hamhamsevenのblog

指値修正によるリスクマネジメントということについてさらに補足で書いてみる。

例えばトレード資金1,000万円とする。
この場合、300万円のエクスポージャを持った時と600万円のエクスポージャを持った時では、期待リターンも損失リスクも後者のほうが2倍になることは誰でもわかると思う。なお、300万円のもの1銘柄と100万円のもの6銘柄での違いも当然あるが、この場合はそれは考えないことにする。

一方暴落の際、必ずと言って良いほど資金管理が大切と言われる。これは暴落の底は予想することが難しいことと、万一予想が外れて底ではなかった場合の大きな損失に対しての防御策という意味で使われることが多い。つまりトレード余力を残しておけ!ということになる。

では資金1,000万円に対して最大でも300万円のエクスポージャとしたい場合どうするだろうか?。ほとんどの場合300万円分の注文に制限すると考えるだろう。しかしこれはやってみるとものすごく効率が悪い。すべて成り行きのルールでもない限り、エクスポージャは300万円にはならない場合がほとんどだろう(逆にこれがすべて成り行きルールの有利な点だとも思う)。つまりエクスポージャを300万円にするということは、注文を300万円にするだけではなかなか実現できないということになる。

今度は日々の注文金額を常に1,000万円とした場合を考えてみる。約定率60%なら600万円のエクスポージャ、30%なら300万円のエクスポージャということになる。

次にリスクをどこまで取れるか?ということを考えてみる。こういう場合よく例に出されることがある。それは損失%とそれを取り戻す利益%は同じではない、ということである。DDと置き換えても良いが20%の損失を取り戻すためには25%の利益が必要であり、30%なら43%の利益を必要とする。

もしスタート直後に30%の損失となった状況になれば、その後は資金を回復するためだけにトレードを続けることになってしまうだろう。一方利益が50%程度蓄積された状況なら初期資金に対して30%の損失を被ったとしてもまだ20%の利益が残っていることになる。

初期のトレード資金が無くなっても良いと思う場合は別だが、初期資金をできるだけ守るためには(トレード資金はトレードを継続するために絶対必要なものである)、トレード開始直後はリスクを極力抑える必要があると思う。しかしもし利益があるならその利益を失ったとしてもトレードを継続するということについては何の問題もない。つまりその利益分のリスクをどんどん取ってリターンの最大化を目指すことも、トレードを継続できるという意味で問題なく可能ということになる。逆に常にリスクだけを恐れていたのではたいしたリターンも望めないことになる。その人によって多少の違いはあるだろうが何かしらの心理的なストレス、あるいは時間という代償を支払ってまでトレードするという意味すらなくなってしまうかもしれない。結局トレードでうまくやっていくということは、このリスクとリターンのバランスをどう取っていくのか?ということだと思う。

私の場合年初に初期資金を常にリセットするのは、このようなリスクマネジメントをしたいためである。私は兼業であり仮にトレードの利益がまったく得られなくても、あるいは年初の資金をすべて失ったとしても特に困るというわけではないが、利益がないのはまだしも初期資金を失うようなことになるとやはり精神的ダメージはきつい。そしてこの精神的ダメージが日常生活に影響することは十分予想できるしそれは何としても避けたいと思っている。そのためできるだけ年度の利益分の範囲でしかリスクを取らないようにしているし(ごくごくたまにそれまでの利益分すべてを覚悟する時もあるが・・・笑)、特に1月はリスク側だけを最優先に考えトレードしている。

このような私の状況や都合に対処するためのリスクマネジメントが株のシステムトレードではエクスポージャコントロールであり、そのための手段のひとつが指値修正ということになる。ただしリスクを大きく取るために約定率を引き上げる場合は、"通常よりも勝率や期待値が高くなることが期待できる状況"、ということが絶対条件となる。

イザナミ開発者の大内さんがフレキシブル指値の具体的な内容まで書かれているので、ちょっとだけ便乗して書いてみようと思う。
ただし現在の私のシステムの根幹にかかわる部分なので、大内さんとはまったく違ってごくごく漠然とした内容だけだが(笑)。

