有馬記念予想展望事後公開

12/28(日)中山10R・有馬記念(G1・芝2500)
※自信度:★★★★☆(荒れ馬場+急坂適性を念頭に置きつつ、持続力でシンプルに絞る)

有馬記念(G1・中山12.5F) ※ラップは「2.5F-4F-3F-3F」で表記
08:30.0-49.3-35.8-36.4=2'31"5
 13ダイワスカーレット1-1-1-1、14アドマイヤモナーク14-14-13-11、6エアシェイディ8-8-5-7
09:29.0-48.1-36.9-36.0=2'30"0
 9ドリームジャーニー15-15-14-8、2ブエナビスタ6-6-4-3、6エアシェイディ16-16-15-12
10:30.3-51.9-35.8-34.6=2'32"6
 1ヴィクトワールピサ4-4-2-2、7ブエナビスタ11-11-9-8、11トゥザグローリー3-3-3-2
11:31.2-53.9-36.9-34.0=2'36"0
 9オルフェーヴル11-10-8-5、5エイシンフラッシュ5-5-6-5、7トゥザグローリー8-7-10-8
12:29.9-49.5-36.5-36.0=2'31"9
 1着(13)ゴールドシップ16-15-14-10(34.9)55
 2着(6)オーシャンブルー10-7-10-10(35.3/0.2)57
 [3着(9)ルーラーシップ13-13-14-12(35.2/0.3)57]
13:30.3-49.2-36.1-36.7=2'32"3
 [1着(6)オルフェーヴル13-13-12-2(36.0)57]
 2着(4)ウインバリアシオン9-11-12-4(37.3/1.3)57
 3着(14)ゴールドシップ12-11-8-4(37.8/1.5)57
「第1・第2ブロック」が「30秒ちょうど→49秒台前半」の08年を「標準」とすれば、これより1・2ブロックとも1秒ずつ速い09年はブエナビスタでも捕まってドリームジャーニーの捲り追い込みが炸裂。逆に第2ブロックが2秒半も遅い10年は、ブエナが差しに構えて前の3歳馬ヴィクトワールピサを捕らえきれずの図式。11年に至っては08年より「第1+2ブロック」合わせて5.8秒も遅い歴史的緩流で、それでも差し馬が台頭したのは3冠馬オルフェーヴルの勢い(3歳の斤量利+下り坂で動いて止まらない加速と持続力)ゆえだろう。特に下り坂で加速しながらコーナーを回って最後まで伸び切る能力は、京都の長距離と親和性が高く、近年の菊花賞馬3連勝は決して偶然ではないはずだ。
12年は08年とほぼ同じ「標準ラップ」で、逃げ差し拮抗になっていい展開。08年ダイワスカーレットほどの先行馬がおらず、3歳の斤量利の恩恵も受けた菊花賞馬ゴールドシップが完勝したが…ただこの年の2着馬オーシャンブルーはその後G1・G2ではサッパリ走れていないし、大出遅れでスタートの瞬間終わったとさえ思わせたルーラーシップが3着するのだから、少々この戦線が停滞していた印象は否めない。そして13年は「標準ラップ」だが、上がり掛かるかなりの荒れ馬場を考えると、実質やや急流だったはず。着差が大きいので2着以下の価値は微妙だったが、しかしこれで捲って2・3着のウインバリアシオン・ゴールドシップは年明け早々それぞれ長距離G2を完勝(日経賞・阪神大賞典)して、その後G1で連対(天皇賞春2着・宝塚記念1着)。先行して6着のカレンミロテッィクは2秒も負けたが、距離短縮の宝塚記念で2着激走と巻き返した。やはり厳しい流れゆえにここでの好走は意味があり、昨年並みに時計掛かっている&外差しも決まっている今年は、ウインバリアシオン・ゴールドシップともに買い要素と見るべきだろう。
額面上は2年続けて馬券になっているゴールドシップの信頼感を評価すべきだろうが…しかしやや低レベルの12年を勝ち、実質急流の13年は2着ウインにも完敗の3着までなのだから、実はそこまで抜けた評価にはならない。その点は京都長距離と親和性の高い条件を踏まえれば、菊花賞こそ圧勝したが天皇賞春で2年続けて完敗している(5・7着)こととも繋がっているのだろうが…荒れ馬場適性だけで機動力不足を補えるかどうかは難しいところだ。本来は昨年の上下と天皇賞春の明暗をもって、「ウインバリアシオン>ゴールドシップ」を決め打つところだが、しかし肝心のウインが昨年3着した金鯱賞で15着惨敗では流石に信頼もしきれない。なかなか難しい状況である。

日経賞(G2・中山12.5F)
12:31.0-49.9-38.7-37.8=2'37"4重
 [1着(8)ネコパンチ1-1-1-1(37.8)56] 
 2着(7)ウインバリアシオン14-14-10-8(35.7/0.6)56 
 [3着(13)ルーラーシップ8-7-5-3(36.2/0.7)57]
 10着(14)トーセンラー11-11-10-8(36.8/1.7)55
13:30.5-49.9-36.6-35.0=2'32"0
 1着(14)フェノーメノ4-3-5-4(34.3)56 
 [2着(1)カポーティスター3-3-4-3(34.7/0.2)56] 
 9着(13)オーシャンブルー13-13-11-12(35.1/1.2)57 
14:31.8-51.1-36.8-34.7=2'34"4
 1着(10)ウインバリアシオン9-12-11-3(33.9)56 
 [2着(11)ホッコーブレーヴ9-9-10-11(34.3/0.3)56]
 3着(2)ラストインパクト7-7-8-8(34.6/0.5)55 
 5着(8)フェノーメノ3-3-3-3(34.9/0.5)58 
 10着(13)オーシャンブルー9-11-11-11(34.8/0.9)56 
同舞台のG2・日経賞。12年は実質かなりのハイペースだが泥んこ馬場で後続も全く伸びない決着、これもかなり特殊なレースだったが、このなかでNo1・2上がりの2・3着ウインバリアシオン・ルーラーシップが、その後有馬記念で馬券に絡むのだから、荒れ馬場での末脚の裏付けにはなっている。13年はミドルペースから後半の持続力勝負、14年は超スローから上がりだけ速い瞬発力勝負で、13年はそのまま距離延長の天皇賞春に繋がるレース、14年は緩い中盤で大捲りを決めて1頭だけ抜けた持続力を使った計算のウインバリアシオンだけが天皇賞春に繋がるレースという見立てで、実際この2頭は天皇賞春で連対している。問題は同距離の今回どうかということろだが、荒れて差しやすい馬場を考えれば日経賞で後半の持続力を重視すべきで、やはりウインバリアシオンということになる。フェノーメノは昨年は素晴らしいが今年がイマイチで、今回距離延長で臨めることで変わり身を期待できるかどうか。上がりはフェノーメノを上回ったラストインパクトは、この秋京都長距離のG2勝ちを加えて進境著しいが、しかし日経賞の時点では連勝を経ての充実期で休養明けのフェノーメノと同タイムでは、G1ではまだ一枚落ちのレベルではある。
続いて、資質的にこことある程度リンクする、京都長距離戦を見ておく。

天皇賞・春(G1・京都外16F) ※ラップは「4F×4」で表記
12:47.6-48.9-49.4-47.9=3'13"8
 [1着(1)ビートブラック2-2-1-1(36.5)58]
 [2着(16)トーセンジョーダン7-7-7-5(34.0/0.7)58]
 3着(11)ウインバリアシオン12-12-12-12(33.5/1.0)58
13:47.9-47.3-49.8-49.2=3'14"2
 1着(6)フェノーメノ7-7-3-2(36.2)58
 2着(1)トーセンラー9-9-6-2(36.4/0.2)58
 5着(8)ゴールドシップ14-13-6-4(37.0/0.9)58 
14:49.3-48.3-51.0-46.5=3’15”1
 1着(7)フェノーメノ8-8-7-5(34.3)58
 2着(12)ウインバリアシオン14-14-14-8(34.1/0.0)58
 7着(8)ゴールドシップ18-18-15-14(34.2/0.5)58
 8着(3)サトノノブレス1-1-1-1(35.3/0.5)58
 9着(11)ラストインパクト4-4-3-2(35.2/0.6)58
 12着(13)オーシャンブルー16-16-18-18(34.6/1.1)58
12年でもやや中弛みの前残りだったのだが、今年は「第3ブロック」が極端に緩く、そのうえ「第1ブロック」も遅いという超スロー。道中のラップ的にはディープインパクト圧勝の06年にも似ているのだが、その06年はディープが「14-14-4-1」と楽に4角先頭で、第4ブロック「44.8」だったことに能力の高さが表れている。今年はディープよりは数段下のレースで、これで逃げたサトノノブレス・早めに進出したラストインパクトはズブズブで8・9着まで、捲ったフェノーメノ・ウインバリアシオンが力通りの決着。後方からじわじわしか動けなかったゴールドシップは、上がりで自身より前から先に動いたウインバリアシオンにも劣っており、やはり持続力では一枚落ちの印象。とにかく掛かる馬場で上がりが遅くならないと勝負にならず、年末の中山は好材料ではあるが安心はできない状況だろう。

