WARという指標は、その選手のポテンシャルを見るものではなく、あくまで選手が出した結果を評価するものです。ただし、勝利に対する貢献とされていますが、その元になる数字は得失点に対する貢献なので、総得点と総失点から勝率を予想するピタゴラス勝率が現実の勝率と必ずしも一致しないのと同様、WARも現実の勝利貢献とは多少のズレがあるかも知れません。それでも野手の場合は、打撃、走塁、守備を総合的に評価し、かつ守備位置補正によってどのポジションの選手も同じ土俵で評価する試みなので、便利な指標です。

結果を評価する指標なので、WARで来季の予想をするというのも不適切かも知れませんが、もし来季も今季と同じWARを各選手が記録した場合、各チームの戦力はどうなるかを見てみます。

今季の巨人のチーム全体のWARは、野手のWARは守備力は良かったのですが攻撃力が弱くて17.4とやや低め、 投手のWARは25.8と十分な数字でした。そのウィークポイントであった攻撃力に、丸選手の加入で、単純計算すると今季の丸選手のWAR7.1が加わり、24.5となって、投手と野手の合計が50.3となります。マギー選手のWAR1.3が抜けますが、現役メジャーリーガーのビヤヌエバ選手は、打率はそれほどでなくても長打とサードの守備で、マギー選手をそう下回ることはないでしょう。WAR50.3は優勝するチームの数字です。

WARは代替え可能な選手との比較で表す指標なわけですが、 決して適切でないのを承知で敢えて書きますと、代替え可能な選手ばかりのチームだと、年間143試合のうち、35勝ぐらいしかできないと概算されます。暗黒時代のベイスターズが、まさにそのようなチームでした。WARは代替え可能な選手に比べてどれだけ勝利を増やしたか(減らしたか)という指標ですから、チームのWARの総計が50なら、35に50を足して85勝ができるチームということになります(かなりこじつけになっていますので、話半分で聞いてください)。

一方広島は、野間選手らの出場機会が増えるでしょうけど、WARはさほど期待できず、丸選手の7.1がそのままマイナスになる可能性が高いです。そうなれば、今季26.4だった野手のWARは19.3とという凡庸な数字になります。もともと今季の投手のWARは、フランソア投手やアドゥワ投手の出現があってようやく20を超えた20.5と低下傾向にあり、投手野手の合計が39.8では、期待される勝利数は75勝程度、ペナントレースが混戦模様になれば優勝できる数字ですが、巨人に走られるとなかなか追いつくのは難しくなります。

ただ巨人は今季だって野手17.1、投手25.8の計42.9で、75勝ぐらいは期待できるWARだったのが実際には67勝しかできていません。采配のせいというよりも運のせいなのかも知れませんが、監督が変わってこれが変わるものなのかどうか。来季もWARから予測される勝利数を大きく下回るようだと、セ・リーグは混戦になりますが、そうでなければ巨人が独走する可能性もあります。

この2チームに続くのはヤクルトでしょうか。今季のWARは野手が11.2と伸びませんでしたが、そのかわりにブキャナン、原投手が成績を伸ばし、そして石山投手と近藤投手がいずれも70試合70イニングを優に超える酷使とも言える起用によく応えて、投手のWARは30.5とリーグトップの数字を示しています。今季ヤクルトは、投手野手の合計の41.7から予想されるとおりの75勝を挙げています。この勝ち数は、優勝した2015年の76勝に1勝及ばないものでした。毎年同じように好成績をあげる投手はむしろ少ないし、石山投手と近藤投手の登板過多がどう影響するかは分かりませんが、投手陣が今季と同程度の結果を出せれば、混戦になった時のチャンスは、ちょうど2015年がそうだったようにヤクルトにも十分あります。

そして我らが横浜DeNAベイスターズですが、今季投手WARは27.5とヤクルトに次ぐ数字でしたが、野手のWARは6.1と情けないものでした。もっともDeNAの野手WARは、昨年2017年に14.7だったのが最高で、あとは二桁に乗ったことは一度もないのですから、慢性的な野手の戦力不足です。パットン、エスコバー投手と再契約し、今季不調だった今永投手らの復調と若い投手たちの成長も期待される投手については、あまり心配していませんが、問題は野手です。

ドラフトと中井選手以外に野手の補強はなかったのですから、今季不調や故障で本来の成績が出せなかった、筒香、ロペス、梶谷、桑原選手らの復調と、若い神里、伊藤、宮本選手らの成長に期待するしかありません。彼らのWARの増加が合計15ぐらいないと、優勝争いに加わることができません。

具体的には今季3.7だった筒香選手のWARが足の故障を完治させて2016年並みの7.5に、守備のマイナスと2度の離脱が災いして3.8にとどまったソト選手が5に、故障に泣いて0.9だったロペス選手が昨年並みの4.3に、これも守備のマイナスで2.9だった宮﨑選手が昨年並みの3.8に、不調で2.3にとどまった桑原選手が昨年並みの4.1に、故障であまり働けずに1.1だった梶谷選手が昨年並みの3になれば、来季のWARは今季より12.2増えて18.3となります。投手WARが今年並みに良かったとしたら、合計で45.8となって、優勝争いが可能な数字になります。

もちろん他のチームだって、今季不調だった選手が来季は復調する可能性はあるのですから、上に書いたことは、まさにとらぬ狸の皮算用です。こうなって欲しいと言う、妄想に過ぎません。しかし、上に書いた来季に期待するWARは、いずれの選手のも昨年か一昨年には達成している数字であり、ロペス選手を除けば、まだ年齢的な落ち込みが来るような歳ではないので、不可能な数字でもありません。

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