わが社は 就職して1年間 車での通勤禁止という
よく分からない規則がある
だもんで バスで通勤していた
これは そんなバス通勤での話し
バスに関して俺はちょっとポリシーがある
それは 『降りますボタン』を押さない主義なのだ
どんな主義かと言うと
誰かが押すまで 絶対に押さない そんな主義
もう目的地手前では 見えない敵とギリギリの勝負
先に押したら負けなので 限界まで攻め込む
言うなれば バス内チキンレースなのだ
そして ある日の夕方
仕事帰りの俺は その日も限界まで攻め込んでいた
周りには 敵(乗客)が5・6人だった
俺の目的地は 終点の1駅手前 金閣寺前というバス停
場所が場所だけに ココで降りる敵(乗客)は多い
しかし その日に限って 誰も降りる素振りを見せない
敵(乗客)に悟られることのないように 周りを見渡し
バス停の 5m手前 もう限界!
誰も降りそうにないので やむなくボタンを押した
その日 俺の連勝記録が途絶えた
1ヶ月は『降りますボタン』押してなかったのに残念無念
しかし 他に誰も降りないなら仕方が無い
と思ったら なんと!
小アフロのねーちゃんが 後ろから降りて来るではないか!
『お前! 俺は5m手前まで攻め込んだんだぞ!』
ホント そう声をかけたかった
俺が押さなかったら どうするつもりだったんだ
なんて命知らずなヤツだ・・
恐るべし 小アフロ!
その日は 初の惨敗だった
しかし! 神は俺を見捨てなかった
数週間後に 復讐のチャンスが訪れたのだ!
俺の目の前に あの憎っくき 小アフロ
こんな髪型 見間違うハズがない
そして 金閣寺前のバス停が近づく
5m… 4m… お前の魂胆は見え見えだ
フフフ 敵に背を見せたお前の負けだ!
ピンポーン♪次は終点 立命館大学前〜立命館大学前〜
?!
過ぎちゃったし…
そ知らぬ顔で終点に降りる 小アフロのねーちゃん
ああココ ココって振りして降りる 俺・・ ぎゃふん
何で?! こないだ 金閣寺前で降りたじゃん
まぁ 今思えば立命館大学の学生だったんだな
その日 1駅分を とぼとぼ歩いて帰りました
もう 小アフロ 怖いよぅ