菊花賞(3歳G1・京都外15F) ※「4F-4F-4F-3F」で表記
11:48.9-49.3-49.5-35.1=3'02"8
 [1着(14)オルフェーヴル10-10-6-3(34.6)57]
 2着(13)ウインバリアシオン18-18-16-14(34.3/0.4)57
 3着(1)トーセンラー11-12-8-6(35.2/0.7)57
12:49.3-48.3-49.2-36.1=3'02"9
 1着(1)ゴールドシップ17-17-4-2(35.9)57
13:49.5-49.5-50.1-36.1=3'05"2不
 1着(3)エピファネイア3-3-2-2(35.9)57
 2着(14)サトノノブレス7-7-6-4(36.2/0.8)57
 4着(17)ラストインパクト4-4-3-3(36.9/1.1)57
14:49.0-48.5-48.6-34.9=3’01”0
 [1着(2)トーホウジャッカル5-5-5-2(34.5)57]
 9着(15)ワンアンドオンリー7-7-5-6(35.6/1.2)57
 16着(14)トゥザワールド4-4-4-4(38.7/4.2)57
上記4年は、全て「第1〜3ブロック」が49秒台前半以内(13年は不良馬場を差し引いて実質その水準の見立て)という厳しい流れ。この4鞍だけを書いても分からないので、比較のために10年(ビッグウィーク)の年のラップを書き出せば「49.0-50.7-50.8-35.6=3’06”1」である。京都の絶好馬場では、この流れでも基本的には前は止まらないので好位差し優勢だが、外から一気に捲って4角で射程圏に入れられる馬がいた11・12年(オルフェーヴル・ゴールドシップ)は、捲り展開で持続力上位馬が圏内を独占。言うまでもなく、スカイディグニティやユウキソルジャーを引き連れたゴールドシップよりも、ウインバリアシオン・トーセンラーを完封したオルフェーヴルの方が上というのは、ゴールドの方が「第2ブロック」速い流れに引っ張られながら時計が超えなかったことにも表れているし、まさに昨年の有馬記念の序列にも表れている。菊花賞の評価でも、ゴールドシップは前年2着のウインバリアシオン程度、ひょっとすると外外回して強引に仕掛けたトーセンラーよりも下かもしれない。実際過去2年の天皇賞春でゴールドシップはそれぞれトーセンラー・ウインバリアシオンに完敗しており、長距離での序列からは、中山荒れ馬場替わりでの逆転を目指す立場である。
厳しい流れの中でも、僅かに中弛みだったのが13年。これで好位抜け出しのエピファネイアはやや楽な競馬で、よく差したサトノノブレスの評価を上げたいが、しかし上がりだけでもエピファの方が完勝ではやはり差はある。そして今年の菊花賞で1・2番人気を背負いながら1秒差以上の大敗を喫した3歳馬2騎が、好相性の中山での巻き返しを目指して出走してくるが、菊花賞で1秒以上も負けた馬・掲示板を外した馬が、同年の有馬記念で掲示板に載ったのすら過去10年でタマモベストプレイ(13菊花賞1.3差8着→13有馬記念2.0差5着)だけである。良馬場の菊花賞に限定すれば、まず巻き返しはないと言っていいだろう。理由としては、前述の通り京都の馬場が速くなり、中山の荒れ馬場よりはやや長い距離での好走が求められることから、菊花賞とのリンクの度合いが高まっている現状で、状態面を考えても劇的な一変が考えづらいということ。ワンアンドオンリー・トゥザワールドともに内目の好枠だし、前者の父ハーツクライも後者の母トゥザヴィクトリーも有馬で大駆けを果たした縁深い血統だが、それでも相当厳しいはずである。

あとは直近の秋G1と、近年有馬に繋がっているG2・金鯱賞を見ておこう。

天皇賞・秋(G1・東京10F)
12:34.8-45.9-36.6=1´57"3
 [1着(12)エイシンフラッシュ11-12-12(33.1)58]
 2着(4)フェノーメノ4-4-4(33.8/0.1)56
 [3着(6)ルーラーシップ16-15-16(33.1/0.3)58]
 6着(11)ジャスタウェイ5-5-6(34.0/0.5)56
13:35.0-47.2-35.3=1'57"5
 1着(7)ジャスタウェイ11-10-9(34.6)58
 2着(9)ジェンティルドンナ2-2-2(35.8/0.7)56
 13着(14)オーシャンブルー13-13-13(36.7/2.5)58
14:36.4-48.7-34.6=1'59"7
 [1着(4)スピルバーグ13-14-12(33.7)58]
 2着(1)ジェンティルドンナ3-3-3(34.4/0.1)56 
 6着(5)エピファネイア9-10-9(34.1/0.2)58 
 7着(3)デニムアンドルビー10-11-12(33.9/0.2)56 
 8着(7)サトノノブレス5-5-6(34.4/0.3)58
 14着(9)フェノーメノ13-11-9(34.6/0.7)58 
中盤速い12・13年、前前で捌いた馬の底力を基本性能として評価するか、速い上がりで好走した馬の持続力を距離延長に繋がると評価するか。単体では難しい評価で、昨年激流先行で2着のジェンティルドンナの底力は評価しつつも、荒れ馬場急坂では宝塚記念で3・9着と崩れ、距離実績も12Fまでしかないことからは、距離延長への対応の裏付けが実は足りていないとも。激流12年の離れた好位から自身の上がりが速かったフェノーメノあたりが実は買いやすいはずだが、同馬は緩んだ14年伸びなかったように、古馬になってからは資質がかなり極端に長距離に偏っており、この舞台は合うはずだが小回りで進出が上手くいくか機動力の問題はある。スローの今年は中団からジェンティルより速い上がりのエピファネイア・デニムアンドルビーに、距離延長への含みがある…というのは、両馬ともJCで連対経験があるのだから、言うまでもないだろう。そして急流中距離から荒れ馬場長距離までG1連対歴があるエピファネイアに対して、デニムの方は底力の補完がないので今回の信頼度に大きな差があるのも、これまた自明である。

ジャパンC(G1・東京12F)
12:35.8-36.5-36.1-34.7=2'23"1
 1着(15)ジェンティルドンナ2-2-3-6(32.8)53 
 [2着(17)オルフェーヴル12-13-10-3(32.9/0.0)57] 
 [3着(13)ルーラーシップ13-11-13-15(32.7/0.4)57 
 5着(4)フェノーメノ4-5-5-7(33.5/0.8)55
13:37.0-38.2-36.8-34.1=2'26"1
 1着(7)ジェンティルドンナ3-3-3-4(33.9)55 
 2着(9)デニムアンドルビー12-14-13-13(33.2/0.0)53 
 7着(1)ヴィルシーナ3-3-3-4(34.0/0.2)55
 15着(13)ゴールドシップ16-17-13-13(34.7/1.4)57
14:36.0-35.8-36.1-35.2=2’23”1
 1着(4)エピファネイア3-2-3-4(35.0)57
 2着(1)ジャスタウェイ10-8-8-8(35.1/0.7)57
 4着(3)ジェンティルドンナ7-7-6-5(35.5/0.9)55
 7着(10)ワンアンドオンリー12-11-10-8(35.4/1.1)55
 8着(16)フェノーメノ10-13-14-11(35.3/1.1)57
 11着(8)デニムアンドルビー17-17-18-16(35.5/1.7)55
そしてジャパンC。ジェンティルドンナがオルフェーヴルをねじ伏せた(微妙な接触はあったが)12年は、激流だが上位馬は上がり32秒台で好位が離れて脚を溜めていたのがよく分かるラップ。これに対して今年は雨が残って緩い馬場でもあり、同様の激流だったが上位の上がりは35秒台、当然底力が問われたのは今年の方である。ジェンティルドンナ陣営が馬場の緩さを決定的な敗因として挙げたように決して速い馬場ではなく、それを考えればエピファネイアが12年ジェンティルドンナが53キロで記録したのと同じ時計を、競り合いでもなく記録したのは恐ろしいパフォーマンスと言っていい。特殊馬場ならばともかく、一定の時計は出るが堅すぎない馬場とすれば、直結とは言わないまでも、今回のレースに繋がる度合いは低くはなさそうだ。即ち荒れ馬場での距離延長ならば、ジェンティルドンナは再度馬場が敗因になりかねないはず。
個人的に、今秋最も衝撃を受けたのがこのレースのジェンティルドンナの「4着」で、彼女の過去のキャリアに於いて、ここまで左回り【4,3,0,0】・かつ中6週以内の出走【8,0,0,0】だったのに、中3週で大目標と前々から掲げた左回りG1で馬券圏内すら外したのは、正直(高いレベルでの話ではあるが)”終わった”と感じさせるに十分な結果だった。ラップ的にも超スローで溜め殺した京都記念とは違い、上記の通り十分厳しい流れだっただけに、やはり何かが変わっているのは間違いないだろう。
難しいのはジャスタウェイ。凱旋門賞帰りで2着確保は十分強く、叩いた上がり目を考えればエピファネイア逆転も視野に入っていいところだが、逆に言えば前のエピファに上がりだけでも上回れず、さらに距離延長で相手のフィールドでの勝負を強いられるとすれば、着差が拡がっても驚けない。単純な事実として4馬身差付けられた相手よりも人気しているならば、それだけで妙味が薄いとは言えるのだが。

金鯱賞(G2・中京10F)
12:37.0-48.2-35.2=2'00"4
 1着(6)オーシャンブルー8-8-7-7(34.7)56 
13:35.9-47.6-36.1=1'59"6
 [1着(11)カレンミロティク2-2-2-2(35.8)56]
 3着(4)ウインバリアシオン9-9-9-8(34.6/0.5)56
 10着(10)オーシャンブルー11-11-12-12(35.3/1.6)57
14:35.7-47.7-35.4=1’58”8
 1着(4)ラストインパクト6-7-7-7(34.6)57
 2着(12)サトノノブレス9-9-7-7(34.8/0.2)57
 12着(7)オーシャンブルー14-12-13-13(35.4/1.3)56
 15着(13)ウインバリアシオン12-12-13-13(36.1/2.1)57
中盤〜上がりが速い12年の勝ち馬オーシャンブルーが直後の有馬記念で2着して、俄然注目が高いステップとなった金鯱賞。昨年はテン速く、先行押し切りの勝ち馬は有馬6着→宝塚2着と、中距離の方が走ったが、後方から速い上がりの3着ウインバリアシオンが有馬2着とキッチリこのステップの伝統を守った。今年はテン更に速いが、中盤〜上がりも十分速く、このなかで上がり34秒台の上位2頭(ラストインパクト・サトノノブレス)は少なくともこのレースでのオーシャンブルー・ウインバリアシオンのパフォーマンスには達している。問題は、オーシャンブルーの年は前述の通り有馬のレベル疑問、そしてウインバリアシオンはこのレースが1年半ぶりの休養明けだったことだが、時計的にこの2騎を1秒以上上回るレコードだったことで、その差は埋められそうではある。ちなみに4角同じ位置から0.2差ついた上位2頭は「勝負付けが済んだ」感もあり、人気に差は出ているが、厳しい中盤に脚を使ったのはサトノの方で、テンの0.2差がそのままキープされただけと見れば、持続力は同等と見ることもできそうだ。

