2013年にIBJJFムンジアルでドーピング検査が始まって先日発覚した2019年のカイナンまでで7人が陽性反応を示した。ちょうど年1人のペースだ。

柔術選手はなぜドーピングをするのかそれについて筆者の考えを述べたい。

発覚したのは7人だが、それはムンジアル優勝者に限って検査をした結果が7人なだけであって、実際には蔓延しているとされる。

先の記事でも書いたが実際、統計などが行われたわけではないものの、これだけ噂が日本まで回ってくるのだから相当数が手を染めていると考えている。

乱暴な言い方をすれば、ベースに薬物使用済みの人間たちがいて、その人間たちで競うのが柔術だ。

皆んなが使っていれば、薬物を使ったからと言って世界王者になれるわけでもないし、使わなければより遠のく。

医学の進歩のスピードは驚くほど早い。周りの選手がその力を借りてが進歩していく中で、薬物の力を借りなければ一人取り残されるだろう。

薬物を使った上で勝敗を決するのが前提となっている。

本来、ドーピングはチーチング行為でありドーピングした体で試合に出場するのは、体重計に細工して計量クリアする行為と同じだ。
しかし柔術界において皆がドーピングしている以上、ドーピングすることがフェアなのだ。

ドーピングを養護するわけではないがこれは選手としては当然の考えだろう。


このような状況に陥ったのは、そもそもがドーピングを水際で食い止められなかったと事によるものが大きい。

1度は蔓延していまえば手がつけられなくなるのは大麻と同じだ。

今、海外では大麻解禁の動きが活発だ。解禁する国の特徴としては、大麻が普及していない国でいきなり解禁になることはなく大麻が蔓延した後付で解禁している。

1度蔓延した社会で大麻を排除していくのはあまりに費用がかさむために、いっそ解禁し課税対象などにし合法的に行政の管理下に置いている。

日本の柔術家でも安易に外国人がやっているから大麻解禁するべきという人がいるが、別に大麻の危険性が解消されたわけではない。

大麻解禁を訴える日本人も見方を変えればもともとが大麻中毒者が合法的に大麻を使いたいだけだろう。


柔術家でも外国人がドーピングしているのだから日本人も使うべきなんて意見があるが、ただ外国人がやっているから日本人も使うべきというのは安易な考えだ。

日本でドーピングを蔓延させないためには、水際で止めることが重要だ。

そもそも大麻と異なりドーピングは世界中のスポーツ全般で禁じられているのだからなおさらだ。

もしも外国人がみなコカインを使ってスポーツの成績を向上させていたとするなら、日本人も使うべきだろうか。


ただし難しいのはドーピングはただ選手として試合に勝つためではなく、練習のためだけに使う人間もいる。
試合に出場するわけではなく、練習のためだけにドーピングすることは禁じられていない。
趣味で柔術をやる人間も指導者としてしか活動していない柔術家であってもドーピングは許されている。

おそらくそれはこれからもこの先も同じだろう。根が深いのはそういう部分だ。

彼らのようにコンペティションの世界で生きていない人間はコンペティションの世界とは分けて考える必要がある。

これは他のスポーツでも同じでレベルが高い舞台になればなるほどよりドーピング検査の精度も高くなるし使える用具も厳しくなる。これが世界レベルで戦うということだ。

いずれにしても「〇〇がやっているから俺も」という考えは起こって然るべきだろう。しかしドーピングが許される舞台と許されない舞台がありこれを混同させないために、ドーピングに関わる人間と関わらない人間をはっきりと区別していく必要がある。

そのためには日本では水際で食い止めること。すでに普及した米国では厳罰化が必要だろう。