2012年12月




 授業が終わり、帰りのHRも終わった。中学生にとってこの瞬間が最大の開放感に満たされる。HRが長引いたりするとどうしても、その長引く原因の生徒に苛立を覚えたりする。この15分が異常に長く感じるものだ。横山少年も待ち遠しい放課後を今か今かと仰望している。先生が帰りの挨拶を告げると、横山少年は一目散に廊下へ出た。
 雪の感触を誰よりも早く踏んで確かめたい。その一心で廊下を走る。途中、急ぐあまり女子生徒とぶつかって突き飛ばした。外の世界への好奇心から女の子へのブレーキがきかなかったのだ。ドシンと尻餅をつく少女。廊下にカバンの中身が散らばる。教科書、プリント、えんぴつ、消しゴム。横山少年に向けて睨む目つきで威嚇した。
 拾ってやる手間が億劫になり、「う¨ぅう¨」と唸って、睨みつけ逃げるように階を下り、一つ飛ばしで階段を降りていった。昇降口の下駄箱で上履きと外履きを持ち替えて、外履きを地面に叩き付けて素早く履き外へ出た。

 もう何人分かの足跡が残っていた。横山少年は、まだ誰も踏んでいない雪を、まだ足跡がついていない雪の道を見つけてそこへ足を置いた。自らの体重が熱を持ったかのように雪を解かし、そこに自分の靴の跡が残る。何歩か歩いてすぐ振り向く。そこには自分が歩いて来た軌跡がまだ鮮明な白さとして残されていた。また、何歩か歩いて振り向く。ズシっズシっと確かな音が足から耳に伝わる。耳からではなく足から伝わるその音を聞くと得も言えぬ快楽へと変わる。
 学校の敷地から出た。そこは、誰にも邪魔されない自分だけの世界。いや、銀世界だ。下校が唯一の楽しみ。そして今日は雪というおまけつき。なんて素晴らしいんだろう。
 足の裏から確かな冷たさが伝わってきた。


横山少年「う¨ぅう¨」


 うんざりする程冷たいその雪はいずれ痛さや痒さへと猛威を振るって自分に仕返しをしてくることを思い出した。靴からは水っ気が伝わってくる。もう靴下にまで浸透しているかもしれない。こうなったらもう手遅れ。仕方ない。気にせず帰路を楽しもう。
 ズシっズシっと何歩か歩き振り向く。何歩か歩き振り向く。そうすると嬉しさがこみ上げて来る。足跡は消えずに見えるのだ。普段のコンクリートの地面ならけしてあり得ないことが起こっているのだ。周りには誰もいなかったのでこの作業に集中できた。今ほど幸せな時間は過去にはなかったかもしれない。横山少年はそんなことを思いながら雪道を楽しんだ。



 季節は冬。中学校の社会の授業中。中学3年生の横山緑は、教師が三権分立について説いてる中退屈そうに机に肘をつきおぼろげな目つきで黒板を見つめていた。教室内はうんざりする程の暖房が効いており、中には学ランを脱ぎ、Yシャツ姿の生徒も何人かいる。少年横山は、端正に学ランのボタンを全てとめて、ホックまで締めている。たまに聞かれる苦しくないの?という質問が自己を猛烈に表現した気になり嬉しさがこみ上げる。他人から「変」と言われることが最高の褒め言葉だと自覚していた。
 ふと窓を見やると一面に音もなく真っ白な世界が広がっていた。家々の屋根には雪という化粧を施し、大変綺麗な風景がある。普段見慣れた退屈な世界とは一変し、素敵にコーディネートされたその銀世界を横山少年はひどく好んだ。
 なんとなく子どもに戻れる時があるとすれば、まさに冬のこの瞬間だった。実は誰よりもこの日を待ち望んでいた1人だった。
 教室が騒がしくなり始めた。クラスのお調子者の1人が、雪だ!と囃し立てたのだ。授業は束の間中断され、室内も談笑がゆるされた。教師も満足げな笑みを浮かべて窓の外を一緒になって見つめた。