△(1)トーセンラー
この舞台では12日経賞10着しかなく適性には疑問符がつくところだが、しかし厳しい流れの京都長距離でで11菊花賞3着・13天皇賞春2着とG1好走しており、持続力自体は上位のはず。13宝塚記念5着と荒れ馬場+急坂も全くダメでないことからは、距離延長で前進を織り込めば一発の可能性はあっていい。内ラチ沿いが特にいい馬場ではないが、ロスなく折り合って行ける内枠は悪くないはずで、3角前に上手く外に出せれば。

…(2)ヴィルシーナ
宝塚記念3着で、いつの間にやらG1でも7回目の馬券絡み。とうとう初の牡馬相手のG1馬券圏内を急坂グランプリで果たしたのだから、決してバカにはできないが、ただこれは少頭数でスローの恵まれだったのは間違いない。宝塚記念と同距離のエリザベス女王杯で11着大敗では、好枠でも距離延長で前進は考えづらい。

…(3)ワンアンドオンリー
皐月賞は最速上がり4着、ダービーでは位置が取れて快勝。さらに距離延長ならば前進あっていいし、急坂コースで外差しの形になれば確実に伸びそうなポジションなのだが…しかし実際菊花賞でもJCでも厳しい流れで完敗しており、ここでの差はちょっと大きい。神戸新聞杯では菊花賞1・2着馬を下しているし、急坂替わりで前進はあっていいが、消せる券種で絞って勝負。

…(4)ジェンティルドンナ
国内外問わず活躍した女傑が、ベストの回り&距離&ローテで史上初のJC3連覇を目指したが、4着完敗。残念ながら時代の変遷は明らかで、牝馬がここまで決定的な敗戦から巻き返した例はまず見当たらない。もちろん同馬の「京都記念6着→ドバイSC1着」をその類として挙げる向きはあるだろうが、繰り返すが超スローの右回り前哨戦で飛んだのとは前走の負けは訳が違う。勝負の”消し”。

…(5)ラキシス
エリザベス女王杯で4秒半時計を詰めての2→1着は、資質の幅を物語っており、もうワンランク上の持続力+急坂適性を示していればギリギリ買えていい馬。中日新聞杯2着をどこまで評価するかだが、自身「中盤49.6→上がり34.4」しか踏んでおらず、ラストインパクトの金鯱賞「中盤47.5→上がり34.6」とは2秒分の差はある評価になる。好枠+Cデムーロ騎手魅力だが、ここは消して絞る。

…(6)トゥザワールド
皐月賞はやや溜め頃した印象の2着で、ダービーは外を回しての5着はむしろ額面以上の強い負け方。そもそも黄菊賞(当時京都9F)で見せたような強気の一貫ラップに持ち込む底力が持ち味なのに、それを封じたままなんとなく対応できてしまったがゆえに、武器を見失っているような状況である。結果的に菊花賞大惨敗で、ようやく中距離の集中力を発揮できる舞台に照準を絞ることになりそうだが…しかしまさかの長距離連戦。もちろんこの実績ならば有馬記念に出走してしまう陣営は責められないが、当然の静観。

▽(7)ラストインパクト
日経賞3着も天皇賞春9着も、ウインバリアシオンとは格の差がある内容。京都大賞典はスローで同開催の準OPディープインパクトCより1.4秒も遅い時計と、持続力に大きな加点ができない状況。中盤速い金鯱賞でのレコード勝ちの持続力で、急坂適性と合わせて水面下で力を付けて来たのがようやく証明された形で、人気先行馬に地力も伴ってきた状況だろう。サトノノブレスを物差しにすればまだG1級では一枚落ちだが、ヒモには。

…(8)メイショウマンボ
中距離の集中力が持ち味で、大外枠から早仕掛けしながら4着確保のローズSや、見事勝ち切った秋華賞がその強みを存分に活かした内容。牝馬限定戦では立ち回りとデキの良さでエリ女もヴィクトリアMも対応していたが、しかしそれすらも今秋はできていない状況。加えてさらなる距離延長も急坂もマイナスで、当然厳しい。

○(9)ウインバリアシオン
有馬記念2着・日経賞1着・天皇賞春2着は明らかに上位の持続力で、その後の大敗続きは物足りないが、しかし恐らく宝塚記念のレース中に屈腱炎発症、前走はその後遺症で全力で走っていないとすれば、敗因は明確に存在する。もちろん今回その”敗因”が完全に払拭できた保証もないのだが、まともならば本命級の馬がここまで人気ないならば、しっかり買っておくのが筋。主力視。

○(10)フェノーメノ
3歳時には東京10F天皇賞秋で2着した馬が、その後は中山・京都の長距離に特化しているし、セントライト記念・日経賞と4歳春までは前哨戦ハンターだった馬が、5歳春には日経賞5着→天皇賞春1着と叩き良化型に。面白いほどに資質が変動する馬だが、現状では2戦叩いて距離延長+中山替わりならば、少なくとも前走から好転する条件が揃ったと判断。3角の下りで加速する長距離での持続力勝負ならば現役屈指の適性は秘めているはずで、内から2頭目あたりが伸びている今の馬場もマッチする着順。時折中山では大捲りを発動する田辺騎手だが、この馬の器用なコーナリングの強みをしっかり理解して捌いてくれるのを期待したい。

△(11)サトノノブレス
昨年菊花賞2着はエピファネイアに完敗、天皇賞春は8着とフェノーメノ・ウインバリアシオンに完敗。比較上は厳しいが、ここに来て距離不足の天皇賞秋で0.3差、急坂持続力勝負の金鯱賞で2着と充実急。もちろん主力との差を埋めた根拠は薄いが、順調度は強みだし、前走同等の持続力だったラストインパクトとの人気の差を思えば、ヒモには拾っておきたいところ。

…(12)デニムアンドルビー
急坂重馬場のローズS1着があり、昨年JCは3歳牝馬にして2着。意外とバカにできない能力と適性だが…ただその昨年JCは超スローを差したもので、急流でもっと差せていい今年のJCは11着大敗では、やはり単純にキレだけでここに入ると底力は見劣ると判断。消して絞っておく。

○(13)エピファネイア
小回り中山で外枠を引いてしまい、距離ロスもあるし壁が作れずに剛腕スミヨンから乗り替わったテン乗り川田騎手では不安が大きい…という諸条件が全く気にならないくらいに、前走の時計も相対的な上がりも圧倒的。香港のQE2杯は距離不足でやや忙しいなか、激流を結果的には早仕掛けで勝ちに行ってしまったレースで、先行馬総潰れのなか0.7差4着はむしろ相当強い負け方。つまりJCは一変した大駆けなどではなく「海外遠征での強い負け方」→「国内復帰初戦で超スローに殺されながら速い上がりにも対応して0.2差惜敗」→「全てが上手く行って実力通りの完勝」という流れなので、あの着差は額面通り受け取るべきだと判断する。前走4馬身以上千切った相手と人気差がない状況からもシンプルに妙味は大きく、主力視。

▽(14)ゴールドシップ
急坂+荒れ馬場はベスト条件で、当然ここも主力の一角となっていいところだが…前述の通り、勝ち切った12年はやや低レベルで、13年はウインバリアシオンにも完敗の3着。その後決して長距離適性の補完があった訳でもないので、ここで1番人気を窺う位置に推されるのはやはり過剰人気だろう。敢えてヒモまでとする。

▽(15)ジャスタウェイ
中距離で持続力を発揮するのがベストだが、中盤速い昨年天皇賞秋で最速上がりで圧勝したように、ある程度は距離延長にも耐えうるフラグはあった。実際ジャパンCでは海外遠征帰りで2着を確保するのだから十分その力を見せつけたのだが…しかし国内で0.7秒も負けたのは、まだ古馬OP勝ちすらない昨年春以来のことである。やはり幾ら良化しても、適性からはさらなる距離延長でエピファネイアとの差が簡単に埋まるとは思えない。薄めヒモまで。

…(16)オーシャンブルー
12年金鯱賞1着から有馬記念でも2着激走したが、その後はその金鯱賞も13年10着・14年12着と何もできていない状況。というか、ここ2年間は掲示板すら14中山金杯しかなく、長距離対応の持続力をキープしている裏付けが全くない。

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◎(13)エピファネイア
○(9)ウインバリアシオン
▲(10)フェノーメノ
△(14)ゴールドシップ
×(1)(7)(11)(15)

印を増やすとキリがないので、勝負は◎(13)エピファネイアから2連系で絞る。オッズの関係で×(15)ジャスタウェイだけは馬単の一方通行としつつ、小銭で○(9)ウインバリアシオンからも拾っておく。

推奨買い目
馬連(13)流し=(9)(10)(14) 各2,000円×3
馬単(13)→(15) 1,000円
馬連(13)流し=(1)(7)(11) 各600円×3
馬連(9)流し=(1)(7)(10)(11)(14)(15) 各200円×6

※参考買い目:3連複フォメ(13)=(9)(10)(14)=印

有馬記念予想事後公開(予定)