どんな時でも指値を固定するのではなく、個々の状況に応じた指値にするということは合理的な考えだと思う。ただしこの場合その個々の状況と修正した指値の間に相関がないと意味がないと思う。例えばある状況と仕掛けようとする銘柄の当日の安値の深さなどである。この場合の安値の深さとは例えば
・前日終値と当日安値の関係
・当日始値と当日安値の関係
などが考えられる。これらとさきほどの仕掛けようとする銘柄の条件に相関があるなら、その相関にそった指値位置にすることはシステムとして有利になるはずである。

というようなことを私はいろいろ調べてその結果をシステムに反映しているのだが、実は個々の銘柄の仕掛け前の条件はまったく使っていない。そちらはすでに基本ルールの条件に反映されているからである。したがって参照データとして使うのは基本ルールの条件には十分に反映されていないものということになる。これは仕掛け前日時点での市場全体の雰囲気(市場参加者のセンチメントと言ったほうが良いかも)、同じように当日朝のもの、そして当日朝のその銘柄の状況(個々の銘柄に関する条件はこれだけ)、さらにその時点での自分のリスク許容度(端的に言うなら儲かっているか?それほどでもないか?ということ)などなどということになる。この指値修正は勝率や期待値の向上というより(それももちろん目的のひとつではあるが)、リスクをどう取るかという目的で使っている。あまりリスクを取りたくない時はそれなりに、勝負しても良いと思える時、あるいは勝負しても損失は限定的と思えるような時は、リスクを"取れる"ようにする、というようなことになる。さすがにあまり詳しいことは書けないが、例えば同じ押し目買いの指値でも先週金曜の指値と今日の指値ではかなり違うということになる。

今日はしばらくぶりに仕掛けたものがすべて含み益で、さらに私としてはごくごくたまにしかないストップ高のものまであるのでちょっとだけ調子に乗って書いたと思ってください(笑)。

私がシステムトレード(らしいこと)を始めたのは2000年代前半だった。当時は私の住んでいる地方都市でも何軒かの証券会社の店舗があった。たまに訪れると株価ボードの前に何人かの投資家(?)らしい客をよく目にした。当時、手数料が割安のネットトレード証券という意味では、松井証券とイートレード証券(現在のSBI証券)ぐらいしかなく、まだまだネットトレードの比率は小さかったのだと思う。また日経先物も夜間取引などはなく、夜はまな板の鯉になるしかない状態だった。おそらくこれがダウ逆張りがよく機能した最大の要因ではなかったかと思う。その後リーマン・ショックを経てネットトレードがどんどん普及していく。そのなかで空売り規制の変更等もあったが、取引環境の変化という意味で最も影響が大きかったのは2013年1月の信用取引のルール変更だろうと思う。

このように日本の株式市場の取引環境や取引条件は2000年から現在まででかなり変化している。

これらの変化は本来の意味での"株式投資"ではあまり影響があるようには思えない。せいぜい手数料が安くなったということぐらいだろう。投資では企業価値が上がればプラスサムになり、下がればマイナスサムになる。つまり当初の目論見通り企業価値が上がるか、そうでないかの違いが結果に大きく影響し、誰かが敵とか、味方とかというようなものはない。
これに対し短期売買、つまり投機ではさきほど書いたように昔と今では取引そのものの環境や条件がかなり違っている。短期の投機は基本的にはゼロサムであり、あなたの損は誰かの儲けとなり、あなたの利益は誰かの損のおかげとも言える。この時の誰かがどんな相手だろうと常に同じ戦術が通用するというほうがちょっと不自然にも思えてくる。

株のシステムトレードはほとんどの場合投機ではないかと思っている。企業を取引するというよりも銘柄コードを取引するからである(少なくとも私の場合はそうである)。私は作ろうと思う売買ルールが投機である以上、イザナミ上の全期間、全市場で安定して期待値が高いということにそれほど価値があるとは考えていない。むしろこれだけ環境や条件が違う場合にも"同じように"儲かるというほうが○○○の可能性があるのではないか?、とさえ思っている。したがって私の場合、ルール作りもルールの調整も全期間、全市場で検証することはほとんどない。そして当然のことながら近い過去ほど重視し遠い過去ほど軽視する。

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