 横山少年はその光景を忌み嫌った。自分だけが知っていた世界が他者に共有された時点でこの喜びは他者のものへと変換されるのを知っているからだ。
 天からの自分だけへの贈り物は「みんな」という集団個人へシフトされる過程がたまらなく嫌いなのだ。美しい世界もどこか澱んですら見えた。
 横山少年は雪が積もった後、地表には自動車のタイヤが連れてきた泥とドッキングされることによって茶色いいやらしい色へなることを思い出した。そして、この雪というものを大人が酷く嫌っていることも思い出した。


横山少年「下らない。先生、授業を続けて下さい」


 喜びに包まれた教室内で、本来の使命を忘れてしまった教員に一喝を入れて席についた。窓の外の雪を尻目に、退屈な黒板へと視線をうつした。教師も、返す言葉もなく、はしゃぎきった生徒達に席に着くように言った。

ーーー芸術家としての「生主」様1人にスポットライトを当ててクローズアップする、都合により通話で言ったことをメモしたものを書き留めたものです。



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Q、配信を始めたきっかけを教えて下さい?

Juke:12年前、とある掲示板でネットラジオなるものが出来るぞ!という書き込みをたまたま発見しました。ぼくは子ども(ラジオ世代なので)の頃から「ラジオDJ」に憧れていた夢がありました。ラジオの真似事がネットで出来るのか!やって見ようかと思って始めたのきっかけです。


Q、永井先生とともニコ生に突如現れたJukeさんですが、以前から配信をなさっていたとか?


Juke:はい。配信でもちょこちょこ話していたんですが、実はぼくはウナより配信経験があるんですよね。今から12年前2000年から、アメリカの「live365」という配信サイトで配信をしていた。当時は日本の配信サイトというものがありませんでした。今ニコ生にいる生主の中でも最古参という自負はあります。


Q、当時(live365時代)から有名でしたか?

Juke:規模も50人前後でしたよ。しかし、今のニコ生に換算すれば100倍はあるだろうと一般的には言われいます(ピアキャストの有名配信者、佐々木さん曰く)。
。当時、光回線がなかった時代のためADSLで回線を繋いでいた時代だったので、「配信民」自体も少なかったですし。


Q、ニコ生に現れた当初は、言ってしまえば目も当てられない程、「煽り耐性」がなかったJukeさんです。しかし、私の中ではだんだん、だんだんと面白くなっていく、言わば成長の軌跡を見ることが出来る唯一の配信者でした。やはり何か心の変化というものがあったんですか?


Juke:心境と変化というよりはむしろ、場数をこなしていく中で、配信者として成長していくという実感は正直ありました。リスナーさんたちのツボを知ってきたんですね。こういうことをすれば、「二コ厨ども」は喜ぶというポイントが分かってきました。最初に現れた時は、ポッと何もかも分からない中で二コ生にやってましたが、だんだん分かってきたんです。


Q、新日暮里時代に新宿で横山緑さんとお会いした時の印象は?


Juke:彼はね、常に実生活の全てにおいて、目をぎょろぎょろさせながら、配信の「ネタ」になるようなことを探す姿勢があるんですよ。
一例をあげますと、カラオケボックスのメニューの中に「かき氷」を頼んだんですよ。でも実は放送の前の段階で、「健康マニアの俺が着色料(発がん性物質)の入ったかき氷を食べるとネタになるから注文して食べように勧めてくれ」と打ち合わせをし、配信にのぞんでいたんですよ。
(彼の)人生の全てが「配信」なんだなと強く実感しました。
そういう点、彼はうまいなぁと思いました。


Q、悪魔のQP、ウナちゃんマン、JUKEと一気に「アウトロー生主」の仲間入りを果たしたJukeさんですが、そう聞いてどう思いますか?


Juke:(そのつもりは)全くないです。ウナ、QPは乞食をしたり、リアルでも恫喝(QPさんのそういう噂もあるとかないとか)したりしていますが、ぼくの場合は100%エンターテインメントです。
どっちかというとぼくは、そういう立場の人間をおちょくって遊んでいるいやらしい立場の人間ですね(笑)。


Q、以前に比べ最近配信があまりしていないようですが、今後も配信頻度は減っていきますか?