月1鞍ずつの予想展望の事後公開予定、12月は有馬記念の予定とします。
レース終了以降に 、的中・不的中にかかわらず、こちらにUP致します。

【半笑いの予想】【note】11/2(日)東京11R・天皇賞秋〜予想展望サンプル

「半笑いの予想」及び「note」での予想・展望購入に際してのサンプルとなるように、事前に宣言したレースを月1回以上、事後公開して行く予定です。まずは×→◎→▲の結果で買い目は不的中だった、天皇賞秋を公開します。(公開日時は「note」での当初の公開日時に準じています)

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東京11R・天皇賞秋(G1・芝2000)
 
※自信度:★★★★☆(能力・適性的には完全に絞れるが、上位馬に休養明け多く状態リスクあり、降雨もあって馬場リスクも)
 
極めて高いレベルのスピードとスタミナの融合が求められる、JRA唯一の古馬10FG1・天皇賞秋。今年は過去の勝ち馬はトーセンジョーダンのみだが、なんと過去4年の2着馬が全て集合するという面白いメンバーになった。
 
天皇賞・秋(G1・東京10F)
09:35.6-47.9-33.7=1'57"2
(3)カンパニー9-9-9、(2)スクリーンヒーロー2-4-4、(7)ウオッカ13-14-14 
10:35.3-48.0-34.9=1'58"2稍
[1着(2)ブエナビスタ9-8-8(34.1)56]
2着(7)ペルーサ17-17-17(33.6/0.3)56
[3着(12)アーネストリー4-4-4(34.8/0.5)58]
11:34.3-46.0-35.8=1'56"1
1着(12)トーセンジョーダン11-10-11(34.2)58 
2着(7)ダークシャドウ7-8-7(34.7/0.1)58
3着(8)ペルーサ13-13-13(33.9/0.2)58
12:34.8-45.9-36.6=1´57"3
[1着(12)エイシンフラッシュ11-12-12(33.1)58]
2着(4)フェノーメノ4-4-4(33.8/0.1)56
[3着(6)ルーラーシップ16-15-16(33.1/0.3)58]
4着(13)ダークシャドウ9-11-11(33.6/0.4)58
5着(16)カレンブラックヒル2-2-2(34.5/0.4)56
13着(15)トーセンジョーダン12-12-12(34.5/1.4)58
13:35.0-47.2-35.3=1'57"5
[1着(7)ジャスタウェイ11-10-9(34.6)58]
2着(9)ジェンティルドンナ2-2-2(35.8/0.7)56
[3着(6)エイシンフラッシュ8-9-10(35.5/1.0)58 
7着(8)ヒットザターゲット14-13-13(35.9/1.7)58
9着(12)フラガラッハ16-16-16(35.9/2.0)58
11着(10)トーセンジョーダン8-6-7(37.0/2.3)58
11・12年は中盤が極めて速い激流に見えるが、この2回はご存知大逃げのシルポートが後続を離す逃げで飛ばしており、好位勢が踏んだラップは実は13年の方が厳しかったくらい。12年フェノーメノと13年ジェンティルドンナは、同じ「好位からの2着」でも、上がりタイムの比率を比較すれば分かるように後者の方がかなり厳しい負荷が掛かる流れだったと見るべきだろう。即ち、当時と同じ状態であれば、斤量2キロ増になるフェノーメノと同斤量で出走できるジェンティルドンナの間には明確な差があることとなる。もちろんフェノーメノには斤量増に相応の成長(その後天皇賞春を連覇)があるだろうし、ジェンティルドンナは宝塚記念惨敗からの休養明けという不安要素もあるので、現状人気が拮抗するのも頷ける状況ではあるのだが。
ただ激流+長い直線(orラスト急坂)のレースでは、斤量の影響が大きいのは定石として考えてよく、実際このレースでかなり牝馬或いは3歳馬が活躍しているのも、この点を抜きには語れないはず。もちろんウオッカ・ダイワスカーレット・ブエナビスタ・ジェンティルドンナと、牝馬にばかりスターが登場している近年の傾向のせいもあるが、しかし10年4着に3歳牝馬オウケンサクラ(これ以降21戦してOP3着が最高)が飛び込んだことなどは、その端的な例だろう。即ち、3歳秋に激走して以来の10F戦となるフェノーメノは斤量増で補えない部分も大きく、逆に強い2着だった昨年と同斤量で出走のジェンティルドンナは、状態面以外の不安は小さいことになる。
早くも「ジェンティルドンナ>フェノーメノ」の決め打ちを念頭に置いたところで、他馬について考えてみよう。

フェノーメノと同じ年に3歳で5着のカレンブラックヒルは、外枠から正攻法で0.4差ならば成長次第で十分評価できる内容ではあるが、やはり距離克服のフラグが薄いだけに当時は斤量利が大きかったと見る。フェノーメノと同じく3歳時に2着したペルーサは、4歳にも3着しているだけに価値はあるが、これはシルポートが引っ張りながら馬群は縦長になり追走の負荷が大き過ぎなかったのもハマったか。更に臨戦過程が当時とは雲泥なので、当然状態面もポイント。ならば11年にペルーサに先着した、トーセンジョーダン・ダークシャドウを素直に評価するところだが、これも共に前走大敗で状態面に問題が。1・3着より前で捌いたダークシャドウが夏場復調の兆しを見せていただけに、この組ではこれが一番狙えそうではある。
昨年7着ヒットザターゲット・12着フラガラッハは、その後じわりと地力強化の可能性は見せているが、ただこの時点でジェンティルドンナと1秒差以上あり、ジェンティルよりかなり後方から上がりだけでも上回れなかったのはちょっと厳しいか。
これだけで意外と、同舞台適性込みでの力関係が見えて来たイメージ。以下、中距離G1と主要前哨戦を見て行こう。

宝塚記念(G1・阪神11F)
09:34.7-37.0-24.4-35.2=2'11"3(ドリームジャーニー)
10:34.8-37.5-24.2-36.5=2'13"0稍(ナカヤマフェスタ)
11:33.6-37.2-24.1-35.2=2:10.1
[1着(2)アーネストリー2-2-2-2(35.1)58]
9着(13)トーセンジョーダン13-13-14-13(35.2/1.1)58
12:34.3-36.2-25.1-35.3=2'10"9
[1着(11)オルフェーヴル11-11-12-12(34.7)58]
11着(3)ヒットザターゲット9-8-8-9(38.3/3.5)58
13:34.7-35.8-24.7-38.0=2'13"2(ゴールドシップ)
[1着(10)ゴールドシップ4-4-3-4(35.2)58]
3着(11)ジェンティルドンナ3-3-3-3(35.9/0.6)56
4着(3)フェノーメノ5-6-5-4(35.8/0.7)58
11着(1)ヒットザターゲット7-7-7-8(37.1/2.4)58 
14:36.4-38.1-23.8-35.6=2'13"9
[1着(11)ゴールドシップ4-3-4-4(35.2)58]
4着(4)ヒットザターゲット11-10-9-9(35.3/0.7)58
5着(2)デニムアンドルビー6-6-4-4(35.9/0.7)56
9着(6)ジェンティルドンナ4-5-6-6(36.2/1.2)56
10着(8)トーセンジョーダン10-10-9-9(36.1/1.4)58
同じく数少ない古馬中距離G1の宝塚記念とは、ある程度連動する傾向。特にリンクするのは、「前傾激流で前にいて、とにかく底力を発揮していた」パターンと、「『第1&3ブロック』が速く、東京向きのテンのスピードと後半の持続力を両立させている」パターン。
ただ前者の底力パターンは、11年宝塚1・4着のアーネストリー・ローズキングダムや、13年宝塚2着のダノンバラードが、秋天でも激流に巻き込まれて二桁着順に沈むなど、意外とリスクがある。近年では07年メイショウサムソン(宝塚2着→秋天1着)や12年ルーラーシップ・エイシンフラッシュ(宝塚2・6着→秋天3・1着)ぐらいしか、きっちりリンクした例は見当たらない。結局信頼しやすいのは後者の持続力パターンで、「第1ブロック」34秒台・「第3ブロック」24秒台の09・10年に、好位から掲示板に載ったカンパニー・スクリーンヒーロー・ブエナビスタ・アーネストリーは、全て同年秋天で3着以内で走っている。
そういう意味では、13年はこの”持続力パターン”のラップだが、かなりタフな馬場だったので上がりは止まっており、やや”底力パターン”の文脈も含んでいるのが微妙なところ。最先着3着のジェンティルドンナを取るか、これには負けたが上がりでは上回った4着フェノーメノを取るか…まあ今回の枠順と東京適性を考えれば、前述の決め打ち(ジェンティル優位)を覆すだけの材料はないと考えるべき。
そして今年は、「第1ブロック」がかなり緩いので、ちょっと距離短縮でテンも速くなる秋天には繋がりづらい内容か。即ち過去2年11・11着のヒットザターゲットが4着と前進したのは、この流れの”変節”が大きな原因と考えられるので、成長を過大評価しなくていいだろう。デニムアンドルビーも先行して内を捌けたのが最大限嵌っており、そもそも古馬相手には11F以上のスローでしか走っていない(エリ女11F5着・JC12F2着)なので、これもスロー故の前進=距離短縮では狙いづらいと判断する。

