オトナになったなぁ、と思う瞬間。
2007年08月16日
お久しぶりです。ただいま新潟へ帰ってきているところです。
私の地元は成人式がお盆の時期に行われます。そんな訳で昨日は成人式に出てきました。
夏休みの日記はまた後日にまとめて・・・
電通が毎年募集をかけているクリエーティブ塾。クリエーティブ塾関西の方に応募しましたところ、一次予選を通過しまして、この間CRテストと面接も受けてきました。ただいま結果待ちでございます。
さてさて、一次予選の課題が「オトナになったなぁ、と思う瞬間をショートストーリーにする」というものでした。
私の書いたショートストーリーをアップしてみることにします↓
「あ、という間に返されて。」
ぱち、また、ぱち、と五月のかわいた空気にオセロを返す音が響く。
「オセロやるのなんていつぶりだろうね」
「さぁね。うーん、結構悩むね、これ」
「早く返しなよ」
「オトナげ無いな。少しくらい待ってよ、今返しますから」
ぱち。白と黒が入れ替わる。
「大人げ無いも何もさ、オセロやってる時点であんまりオトナじゃなくない?」
「いやいや、仮にわたくし達がおとなであったとしても、幼少の気分に戻ることが大切よ、うん」
ぱち。黒が白を飲み込んでいく。
そもそも、この二人が何故今オセロをしているのかと言うと、G.W.で地元に帰ってきていた事から始まる。二人は二十を迎えたばかりの歳であるが、子供の頃どんな事をしていたっけ、という話になったのだ。そうして棚をあさっていたところ、オセロが出てきたのだ。
「オトナってなんだろうね」
ぱち。ぽつりとつぶやく。
「うーん、オセロみたいなものじゃない?」
「オセロ?」
「そうね、今この盤面には白が十八個、黒が十個あるよね。
白が子供の部分だったとして、一気に黒になる訳じゃなくってさ、ちょっとずつちょっとずつなっていく訳ですよ、オトナってやつに。」
「いつかは必ずオトナになるって訳?」
「オセロって一度黒になったとしても、また白に返されたりするじゃない?そんな感じに、オトナと子供の境目なんて曖昧なんじゃないかな」
二人の対戦はいつの間にか局面を迎えていた。白と黒、子供とオトナが混じり合う世界。
空いている席はあと僅か。
ぱち、また、ぱちと二人はオセロを返し合う。
「あ」
最後の一席を埋めた時、それまで白が多かった盤面が、黒で埋め尽くされた。
二人は顔を見合わせて、プ、と笑う。
「オトナになってしまいましたねぇ」
私の地元は成人式がお盆の時期に行われます。そんな訳で昨日は成人式に出てきました。
夏休みの日記はまた後日にまとめて・・・
電通が毎年募集をかけているクリエーティブ塾。クリエーティブ塾関西の方に応募しましたところ、一次予選を通過しまして、この間CRテストと面接も受けてきました。ただいま結果待ちでございます。
さてさて、一次予選の課題が「オトナになったなぁ、と思う瞬間をショートストーリーにする」というものでした。
私の書いたショートストーリーをアップしてみることにします↓
「あ、という間に返されて。」
ぱち、また、ぱち、と五月のかわいた空気にオセロを返す音が響く。
「オセロやるのなんていつぶりだろうね」
「さぁね。うーん、結構悩むね、これ」
「早く返しなよ」
「オトナげ無いな。少しくらい待ってよ、今返しますから」
ぱち。白と黒が入れ替わる。
「大人げ無いも何もさ、オセロやってる時点であんまりオトナじゃなくない?」
「いやいや、仮にわたくし達がおとなであったとしても、幼少の気分に戻ることが大切よ、うん」
ぱち。黒が白を飲み込んでいく。
そもそも、この二人が何故今オセロをしているのかと言うと、G.W.で地元に帰ってきていた事から始まる。二人は二十を迎えたばかりの歳であるが、子供の頃どんな事をしていたっけ、という話になったのだ。そうして棚をあさっていたところ、オセロが出てきたのだ。
「オトナってなんだろうね」
ぱち。ぽつりとつぶやく。
「うーん、オセロみたいなものじゃない?」
「オセロ?」
「そうね、今この盤面には白が十八個、黒が十個あるよね。
白が子供の部分だったとして、一気に黒になる訳じゃなくってさ、ちょっとずつちょっとずつなっていく訳ですよ、オトナってやつに。」
「いつかは必ずオトナになるって訳?」
「オセロって一度黒になったとしても、また白に返されたりするじゃない?そんな感じに、オトナと子供の境目なんて曖昧なんじゃないかな」
二人の対戦はいつの間にか局面を迎えていた。白と黒、子供とオトナが混じり合う世界。
空いている席はあと僅か。
ぱち、また、ぱちと二人はオセロを返し合う。
「あ」
最後の一席を埋めた時、それまで白が多かった盤面が、黒で埋め尽くされた。
二人は顔を見合わせて、プ、と笑う。
「オトナになってしまいましたねぇ」