Juke:リアルが忙しいとどうしても出来ないですね。ぼくは、リアルを大切にしようと切り替えた時は、絶対に趣味に時間を注がないんです。絶対にです。なので、配信をしないだけではなく、一切放送も見ませんしね。もっと言ってしまえば、この8月から最近まで「一般会員」でしたし。なので、今後も、リアルを大切にしようと思ったら、「休止」しますし、またやってもいいかなと思った時は戻ってきます。


Q、それでは、引退詐欺とはなんだったのでしょうか?

Juke:引退詐欺って言いますけどねぇ。
ぼくは「引退」という言葉は使わないです。これはプロが使う言葉なので、ぼくにとってこの言葉は強烈な違和感があるんですよ。
プロはきっちりする必要があります。引退と言ったら中々簡単に復帰は出来ません。対してぼく(ら)は趣味ですので、簡単にこの「引退」行為が出来ます。確かにぼくは過去に何度か「やめます」と言ったことあります。
しかし、遊びなので、「これ」の何が悪いの?という感じですね。好きな時にやって、好きな時にやめれます。



Q、では、Jukeさんにとって「エンターテインメント」「遊び」とは?


Juke:
言葉通りの意味ですね。自分の好きなことを好きな時にやるを大前提として、でも、人に迷惑のかける行為はなるべく慎むようにするべきですけどね。
例えば、最近は乞食多いですよね。彼らは、放送を利用して得た知名度を維持しない限り「乞食」が持たないです。それを怠ることは言ってしまえば死活問題です。
ぼくの場合は、ニコ生は「趣味」なので好きなタイミングでする(やめれる)んですよ。
だから無理も、義務感も全く感じていないです。



Q、「顔出し」は今後ありますか?


Juke:
その場、その場の気分でやりますので今後予定はなきにしもあらずです。明日かも知れないし、一週間後かもしれないし、1年後かも知れないけどいつか顔出しする可能性は大いにあります。
ぼくは、古い人間なのでネット上で顔を出すことはバカのやることだと思っていたけど、最近はFacebook等の普及により、以前よりは嫌悪感は薄らぎました。
二年前の自分だったら100%しないと言っていたんでしょうけどね。


Q、Jukeさんの「声」には特徴があります。リアルで生活していく中で、「Jukeさんですか?」と声をかけられた経験はありますか?


Juke:あります。今まで3、4回くらい。ホステスに「Jukeさんですよね?」と声をかけられたことがあるんですよね。その時は包み隠さずに「はい。そうなんです。ニコ生見るの大好きなんですよ」と言いました。
また、リアルでネットから会う人は、ネットとリアルの線引きがしっかり出来る人に限られています。


Q、れんにゃん騒動でJukeさんが淫行行為に及んだでは?という声がありますが、実際のところどうなんでしょうか?
 

Juke:淫行もなにも会ったことありません。スカイプで何度か話したことはあるけど、会ったことはないですよ。
ぼくと関わっているという理由でアンチが(れんにゃんに)押し掛けてしまったので、ぼく自身は悲しんでいます。なぜなら、彼女は配信者として非常に面白い子なので、僕と関わってしまったことによって、ニコ生から身を引かなければいけなくなったことに関して悲しいです。
今、れんにゃんはニコ生から身をひいてリアルで彼氏か何かできて、楽しい人生を送っていることを望んでいますよ。もちろん、れんにゃんに限らずぼくと関わった人みんな幸せな人生を送って欲しいと思っています。


Q、好きな嫌いな配信者はいますか?


Juke:
う〜ん...今までの質問の中で一番困っちゃう質問だなぁ〜。
ぼくこう見えて人の放送って全く見ないんですよね。
なので、特定の固有名詞は出せないのですが、乞食配信者は大嫌いですね。乞食を目的に配信をしている配信者。
で、好きなのは、長時間ラジオ感覚で見てられる配信者ですね。
でもまぁ、そういう人は女性ではいない。男性雑談配信者が好きです。
でも、たまぁに気に利いた雑談の出来る女の子いるんですよね。レアな感じがして見ちゃいますね。



Q、これは他配信者にも同じ質問をしているのですが、リスナー像についていかがお考えですか?

