私はシステムトレーダーなので、直近のファンダメンタル情報には興味がない。しかし、典型的な逆張屋なので大幅下落している対象には興味も関心もある。またシステムトレーダーである以上仕掛けシグナルには従う。ということは破たん株をつかむ可能性も大きくなるのだが、もしそういうことに遭遇しても"事故だから仕方がない"とも"損もトレードの経費"とも考えない。破たん株を避けるため過去の経験(実際に破たん株を掴んだということ)や見聞から(トレードはしないが、リアルタイムで見た破たん株ということ)いろいろな条件をシステムに付け加えている(当然イザナミ上の条件だけではない)。

さて、大幅下落中だった冒頭の銘柄。私はS式と同じようなナイフ掴みルールを使っているが、S式そのままではない。先に書いたような破たん株を掴んだり、下落中のものにとことん付き合うことがないようなある条件を追加している。そしてこの銘柄にシグナルが出たのが6/22つまり木曜夜だった。前日の水曜日にはさきに書いた条件を満足しないためシグナルが出ていない。そのためストップ安を続けていたのは知っていたが、寄ったのを知ったのは木曜引け時点だった。さて昨日だが、冒頭に書いたように私は仕掛けシグナルには裁量判断をおこなうことはせずとにかく従う。ただし当日の条件があり、売り気配のままのものに仕掛けることはしないようなシステムにしている(これもイザナミ上でではなく、VBAによる自動注文でということになる)。

結局どうしたかというと、金曜寄りで仕掛けた。

このことについての検証&傾向をちょっとだけボカシを入れながら書いてみる。わかる人はすぐわかると思うし、わからない人はナイフ掴みは避けたほうが無難かもしれない(笑)。

ルールはS式もどき。
当然私の破たん株回避の条件は入っていないし、パラメータもS式オリジナルからちょっとだけ変えてある。これが基本となるナイフ掴み-1。
20170624-001
もうひとつはある限定した条件にするための条件を追加したナイフ掴み-2。わかりやすく言えば、相場全体の影響ではなく個別の悪材料で売りたたかれている場合のみを抽出するためのものということになる。
20170624-002
手仕舞いはどちらも引けなり。つまり検証は当日の値動きのみ。
20170624-003
さて結果はというと。
20170624-100
ナイフ掴み-1はまずまずだが、-2は。
20170624-101
期待値マイナスである。やはり個別の悪材料で下落しているものは避けたほうが良いという結果になっている。

ただし、翌朝の状況で分類してみるとかなりはっきりした違いがある。
20170624-102
今回の7312は上のパターンだったので素直に仕掛けたということになる。
冒頭でファンダメンタルは気にしないとは書いたが、さすがに7312は気になるし引けで手仕舞いを考えたが、午後のあの気配ではオーバーウィークでの持ち越しを決めた。

このルールでは月曜の仕掛けシグナルも出ているが、私のナイフ掴みルールではピンポイントで金曜朝のみのようだ(つまり月曜の仕掛けシグナルはない)。

なお、今日時点ではまだニュースがないようだが、これから月曜8:59までの間に"民事再生法申請確定"ということにでもなれば大損したと笑ってくださいませ。

システムトレードと裁量について私の考えをちょっと書いてみようと思う。例によってあくまで私はこう考える、というだけのことである。

一般には、システムトレードを行うなら裁量判断は避けるべきこととされることが多いと思う。
マーケットの魔術師-システムトレーダー編-の巻末にはこういう文言がある。

「裁量とメカニカルな方法を組み合わせてはならない。なぜなら、まさに両者の最悪の部分が引き出されることになるからである。」

しかしこの本に登場するシステムトレードの魔術師の中には、完全にシステムに従うというトレーダーも、システムと裁量を組み合わせるトレーダーもどちらも登場する。その割合は半々ぐらいの印象である。

