カテゴリ:
ロビーでこんな会話を聞いた。

「○○さん、こんばんはー」
「おお!こんばんはー」
「おひさしぶりです」
「そうだねー」
「あ、白茶で話し続けるのもアレなんで、
 パーティー組んでもいいですか?」
「おkー」

これまでも「白茶」という単語を聞いたことはあったが、
私は、このやりとりを立ち聞きすることで、
ようやくその意味を理解した。

どうやら「白茶」とは、「文字色が白いチャット」、
すなわち、私がふだんオープンチャットと呼んでいる
『周囲に発言』モードの俗称みたいなものであるようだ。
てっきり緑茶や紅茶の仲間だと思っていたが、そうではないらしい。

つまり、上述の発言を平易な文章に改めたとすると、
「ずっとオープンチャットで話していると
 周囲の迷惑になるかもしれないので、パーティーを組んで、
 パーティーチャットで話しませんか?」
という感じになるはずだ。たぶんだけれど。

実際に「白茶」が周囲の迷惑になるかどうかは
興味がないのでどうでもいいとして、
なるほどなあ、白いチャットだから「白茶」かあ、
うまく略したもんだなあ、と、ひどく感心した私である。


そして、感心と同時に、私はあることに気づいてしまった。

PSO2を初期からプレイし続けているにも関わらず、
プレイヤー間であたりまえに使われているスラングを
ロクに知らない私って、けっこうヤバいんじゃないか?


思えば、数多くのスラングについて、
最近になってようやくその意味を知ったり、
想像だけでなんとなく知ったつもりになっていたり、
ひどいときには、なんにもわからないまま
ほったらかしにしてしまっている私である。

たとえば、スキル『オートメイトハーフライン』を
「乙女」と呼ぶことがある、ということを、私は最近知った。
それまでは「乙女ありますか?」と聞かれても、
それがなにかの俗語だなんて思いもしなかったので、
「いえ、私てんびん座なんで……」みたいな返事をしていた。
まごうことなきアホである。恥ずかしくて顔から火が出そうである。
チャーハンがパラパラに仕上がるほどの猛火である。

ちなみに、『フラッシュガード』のことは「フラガ」、
『オーバーエンド』のことは「OE」と呼ぶらしい。
定番のスキルや使い勝手のいいフォトンアーツなどは、
話題にのぼる頻度も高いため、スラングが生まれやすいようだ。

なるほど、じゃあ「エルダー」は、ツインマシンガンの
フォトンアーツ『エルダーリベリオン』のことに違いない。
……なんて思っていたら、それは文脈によっては超大型ボス
『ダークファルス・エルダー』のことを指す場合もあるらしく、
なかなか油断ならない。どっちかにしてくれよ、という感じである。
マックと言われても、マクドナルドなのかマッキントッシュなのか
マック鈴木なのか、さっぱりわからんわい、という感じである。


「WB」がウィークバレットのことだというのは
さすがに覚えたけれど、レンジャーを始めるまでは、
機動戦士ガンダムに登場する
戦艦ホワイトベースのことかと思っていた。

「バレスコ」とか「BHS」とかは、戦闘中によく聞くので、
たぶんなにかの技の名前だと思うのだけれど、
ひょっとしたらぜんぜん違うかもしれない。

「赤Eトラ」は、なんだかいつもとテロップの色が違う
エマージェンシートライアルのことだとは知っているけれど、
色が違うとなにがどうすごいのかは、ぜんぜんわからない。

「淫乱」は字面のインパクトが強すぎてかなり混乱したけれど、
インラン、すなわち『インタラプトランキング』の略であり、
どうやら矢口真里のことではないらしい、と先週ついに気づいた。

「夫妻」は、つがいで登場するボスである
ファングバンサーとファングバンシーのことだと学んだ。
でも、棲息地は異なるが似たようなボスである
スノウバンサーとスノウバンシーをどう呼ぶのかまでは、わからない。
ちなみに先日、凍土で「夫妻といえば、『噂のモーガン夫妻』の
ヒュー・グラントは名演でしたね」となにげなく言ってみたら、
パーティーメンバーの誰にもまったく通じなくて猛省した。
凍土の風が死ぬほど冷たかった。いっそそのまま死にたかった。

あと、これは余談であり、スラングとはぜんぜん関係ないのですが、
私は『オートラン』という機能の存在を、おととい初めて知りました。
深夜にひとり「うおお!超ベンリ!すげー!」と叫んでいました。
まあ、それほどまでに無知なヤツなのだと思って、
どうか笑ってやってください。


そんなこんなで、あまりにも無知な自分が
さすがに心配になってきて、先日、あるパーティーにて、
「プレイ期間は長いんですけど、ホントにただ長いだけで、
 難しいこととか専門用語とか、なにも知らないんです……」
と、ずいぶん弱々しい言葉を発してしまった私である。

ところが、そこでパーティーメンバーのひとりが
返してくれた言葉に、私はものすごく救われた。

「知らなくても、困ってないなら、大丈夫じゃないですか?」

ごもっともである。冷静になって考えてみると、
私はいろいろなスラングを知らないけれど、
知らなくてゲームプレイに支障が出た記憶はない。
せいぜい、雑談の最中に言葉の意味を取り違えて笑われてしまい、
顔から火が出てチャーハンがパラパラに仕上がったくらいである。

だいいち、攻略サイトや情報サイトが充実しているこの時代、
スラングの意味を知ろうと思えば、すぐに調べられるはずなのだ。

でも、私はそれをしていないし、意味を急いで知りたいとも思わない。

おそらく私は、PSO2において、
スラングが頻繁に必要になるようなディープな世界には
そもそも生きていない、ということなのだろう。
私がいるのは、もっと浅瀬だ。ハードな遠泳やダイビングを
満喫するのではなく、波打ち際に足だけ浸かって、
水をパチャパチャ蹴って遊んでいるような、そんなイメージだ。   

もし、意味を知らなければマトモに生きていけないほどの、
本当に必要なスラングがPSO2の世界に存在したとしても、
そういう重要な情報は、浅瀬でぼんやりしていても
そのうち波に乗って流れてくるので、わりとなんとかなる。



「知らねども 困ってないなら 大丈夫」

字余りですが、新人アークスのみなさんはぜひ心に刻んでください。

ひょっとしたら、あまたのスラングが飛びかうアークスシップの雰囲気に
最初こそ気圧されてしまうかもしれないけれど、
浅瀬でパチャパチャやるぶんには、なにひとつ困らないし、
実際、それで1年半以上暮らしているアークスもいるので、ご安心を。

それで、ときどき恥ずかしい思いをしてしまったら、
顔から出た火でチャーハンを作ればいいのだ。