Juke:最後にして一番難しい質問になりますね(笑)
実はぼくはね、昔から配信をしていても、リスナーさんの顔とか想像しないんですね。なので、ただの「文字」なんですね。ぼくの趣味、価値観が会う人が集まっているんでしょうね。なので、アンチであれ信者であれぼくに興味をもって下さる方。という認識です。





以上 ❤Jukeのレディオ❤ co1267508
ーーーJukeさんのインタビューでした。「遊びを知らない男は二流で終わる」、「たった一つでもいい、”謎”のある男になれ」(里中李生 「一流の男、二流の男 必ず頭角を現す男の条件」 三笠書房 より一部抜粋)十二分に「男」の条件を満たすため男は「遊び」心を持つと言います。まさにデキる男を最大限に具現化させたのがJukeさん。「遊び」を愛している少年の心を持ち合わせた真の「大人」。そんな男の美学に触れて勉強してみませんか?

ーーー芸術家としての「生主」様1人にスポットライトを当ててクローズアップする準対談形式の質疑応答をそのまま載せます。




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Q、配信を始めたきっかけについて教えて下さい



やみん:当時高校生で、声優さんや同人の歌を歌ってる人に憧れがあって、そっち分野のラジオを聴くことが多かったのです。ニコニコ動画がある前からネットで声の活動はしてたんですけどね・・!
私もラジオ形式で何かやってみたいと思っていて、当時私と一緒に活動してくれていた「ガチ兄貴」という生主さんが誘ってくれたのがきっかけです!
最初は二人で配信していましたが、途中からやみん単体として放送するようになり
その頃は凸が流行ってて、顔出しも特にしなかったんだけど枠も少なかったからか初回の放送は満員でした。(といってもコミュレベルが低いので70人程度)
(参照URL:http://com.nicovideo.jp/community/co32634 ガチ兄貴)


 最初から満員なんてすごいですね 当時は女子高生っていうのも珍しかったんですかね?

やみん:最初は女子高生と公表したりもしてなかったです。
幼女先生が凸待ちするよ~みたいなタイトルで、どっちかというと今の声系生主さんのようなノリでした。


 あー では、萌声ですね


やみん:今はそう言うのかなぁ 萌え声とはまた違うような気もします あの頃は萌声というジャンルがなくて、声優志望の なんだろう 声部にいそうなかんじの
ハルヒの声真似やってる子とか多かった!
金田朋子さんによく 似てると言われてました 性格も含めて


 あーー!ケロロ軍曹のラビーさんの方ですか!
 確かに雰囲気似ているかもしれませんね



やみん:そうですね、喋る内容がはたからみると???だったみたいで、そういう部分が似てたんだと思います
私は金田さんのことを知らなくて、調べてみたら 確かに(笑)と納得したのを覚えてます・・!



Q、やみん先生と言えば、まずあの動画(http://www.nicovideo.jp/watch/sm12907816)が挙がりますが、動画UP後の反響はいかがでしたか?心の持ち用などは変わりましたか?



やみん:あの動画を上げる前と後とでは (リスナーの私に対する)扱いが変りました!
上げる前はニコニコ生放送のやみん まったんやさえちゃんと同じようなかんじで 生主さんというイメージだったみたいなのですが
上げた後は、ストーブで転んだ人!!と、どちらかというと生主というよりはニコ動からというイメージになったみたいです 


 そうですね。私もあの動画で やみん先生を知ったと思います。 



やみん:新規の人やリア友は あの動画で有名になったんでしょ?と言ってきますが それ以前に歌い手であったり生主だったのであの動画のおかげもありますがそれ以前もなんとなあく頑張って楽しんでました(´∇`) でも、当時一万八千人だったコミュ人数が動画うp後は三万人くらいになってたのには驚きました!


