もともと守備と走塁に難がある上に、昨年は2016年ほどの打撃を見せられなかった筒香選手の穴なら、現役メジャーリーガーのオースティン選手の加入と、佐野選手の伸びしろとで埋めることは可能だろうと考えていました。もし、故障者が全く出なければ、筒香選手が抜けても、優勝できる戦力であるとも思っていました。

しかし実際には、故障者が全く出ないということは稀有なことです。考えてみれば、主力選手に大きな故障が全くなく、たまに進藤選手が離脱しても万永選手がその穴を埋めていた、1998年は、奇跡的な年だったのかも知れません。

それでも、東投手のトミージョン手術があっても、東投手は昨年も大して投げられていないので、さほど大きな穴にはならないだろうと考えました。エスコバー投手の離脱も、痛いには痛いですが、パットン投手、三上投手、砂田投手が復帰し、斎藤投手、伊勢投手らが昨年よりプラスとなってくれるでしょうし、これで外国人枠に一つ余裕ができると考えれば、さほどショックではありませんでした。

実際今季のベイスターズで、その一人が抜けると絶対に他に代わる選手がいないのは、今永投手と山﨑投手だけだと思います。

外国人枠に空きができてまず考えたのが、ソト、オースティン、ロペス選手の野手3人の併用です。大化けしてセカンドのスタメンを奪うことを期待していた伊藤裕選手が、このキャンプに入ってからの打撃や守備を見る限り、まだまだ時間がかかりそうなのでなおさら現実味を帯びます。

キャンプでの守備練習のポジションを見ると、オースティン選手がライトを守り、ロペス選手とソト選手がファーストを守っていますので、ファーストをロペス選手とソト選手が争う、というより打撃での貢献を考えれば、ロペス選手を控え的な役割にするというのが、本来の構想だったと思います。しかし、事ここに至れば、ソト選手をセカンドに戻す選択肢も出てきます。ソト選手はもともとファースト、サードの選手で、(今日のオープン戦を見てもファーストは決して下手ではありません)、同じ不慣れなポジションでも、ライトに比べればまだセカンドの方がましですから。

その場合打順は、まず足がある神里選手を1番に、チャンスでランナーを返す打撃ができて、右打者ばかりの主軸の中で唯一の左打者である佐野選手を4番に置いたとして、3人の外国人打者に宮﨑選手を加えた4人が佐野選手の前後を打つというのが基本的な構想となります。4人の並び方はいろいろ考えられますが、4人の中ではまだ足があることなどから、オースティン選手の2番はうなずけます。出塁すると足への警戒が必要となる1番神里選手と、最も怖い打者である3番ソト選手との間に置いて、オースティン選手とストレートで勝負することを相手バッテリー強いる機会が増えるという目論見もあるのかも知れません。

その意味で今日のオープン戦巨人戦のスタメンは、わが意を得たりというものでした。

1(中)神里 
2(右)オースティン 
3(一)ソト 
4(左)佐野 
5(指)ロペス 
6(三)宮崎 
7(捕)伊藤光 
8(二)柴田 
9(遊)大和


もちろん本番にDHはありませんので、二人同時に出場ならば、ロペス選手はファースト、ソト選手がセカンドということになります。ショートは打撃に成長が見える柴田選手がベターだと思っていますが、大和選手とのツープラトンもありかも知れません。あるいは、ロペス選手と宮﨑選手については、確実性のある宮﨑選手の方を5番にした方が良いかも知れませんが。

今日の試合は、ペナントレース本番でもあり得て、うまくいけば最も得点の入りやすいと思われるこのオーダーが、どう機能するのか、特にオースティン選手の打撃がどんなものなのか、どうしても見たかったので、天気を心配していましたが、試合は無事に行われました。

もちろんオープン戦ですから、結果がそのまま本番に通用するわけではありませんが、その内容をである程度の予想はできます。そして今日の試合の内容を見て、お察しの通り、私はこのオーダーはいけると判断しました。

何しろ2番オースティン選手が、第1打席は外角のストレートをバックスクリーン右へ、第2打席は内角のストレートをレフトスタンドへ、2打席連続ホームラン。第3打席は追い込まれてから、外角引くめの変化球(カーブ)をしっかりレフト前にヒット。これ以上はないというぐらいの結果を出してくれたのですから。

ソト選手も問題ありません。宮﨑選手は昨年春の不振がよほど悔しかったのでしょう、今年はキャンプ初日からもう完璧な状態になっていました。

今日の1番神里選手はいいところがありませんでしたが、どうしても調子が上がらなければ、その代わりは梶谷、関根、乙坂選手、2軍には桑原選手もいます。神里選手以上の選手がいれば、その選手を使うだけです。しかし神里選手は修正能力の高い選手です。開幕にはしっかり仕上げてくるでしょう。

4番佐野選手は、今日はゲッツーくずれの1点だけでしたが、先日の紅白戦では活躍していましたし、心配することはないと思っています。

センターを守れない外野手の中では、細川選手が右の強打者という他の選手にはない売りがあるのに対し、楠本選手はよほど打撃でアピールしないと厳しいものがあります。期待している選手なのですが、打撃で他の選手たちを引き離さないと、1軍に生き残れないかも知れません。

控えの内野手としては、中井選手が欠かせない選手になっていますが、ここに来て百瀬選手が、ショートを含めた内野全てと外野を守れて、足も速く、選球眼もいい。そこい長打力もついてきて、重宝な選手として存在感を示しています。
 
投手陣も順調のようです。

桜井ー石田ー濱矢ー三嶋ー砂田

特に櫻井投手は、ストレートに力があり、プロに入ってから習得したという右打者に対するチェンジアップもいいし、もともと最大の武器で今は主に左打者限定で使うようになっているスライダーももちろんいい。カーブも武器になっている。先発投手として十分以上の力があることを見せてくれました。いや、今や先発ローテ4番手も期待できそうな成長ぶりです。

石田投手もそれなりに良かったです。今季の先発ローテは、今永、濱口投手は確定、石田、櫻井投手も計算できそうです。右腕には上茶谷投手がいて、ドラ2左腕の坂本投手も候補に上がります。2軍には、平良、井納、京山投手らがいます。

三嶋投手は余裕で投げていました。砂田投手も十分復活したと言えそうです。濱矢投手は、制球さえよくなれば、球威はあります。

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