2020年05月

2020年05月29日

■第2次補正予算

 閣議では一般会計で約31兆9千億円を含む事業規模約117兆円にのぼる第2次補正予算案を決定しました。第1次補正では行き届かなかった家賃支援をはじめ、文科省所管では学校再開に向けた「学びの保障」に必要な人的・物的体制支援、経済的な影響を受けている学生等を支援する「学びの支援緊急パッケージ」、大学や研究者への支援、研究基盤の強化、コロナ対策の最前線で頑張る大学附属病院の支援の予算を計上しました。特に真っ先に自粛で影響を受けた文化・芸術関係者、アスリートに対しては雇用形態が様々で、既存のメニューではダイレクトの支援ができなかった為、フリーランス等の皆さんへの支援策も講じました。又、インターハイや甲子園など全国レベルでの大会が中止となった高校生や中学生の代替県大会等の開催支援を財政的に行い、それぞれ3年間の証を残せる応援を行います。来週以降、すみやかに上程し、一日も早い予算成立と支給を急ぎます。
200529記者会見

 Jリーグや演劇団体など文化・スポーツ業界の皆さんと新しい日常の再開に向けての話し合いが続いています。無観客や客席数をしぼった開催など業界ごとのガイドラインをつくっていただき、大変なご努力をいただいておりますが、従来同様の公演収入が見込めない事はあきらかです。文化芸術・スポーツ活動の継続支援、又再開後の収益拡大のための様々な試みに対し応援をしてまいります。
文化芸術振興議連からの要望の懇談の様子

 八王子市でも皆さんが楽しみにしていた「八王子まつり」「踊れ!西八夏まつり」などの中止の連絡が届きました。一旦、収束に向かったとはいえ、ワクチンや治療薬が存在しない中での大規模イベントはしばらくは難しそうです。来年、笑顔で皆さんとお会いできるよう、ここは我慢をして頑張りましょう。

<おまけの一言>
 国会も終盤を迎え、あわただしくなってきました。文科省は残り2本の法律をかかえ、成立に向け衆・参との日程調整が続いています。明日の予定は今日中には決定できない毎日です。

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2020年05月22日

■夏の甲子園も

 新型コロナウイルスの影響でバイト収入等が激減した困窮学生支援策として「学びの継続給付金」を予備費を活用して創設しました。対象は大学生のみならず大学院生、短期大学生、専門学校生、留学生等に拡げました。国は一定の要件は定めますが、学生の経済状況等を最も承知している学校に総合的判断をしていただきます。その上で学校から申請をいただいたら速やかに支給します。学ぶ意欲のある学生がコロナで修学を諦める事の無いよう他の支援策と組み合わせて、学校と協力をしながら支援を進めます。
5月19日会見2

 春の選抜に続き夏の甲子園も中止となりました。この3年間、仲間と共に夢の舞台を目指して厳しい練習にも耐えてきた全国の高校球児の事を思うとかける言葉が見つかりません。先に決定した秋のインターハイの中止を考えれば野球だけを特別扱いするのは難しかった事は理解できます。一方、地方大会の決勝から全試合を公共放送で生中継をするのですから国民の関心は高く、社会へ与える影響が大きいアマチュアスポーツでもあります。こちらも開催が不透明ではありますが、予定通り国民体育大会が開催されれば、夏の甲子園のベスト8と開催県の代表、いずれも該当しないブロックから3校の計12校に出場権が与えられます。高野連が地区大会については実施を検討しているとの報道もありますので、仮に収束が進めば、何らかの形で3年生の努力の証を残し国体代表も選考しなくてはなりません。インターハイや総合文化祭での大臣杯と同様の支援策を関係者と相談したいと思います。

 アラブ首長国連邦(UAE)のアル・ハンマーディ教育大臣、アル・カアビー文化知識開発大臣とそれぞれテレビ会談を行いました。会談では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う学校の臨時休業についての取組のほか、両国の学生交流や文化事業への長期的影響、支援策について意見交換し、引き続き進捗状況を共有していくことを確認しました。
UAE会談

<おまけの一言>
 残る緊急事態宣言は東京、埼玉、千葉、神奈川と北海道の5都道県となりました。学校再開をはじめ文科省としても全省あげて課題に一つ一つ対応しています。一日も早い宣言解除に向けもうひと頑張りです。

国大協
※国大協などからの緊急要望

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2020年05月15日

■一部解除

 緊急事態宣言の解除が東京・大阪を中心とした8都道府県を除く39県で発出されました。学校再開は地域の感染者数等それぞれの事情に照らして行う事となりますが、直ちに全ての児童・生徒が学校に戻るのは難しい状況です。まずは段階的な対応をしていただき、子供達の心のケアや健康状態を確認の上、生活リズムを再起動しなくてはなりません。第2次補正予算では前例にとらわれないマンパワーを学校現場へ投入して、学びの保障と一日も早い日常を取り戻していけるよう全力で臨みます。

 水泳の瀬戸大也選手、卓球の水谷隼選手などアスリートの皆さんとテレビ会議で意見交換を行いました。緊急事態宣言の延長で都内にあるナショナルトレーニングセンターも一般のスポーツ施設同様の使用中止が続いており、日本代表選手だけを特別扱いする事もできず、関係者も頭を痛めています。フェンシングの見延和靖選手のように、競技によっては併設されるハイパフォーマンススポーツセンターの器具を使わないと十分な練習が出来ない実情もお伺いしました。バレーボールの荒木絵里香選手はママさんアスリートとしても有名ですが、子供が休校中で母親としても大変な日々を送っているとの声を届けてくれました。それぞれ厳しい環境の中でも来年を目指し頑張っている皆さんに、学校や図書館同様、感染予防策を講じた上で少しずつ施設の再開を試みたいと思います。
アスリートとの意見交換2トップアスリートとの意見交換