 3万人はすごいですね!しかも多くの芸能人の目にも触れているとか! 




やみん:知らない間にミクシィニュースやヤフーニュースに載っていて、色んな方から見て頂いて嬉しい限り・・!といいたいとこですが実にまぬけな図なので複雑な思いです><w 



Q、ちなみに同じような関連の動画(http://www.nicovideo.jp/watch/sm19603228)で、ウナちゃんマンも似たような動画があげられていますが、どう思いますか?



やみん:あ!それ大好きです!w
何回も見ました、台詞とかも覚えてて よくニコ生でモノマネさせてもらってますw
 


Q、実は私も「大凶占い」買いました!やっぱり1曲目の「大吉ハッピー」が好きです。やみん先生のイメージにもぴったりの曲調と歌詞でなんと言ってもアルバムのタイトルもうまく調和されていると思いました。そこで、やみん先生自身もアーバンギャルドを好きとのことですが、あれらの曲にもアーバンっぽさが反映されていると私も思うのですが、私だけが感じていることでしょうか?



やみん:ふおお買ってくださったんですかΣ(゜Д゜)!!ありがとうございます!嬉しい限りです!
大吉ハッピーはDanierukunPという方が作曲してくれて、自分がDTM(デスクトップミュージック)を始めるにあたって色々な事を教えて下さった恩師です。実はダニエルさんもアーバンギャルドが好きなんです!w

よく気付きましたねヾ('△'*)!
私が大凶占いを制作しようと思った当時もアーバンギャルドの曲を聴いてたので、何かと影響を受けた点はあると思いますが 箱を開けてみると全くの別物になってしまっています。渋谷系楽曲を盛り込んだりしてみているので、分野が似てるのもあるのかなぁと思いますが、実際の中身には意識してないです。私とだにえるぴーがアーバン好きなのでどことなく影響を見受けられるのかもしれません!
 
(ステマURL:
http://amzn.to/P5r6jz


  一点違うとすればやみん先生の曲には「トラウマ感」(つまり、歌詞や音の過激さ)が薄いという点ですね。ただ、そこもやみん先生の「優しさ」が滲み出ているからこそだと考えています。



やみん:大凶占いはコンセプトCDで、運の悪い少女凶子ちゃんとか なんかデフォルメ化された人間像があるのです。だから、リアルの世界のアレコレを感じることが少ない作品になってると思います! アーバンさんと似てるーって言うのは多分 たとえば エレクトロポップを作ると中田ヤスタカに似てる(Perfume等の人)とか ジャンル(土俵)が同じっていうことかなーと思います


 
 私は曲調もですが、歌詞の文章の「呼吸」に近いものを感じました。



やみん:ふむふむ・・!大凶の収録曲はラストのme-ment以外は作曲を恩師の方々に頼んでいるのでそれぞれの皆さんの良さが作品にでてると思います!色々人によって感じ方は様々ですが自分が発表した作品に関して色々感じて貰えるということはとてもうれしいです。

 
 はい!iPodに入れて毎日聞いています!


やみん:ありがとうございます、本当に嬉しい限りですー!



Q、好きな配信者と嫌いな配信者を教えて下さい。



やみん:以前どこかで聞いたような質問だー!w(暗黒を思い出した・・w)
好きな配信者はちくわちゃんです、もうずっとちくわちゃんです。
嫌いな配信者を聴かれるといつも石川典之だって答えるんですけど 嫌いではなかったりします。
 

 
 ...典「行」です...そんなに嫌いなんですか…?w


やみん:字が違った!w
石川さんは期待の新星さんかのぶながさんなイメージで 未だにフルネームに慣れないですw 


 名前ころころ変えてますからね


やみん:(でも石川さんを)実は特に嫌いじゃあないんです
嫌いな人だれー?って言われたときに
のりちゃんーって言っておくとはずれがないんです のりゆきさんには申し訳ないですが!w


  
あーそういう「いじり」の要素を含んでってことですね



Q、最近のやみん先生は「大凶占い」を含めて、ユーザー生主から「業者(ニコ生を宣伝の場としてのみ利用する)」へと移り変わっている。配信内容も「暇つぶし」ではなく、「宣伝」であったりするのもその「業者」への変化が原因ではないか。という意見(主に緑さん)があるようですがどうお考えですか? 


