「グリザイアの果実」レビュー第4段です。


―ここは、「美浜学園」―
そこには「榊由美子」、「周防天音」、「松嶋みちる」、「入巣蒔菜」、「小嶺幸」の5人が在学していた。
彼女達はそれぞれが特別な事情を持っている。

これからここに通う主人公、風見雄二もまた、特別な事情を抱えた少年だった。



この学園に通って数日。5人のクラスメイトとも次第に仲良くなり始める。
特に「入巣蒔菜」とは。

彼女は仲良くなり始めると、次第に雄二のことをおにいちゃんと呼び始めるようになった。雄二もそれを了承し、蒔菜とは兄妹の関係ということになった。


それはとある日の、蒔菜からのメールから始まった。

「私のパパになってくれませんか?」


聞くところによると、蒔菜は早くに父親を亡くし、その代わりを雄二にやってほしいとのことだった。雄二はそれを了承し、金で買われることを蒔菜に伝えると、蒔菜は小切手で七千万もの大金をだしてきた。
それは、蒔菜が母親から渡された一生分のお小遣い。
それを受け取った雄二。

そうして、おにいちゃんからパパへと呼び名が変わっていったのだった。

その後、雄二は蒔菜に自転車の乗り方を教えてあげたり、基礎体力をあげる運動をしたり、雄二の経験を生かした射撃訓練をしたりなど、二人で仲良く過ごしていき、蒔菜は町のパン屋さんでアルバイトをはじめたりもした。

そんな中、雄二は蒔菜と一緒に天音から借りたバイクにまたがり、師匠でもある「春日部麻子」の墓参りへと出発する。雄二は死んだ彼女に問いかける。
「最初はただの気まぐれだったのかもしれない。けど、ある日急に、”あぁそうか、俺はこれを守るために生かされてるのかもしれないって思うんだよな?」
そう呟きながら彼女に蒔菜を紹介するのであった。


墓参りから帰宅し、蒔菜はバイトへ。
そして夜の19時。雄二は由美子から三嶋駅付近で爆発事故があったとの連絡を受けた。
幸い蒔菜は無傷。だが、爆発したのは蒔菜の妹、沙里菜が乗っていた入巣家の車だった。

蒔菜はそれを目の当たりにしてしまい、少し元気がないようだった。


そして、その後から彼女に妙な監視がつくようになり、何者かに命を狙われる可能性も出てきた。蒔菜がバイトに出かけると雄二もその跡を追い、監視を上手く邪魔するバイトを始めるようになった。
そんな中、雄二は蒔菜について由美子から情報を得ることができた。

入巣家は女系の家系で蒔菜は宗家派で、まだその当主の座にいること。妹は分家派で今は当主の代理だということ。蒔菜が当主にならず入巣家の主権が宗家から分家に権利が移った場合、世界的なショックが起こること。そして、彼女があと3年逃げ回れば当主の権限は失われ普通の女の子にもどること。妹が怪我をしたことにより、蒔菜自体の安全も無くなってきたということ。


後日、蒔菜のバイト先のパン屋に銃弾が放たれた。多分向こうの牽制のつもりだったんだろう。

それから、雄二は遂に蒔菜の母親と直接話す機会を得ることができた。
母親の、入巣清夏の顔は蒔菜に少し似ていた。いや蒔菜が似ているんだろう。
清夏はとても食ったような性格の持ち主で、雄二に対してもそれは変わらなかった。
結局雄二は蒔菜と清夏が出した結論を出す電話役になっただけで、みじめな想いをして帰ってきた。


学生寮に帰ってきてすぐに天音から電話がかかってきた。―「パン屋さんが燃えていると」―
   警告したはずだ―とそう言われたような気がした。それはまるで宗家と分家のやつあたりだった。

その後、雄二と蒔菜にとって重要な司令がJBの口から伝えられる。

そう、それは入巣蒔菜の暗殺司令だった。
雄二と蒔菜の運命はそこから大きく動いていく。

雄二は蒔菜から自分の過去を聞かされる。それは、幼い頃、父親を目の前で失くした記憶であった。

幼い頃、蒔菜は誘拐された。
父親は蒔菜を助けるべく誘拐犯の元へと向かう。
自分が用意した身代金は、犯人のいう額に全く届かないものだった。

必死で娘を返すように説得している父親。だがそこでテレビを見ていた犯人の一人が、あることに気づく。
テレビに映っているのは紛れもない、清夏とその母親。そして清夏に手を引っ張られている沙里菜が優雅にコンサートに行く様子だった。

