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今回はDREAM THEATERのヴォーカリストであるジェイムズ.ラブリエのソロについて紹介したい。

今年出たBEAUTIFUL SHADE OF GREYである。

これはジェイムズのソロのアルバムのコレクションとしては3枚目になる。

本家のDREAM THEATERのアルバムの2枚よりも多い。

DREAM THEATERのアルバムで所有しているものは、IMAGES AND WORDSと次のAWAKEのみだ。

他にも何枚か買って何度も聴くも感動できず、いつしか中古盤屋やネットオークションで売ってしまったのだ。

AWAKE以降は、ネットでアウトレット扱いにされていたアルバムを1000円位で買って何度も聴くも感動できなかったのだ。

私は、あの超名作IMAGES AND WORDSのあまりに素晴らしい出来のアルバムに耽溺し、何十回も聴いてしまったのだ。


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IMAGES AND WORDS


どれも素晴らしいプレイヤーのバンドであるが、特に素晴らしいのはジェイムズの声だろう。

声域が広く、要所要所で最適の音域でトーンを上下させる能力が半端ないのだ。

そのあまりの上手さにため息が出るほどだった。

特にあの名バラード“Another Day”でのシンガーぶりには誰もが感動してしまうし、この声で感動できない人は、他の一切の音楽を聴いても感動できないんじゃないの?と言いたくなるほどの素晴らしさだ。

これほど感動したアルバムなのだから、このバンドは半永久的にファンになるんじゃないか、と正気に考えていた。

しかし、そうはならなかった。

AWAKE以降のアルバムは、どれも音楽も、演奏も素晴らしいのだ。

しかし、感動してしたことがなかったのが不思議であった。

好調にアルバムも売れて、日本での公演も日本武道館公演も実現し、LOUD PARKでもトリを務め、今年のDOWNLOAD FES JAPANでもトリを務めた。

しかし、私は行かなかった。

なぜか?

それは、ジェイムズが、作詞をしていなかったからだ。


ジェイムズ.ラブリエ


このバンドは、ギタリストのジョンぺトルーシが作曲と作詞をほとんど全部書いてしまうために、ジェイムズが作詞できない、というのがこのバンドの了解なのだ。

ゆえに感動できないのだ、このバンドは私にとって。

他人が書いた歌詞を歌っても、そこに100%の感情を込めるのはやはり無理なのだ。

それゆえに、どんなにジェイムズが上手く歌っても感動できなかったのだ。

しかし、そういう場合でも1回か2回はマジックが効く場合がある。

FAIR WARNINGもトミー.ハート(Vo)は一切作詞をしないが、感動できるアルバムができた。

それがデビューアルバムだ。

これには聴きまくった思い出があるが、2枚目以降は一切感動できなかったので、2000年以降は買ってもいなし聴いてもいない。

そして、DANGER DANGERテッド.ポリーがバンド内の政治的な理由で作詞ができないので、心底感動できたのはデビュー作のみで、それ以降は全然感動できないので、買ってもいなし聴いてもいない。


ともに作曲やプレイは素晴らしいのだが。

やはりシンガーが作詞をすることが一番重要なのだ、私にとって。

そうでなければ感動できないから仕方がないのだ。



偏屈、異様といわれても、それでなければ聴けないし、変えようにも変えられないから仕方ないのだ。

やはり音楽たるもの、作曲やプレイの素晴らしさも大事であるが、こういうことも大事なのだ。

そういった点を考えると、ジェイムズのソロアルバムは、私がファンになる要件を満たしている。

作曲も素晴らしく、演奏もよく、歌もうまい。

それでいて、シンガーが作詞をしているということだ。


ゆえに、私はDREAM THEATERのアルバムよりも、ジェイムズのソロアルバムの方をこよなく愛聴するのだ。

こういう珍しいスタンスの音楽ファンは私以外にもいるだろうか?

何はともあれ、今年出たジェイムズのソロアルバムをご紹介したい。


●“Devil In Drag
  ↓




派手さのない曲は、やはり印象に残りにくいのが現状であるが、そこで心を意図的に音楽に向けると、その歌い手のソウルが認められるはずである。

しかし、そこでそれが認められないならば、それはその歌い手が歌詞を書いていないでいる可能性が高い。

私は、このソロアルバムを聴いているときに、最初の素朴で朴訥な“Devil In Drag”を聴いているうちにそんなことを発見したのだ。

次の“Supernova Girl”や9曲目の“Am I Right”もそうだ。


●“Am I Right
  ↓




森林を目の前に牧歌的な雰囲気満載のこの曲にも、そのことがわかる品位が満載だ。

派手さがないものの、薄い印象に聴き後になってしまうが、意図してCDをかけて聴くと、やはり「この曲が聴けてよかった!」と思う。


その思いは、4曲目のバラードの“Sunset Ruin”を聴いてさらに強くなる!



悲哀観たっぷりのバラードで、休日の憩いの際に聴くのに最適だ。

IMAGES AND WORDS』収録の“Another Day”のような明るいバラードも創造できれば、このようなバラードも創造できるのだ。

素晴らしい才能だ。

カナダの広大な雪山を見渡しているような壮大感たっぷりな“Wildflower”などもやはり憩いのミュージックとして心底心奪われる感じだ。

確かに今回のソロ作品は、DREAM THEATERのような激しさはないし、大人し目な印象を受けるが、テンションの起伏はグッドなタイミングでなされている。

ゆえに、インパクトは薄くとも聴きどころは多く存在する。

派手な曲はないがゆえに、その良さを認識するのに聴きこみが必要となる可能性はあるが、その良さを認識したら、ずっと虜になる可能性が大きい。

AORと一緒だ。




このアルバムで一番の激しい曲が、アコースティック曲である“Ramble On”であるのは実に皮肉だ。

HRHMのようなヘヴィな音楽と生活するのに慣れている人には、なじみのない作業であるが、それは物は試しでしてみるのがいいだろうと思う。

1回だけ聴いて好きになることだけが楽しみ方の王道ではないはずだ。

このアルバムのために用意した曲が全体的に静か目のものが多かったゆえに、オーガニックな感じのアルバムに作ったのだろう。

それに合わせるように最初の“Devil In Drag”もアコースティック色が強い。

しかし、そのエレクトリックヴァージョンがこのアルバムの最後に収められているがゆえに、アルバム1枚通して聴くに最高の気分で終えることができるのだ。



私がジェイムズのソロとして集めたCDは、この作品が2枚目である。

そして彼のプロジェクトであるMULLMUZZLERを併せると計3枚になる。

DREAM THEATERのアルバムで今も所有しているのはIMAGES AND WORDSAWAKEの2枚だけである。

ということは、DREAM THEATERのCDの数よりも、ソロの数のほうが多いということだ。

ソロはこれからも買い続けるが、DREAM THEATERのは買うつもりは全くない。

実に奇妙なスタンスであるが、DREAM THEATERのCDは感動できないから仕方ないのだ。

しかし、のんきなことは言ってられない。

昨今のCDの販売数は半端ないので、目立つことが難しいがゆえに、うかうかしているとジェイムズのソロは廃盤になり入手できなくなる可能性が高い。

早く買わなくては!(笑)

※参考ページ

eurokennes.blog60.fc2.com




●このBEAUTIFUL SHADE OF GREYは以下よりどうぞ!
  ↓
James Labrie ラブリエジェイムス / Beautiful Shade Of Grey
by カエレバ


●以下のサイトでも取り扱っています。
  ↓
タワーレコード

【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD


今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

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