やみん:宣伝の場としてだけ使ってるわけじゃあないんです
元々やりたかった事を実現するために頑張っているんです
例えばボカロPが配信したり 歌い手が配信したり
絵描きが配信したり
そういう方たちは ボーマスでます、コミケ出ます、作品出します
そうやって発表はしますよね。
私は自分の作品を見て貰いたいと思っているんです 緑さんは私が作品を作り出すことを金儲けだと捉えてると思うんですよ 緑さんがそうですから。
私は楽曲を作り、絵を描き、ライブをして、一人のアーティストになりたいと思っているんです。まだまだ未熟なのでこんなことを言うと笑われるかもしれないんですけどね><
そのために沢山努力をしたりしています。そういう作品を作ったとき 自分の部屋にぽつんと置いておくより 周りの皆さんに見て貰いたいんです
何か創る人なら当然だと思うんですけどね・・。
そういう感じです。 

 
はい。それがまさに「芸術家」です。



Q、これは他配信者にも同じ質問をしているのですが、リスナー像についていかがお考えですか?


やみん:私は放送を始めている当初から、私は幼稚園の先生 リスナーさんは園児としてやっています!w





以上 ◗◖◦。♥ やみんの園 ♥。◦◗◖ co38261
ーーーやみんさんのインタビューでした。今回は彼女の「人間らしさ」に迫ってみようというコンセプトで質問をしていたつもりなのですが、なかなか、人間らしさに触れることが出来ませんでした。しかし、そこが魅力なのだと再認識させられました。私自身も買った「大凶占い」¥1,200とリーズナブルなお値段でぎっしり9曲も収録されています。現代的なエレクトロニカな音に、やみん先生の儚さの篭った声を重ねることで響くそれは、天使の咆哮。顔も声も性格もアイドル気質な天使の歌声を是非聞いてみて下さい。アンチも溶かすあの感覚は天性のものなのでしょうね。年齢不詳のやみん園長大先生でした。やみん先生大好きです。 

…………

いつものプリマベーラの1室。配信をしている部屋。暑苦しい程、轟音をあげて悲鳴にも聞こえるうめき声をあげるデスクトップのパソコン。開かれたページは「ニコニコ動画」。


小学生の自分。怠惰に過ごして来た中学時代。そして、その延長の高校時代。常に付き纏ういじめっ子の姿。煩わしさから選んだ高校中退。夢もなかった。希望も。やり直せるならやり直したい過去。
でも、今の目の前の現実はパソコンと、その隣に置かれた「独裁スイッチ」。
テレビの画面の中のテレビの画面のような、白昼夢の中での白昼夢。その中の、小学生の自分は泣いていた。そして、その隣で支えてくれていたドラえもんという存在。数十年間、全く忘れていた。

そして、消してしまった人たち。まっさらな世界に1人だけ取り残されてしまった。することもない。消してしまった人は戻ってこない。
せめてもの償いだ…




……………
-----独裁スイッチの効果は一時的なもの。消してしまっても本人の意思と連動して消えてしまった人たちは戻って来る。おおむね、そのスイッチの「材料」は反省なのだろう。未来の世界では、「道徳」の欠如を取り戻すための教養装置なのだ。