9/21セントライト記念(3歳G2・新潟内11F)
35.1-36.5-24.1-36.0=2’11”7
1着(5)イスラボニータ4-6-6-6(35.4)56
9/28オールカマー(G2・新潟内11F)
35.4-37.3-24.5-35.0=2’12”2
1着(11)マイネルラクリマ2-2-2-2(34.8)56
4着(13)フラガラッハ17-17-18-15(33.8/0.1)56
7着(4)カレンブラックヒル1-1-1-1(35.2/0.2)57
12着(1)アスカクリチャン11-10-13-13(34.6/0.5)57
16着(8)サトノノブレス3-4-3-3(35.5/0.9)57
今年はセントライト記念もオールカマーも新潟内回りで行われたが、3歳トライアルのセントライト記念の方が0.5秒速かった。とはいえ、過去5年のうち4回はセントライト記念の方が時計が速かった(うち1回は重馬場だが、過去10年でいずれかが重馬場の場合を除いた7回のなかでもセントライト記念の方が4回時計が速かった)のだから、1週分の馬場差と頭数や本番への位置付けなどの関係から、そもそも基本的にセントライト記念の方が厳しい流れで時計が速くなる性質ではある。
ただそれでも「第1〜3ブロック」の全てでセントライト記念より緩んだオールカマーで好位から押し切ったマイネルラクリマより、イスラボニータは歴然と力を発揮したと見るべきだろう。当然上がりだけはラクリマに劣ってはいるが、「第1・3ブロック」速い「スピードと持続力両立」タイプの脚の使い方で休養明けを完勝したのだから、これは素直にここへ繋がると見たい。
逆にオールカマーで不利な最後方から抜けた上がりで0.1差4着のフラガラッハは一考の余地ありだが…加速ラップの同距離G2大阪杯で9馬身以上も負けた事実は大きく、その大阪杯で休養明けで3着のエピファネイアとは大きな隔たりがある。

毎日王冠(G2・東京9F)
10:35.5-35.4-35.5=1'46"4稍
(4)アリゼオ6-6-6、(3)エイシンアポロン3-4-3、(1)ネヴァブション9-8-8 
11:36.1-37.0-33.6=1'46"7
1着(8)ダークシャドウ9-9-9(32.7)57 
[2着(7)リアルインパクト3-3-3(33.2/0.0)57 
12:34.5-35.1-35.4=1´45"0
1着(4)カレンブラックヒル2-3-3(34.3)56
[2着(7)ジャスタウェイ10-8-9(33.0/0.0)54]
13:35.5-37.9-33.3=1'46"7
[1着(6)エイシンフラッシュ4-4-4(32.8)58]
[2着(10)ジャスタウェイ5-5-5(32.7/0.1)56]
5着(1)ダークシャドウ5-7-7(32.8/0.4)56 
14:35.4-35.5-34.3=1’45”2
[1着(2)エアソミュール6-9-8(33.3)56]
3着(8)スピルバーグ11-11-10(33.2/0.1)56
4着(1)ディサイファ4-5-5(33.8/0.1)56
9着(7)ペルーサ11-11-10(33.5/0.5)56
12着(12)ダークシャドウ9-7-8(33.9/0.6)56
エプソムC(G3・東京9F)
14:35.9-36.1-34.2=1'46"2
1着(1)ディサイファ4-8-9(33.6)56 
2着(5)マイネルラクリマ2-2-2(34.1/0.0)57
3着(4)ダークシャドウ8-10-10(33.7/0.2)59 
15着(11)ペルーサ12-15-13(34.4/1.1)56
急流先行だと、どちらかと言えばマイルCSに繋がりがちな毎日王冠。むしろスローでしっかり前を追って速い上がりで勝ち負けした、ダークシャドウ・ジャスタウェイ・エイシンフラッシュの方が距離延長で結果を出している。そういう意味では今年は急流で判断微妙、前にいたディサイファは強いが、秋の開幕週とすればそこまでの負荷ではなく前も残っているので、速い上がりのスピルバーグを推すべきか。但しディサイファに関しては、かなりスローのエプソムCで、この後オールカマーを押し切るマイネルラクリマをキッチリ捕まえており、緩急問わず崩れないのは強み。

札幌記念(G2・札幌10F) ※13年は函館施行につき割愛
10:34.6-49.2-35.6=1'59"4(アーネストリー)
11:35.9-49.8-34.7=2'00"4
1着(13)トーセンジョーダン3-4-3-2(34.5)57
12:35.0-48.5-35.2=1'58"7
[1着(5)フミノイマージン12-11-12-7(34.4)55]
2着(4)ダークシャドウ3-2-2-1(35.3/0.1)57
14:34.9-47.9-36.3=1’59”1
[1着(8)ハープスター13-13-9-4(35.5)52]
4着(11)ラブイズブーシェ10-10-9-7(36.5/1.0)57
タフな洋芝で、超スローを不利な外枠からねじ伏せたトーセンジョーダンは同年秋天1着、一貫急流で早め先頭から惜敗のダークシャドウは同年秋天4着(前年2着)と、それなりに”逆流”を覆せば、同じく大回りでの持続力勝負になりやすい東京G1に繋がっている。今年はテンも中盤も速い激流で、時計はイマイチだがハープスター・ゴールドシップでこの時計ならば、むしろ負荷がかなり大きかったということだろう。ラブイズブーシェは3着ホエールキャプチャにも負けたのは物足りないが、ただ3角から「2強」を追って動き出し、コーナーで内をすくえたのは恵まれだったものの直線では前が一旦塞がり、立て直してからしっかり伸びたのは、意外と評価できそう。

QE2杯(G1・沙田10F)
12:25.7‐25.2‐25.8‐23.9‐21.8=2'02"4(1着ルーラーシップ)
13:25.4-24.9-25.2-24.1-22.5=2’02”1(1着ミリタリーアタック、3着エイシンフラッシュ)
14:25.9-24.7-24.3-22.8-23.3=2’01”0
[1着(5)デザインズオンローム8-8-8-4(22.4-23.1)57]
4着(3)エピファネイア4-4-3-2(22.7-23.9/0.7)57
香港のG1・クイーンエリザベス2世C。超スローの12年、4角先頭で押し切ったルーラーシップは正直恵まれだと思ったのだが、ここから本格化の道を歩き出し、同年秋天でも3着好走。これよりやや速く流れた13年は、差し馬が1・2着の後で、追い込みに賭けたエイシンフラッシュが3着、同馬は秋天でこの前に1着・この後に3着している。
そして今年は過去2年よりも中盤=第2〜4ブロック(400〜1600m)が続けて速く、明らかに前に厳しい流れ。前年差し切ったミリタリーアタックが中団から差すも2着で、追い込み馬に突き抜けられる決着を考えると、前々で強気に捌いたエピファネイアの0.7差はかなり強い。逃げ馬は1.4秒、序盤2・3番手の馬は1.9秒以上差まで沈んでおり、勝ちに行って踏ん張ったエピファネイアは高評価すべきだろう。

○(1)ジェンティルドンナ
一度大敗した牝馬は心身ともに復活するのは難しいため、京都記念6着後も”終わった”との疑惑もあった馬だが、ドバイでは絶体絶命の体勢から巻き返しての完勝。京都記念と同じく、宝塚記念もスローですんなり回って来て伸びなかったものだけに、急流の内で揉まれる設定は闘争心に火を点ける可能性が高い好条件。状態からは昨年2着時の底力は発揮でき、枠順からは更に上が目指せると見て、素直に主力視。

…(2)ヒットザターゲット
昨年京都大賞典でゴールドシップやトーセンラーを下して2分22秒台で勝ち切ったのは衝撃的で、その時も内枠を活かしたものだっただけに、この枠は魅力。更に過去2年連続11着だった宝塚記念で今年は4着と、地力UPにも見えるが…しかし宝塚記念は過去2年より格段に前半が緩く、京都大賞典も「前半6F73.8→後半6F69.1」と極端な後傾ラップを更に後ろから突き抜けたもの。即ち11Fでも急流だと忙しいほどの「後半型」の末脚の馬で、10Fで淀みなく流れるとギアチェンジは間に合わないタイプと見る。消して絞る。

…(3)デニムアンドルビー
フローラS1着・オークス3着・ジャパンC2着と東京巧者。但しフローラSもJCも超スローで、オークスで負けたメイショウマンボ・エバーブロッサムは牡馬相手の10Fでは到底歯が立たないレベル。自信は宝塚記念で5着と健闘して見せたが、これは得意の超スローで内をロスなく捌けた結果。小さい馬だけに宝塚記念と同じ斤量56キロ&内枠というのは好材料だが、しかし距離短縮に繋がる内容ではなく、鉄砲で前進など望むべくもない。厳しく消して絞っておく。

▽(4)スピルバーグ
休み休み使われているのに常に崩れていないのは立派だが、メイSはスローで上がり偏重ラップ、距離延長にも格の高いレースへの対応にも繋がらない内容。そもそもスロー巧者の瞬発力タイプで、急流での持続力の裏付けはずっとないままここまで来たので、基本的には”カモ”の想定だが、ただ毎日王冠が淡々とした一貫ラップで、ある程度差しは決まっていいもののよく伸びていたのは高評価。直線入り口でやや詰まって脚を溜める形になったのがハマったのかもしれないので過大評価はしないが、ラスト100mの伸びは際立っており、距離延長で前進の可能性がなくはない。ギリギリ、ヒモとしては拾っておく。

○(5)エピファネイア
皐月賞は激流で強気に動いて2着、ダービーはスタート直後に大きくバランスを崩しながら巻き返して2着、そして菊花賞は堂々の圧勝。全く意味がないタラレバだが、少しのボタンの掛け違いで三冠馬の可能性すらあった、実質”世代最強馬”と言っていい実績、その割にあまり評価されていない印象の馬である。大阪杯はスローで少頭数なのに縦長の馬群の後方で、キレ勝負のキズナの土俵で戦うという競馬だったので完敗は仕方なし、むしろ激流のクイーンエリザベス2世Cでの4着の方が強い負け方で、この馬は決して終わっていないこと、そして世代レベルの低さに助けられた実績でないことを示したと見る。
層の厚い5歳勢に強い3歳馬が挑むという図式になっているが、牡牝ともに評判が下がり続けている”忘れられた4歳世代”が逆襲するとすれば、この馬の復活を置いて他にはない。

△(6)ダークシャドウ
11・12年の同レース2・4着、共にシルポートが引っ張る流れをよく差したもの。今回はそこまで速くならないかもしれないが、9F巧者の印象もあった当時より、現状スピードはやや落ちているがそのぶん10Fでの底力へとシフトしている模様で、場合によっては11・12年以上に”ハマる”可能性も。前走は9Fで過度の瞬発力勝負で屈したが、外回して0.6差ならば巻き返す目はあっていい。