<おまけの一言>
 コロナ禍で困窮する学生への支援を大至急とりまとめ、調整を進めています。今年度からの新支援制度や既存の奨学金制度等も活用し、各学校ごとの支援努力とあいまって学ぶ意欲ある学生が進学・就学を諦める事のないよう支援を急ぎます。

自民党からの要望
※自民党からの要望

大学入試のあり方に関する検討会議
※大学入試のあり方に関する検討会議

日曜報道THE PRIME
※日曜報道THE PRIME


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2020年05月08日

■学びの保障

 連休中に開催された新型コロナウイルス政府対策会議では専門家会議、諮問委員会の提言を経て、今月末までの緊急事態宣言の延長を正式に決定しました。一方、地域の感染拡大状況やリスク低減策に配慮した上で学校、公園、美術館、図書館等の施設の限定的再開方針が示された事から、職員の皆さんには休日返上で準備に取り掛かっていただきました。宣言発令後の国民の皆様のご協力で感染者数は減少傾向にあるのは間違いありませんが、ここで気を抜けば元の木阿弥です。14日頃にはその時点での検証が行われるようです。もうひと踏ん張りです。

 一部の自治体では学校が再開する一方、引き続き休校が続く自治体もあり、児童・生徒の学びの保障への対応は重大局面です。長期休業の短縮、土曜授業の実施、平日の補習など授業時間確保策は様々検討されています。ただ、体育祭、修学旅行など学校行事や課外授業は真っ先に見直しの対象となり、部活動は再開できたとしても既に中・高共に全国大会等は中止が決定し、先が見通せません。学校教育は授業をこなすだけではなく、集団や対面で好きな事も苦手な事も様々な活動を通じて人間力を育む場です。特に最終学年の高3・中3・小6の皆さんが残された時間の中で充分な学びの保障が叶えられるのか?家庭学習でも力をしっかりつけて先に進みたい生徒もいれば、どうして良いのか不安一杯の生徒もいる事と思います。未曽有の事態をどう乗り越えていくか、何が児童・生徒にとってベストかを常に考え、今後の対応を深めてまいりたいと思います。

<おまけの一言>
 フジテレビ日曜報道THE PRIMEに生出演します。
5/10(日)7:30〜8:55
テーマは新型コロナウイルス感染拡大が招いている教育現場の諸問題です。


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2020年05月01日

■緊急事態宣言延長へ

 令和に元号が変わり1年が経ちました。
希望に満ちた新しい時代の到来を国民皆様と祝賀ムードで迎え、皆が前向きに事に当たっていたはずなのに、まさか一年後にこのような困難に日本のみならず世界中が直面する事となるとは思いもよりませんでした。しかし、私達の先人もまた、いくつもの感染症と戦いながら知恵と勇気でその都度、国難を乗り越え、私達にバトンをつないできました。ここは私達も協力して一日も早い収束に向け頑張るしかありません。新型コロナウイルス感染症は未だ収束状況にあらず、緊急事態宣言は一定期間延長される見通しです。一方、専門家会議からは長期戦をにらみ、学校や公園など子供の居場所の制限の緩和について言及がなされ、地域ごとの感染の広がり方をみながら、学校における感染およびその拡大のリスクをできるだけ低減した上で、学校の活動の再開について検討することが必要との判断が示されました。
これを受け、文科省としては人数を絞った数グループの分散登校など段階的な再開の目安を示しました。又、休校が長期化すると学びの機会を保障するためには、長期休業の短縮、土曜授業、放課後の補習など子供達への負担増が予想されます。同様に授業時間確保の為の学校行事の見直し等で体育祭や文化祭、修学旅行の中止などが検討される事は否めません。その大きな解決策の一つと浮上しているのが「9月始業」です。確かに全国一律に9月から仕切り直せばこういった問題を解決できる可能性はあります。しかしその為には社会全体で価値観を共有して取り組んでいただかなくてはならず、文科省内で完結する簡単なテーマではありません。限られた時間の中で検討を同時並行で行わなくてはなりませんが、まずは子供達のことを第一に考え慎重に対応します。

 新型コロナウイルス感染症対策で最前線でご努力いただいている病院のうち、文科省が所管する大学病院を視察に伺いました。都内で最大数の重症患者を受け入れていただいている東京医科歯科大学附属病院では歯科などの診察も原則中止し、関連の医療従事者を本院へ廻し、限りある人工呼吸器やECMOを最大限に活用しながら全力で臨んでいる姿に頭の下がる思いでした。東京女子医科大学病院でも駐車場のテント外来を構え、院内感染防止を徹底しながら通常の外来や緊急の受け入れも続けていただいています。いずれもコロナ対応でベッドをフル稼働できず、赤字を抱えながらの運営には支援が必要です。一方、コロナ対応をしていない大学病院に批判の声もありますが、緊急受け入れを止めざるを得ない病院の受け皿として医療崩壊を防ぐ別の役割を果たしている実態も改めて認識しました。医療関係者が財政的な心配なく専念していただける環境を守っていけるよう文科省で取り組みます。
医科歯科医科歯科2 (2)
医科歯科3 (2)東京女子医大病院1
東京女子医大病院2 (2)






<おまけの一言>
 初めてリモートシステムでのオンライン閣議が行われました。閣議書への署名は後ほど筆で行いましたが、大きな混乱もなく無事終了しました。
テレビ閣議 (2)


歴代大臣申し入れ (2)
※歴代大臣申し入れ


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