結局のところ、人それぞれなのであり、その基準は、"儲かるのか?儲からないのか?"、ということになるのだと思う。

またあるシステムに裁量判断を加えた場合、その良否が客観的に(主観的にではなく)いずれ明確になるということもシステムトレードなればこそのことだと思う。システム通りの損益(イザナミ上の損益)と実際の損益の比較をすれば良い。もしイザナミ上の損益を実際が上回っていたなら、その裁量判断は”良”ということになり、そうでないなら”否”ということになる。もし結果が”良”だったなら、その判断基準をシステムに落としこむことを考えれば良いだろうし、”否”なら今後同じような状況になった時、裁量判断を加えたいとは思わなくなるだろうと思う。つまりシステムトレードの裁量判断はその結果をどう活かすか?によって"薬"にも成りうるものだと思っている。

話はちょっと変わってしまうが、私の場合イザナミの明日のシグナル通りにすべてをトレードするわけではない。それは裁量というわけではないが、イザナミには限界があるからである。イザナミでは基本的なファンダメンタル情報を扱うことはできない。また信用規制というその時点での取引条件等も同じである。当然トレード当日の価格情報も扱えない(笑)。私の場合はこれらのイザナミでは扱うことができない情報もルールの条件に組み入れている。したがってイザナミのシグナルもイザナミ上の損益も単にリファレンスというだけの意味しかない。当然スタート時はイザナミのシグナル通りだったのだが、今のこういうシステムとなる過程のきっかけは裁量判断だったということになる。

ただし、これらはトレード対象の取捨選択や手仕舞いに関わる場合のみである。仕掛けそのものを裁量判断で行うことは"まったく"ない。もしそれで上手く行くなら、システムトレーダーなど辞めて裁量トレーダーに転向したほうが良いとも思う。なぜならそのほうが稼げるからである。私の場合裁量では少なくとも大損はしないまでも(このぐらいの自信ならある・・・笑)、確実に稼げる自信などないのでシステムトレードをやっている(笑)。

"ルール作りは全期間&全対象では考えない"というシステムトレードの基本に正反対とも言えるようなことを書いたのでちょっとだけ補足しておく。

システムトレードとは、

"同じ状況での過去はふたたび繰り返す"

というのが基本だと思う。したがって過去のデータ数が多ければ多いほど、またデータ期間が長ければ長いほど統計としての信頼度は増す。これはその通りだと思う。

しかしトレード時間が短ければ短いほど、つまりせいぜい1〜2日までというようなトレード期間で考える場合、この"同じ状況での"という部分に大きな影響を受けるように思う。私は日本の株式市場ではここが常に同じとはとても考えることはできない。

一方、
"売られ続けた銘柄はいつかは売りが途絶え反転する"とか、
"買われ続けた銘柄はいつかは買いが途絶え下落する"などはどんな時代でも、あるいはどんな状況でもほぼ同じようなことを繰り返すようにも思う。

結局のところ短期であればあるほど過去のデータ数や検証期間の統計としての意味が薄くなり、長期であればあるほど逆にこれらの統計的な価値が高くなるものだと思っている。

さらに、主要参加者が外国人投資家が中心の対象と、個人投資家が中心の対象では少なくとも短期の値動きが同じになるとはとても思えない。

また売りに関しては株式の場合、先物と異なり自由に売れるわけではない。実際に株を手当したものでないと売ることは出来ないというルールになっている。そうすると売りの場合に問題となるのは、出来高でも売買代金でもなく、市場に流通している株のどのぐらいまで取引されているかということになると考えている。この比率によってこれも短期の場合だが、いわゆる"逃げることもできないような踏み上げに遭う"確率が違ってきて当然だとも思っている。

私のイザナミでのシステムトレードは売りも買いもこの1〜2日という短期のトレード期間のものばかりである。そのため冒頭に書いたようなルールの考え方をしているということになり、短期のルールであればあるほど、どんな時でもどんな対象でも同じ条件で勝負する気にもなれないし、また過去のデータ数の多さや検証期間の長さにはほとんど関心がないということになる。
これに対し中長期の場合はまったく別だと思うし、こちらなら例えシステムトレードを行うにしろ、長い期間、かつ数多くの銘柄で検証した結果はやはり統計的な信頼度が高まるように思う。

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