先週は弥生賞、チューリップ賞ともに2歳チャンプがその強さを見せつけるレースぶりでしたね。

まずは、昨年から既に「3強」と評されたダノンプレミアム、ワグネリアン、オブセッションらが初めて顔を揃えた弥生賞を振り返りましょう!


ダノンプレミアム
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 ◆弥生賞  回顧 ◆ 


結果
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✔️レース展開
サンリヴァルが大外からハナを叩き、向正面では番手のダノンプレミアムを5馬身ほど離して逃げたものの、流れとしてはスロー。

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レースとしては前有利な流れで、後方勢、特にワグネリアンはスタートから抑えた事が、今回に限っていえば裏目に出たように思います。

各馬の短評 


✔️ダノンプレミアム(川田)
好スタートからサンリヴァルを行かせ、離れた番手で抑える。3コーナー付近で前に取り付くと、馬場の良いところを選びながら余裕のゴール。

川田騎手
「3、4コーナーで荒れているところがあったので、馬場を選びながら良い雰囲気で回ってくることが出来ました。十分に間隔を取りながらレースを使ってきましたが、今日は走りたい気持ちが前に出ていたと思います。コーナー4つ、そして2000mの距離もこなしてくれましたし、本番へ向けて前向きすぎる気持ちが抜けてくれることがポイントになると思います」 

(中内田調教師) 
「ジョッキーと事前に話していた通りのレースをすることが出来ました。ワンターンが続いていたので行く気を見せていましたが、よく我慢してくれました。体重が増えていたのは成長分でしょう。テンションが少し高いのが今後の課題
です」 

と、口を揃えて「前向きな気性」に言及されていますが、過去にはマイルでも行きたがる素振りを見せていたわけで、スローを離れた番手で我慢できたのは収穫じゃないでしょうか。
仕上げに関しても、当然ながら余裕残しだったそう。

今回は小頭数でタイトなレースにはなりませんでしたが、新馬戦で外から被されても動じる素振りは見せませんでしたから、そういった「他馬への負けん気」で折り合いを欠くような心配はなさそうです。

ただ、馬群に包まれるのはどうか。
というのも、自分としてはアエロリットやテイエムジンソクなどのイメージと近くて、素のスピードが高くグイーンと走り切れるのが強味に見えます。そのため、やや大飛びな走法も相まって、スローから抜け出すようなレースではやや未知数。

もしタイムアタックなら抜けて強いと思います。その点、時計が速くなりがちな皐月賞は今回よりも向きそうです
強気に乗っていけば勝ち負けになりそうですが、メジャーエンブレムのようになるのだけが心配 ^^;


✔️ワグネリアン(福永)
五分のスタートから抑えて中団後方へ下げ、上がり最速で差を詰めるも2着まで。

他馬をマークなどは一切せず、どこか試運転の雰囲気・・・。

福永騎手
レースに関しては言うことは何もありません。スタートも出ましたし、3戦の中で一番リラックスして走っていました。最後、負けてしまったのは、休み明けと気負っていたのと相手も強かったことがあったと思います。次に向けて良い経験になりました」 

「良い前哨戦だった、手応えバッチリ!」と言わんばかりの良コメント。トライアルの思惑などあるんでしょうが・・・信じて単勝を買ってたとしたら、ちょっとイラッとするかも^^;

もちろん本番が控えているのは承知していますが、もしダノンプレミアムを負かすつもりで位置を取って、そこから追い比べをしていたらもっと面白いレースになっていたでしょうね。

タイプとしては、ピッチ走法で加速も速く、比較的融通の効くディープ産駒というイメージ。ただ、やっぱりスケール感はそこまでなさそうな雰囲気で、戦績的にリアルスティールっぽくなりそう。

小回りは初だったものの、加速も速く、向かないわけではないと思います。

がっちりマークをして一瞬の脚を生かせれば、逆転もなくはないのでは?

※余談ですが、ワグネリアンという馬名は「ワーグナーのファン」の呼び名から来ているそうで、そうなるとクラシックに縁深いはず・・・

✔️ジャンダルム(武豊)

出たなりでインの中団に収まり、ロスなく押し上げていくもサンリヴァルを交わすまで。

武豊騎手
「前走より雰囲気と走りが良くなっていました。いいレースが出来ましたが、相手が強すぎました。多頭数になる本番では何とか逆転したいです」 

掴みどころのない馬ですが、コメントからも察せられるように、武豊騎手が自由に動かせる事が強味になりそう。

差し馬のイメージは強いですが、おそらくポジションも取れますし、本番では「内枠」が良さそうです。
前に取り付く際も馬なりで反応などはかなり良さそうですが、トップスピードではワグネリアンらには到底適わない事がハッキリしました。

内枠を引いて武豊マジックで圏内あるか・・・といったところでしょうか。


✔️サンリヴァル(藤岡佑介)
テン乗りの藤岡騎手が出してハナへ。離れた逃げの手を打つも、ペースそのものはスロー。コーナーで程なく捕まり、しぶとく残すもハナ差の4着。
 
