一生、学び屋

2007年12月15日

gintacatさんのブログにて「人はなぜ働くのか」というエントリーがありました。

gintacatさんは、塩野七生さんの「ローマ人の物語」の引用を用いて、
「働く」ということは人間が人間らしく生きていくために必要なことなのです。人間にとって、自分の「働き」を(一般的には報酬という形で)誰かに認めて貰うという事が、なにより必要なのです。
と説いています。

私は中学生の頃からデザイナーになりたいと思っていました。
正直の所たぶん職業はなんでもよくて、社会に出て自立をしたいという気持ちが昔から強い子供でした。その上で、デザイナーならば自分が社会に出て認められる分野だと思ったのです。(情報を整理して、どのように見せるのかといった事を考える行為)
ここで言う認められるは有名になるとか、タレント性のあるといった事ではなくて、働く事そのものです。
中学校までは義務教育であるし、高校も感覚としては行かなくてはならないものという人が多いと思います。大学に至っても、高校卒業後にすぐに働く気になれないから、という理由の人が多いと思います。そうした学生生活であれば、そこに自分の籍はあるかもしれないけれど、自分の存在意義などとても見つけられないと思うのです。存在意義は与えられるものでなくて、自ら見つける自発的なものです。

一方、働くという行為は、そこに働くという意思がなければ成り立たちません。
つまり、社会に出れば周りはみんな意思のある人たちであるという事に私は大変な魅力を感じていました。(働く目的は人それぞれだと思うけれど)
働くという「意思」=自分の「意思」。
自分の意思があってこそ、初めて自分の存在意義が見つかるような気がしてずっと働きたいと思ってきました。

動物的には、息をしていれば確かにそこに存在しています。
けれども、社会の中においてはただ息をしているだけではスルーされてしまいます。社会とどう関わっていくのか、社会でどう存在するのかをいう事を考えた時に、働くという行為は必要なのだと思います。

ところで、私は一生学生でありたいと思っています。
自分の意思=存在意義であるとするならば、学び続ける事もまた存在理由になると思うのです。

誰もが一度は聞いた事があるとは思うけれど、「学生のうちは勉強をする事が働く事」だという言葉。小学生の頃、なんでなんで?ってずっとこの言葉がひっかかっていたように思いますが、今ならなんだか分かる気がします。


一生、学び屋

(このエントリー、下書きのまま5日程放置してました。森博嗣さんのブログみたいだ。)

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コメント一覧

1. Posted by omen   2007年12月15日 14:26
今回はなんか哲学的でございますね、働くということに関して特に考えたことなっかったのでむずかしいです。
存在意義に関してはよく考えます、が、あいまいです。理想と現実ってやつですよ。
最近は勉強以外に頭に入れることが多くて、この前は頭の中がごちゃ混ぜになってしまいました。
あ〜あ、クリスマスなんて嫌いだー!
2. Posted by 灰色ハイジ   2007年12月16日 15:37
omenさん>>
学校での勉強以外でも、「学ぶ」ことはあります。
クリスマスに何があるのか分かりませんが、その勉強以外で頭に入れることも、一人の人間として大切な学びですよ

・・・と別に私は教えを説けるような人間ではないのですがw

私の場合、学校にあまり興味が無いので、働くという事に関心があるのかもしれませんね。
3. Posted by ゆかり   2007年12月16日 21:13
ほぁ〜、わかるなぁ〜。一生学び屋。でもわたしはそこに働くって考えがなかった。ずっと研究員?みたいなのがいいと思っていました。学者とか。でも頭がおいつかなかった…
たぶんわたしの「学び」が外に還元するためのものじゃないからだと思う。それでは全くいかんのですけど。でも自分のための学習をしたいし、研究をしたい。

もしかして仕事向いてない!?どひゃー
4. Posted by 灰色ハイジ   2007年12月16日 21:39
ゆかり>>
「学生のうちは勉強をする事が働く事」とあるように、研究をする事も働く事だと思われ。
必ずしもお金をもらう為に動く事が働く事じゃなくって、
学者さんにとっては学ぶ事が働くって事なんじゃないかな(というかまぁ普通研究員とかならどこかに属して対価は頂くと思うけれど・・・)

たとえ、学ぶ動機が外へ還元する為じゃなかったとしても、いずれ学んだ事が社会に出た時に使われる時が来る事もあるんじゃない?
5. Posted by gintacat   2007年12月17日 13:24
一生、学び屋。
これからの若い人には、絶対必要な覚悟です。
頑張りましょう :-)
ゆかりさん、
ずっと何かを研究することも「仕事」なんですよ :-)
知識を生産するという仕事です。
先人の仕事の上に、新たな価値を創造し、次の世代に伝えてゆく。そういう形で、社会と関わる仕事なのです。
お金の流れはまた別の話。(切実だけどね)

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