…(7)サトノノブレス
長距離での持続力が持ち味、青葉賞4着とダービー出走は逃したが、神戸新聞杯3着と菊花賞に滑り込んで2着と激走。日経新春杯ではハナに立って長くいい脚を使っての押し切りと、自在性も身に付けたが、いずれにしても武器は後半の持続力。小倉記念では10Fでも完勝したが、これは向こう正面の下り坂で加速するステイヤー向きのコース設定で格下馬を相手にした内容だけに、東京へは敷衍できないと見る。

△(8)ディサイファ
激流スーパーレコードの都大路Sでも2着確保、超スローのエプソムCでは見事快勝。無類の9F巧者のイメージだが、昨年福島記念では、激流10Fのレコード決着で不器用に大外を捲りながら4着しており、東京でスムーズに運べばベスト条件になる可能性は低くない。そしてダート実績もある重巧者、降雨によっては更に前進も。

…(9)フェノーメノ
一昨年2着馬が、天皇賞春連覇の勲章を携えて、春秋制覇という更なる高みを求めてリベンジへ。イスラボニータの主戦でもあった蛯名騎手の騎乗ということもあり(春時点でこちらに先約があった模様)注目を集めているが、しかし10F戦は斤量利があったこの時以来で、中距離での成長の裏付けは薄い。日経賞・天皇賞春は、共に残り5Fあたりからの下り坂での加速が強みという勝ち方、もちろん天皇賞秋ではそのままでは間に合わない脚の使い方である。
宝塚記念の4着は悪くはないが完敗で、中距離急流で特に時計掛かる馬場は死角となる可能性も高い。人気ならば、消せる券種で攻めたい。

…(10)ペルーサ
3歳で2着・4歳で3着と能力・適性は十分だが、それから3年。その間は東京10FのOPですら連敗している始末で、急流巧者なのでスローでバラけると取りこぼしは仕方ないにしても、今度は状態面から肝心の底力に不安がある。同じ”リピーター”ならば、自身より内枠のジェンティルドンナやダークシャドウの方に分があると見て、比較上消して絞っておく。

△(11)ラブイズブーシェ
有馬記念4着・目黒記念2着とステイヤーにも思えるが、条件戦では函館9Fで急流を押し切ったり、福島記念でレコードの0.1差3着など、「スピードと底力の融合」のレースぶりも多々見える。札幌記念での凱旋門賞組に対しての4着も悪くなく、ここから上がり目あれば中距離G1対応の可能性も。ギリギリ拾っておく。

△(12)フラガラッハ
中京記念連覇でマイラーのイメージがあったが、1着カレンミロティック・3着ウインバリアシオンという、中長距離馬の持続力勝負となった金鯱賞での最速上がり5着の時点で本域は中距離にシフトしていたと見る。即ち今年は中京記念惨敗も仕方なく、エアソミュール(毎日王冠1着)とタイム差なしの鳴尾記念3着を物差しにすれば、差し展開ではギリギリ届いてもいい。一応印は回しておく。

…(13)カレンブラックヒル
3歳時には斤量利を活かして毎日王冠勝ちもあったが、同年天皇賞秋5着から前進の材料は見当たらない。結局マイルでも、外回りマイラーズCでは僅差4着が精一杯、中山のダービー卿CTは勝ち切ったが、東京の直線で中距離を乗り切る持続力の補完はない見立て。

…(14)マーティンボロ
今年左回り10F重賞で2勝、その間に休養明けの右回りでも2着と安定感抜群。しかしどれもスローで脚の遅さを補う挙動、向こう正面下り坂での加速(中日新聞杯・小倉記念)か、そうでなければ中盤下げても間に合う外回り(新潟記念)という内容である。当然G1ではワンランク上の持続力が要求されるので、この程度の戦績で外目の枠を引いて人気するならば、消せる券種で勝負する。

○(15)イスラボニータ
共同通信杯・皐月賞はスローで内を捌く楽な内容だっただけに、底力の大きな加点はないが、ただそもそも東スポ杯は激流レコード勝ちだったし、セントライト記念も厳しい流れで十分な持続力は示している。何よりここは斤量利が大きい3歳馬、古馬初挑戦の不安を相殺して余りある利はある。人気でも主力視。

…(16)トーセンジョーダン
3年前のレコード勝ち以来勝ち鞍はなく、昨年JCで3着と復活したがこれは超スロー先行の恵まれ。底力が戻ったフラグはなく、更に苦手な休養明けで、この枠では厳しいと見る。

…(17)アスカクリチャン
向こう正面上り坂のコースが得意で、12七夕賞・新潟記念・13函館記念・札幌記念と10F戦で4度馬券絡み。東京は起伏的にベストでないし、今夏は得意舞台の新潟記念で6着までと、まだ往時のデキでもない。

…(18)マイネルラクリマ
エプソムCはスロー先行恵まれとはいえ最内枠のディサイファとタイム差なしならば優秀な2着、オールカマーもスロー先行恵まれとはいえ休養明けで初の11F勝ちと地力UPをアピール。これだけだとスロー専用機だが、そもそもは福島では激流10FでOP1・1・2・3着があり、ハイペースでの集中力にも自信ありなのだが…ただとにかく直線長いコースでは恵まれが必要で、大回り10Fではまだ”試金石”という状況。これで大外枠ならば、ギリギリ消して絞りたい。

*****************
◎(1)ジェンティルドンナ
○(5)エピファネイア
▲(15)イスラボニータ
注(8)ディサイファ
△(6)ダークシャドウ
×(4)(11)(12)
混戦だが、昨年最先着馬が最内枠を引けたので素直に◎(1)ジェンティルドンナから。続いて好枠&オッズ的妙味込みで○(5)エピファネイアとするが、やはり3歳の斤量利込みで▲(15)イスラボニータも外せない。重馬場で注(8)ディサイファも一考、連下には△(6)ダークシャドウも。

推奨買い目
馬連(1)流し=(5)(15) 各3,000円×2
馬連(5)=(15) 1,600円
馬連(1)=(8) 800円
馬連(8)流し=(5)(15) 各400円×2
馬連(1)=(6) 400円
馬連(6)流し=(5)(15) 各200円×2

※参考買い目:3連複(1)(5)(15)(8)(6)ボックス、3連複フォメ(1)=(5)(15)=(4)(11)(12)

札幌競馬場リニューアル!〜エルムS展望

いよいよ、札幌競馬場がリニューアルオープン。とはいえ今回の改修はスタンドや周辺施設面だけで、コースに関しては従来通りで施行されるので、言うまでもなく過去のレースが重要な参考資料となる。

札幌8.5F戦 ※ラップは「2.5F-3F-3F」で表記
10しらかばS(OP):30.2-36.2-37.6=1'44"0(クリールパッション)
10エルムS(G3):30.0-37.1-36.4=1'43"5(クリールパッション)
11しらかばS(OP):29.7-36.4-38.4=1'44"5(メダリアビート)
11エルムS(G3):30.0-37.3-36.9=1'44"2(ランフォルセ) 
12しらかばS(OP):29.5-37.4-37.4=1'44"3(サイレントメロディ)
12エルムS(G3):29.7-36.2-36.3=1’42”2(ローマンレジェンド)
JRAの競馬場の中で最も平坦な札幌競馬場。芝・ダート共に高低差は1mもないというコースで(中山は芝5m・ダート4mを超える)、道中の起伏はほぼないと考えていいだろう。そんなコースで今週末行われるのが、JRA唯一の8.5F(1700m)重賞・エルムSである。
2010年以降のOP上記6鞍の平均ラップは「29.9-36.8-37.2」。平坦かつコーナーは大回りなコースでやや前傾の一貫ラップ、平均的な脚の使い方が要求されており、イメージに反して実は逃げ馬は勝てない条件である。

函館8.5F戦
10大沼S(OP):29.0-37.8-37.6=1'44"4(スターシップ)
10マリーンS(OP):30.0-38.0-36.3=1'44"3(エーシンモアオバー)
11大沼S(OP):29.8-37.0-37.4=1'44"2(エーシンモアオバー)
11マリーンS(OP):28.9-36.6-37.6=1'43"1稍(ランフォルセ)
12大沼S(OP):29.4-37.4-36.4=1'43"2稍(スマートタイタン)
12マリーンS(OP):29.8-37.2-37.2=1'44"2(エーシンモアオバー)
13大沼S(OP):29.6-38.1-36.6=1'44"3(マカニビスティー)
13マリーンS(OP):29.9-36.4-37.1=1'43"4(ブライトライン)
13エルムS(G3):29.3-36.4-36.3=1'42"0重(フリートストリート)
14大沼S(OP):30.3-36.7-37.0=1'44"0(ロイヤルクレスト)
14マリーンS(OP):29.7-36.4-37.3=1’43“4(ロイヤルクレスト)
これに対して、函館1700戦のOP11鞍の平均ラップは「29.6-37.1-37.0」(良馬場のみ8鞍の平均は「29.8-37.2-37.1」)。札幌より中盤が緩んでいるのは、この部分の大半が上り坂だからである。つまり、レースラップの額面は違うが、出走馬に対する負荷の掛かり方は極めて似ているコースであり、即ち当然函館1700戦でのパフォーマンスは札幌1700戦の重要な手掛かりとなる。その上での出し入れは、やはりコース起伏に対する適性と、コーナーの大きさに対する適性によって行うことになる。

例えば、直近の今夏函館OPを連勝したロイヤルクレストは今回登録していないが、完勝の勝ちっぷりからは、ここも出走していれば有力馬の1頭と目されたはずである。但しその上で機微を見れば、上り坂の中盤が速いラップで積極的に押し上げて先頭を奪った内容は強いものの、平坦の札幌でも同様の機動力の優位を見せられる保証は決してなく、人気ならば疑う手もあった。向こう正面下り坂で起伏が真逆の中山9Fでも準OPでジェベルムーサの2着があり、更に大回り東京で準OPを勝ち上がったことからは、起伏適性もコーナー適性も一定以上の幅がある=消すのは無謀だが、中山のOPフェアウェルSではテン速い流れで追走厳しく、捲れずに8着に終わったことを考えれば、今回先行馬が多い並びでは展開込みで大きく狙い下げることは可能だっただろう。

これがラップによる総合的な適性の判断である。既に認識している方には釈迦に説法だが、単純な数値だけで絶対的な「強さ」を測るためのものではなく、力関係を適性によって上げ下げして、馬場や展開や枠順、そしてオッズを勘案して最終的に判断するものなのだ。
という訳で、例によってエルムSの予想・最終結論は、「半笑いの予想」( http://hanwarai.net/ )にて。

函館記念はなぜ荒れる?

