターや政策より、政党で評価される仕組みはこれまた難しいが、前回は我党に風が吹いていたのだから今回だけ批判するわけにはいかないだろう。私の場合、大きな政治資金は政党からのみで、あとは地元の皆様の心のこもった浄財で活動し戦っている。先日のセミナーにも年金暮らしのお年寄りが欠席にもかかわらず会費を届けてくれた方もいて、ありがたいやら、申し訳ないやら。八王子の皆さんの思いを背負って政治をやっている尊さ、政党の違い、政策の違い、そして覚悟の違いを知っていただけるよう、引き続きの努力を誓う。


hagiuda1 at 17:50|Permalink