蒔菜の父親の正孝は分かっていた。自分は見捨てられたんだと。
入巣家は裏では数々の汚職をしていた。正義感が強かった正孝はその仕事をできるだけ避けるように行動して、それを正そうとしていた。
だがそれは入巣家にとってはただの邪魔者でしかない。

結局彼はお金を揃えられない為に誘拐犯から殺された。

彼は、入巣家に殺されたのだ。



彼は死ぬ間際まで蒔菜の話を聞いていた。
―そうして、ゆっくり、眠りについた。

「おやすみなさい・・・・・」
娘の蒔菜が生きている父親にかけた最後の言葉だった。

蒔菜は、それから何度も父親に声をかけた。
朝がきて、陽が落ちて夜になり、そしてまた朝が来る。

何度も何度も声をかけ続けた。
だが、やはり父親は起きない。
「一時間たったら起こすから」という蒔菜の約束があるのに。

―パパのうそつき―




雄二と蒔菜はある決心をする。
それはこの学園から出て逃亡生活を送ること。
蒔菜が狙われている以上、そこに在籍しているクラスメイトの安全も危ういからだ。

「入巣蒔菜さん、風見雄二。あなたたちをこの学園から除籍します。」「再入学はいつでも歓迎するから。」
由美子のこの言葉をきっかけに二人は学園をでる。

最後に、クラスメイト達とまた戻るという約束をして―



逃亡したはいいが、行き先がない。
雄二と蒔菜はとある町の古臭い宿に泊まることを決めた。



一方その頃、雄二の上司であるJBは部下のキアラと共に風見雄二の捜索にあたっていた。
派遣した工作員はほぼ全滅。きっと雄二の仕業だろう・・・・

「雄二・・・・貴方、何を考えてるのよ・・・・」

ここから、本格的に雄二達とJB達との鬼ごっこがはじまる―


「突入時間、15分前です。」
キアラがそう報告する。
そう、JB達は雄二たちの泊まっている宿に突撃しようとしていた。
外には何十人もの部隊、配置も完璧だ。
中からは二酸窒素、つまりは爆発物の危険性のある物質の反応。
部屋からは動かない対象人物たち。
そのまま突入する隊員。

JBは嫌な予感しかしていなかった。



一方雄二たちは宿の冷蔵庫の中にいた。
雄二は突入にいち早く気づき、朝から準備をしていた。部屋には数々の罠があり、どれもこれもダミー。
だが最後には本物を用意しておいた。
そうして混乱の中、隊員二人と入れ替わり上手く脱出をした。
雄二と蒔菜はまた他の宿に移り住んだ。


まんまと雄二達に逃げられたJB達は頭を抱えていた。
どうしても捕まえられなかった。相手はあの風見雄二だからだ。
結局あの爆発の中残っていたのは、蒔菜が大切にしていた「林檎の苗」だけだった。
しかもそれが解析報告書と地下にいるもはや都市伝説化している謎の教授の手紙と共に返ってきた。
「鉢植えは元の場所に戻すように。それと、くだらない仕事を私に回さないで頂戴。」
結局わけのわからないままJBは鉢植えを元に戻しに行く。


逃亡してからも鬼ごっこは続く。蒔菜が寝たあと雄二はいつものように追手を倒しに行く。
ようやく宿に帰ってきた雄二だったが、宿には蒔菜はいない。
雄二はまさか、と思いすぐに元いた宿へと急いだ。


蒔菜は最近雄二が夜になるとどこかへ出かけるのを分かっていた。多分それは私に迷惑をかけないようにするため。
だから私も迷惑をかけないようにするため、一人でこの宿に向かった。
だがやはり、探しても探してもあの苗は見つからない。

そうしているうちに蒔菜は”鬼”に見つかってしまう。
必死に抵抗し、逃げられるかと思ったその瞬間、ドン!!・・・と一発の銃声が鳴り響く。
蒔菜のお腹からは大量の血液が流れ出し、その恐怖のあまりその場に倒れこんでしまう。

駆けつけた雄二はすぐに止血してここを離れようとするが、そこには既に苗を返しに来たJBがいた。
結局自分には何もできなかった。
蒔菜の手を取って神に祈ることしか。

二週間後。結局蒔菜は病院に担ぎ込まれ、一命を取り留めた。意識はあるが眠っている状態だ。JBは身柄確保ということで暗殺命令を保留にした。
そして雄二は未だ消息がつかめず、見舞いにきた母親は蒔菜から沙里菜に臓器移植をしようと考えていた。


