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2010年06月28日

足取り軽やか移動カフェ 「アラフォー女性」の挑戦

会社をリストラされた女性が一念発起し、1人で車の移動販売を始めた。扱うのはコーヒーとスイーツ。順風満帆とは行かないが、「これがわたしの選んだ道」と相棒の黒いワンボックスカーを走らせる。(報道部・成田浩二)

仙台市青葉区本町。古着店の前に、「フォルクスワーゲン・タイプ2」が姿を見せた。運転席から降りたのは同市若林区の及川栄美子さん(38)。軽快な曲を流しながら、手際よく準備に取りかかる。「カフェ ココペリ」のオープンだ。
店の看板は、入れたてコーヒーと手作りのベルギーワッフル。「車カフェ」を物珍しそうに見る人は多いが、なかなか立ち寄ってはくれない。「正直、売り上げは多くない。その分、買ってもらえた時はうれしくて」と、及川さんが人懐っこい笑みを見せる。

移動販売を本格的に始めたのは2月。週4、5回、仙台市内を中心に店の空きスペースやイベント会場などに出店する。
転機は昨年6月。事務員として6年間勤めた市内の会社を不況のあおりでリストラされた。「悔しかった。思えば中途半端なことばかりだった」と振り返る。
高校卒業と同時にスペインの語学専門学校に留学したが、授業について行けず半年で帰国。翌年入った大学も1年で中退。その後は派遣社員やアルバイトで仕事を転々とした。
翌年に結婚を控えていた2003年、あらためて真剣に職探しをした。熱意が伝わったのか、正社員に採用された。「やっとちゃんとした自分になれた」と喜んだ。しかし、リストラで振り出しに戻ってしまった。
「年齢的に仕事を探すのもそろそろ限界。もう何もできないのか」。そんな不安と焦りに駆られた。ふと頭に浮かんだのが移動販売。もともとカフェに興味があった。「移動販売なら1人でできるかもしれない」。同い年の会社員の夫も後押ししてくれた。

「リストラをチャンスに変えよう」と発奮した。コーヒーの入れ方やワッフルの作り方をインターネットや本で手当たり次第調べ、何度も試作を重ねた。輸入中古車や調理器具などの購入費は計350万円。覚悟を決めて7年ローンを組んだ。
「開店」して約5カ月。現実の厳しさを思い知らされている。売り上げは思うように伸びず、場所を提供してくれた店への出店料もかかる。差し引きすると赤字の日も珍しくない。「OLのときの方がずっと楽だったなと思う日もある。でも、夫や周囲の支えで好きなことに挑戦できる自分は恵まれている」。そう自分に言い聞かせる。
3月に、NPO法人の依頼で名取北高(名取市)の就職セミナーに講師として出向いた。演題はずばり「リストラになっちゃって」。つまずいた過去をさらけ出しながら、「どんなことも決してあきらめないで」と呼び掛ける及川さんに、生徒もうなずいてくれた。
手応えを感じられる日もある。「先日、『おいしいって聞いたから』と女性が駆け寄ってきてくれた。楽しみにしてくれる人が1人でも増えたらうれしい」

ゴールはまだ見えない。でも、後ろを振り返る余裕はない。「アラフォー女性」の再挑戦は始まったばかり。「カフェ ココペリ」は、今日も街を行く。

 

引用:

http://www.kahoku.co.jp/news/2010/06/20100626t13040.htm



haken_giri at 10:24│Comments(0)TrackBack(0)

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