みなさまこんにちは。

梅雨だというのに
京都ではほとんど雨も降らず・・・
連日真夏のように暑い日が続いています。

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あじさいは、そこかしこで咲き乱れているのですが
ギラギラの太陽の下で心なしか居心地悪そうです。

そんな灼熱の京都、先日棟上げ式を終えた町家はというと
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外壁が養生されています。

というのも、外の柱も中の柱と同じように
表面を削り、きれいに塗装し直す作業が行われているからです。

風が通らなくて暑そうです!!

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京都の暑さに打ち水は欠かせません!!

そんな過酷な作業現場にこの日、救世主が登場しました~。
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扇風機です!!恵みの風です~。

実はこの日、次郎さんのお師匠さんである宮大工さんが
引退されるということで、大工道具や木材などを引き取りに
出かけられていました。
この扇風機もそちらから持ってこられました。

それでは今回、町家に運び込まれた道具をご紹介します。

まずは、次郎さんの兄弟子さんにあたる方の道具箱です。
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中には大工道具が入っています。

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おお~とてもかっこいいです。

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上のふたを開けると、ここにも細々した道具が。
小さくて一見分からないのですが
これはよく見ると・・・

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小さなカンナです。
こんなに小さなカンナ、見たことありません!!!
(大きなカンナも見たことありませんでしたが・・・)
下に置いた100円玉と比べても小ささが分かると思います。

宮大工さんや、仏師さんが使われる特殊なサイズなのだそうです。

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こちらはお師匠さんが使われていた『墨壷』です。
次郎さんの墨壷とは形もサイズも違います。
小さくてなんだか可愛らしい雰囲気です。
この墨壷や、上のカンナはどれも手作りの道具なんだそうです!!

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こちらはドリルの歯です。
いろいろなサイズがあります。

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電動の大きな丸ノコです。
右後ろにあるのが通常サイズの丸ノコ。
倍以上の大きさです。

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ノミも特大サイズです!!
ちなみに左端に通常サイズのものが写っています。

これらの道具を見てみると
宮大工道具は、小さなものから大きなものまで
規格外のサイズがさまざま取りそろえられているのが
分かります。
大きな大黒柱から小さくて繊細な細部まで
多岐にわたる職人さんの仕事がこれらの道具からも
垣間見られます。

そして実際の現場でも職人技は進行中です!!

この日は新しくできた建屋と、
もともとの建屋の庇(ひさし)と庇をつなぐ
直角部分の繊細な作業が行われていました。
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越智さんが持っている柱がちょうど直角の中央にくる垂木です。
絶妙な角度で柱と連結しているのがお分かりになるでしょうか?

何度も言っていますが、釘でつなげているのではなく、
「組んで」いるのが本当に驚きです!!

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こちらは棟上げ式のときに上がっていた大きな梁の上に、
垂木が組まれています。
これは式のときにはなかったです!!
かっこいいデザインに惚れ惚れしますっ。

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そしてこの庇の裏には『角萩』という植物が
すだれのように縫われた素材が使われています。
実はここにもすごい技術が・・・。

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角萩はこのようにベニヤに張り付けられています。

この素材を天井の庇に沿った形(ななめ)で見せるために
その名も『面倒』という技術が使われています。
めんどうくさいの『めんどう』の語源とも言われるほど
大変な技術なんだそうです!!
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垂木と垂木の間に渡された板が『面倒』です。
斜めになった垂木と垂木の間を水平、垂直にふさぐのが
至難の業なんだそうです!!
・・・私のつたない説明&間違っているかもしれない解釈で
うまくお伝えできてない可能性がありますが、
大変な技術なのはその名が物語っています!!

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他にも建物全体に電気の配線準備も行われていました。

来週はこの町家のシンボルツリーとなる
「あの木」が搬入される予定です。
レポート、乞うご期待ください!!