街には明かりが戻った。ニコ生にも人が戻った。消えた人は全員戻った。


 ちくわちゃんランキング

1 横山緑

2 NER

3 石川典行

4 こざまミラー

5 うんこちゃん


トップ5まで共通のタイトルが付けられていた。
タイトル『ウナちゃんマン追悼枠』





??「智くん。はいるよ」


それは聞き覚えのある声だった。欠落した何十年より以前に会っていた存在。未来から来た智則の将来を変えるために猫型ロボット、ドラえもんだ。


智則「いいよ」


ドラえもん「智くん。今、見ていた白昼夢が君の未来だ。ぼくは君の未来を変えるために未来からやってきたのは知ってるよね?」


智則「うん」


ドラえもん「君が今見たような将来を過ごしたいかい?」


智則「嫌だ!!」


そう言う智則の目には大粒の涙が溢れていた。涙は重力にまかせて下へ滴り、しずくとなって頬を伝って落ちた。


ドラえもん「君はまだ小学生だ。これからでもやり直せるよ。だから、ぼくを信じてほしいんだ」


智則「…うん…うん…ぼく、「ウナちゃんマン」なんて嫌だ。ちゃんとした家庭を築いて、子どもにも奥さんにも信頼されるお父さんになりたいよ」


ドラえもん「大丈夫。大丈夫だよ。智くん」


………

 



 佐野智則の名前はいつだって捨てられることに気がついた。現実に未練がない。仮想の自分を生み出して、「ウナちゃんマン」を師と崇め、自分でない自分に心酔して、やっと生きてる実感が持てた。自分という殻は自分でしか破けない。青い鳥は自分の中にいる。このような言葉の意味自体を履き違え続けた44年間。その重みが今、一気にのしかかった。自分に蹂躙されて、気づかされる。ウナちゃんマンは縋っている自分の弱さを具現化させた自分とは違った自分。
 

本当の自分は、弱くてちっぽけで幼稚で子供なのだ。子供のまま成長していない大人、フリークスなのだ。無音の世界でウナちゃんは、いや佐野智則はすすり泣いた。嗚咽を漏らして、大きな声をあげて泣いた。色々な記憶が巡り込んで来た。みんなを消してしまったこと。緑を消してしまったこと。ニコ生という場所で威張っていたこと。悲惨な結婚生活。構成員時代の痛烈な思い出の数々。いじめを受けていた中学高校時代。まだ、無邪気だった小学生の自分。泣き声とともにタイムスリップ。


走馬灯のようになだれ込んでくる記憶。一瞬の出来事にも、長い年月にも思えた。


 気がつくとそこは智則の見覚えのある実家の1室だった。太陽が沈みかけた夕焼け。夕日が斜めに突き刺さり目が眩む。その部屋にはけたたましい車や人の足音、人の話し声、風の音が戻っていた。
 机をノックする音。


??「智くん。はいるよ」

閑寂で幽寂な1室。時間は昼間。夜のしじまの伝わるパソコンと向かい合わせの自分。寝静まった街からは車の物音1つ聞こえない。残るのはマイナスにも到達する音の深沈、無音。普段なら忌々しい程、響く横田基地から放たれる飛行機の音も今はしない。音のしない世界に鼓膜が恋しさを感じた。ウナちゃんは声を出した。

ウナ「おれは佐野智則。いや、ウナちゃんマン」

声音は普段通りのはずだが、やたら響き渡った。世界の中心がここであるかのごとく。

ウナ「おれはウナちゃんマン」

たった1人の声はどよめきへと波及して鼓膜へ返戻する。

ウナ「おれはウナちゃんマン」

プリマベーラの1室で何度もそう唱え続けた。自分を見失わないため。もしくは、見失ってしまった自分を呼び戻すため。何度も何度も唱え続けた。



困惑するリスナーを尻目に肥大するウナちゃんの独裁欲。ウナちゃんの放送は、色付きコメとBSPコメで埋め尽くされた。と、言ってもアクティブはさして高いわけではない。kp時に、アクティブが伸びて通常時はちらほら。

ウナ「おめぇらよぉ。なんでコメントしねんだよぉ?」

ここぞとばかりに一斉にコメントが流れた。

リスナー「ウナさんが怖いからです」

ウナ「はぁ?怖い?」

自分の独裁体制は恐怖の領域にまで達していたことを痛感させられた。また、コメントがピタリと止んだ。しばしの沈黙。
ウナちゃんは独裁スイッチに手を置いた。

ウナ「みんな消えちまえ kp」

手の平に心地よい感触が伝わり、世界が一瞬で静まり返った。

ウナ「でよぉ〜…」

誰もコメントを流さない。色付き、BSPまでも。静謐だけが、部屋に残った。世界と自分とを繋ぐ唯一のアイテムであるパソコンからも無惨な静けさが感じられた。ウナちゃんは、1人バックキーを押した。