過去3年続けて、7番人気以下の馬が2頭馬券に絡んでいる「荒れる重賞」函館記念。当然のように3年連続で、3連複は200倍以上の配当になっている。とは言いつつ、過去10年で3回も「1番人気=2番人気」の馬連決着もあり、常に大穴に張っておけばいい訳でもない。”データ派”にとってはなかなか読みづらいレースである。
 
では”荒れる”年は、何故荒れるのだろうか。
単純に言えば「人気馬が期待通りに走らず、人気薄が想像以上の激走を果たす」から…当たり前である。問題は、その現象が起こる原因。
「夏場は体調の変動が大きく、能力通りに走らないことがある」「ハンデ戦なので、”格”より”勢い”重視の結果になる」など、一般的に言われる様々な理由はあるが、実は最大の要因は「各馬が”格”通りに走らない要素が、コースに秘められている」というのが、”半笑い”的な結論である。
 
函館と言えば、「力のいる洋芝」というのは広く知られた事実。例えば、ローカル5場の芝6F(1200m)戦の、2010年以降の古馬500万下・良馬場での平均タイムは以下の通りである。
函館:1’09”7
札幌:1’09”6
新潟:1’09”2
福島:1’08”9
小倉:1’08”3
[※函館記念は10F(2000m)戦だが、比較のためにペースによる時計のバラつきが少ない6F戦を列記している]

「平坦ローカル」と言われる5場のなかでも函館6Fは最も時計が掛かっており、小倉よりはなんと1.4秒も掛かっている。芝の質がこれだけ違えば適性が違って当然で、これが「各馬が”格”通りに走らない」大きな理由の一つなのだが…しかしこの時計は、そのまま芝の軽重を示すものではない。本予想では何度も触れているように、そして近著・「競馬で喰うためのラップタイムの参考書」でも明示しているように、コースの形態や起伏が極めて大きな影響を与えているのだ。
シンプルに言えば、「前半上り坂、後半下り坂」という起伏は、ローカル5場のなかでは唯一の特徴的なもの。スタート直後に上り坂があり、ラスト400mを切ってから下り坂があるのは福島6Fも同じなのだが、福島はゴール前200を切ってから上り坂がある点が異なっている。そしてラストの上り坂がある福島の方が時計が速いのは、比率的に函館の方がトータル上り坂部分がかなり多いこと(ざっくり言えば「800mが上り、400mが下り」)と、それに加えて「芝が重い」というのが加わった結果で、決して一つの要素だけの影響ではない。
小倉に関しては6F戦は下り坂のみで上り坂がないので、ずば抜けて時計が速いのは当然で、例えば福島と小倉で馬場適性の差が大きいとは思えない。むしろ「序盤上り坂/下り坂」で加速する適性、或いは「ラスト上り坂/平坦」で末を伸ばす適性といった、起伏に対する適性への考察の方が大切だろう。函館に関しては独特な起伏に加えて、実は小倉・福島・新潟よりもコーナーの半径は大きく、カーブでの加速はしやすいという特性もある。札幌は更にコーナー半径が大きいので「中盤〜上がり」の持続力が極めて重要で、札幌重賞好走馬が天皇賞秋や秋華賞でたびたび好走しているのは、決してレースレベルのためだけではなく、コース適性面でもリンクするためである。

上記では便宜的に6F戦で適性の差を見たが、中距離戦でもこの「起伏適性」はかなり重要で、しかも個体差が大きいので、一義的に「データ」では切りづらくなっている。
函館記念に関しては「向こう正面の上り坂」でスピード乗せて追走して、「4角〜直線での下り坂」で末脚を伸ばす適性が重要で、例えば中山・阪神・中京のハイレベル中距離G2で”格”を示していても、「4角での下り坂」で加速して行く部分は合致しても、「向こう正面の上り坂」での加速で置かれてしまったり、或いは「上り坂のないラスト直線」では末脚の優位を見せられないタイプもいるだろう。その部分は個別に適性を見て行くしかない。

最終結論は例によって「半笑いの予想」( http://hanwarai.net/ )から。今週は土曜メインの函館2歳Sも得意レースで、とても楽しみな週なので、是非とも期待して頂きたい。

JRA馬券控除率の変更に寄せて

今週末から、JRAの馬券の控除率が変更になる
ざっくり言えば「従来の控除率はオッズによって変動していたが、今後は券種ごとに固定になる」という変更なのだが…果たしてどのように変わるのだろうか。
 
従来馬券の控除率は「約25%」(単勝・複勝は「約20%」)と言われていたが、正確にはやや幅があって変動する。人気サイドだと控除率は低くなり、穴(人気薄)サイドだと高くなる。その結果「23.8〜26.2%」(単勝・複勝は「18.8〜23.2%」)とされているのだが…しかし実際の払い戻しパターンを見ると、もう実質「26%」と断じていいレベルである。ざっとまとめた以下の表を見てもらいたい。
 
koujoritu











理論上の控除率が25%になるのは、表中パターン=的中票の割合が全体の12%である場合。この場合の理論オッズは6.25倍、恐らく当初は枠連しかなかったのでこの程度のエリアが一般的だったのだろうが、現在最大のシェアを誇る3連単のオッズがこんなに安くなることはほとんどない。更に言えば、オッズが6.25倍の場合は切り捨てて「6.2倍」の払い戻しになるので、実際の控除率は25.6%になるのだ。
結果的に、的中票が5%になると実際の控除率は26%なので、事実上3連単はほぼ「26%〜26.2%」これを含め単勝・複勝を除くほとんどの馬券の控除率は「約26%」と言っていいだろう。WIN5に関しては、当然ほぼ上限の「26.2%」になる。これに対して、単勝・複勝はオッズからも「実質20%」に近い水準にはなりそうだ。
これが今週末以降は、オッズの高低に関わらず、券種によって以下の払い戻し率に固定されることになった。

koujoritu2











注意すべきは、この発表も従来の「理論値」と同じ仕組みで算出された数値ということ。例えば馬単3連複は従来の「実質26%」から「25%」に控除率が下がるというよりは、「理論値25%程度」から「25%」=変わらずと見るべきだろう。
単勝・複勝も控除率20%でほぼ変わらず。明確に損なのは「理論値26%前後」→「27.5%」になる3連単、そしてWIN5は「理論値も実質も26.2%」→「30.0%」と大幅な控除率引き上げである。逆に得するのは、「理論値22〜26%」→「22.5%」と引き下げになる枠連・馬連・ワイド、特に従来控除率が高かった高オッズ帯に関しては「26.2%→22.5%」と実質2割近い控除率引き下げ=払い戻しベースで5%程度高くなる(73.8%×1.05≒77.5%)計算である。
 
では、今後の馬券戦略をどうすべきか。
WIN5を捨てて、枠連・馬連・ワイドを買え!…というのはちょっと乱暴だ。
そもそも、的中が1通りでない複勝・ワイドや、重勝式馬券であるWIN5には、この控除率の考え方とは別次元の、他の券種との大きな隔たりがある。
 
複勝・ワイドは、そもそも穴馬券を買うには適していない馬券である。「え?穴馬こそ3着狙いで複勝でしょ?」という方は、これを見て欲しい。
 
Q: 複勝売り上げの30%を占めた1番人気馬A・25%を占めた2番人気馬Bと、3%しか投票されていない10番人気馬Cが同時に複勝圏内に入った場合、それぞれの配当は何倍になるでしょう?
 
A: Aは1.2倍、Bは1.3倍、Cは4.8倍
 
複勝4.8倍ならば好配当に見えるが…しかし投票数は1番人気馬の10分の1なのに、配当は4倍にしか過ぎないのだから、あまりに損な仕組みである。これは同じく的中が複数あるワイドも同様で、売れ方の偏り以前に、「全票数ではなく、外れた票数を案分する」という仕組み自体が、穴馬券を買うには適していないのだ。人気馬絡みの投票は不的中票を減らすので、イメージとしては「配当を人気馬に吸われる」という形になる。これを避けるには、的中が1通りしかない馬券を買うべきで、人気薄の複勝やワイドを買うぐらいならば、少々点数が増えるリスクを冒しても1頭軸で3連複(=的中が1通り)を買うべきだろう。更に今回の控除率変更を踏まえると、無理してでも2着以内狙いの馬連を買うのが期待値UPに繋がる可能性が高い。
もちろん同時に馬券圏内に人気馬が1頭もいなければ「吸われない」ので、人気馬が全部飛ぶ予想ならば買ってもいいが、そうなると今度は仕組みではなく売れ方の偏りとして3連複は大きく跳ねるはずなので、基本的に「人気薄は的中が1通りの馬券を買え=ワイドや複勝で買うな」というのは期待値を踏まえた不動の定石と見ていいだろう。そのなかの選択として、3連単は控除率が上がるので、3着でもいい3連複(控除率ほぼ変化なし)を買うのが基本形、場合によっては馬連(控除率下がって有利だが2着以内が必要)まで攻める、という選択になる。
 
