下の記事で条件で絞らないほうが好みだと書いたが、これについて補足しておく。

実は私は条件を絞らなさすぎのものも避ける。

ルールのカーブフィッティングは条件が多ければ多いほど危険性が高くなるとされる。そうすると理想は1個の条件ということになる。本当にそうだろうか?。
資金が無制限なら確かにそうだろうと思う。しかしそんな大金持ちはそうはいないだろう。私のような庶民レベルではそういう一個の条件のルールでは、銘柄上限1万円ぐらいでないとトレードできないだろう(それでも1000銘柄ぐらいしかトレードできないから無理かも・・・笑)。そうするといくらもとの条件がシンプルでカーブフィッティングではないとしても、自分の資金に合わせた最後の絞り込みでそれが崩れてしまう可能性が大きいように思う。したがって私はシンプルな条件だから良いとはまったく考えていない。

もうひとつ資金量の大小の違いでカーブフィッティングを判定するようなやり方もあるかもしれない。しかしこの方法にも問題がある。例えば勝率◯◯%の逆張りルールはカーブフィッティングとは思えないし、過去も将来も基本的に有効なものだと思っている。しかしこのルールは資金の大小の違いでかなり劇的にパフォーマンスが変化する。

またフォワードテストで確認ということを言われることも多いが、地合いが良ければ、つまり◯◯くんでも儲かるならカーブフィッティングされたものだろうと儲かる。つまりフォワードテストで確認しているのでカーブフィッティングではないとは言い切れないということになる。

結局のところルールがカーブフィッティングされたものかどうかを確実に判断する方法などはないということになる。

(追記)ここまでの話は株のシステムに特有のことだと思っており、どんな対象のシステムでもというわけではない。株以外はやはりシンプル・イズ・ベストだと思う。それは株以外では基本的に最適分散に相当する部分がほとんどないからということからである。

では私はこれをどう判断しているかというと、そのルールの条件でなぜ利益になるのかを自分なりに説明できるか否かだと思っている。したがってよくわからないけど過去では利益になっているのでこれでトレードするということは絶対やらない。そして自分なりに納得できる理由を見つけられたものなら、条件がシンプルである必要も条件の数が少ない必要もまったくないと思っている。そのため実際に私がトレード可能な程度までシグナルを絞ることに何の躊躇もしないということになる。

具体的に言うならナイフ掴み以外はイザナミのバックテストと最適分散のトレード数で、1.5倍程度、最大でも2倍程度までに条件で絞ることにしている。そして理想は少なくとも仕掛け銘柄は1.0倍であり、売りは可能なら全部仕掛ける、つまり1.0倍である。

例えば押し目を逆張りで買うルールを作るとする。簡単に言うなら、

・中・長期チャートでは上昇トレンドだが、
・短期チャートでは下降中であり、
・そろそろ反転しそうなもの

というようなものを狙うということになると思う。イザナミでは、月足・週足などタイムスパンが異なるものを直接扱うことは出来ないので、日足だけで何とかこういう条件を作ることになる。

さてここからどうするかだが、例えば明日のシグナルを、

1.5銘柄程度にシグナルを絞り約定率が高くなりそうな仕掛けで仕掛ける
2.10〜20銘柄程度から約定したら儲けもの(笑)というような仕掛けで仕掛ける

というふたつがあるとする。過去の期待値はどちらも似たようなものだったする。
さてどちらが好みだろうか?