その後雄二は蒔菜の母親を殺しに本社へもぐりこむことを決意し、蒔菜がいる病院へと向かった。

「明日の夕方には全部が終わっている・・・だから駅で待っていてくれ。必ず迎えにいく。」
そう蒔菜と約束をし、本社へ向かった。


本社の最上階には計画通りに侵入することができた。
そうして、今自分は倒れた清夏に銃口を向ける。

雄二はその重い引き金を引く――


☆「母親を殺す」→BADEND

その重たい引き金を引き、やっと、やっと清夏を殺すことができた。
その後、駆けつけた部隊のよってかなりの重傷を負った雄二だったが、なんとか脱出に成功した。


蒔菜は駅前で待っていた。雄二との、パパとの約束を守るために。

そしてようやく雄二に会えた。
だが雄二からは止まることのない、大量の血液があふれ出していた。
雄二は蒔菜名義の通帳と、自分の所属していた会社の名刺を渡す。


それから半年。どうしようも無くなった蒔菜は雄二の所属していた会社に電話をしてスグに助けてもらった。そこに現れたのはキアラだった。

そこから、蒔菜はすぐに外国に飛んだ。兼ねてからの希望通り、海辺の小さな町の片隅でパン屋をひらくことにした。
だが中々お店に客は入って来ない。入って来てもすぐにいやな顔をし出ていってしまう。
「何がいけないんだろう?」

もう雄二の声は私にしか聞こえないらしい。
こんなにハッキリ聞えるのに。

そして一本の電話が入る。―キアラからの出撃命令だ。

お腹には赤ちゃんもいる。私はなんでも一人で出来るようになった。

だから、パパは静かに待っててね。

引き金を弾く時、頭の中で騒がれると弾がそれるから・・・・


そう思いながら彼女は出かける。


パン屋に残ったのは一つの黒いごみ袋だけだ。


「母親を殺さない」→TUREEND

その重たい引き金を引く。
だが弾は反れ、母親をつらぬかなった。
雄二は結局母親を殺せなかった。

力が抜けた瞬間、清夏は警備を呼ぶ。
スグに駆けつけた警備によって雄二は腕に酷い傷を負ったが、なんとか脱出に成功した。


蒔菜は翌日の朝目を覚ました。
母親は妹と一緒に臓器提供者を求めて海外へ逃亡。
蒔菜はことごとく捨てられたのだった。
そんな蒔菜は見舞いにきたJBにこう告げる。

「パパの処へ帰る・・・パパと約束したの・・・パパが絶対に迎えに来てくれるって・・・・約束したの・・・・」


その言葉を聞き、JBは部屋を後にする。

蒔菜が部屋から居なくなったのを知ったのは、その日の夕方だった。


蒔菜は待ち合わせの駅から雄二と共に電車に乗る。

「どこか二人で遠いとこに行こう。」

雄二からは血が沢山流れている。
蒔菜としゃべっているうちに、だんだんと意識が薄れていくのがわかった―

それから一年。
雄二と蒔菜は約束した通りフロリダに家を買い、海辺の小さな町の片隅でパン屋さんをやることになった。
最初はあまり来なかった客も、今ではなじみの客が出来る程だ。
多分それは蒔菜一人では出来なかった。雄二が側にいたからこそ・・・・・

あの後、雄二は右腕を失ってしまい、9029という番号と役職は蒔菜が引き継ぐこととなった。


そこにキアラから出撃命令がでた。

蒔菜の今の一番の目標は、「この穏やかな生活を守ること」

幸せを守るにはやらなければいけないことがたくさんある。
でも大丈夫・・・・今日はまだ、頭は痛くない。


幸せを守るための銃声が、一発だけ鳴り響く。



☆感想
「グリザイアの果実」の中では最高のBADENDだろう。
てかどっちに転んでもBADな気がする。これやったユーザーたちはみんなスッキリしないらしいwwww
色々突っ込みどころ激しいからな。
妊婦で狙撃工作員って無茶あり過ぎだろwwwwとかwwww

でもまさかBADENDがスクールデイズっぽい終わり方だったとはwww

それからこのシナリオにはまだ謎がある。
それは途中ででてきた、地下のいる謎の教授。
言葉づかいや教授って呼ばれいている程頭のいい人間・・・・それってもしかして・・・という感じだ。まあただの推測なんだけど。
でも是非そうあってほしいと願う。
つか大人になったバージョンが見てみたいwwww

それからTUREENDで蒔菜の「頭はいたくない」のくだりは、9029号とその役職を受け継いで、人殺しになったからだと推測。
蒔菜のルートではやたら雄二が頭痛に悩まされるシーンがあったし。

でもこれはかなりモヤモヤする終わり方だな。