藤岡佑介騎手
「スピードの乗りが良く、いいリズムを刻めました。最初の1000mもうまく入れてプラン通りの競馬が出来ました。ただ、権利と馬券を含めて3着までに残せなかったことがとても悔しいです」 

勝負どころでもう少し早めに動いてもよかったりのかもしれませんが、ナイス騎乗でした!◎に推してハナ差の4着だったものの、イヤな気はしませんね。

クリンチャーの一件から心なしか堂々と乗ってる印象で、自分の役割がハッキリしたレースであれば、藤岡佑介騎手は信頼できそう。

馬自身はやはりこの舞台が合っていそうで、芙蓉Sの相手関係からも、これ以上を望むのは酷というもの。


✔️オブセッション(ルメール)

スタートからゆったり。後方へ陣取り、道中はやや促し加減。コーナーでドゥラメンテよろしくスライド。ラストは流す。

ルメール騎手
返し馬の時に待避所に入れていたことで、レース中に馬がそこへ行くのだと勘違いしてしまいました。外に膨れたのはそれが原因だと思います。まだ馬が若くて気性が幼いです」 

ルメール騎手は負けた時に言い訳がましいコメントが多いので気をつけてください。

脚も長く、ゆったりした走りでこの舞台や流れはまったく向きませんでしたね。

3強の中ではこの馬が最も適性がなかった、という結果だったと思います。次走は青葉賞あたりを使ってきそうですが、文字通りそこが試金石になりますね。

まだまだ良くなりそうで大物感はたしかにありますが、あんまりモタモタしてると、同馬主&同厩舎&主戦ルメールで、準オープンの雄と化しているラヴィエベールみたくなりそうで心配。


その他・・・

リビーリング・・・戸崎騎手は乗っていて良い感触だったそうですが、力負け。スピードがあまりないので今後はアタマまで苦労しそう。

トラストケンシン・・・2000m以上の差しが向く500万で見直し。

アサクサスポット・・・コーナーで外に膨れる不利もあり、ダートで見直し。新馬では前残りを後方一気。


予想結果

◎サンリヴァル
〇ジャンダルム
▲ダノンプレミアム
▲ワグネリアン
☆リビーリング

買い方は、◎からのワイドオッズの差があまりなかったので、

ワイド ◎ー〇▲(3点)へ均等買い。☆は薄め

3連複   ◎〇ー▲ー〇☆ (6点)
をボーナスに買いました。

結果、ハナ差4着・・・。
そもそもガッツリ回収を目論むようなレースじゃありませんでしたからね、ポテンヒットを期待したんですが。


 まとめ 

今世代において最重要トライアルと目された弥生賞が終わりましたが、結果はダノンプレミアムの着差以上の圧勝。

牝馬に目をやれば、あちらも2歳チャンプのラッキーライラックが危なげなく勝利と、男女とも昨年までの勢力図はそのまま据え置かれる形になっていますが、キャリアの浅い若駒をそこまで信頼していいのか?と警鐘を鳴らしたくもなります。

そういえばマカヒキが弥生賞を勝った2年前は、上位人気馬リオンディーズ、エアスピネルが4着以下を大きく離してゴール。
そして今回も、オブセッションの凡走はあったものの、1.2.4番人気での堅い決着。
なのに、あの時に比べて盛り上がりに欠けるのはなぜでしょう??


牡馬は来週のスプリングS組のエポカドーロ、ステルヴィオや、ホープフルのタイムフライヤー、京成杯のジェネラーレウーノ辺りが「打倒ダノンプレミアム!」に燃えているでしょうね。
この感じだと、低レベルと見ていたタイムフライヤーら年末年始組も、成長力を含めればなかなか勝負ができる気がしてきました。

それでも、まともに走れればダノンプレミアムはまず圏内と見ていますが。
面白さも含めてどこかで新星が現れることを期待しています。


それでは!




※追記
少し気が早いですが・・・
今のところの各馬の見解を。

・ダノンプレミアム

普通に走れさえすれば馬券内は最有力。
スタートは速いので包まれる心配は少ないが、枠の並びが重要になってきそう。
(ひねくれなければ)軸候補。


・ワグネリアン

展開の助けがあればアタマまで。
ただ、負かしに行く競馬も経験しておらず、福永騎手というのを含めると、大外からディーマジェスティが突き抜けた時のような棚ぼた的な展開が現実的か。
 

・ジャンダルム

武さんのコメント通り、立ち回りを生かしてどうかも、アタマは厳しい。
ワグネリアンとの差はスっとコーナーで動けた部分も大きく、内枠で機動力を発揮してどこまでやれるか。 

・サンリヴァル

センスよく位置を取れるものの、上がり目は感じない。

・オブセッション

スピードにも乗れず、身体を持て余す。次走次第ではあるものの、この中では菊花賞向き。