ふたつをもう少し考えてみる。まず日々均等にシグナルが出るとした場合、同じポジションを持つために注文する資金量を考えると当然1.のほうが少ない。したがってイザナミで資金を考慮した検証結果としては、同じトレード資金での利益率は1.のほうがはるかに良い数値になるだろう。また逆張りの場合、損益のブレが大きくなる、つまりハイリスクになる場合とは、先週水曜のような日だろうと思う。こういう日に思いの外バタバタ約定してしまいポジション量が想定以上になってしまうことも多いかもしれない。こういう時の後にリバウンドがあれば大きな利益になるだろうが、逆なら大きな損になってしまう可能性もある。そうすると1.と同じ利益率を達成するような資金管理条件ではその時点でのエクスポージャが1.と比べてかなり大きくなってしまい、その結果2.のほうが損益の標準偏差いわゆるシャープレシオが劣ることが多いように思う。つまり過去データでのパフォーマンス数値としては1.のほうがあらゆる点で良い結果になりそうであり、商品としてのルールなら1.のほうがその商品価値が高くなるように(つまり売れそうに・・・笑)思える。

では1.のルールには問題はないのだろうか?。もし過去と同じように将来もそうなるのなら何の問題もない。

そろそろ私の好みを書いてみようと思う。私は日々のシグナルが均等であればあるほど、つまり損益グラフが綺麗であればあるほど、1.のルールを避ける。もちろん1.のようなルールも実際に使ってはいるが、その場合はシグナルはごくたまにしか出ないし、トレード回数もものすごく少ない。たまにしかシグナルが出ないので損益グラフなどは見なくてもすぐわかる。逆に日々トレードするようなものでは、2.のルールを好む。ただしさきほど書いたように2.のルールはいろいろ問題も多いので、何とかそれを回避あるいは緩和するようなことをあれこれ考え、それをルール化し、そして実際に自分のお金を投ずる。

なぜ2.が好みかは書かないが、このことが私が商品としてのルールにほとんど関心がない理由でもある(笑)。

イザナミの条件パレット等を駆使してルールを考え、自分の資金での最適分散の条件を考え良いルールにしていく。良いルールとは自分が命の次に大事な(笑)お金を預けられるルールということになると思う。普通はルール作りのプロセスはこうなるだろうと思う。

ここでイザナミでは出来ないからという理由でそこが限界だと思ってしまうことはないだろうか?。
ルールを売る立場ならこれが限界だろう。イザナミで出来る条件での最高の過去成績が商品の価値だからである。しかし使う立場なら別である。さらに少しでもトレード成績が良くなる条件があるなら自分のお金を投じる以上そうするだろう。

私の場合、こういうイザナミでは出来ないことの代表的なものには以下のようなものがある(これ以外にもいろいろあるが)。

1.複数ルールでの同一シグナルをどうトレードするか?
2.自分の資金状況からどうルールを使い分けるか?

などだが、1.は複数シグナルを許容する、しないの選択は可能である。しかし例えば5ルールで2ルールだけなら許容するが3ルール以上ならある優先で2ルールだけをトレードする、というようなことは難しいように思う。また複数ルールが約定した場合の手仕舞いをどうするか?等も個々に単独シグナルだった場合しかイザナミでは検証できない。
2.に関してはその時点のルール毎の資産額に応じた新規注文にすることは出来るだろうが、最初は1ルールのみでそのルールでの利益がある以上になったら2ルール目も稼働する、逆に損失が一定以上になったらあるルールを停止する、というようなこともできないように思う。別途そういうデータファイルを用意して環境データとして判断することで可能になるのかもしれないが、かなり面倒だと思う。苦労してそういうことをするよりも1.も2.も取引データをExcelで処理したほうがはるかに簡単である。また私の場合優先順位がかなり特殊なため実はイザナミ上のトレード資金はあってないようなものである。

私はイザナミで出来ることは当然イザナミで行っているが、こういったことはイザナミでは出来ないことと考えExcelで処理判断するようにしている。しかしながらこういう方法では過去のパフォーマンスの正確な数値を知ることは難しいかもしれない。しかしそれでも良いと思っている。過去の正確な数値など実はどうでもよく、あるやり方とあるやり方を比較してどちらのほうが良いかがわかれば(これは自分にとってということで必ずしも利益が大きいから良いというわけではない)、それで十分だと思っている。過去により儲かったものではなく実際に自分がトレードして儲かるものが良いルールだからということになる。

感覚的なものになってしまうが、私はこうしたイザナミ以外で出来ることの効用はかなり大きいと思っている。

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