 ウナ「バカはバカだねぇ」

ウナちゃんはNGに突っ込む代わりに、独裁スイッチのボタンを押すようになった。どれだけの人間を消したのか。もうそれすらも分からない。ただし消すことに快楽を得られるようになった。殺人ではないが、それに近い行為を眈々と行えるのだ。この上ない優越感。気分はまさに独裁者。そして、消すことに慣れてくると段々、消す基準も低くなった。少しでも自分の意見に反対する者はすぐに消した。

ウナ「乗ってくぜ Ha~ha」

気分は絶好調だ。普段、自分をバカにする得体の知れない何かを消す快感に溺れていた。この作業を継続していれば、自分が好きでいられる。俺は独裁者だ。

ウナ「あんたたちいくわよ〜。いいわねぇ?kp」

画面一面に広まる「kp」のコメント。様々な彩り、大小の文字が左から右へ流れていく模様。「kp」が主への忠誠の証。そうウナちゃんは解釈した。「kp」を打たないリスナーは、いらない。

 しばらくの間。ウナちゃんはあることに気がついた。誰も自分に歯向かう者のいない世界に君臨していたのだ。「独裁スイッチ」を用いて知らない誰かをしらみつぶしに消していく中で、本当の王様になっていた。配信を始めれば多くの人が、自分にもたらす「同意」の数の多さに物足りなさすら感じ始めていたのだ。

ウナ「今度からよぉ。バカリスナーはいらねぇから。ちゃんと考えてコメントしろよぉ?」


この時から、ウナちゃんとリスナーがうまく噛み合なくなり始めた。「同意」を献上していれば、満足していた王が「同意」に飽き始めた。どんなコメントをすればNGにされないかを考え出すと思考がストップする。でも、空気の読めない。コメントは出来ない。下手に尻尾を出して、NGにぶちこまれたらひとたまりもない。
 機嫌を損ねずに意見を否定することは難しい。かと言って、同意ばかりでも機嫌を損ねる。故に、コメントが出来ない。このようなリスナーが急増した。「kp」時にはアクティブも上昇するが、その他の雑談時にはほとんどコメントが流れない。
 

 ウナちゃん「独裁スイッチ?」 Part5

 配信をしていない時はなるべく現実に向き合わないようにぐったりとした体制で片手で部長を愛でながら、布団に突っ伏していた。生きることとはなんだろう。普通の人生とはなんだろう。考えることはいつもそんなことだ。
 ドアを叩く音がした。叩く音は鮮明に脳内に蓄積されていく。眠りから覚めた。そのノックの音はより現実味を増して再生された。誰だろう。
 布団から起き上がり重い身体を起こした。よろめく身体を山登りで鍛えた足腰で支えながら玄関へ向かう。

ウナ「どちらさまですか?」

リスナー「ウナさん、配信見てましたよ。珍味団の独裁スイッチをお渡しした者です」

 扉を開けた。

ウナ「あなたでしたか。どうぞお入りください」


 部屋へあげて話した。2回独裁スイッチを使ったこと。緑を消したこと。変わってしまった現在のこと。


リスナー「それで、暗黒放送の横山緑って人を消してしまったんですね?」

ウナ「そーだよー」

リスナー「後悔はありますか?」

ウナ「最初はあったけどよぉ、今はないんだな。いいんです!」

リスナー「せっかく、独裁者になれるチャンスです。この機を逃さず存分にお使いください」

薄暗い不健康な笑みを浮かべる男だった。唇から覗かれた歯は数本しか残っておらず、親近感を覚えた。全て話し終えて男は部屋をあとにした。玄関まで見送りに行ったウナちゃんに最後にこう告げた。


リスナー「ウナさん。今、楽しいでしょう?」

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