尚、WIN5に関しては、単勝を5回転がす作業(本来、控除率を5回差し引かれる手順)をしているのに、控除が1回しかないという期待値的にはもともとお得な馬券(単勝支持率とWIN5購入率が同じと仮定した場合の理論値で2.25倍、単勝転がしの場合は端数切り下げが複数回含まれることを考えると差は更に大きい)なので、払い戻し率が73.8%→70%(額にして5%程度のダウン)するぐらいでは、その”お得”は揺るがない。更にWIN5は単勝よりも上位〜中位の売れ方の断層が大きい(1・2レースだけ全通り買う手法はあっても、全レース5頭以上買う人は少ないので、4番人気以内と8番人気以下の売れ方には単勝オッズ差の倍程度の差がついていると想定される)ので、配当のパターンが規定するものの方が桁違いに大きく、今回の変更によって戦略を変化させる必要はないだろう。
 
3連単については長くなるのでここでは細かくは掘り下げないが、これに関しては「控除率引き上げ」のデメリットに対応すべき部分と、WIN5と同様に売れ方の偏りから妙味を突く戦略面は変えなくていい部分の両方あるので、一概には断じにくい。シンプルに言えば、自身の予想の馬券への投影方法が3連複に変換できるものであるならば、控除率の差のぶん3連複が優位にはなる。更に言えば、序列の中で2着までの確信が特に濃ければ、更に「控除率引き下げ」で優位な馬連に変換した方が優位な場合も多そうだ。

という訳で、今回の変更に対する暫定的な結論は、一言で言えば「馬連に回帰すべき」というもの。「3着までの穴馬であれば、複勝やワイドではなく3連複にすべき」というのは、今回の変更に関わらず従来からの定石だが、3連単に対して控除率的な優位を貰えた3連複の重要度は相対的に上がる。更に今回の変更で控除率が下がったワイドは、従来は人気馬でこその馬券だったのだが、中程度の配当(或いは人気薄でも点数を買えない場合)で使い道を増やしてもいいかもしれない。

今週末からの「半笑いの予想」 http://hanwarai.net/ からの配信では、この点もしっかり意識して買い目を構築して行きたい。

昨年明暗を分けた1・5着馬、今年は?【天皇賞春展望】

今週末はいよいよ古馬長距離戦線の最高峰・天皇賞春が行われます。
06年はド人気の○ディープインパクト×◎リンカーン馬連に大勝負、09年は◎マイネルキッツ×○アルナスラインの万馬券に万張り、そして昨年は◎フェノーメノ×○トーセンラーからの完璧なヒモの取捨で△レッドカドーで3連複ゲットと、定期的に大魚を釣り上げているレースでもあり、本人の馬券はもちろん、予想のうえでとても楽しみな週末です。

以下、「半笑いの予想」からの昨年の予想配信の序盤部分を掲載してみます。
******************
天皇賞・春(G1・京都外16F) ※ラップは「4F×4」で表記
04:49.2-50.6-50.3-48.3=3'18"4【A】
 イングランディーレ1-1-1-1、ゼンノロブロイ5-5-4-4、シルクフェイマス3-3-2-2 
05:50.3-49.7-49.5-47.0=3'16"5【A】
 スズカマンボ10-11-10-8、ビッグゴールド2-2-2-1、アイポッパー10-10-9-6 
06:48.1-49.6-50.9-44.8=3'13"4【B】
 ディープインパクト14-14-4-1、リンカーン5-5-4-2、ストラダジェム14-15-10-5 
07:48.5-48.2-50.8-46.6=3'14"1【C】
 メイショウサムソン8-9-6-2、エリモエクスパイア7-7-6-4、トウカイトリック6-6-6-10 
08:49.0-48.9-50.1-47.1=3'15"1【C】
 アドマイヤジュピタ11-11-10-5、メイショウサムソン9-9-6-3、アサクサキングス3-4-2-2 
09:48.6-48.4-50.6-46.8=3'14"4【C】
 マイネルキッツ10-10-4-4、アルナスライン8-7-6-4、ドリームジャーニー12-12-11-7 
10:48.7-49.6-51.4-46.0=3'15"7【B】
 ジャガーメイル9-8-7-5、マイネルキッツ2-2-2-1、メイショウドンタク6-6-3-2 
11:50.8-51.4-50.7-47.7=3'20"6稍【A】
 ヒルノダムール9-8-7-6、エイシンフラッシュ9-10-10-8、ナムラクレセント11-10-1-1 
12:47.6-48.9-49.4-47.9=3'13"8【B】
 ビートブラック2-2-1-1、トーセンジョーダン7-7-7-5、ウインバリアシオン12-12-12-12
過去9年の天皇賞・春を、ラップ的に大別すると、以下の3つに分かれる。
【A】超スローからのロングスパート持続力勝負=04・05・11年
【B】テンと上がりが速い中弛みラップで、切れ味ベースの総合力勝負=06・10・12年
【C】中盤速い底力勝負=07・08・09年
馬場の解釈や馬群の形で異論は出そうだが、レースラップに忠実に分類するとこのようになりそう。
「第2ブロック」で49.7以上を踏んでいる【A】では上がりが速くなるので、必ず「4角先頭」馬が穴を開けている。逆に【C】は全て「第2ブロック」が48秒台と速いラップを踏んでおり、ここで控えておいてその後僅かに緩んだ「第3ブロック」で徐々に進出を始めた捲くり組が活躍。馬場差を修正しなければ12年も【C】になりそうだが、捲くりは全く不発で前と追い込みが相対的に上位だったのはいかにも【B】中弛みラップの帰趨で、この決着も分類の根拠となりそうだ。
******************
ここから始まって、各レースを分析した結果の印と買い目が以下の通りでした。
******************
◎(6)フェノーメノ
○(1)トーセンラー
▲(8)ゴールドシップ
△(4)ジャガーメイル
△(13)レッドカドー
△(18)ムスカテール
×(3)(7)(9)
▲(8)ゴールドシップの仕掛けを軸に展開が動きそうだが、日経賞の持続力からは、◎(6)フェノーメノが前から動き出せば捲くらせないまま止まらないと見る。▲が4角で大外を回せば、間を縫って○(1)トーセンラーの一発がある。

推奨買い目
3連複(1)(6)(8) 3,000円
3連複フォメ(6)=(1)(8)=(4)(13)(18) 各1,000円×6 ※3連複218.8倍的中=218,800円
馬連(1)=(6) 1,000円 ※31.9倍的中=31,900円
※計10,000円投資→250,700円払い戻し
******************
さて、今年のレースを展望するにあたって、当然昨年の天皇賞春の分析が必要になります。
13:47.9-47.3-49.8-49.2=3’14”2
 1着◎(6)フェノーメノ7-7-3-2(36.2)
 2着○(1)トーセンラー9-9-6-2(36.4/0.2)
 3着△(13)レッドカドー11-11-10-4(36.5/0.5)
「第2ブロック」が最も速く、冒頭の分類でいえばこれは明らかな『【C】中盤速い底力勝負』。しかも「第1ブロック」も速いというかなり異例のラップですが、但し前が大きく離したので実質は典型的な【C】ということになりそう。つまり序盤抑えて「第3ブロック」で進出した馬が上位を占めたのは、完璧にラップに沿った決着だったことになります。
問題は、これで完勝の勝ち馬を「蛯名騎手の完璧な騎乗がハマった、本質的な底力よりも立ち回りの勝利」と見るべきか、或いは「同舞台でこれだけの挙動ができれば、再現性が高い信頼できる勝ちっぷり」と見るか。1・3・4・5着馬が再戦することからは後者とも思えますが、フェノーメノ自身が前哨戦で完敗したのに加え、捲り合戦に乗れずに5着に終わったゴールドシップが有馬記念では早捲り・阪神大賞典では先行と自在ぶりを増していることを考えれば、あらゆる状況が変わり過ぎているようにも思えます。この2頭の”後先”だけでも、相当に頭を悩ませることになりそう。
更に復活したウインバリアシオン、そして世界のキズナと、オルフェーヴル引退後の覇権争いは、各馬の資質とそれを踏まえた陣営の戦略が大きく左右しそうです。本当に楽しみですね。

枠順も確定して、いよいよ戦闘モード。最終結論は「半笑いの予想」からお届けします。

【桜花賞回顧】冒頭ちょっと出し

※「半笑いの予想」( http://hanwarai.net/ )会員さんに配信する回顧原稿の冒頭部分だけUPしてみます。分析の文章は配信分の6分の1程度だけの公開になりますので、あしからずご了承ください。


【桜花賞回顧】

桜花賞(G1・阪神外8F)

07:35.7-24.1-33.9=1'33"7

 18ダイワスカーレット3-3/33.6、14ウオッカ7-6/33.6、3カタマチボタン3-3/34.4 

08:34.6-23.9-35.9=1'34"4

 15レジネッタ10-10/34.5、18エフティマイア6-6/35.4、13ソーマジック8-8/34.8 

09:34.9-24.2-34.9=1'34"0

 9ブエナビスタ16-16/33.3、18レッドディザイア12-12/33.7、15ジェルミナル14-14/33.8 

10:35.6-23.3-34.4=1'33"3

 9アパパネ5-4/34.1、8オウケンサクラ1-1/34.5、11エーシンリターンズ3-2/34.3 

11:34.6-23.9-35.4=1'33"9

 8マルセリーナ15-16/34.3、16ホエールキャプチャ15-17/34.3、17トレンドハンター17-18/34.2 

12:34.9-24.4-35.3=1'34"6

 10ジェンティルドンナ10-10/34.3、15ヴィルシーナ4-4/35.1、11アイムユアーズ7-6/34.9 

13:34.8-24.1-36.1=1'35"0

 7アユサン9-10/35.5、14レッドオーヴァル15-14/35.1、9プリンセスジャック13-14/35.6

14:34.8-23.2-36.3=1333

 1着(18)ハープスター18-18(32.9)

 2着(12)レッドリヴェール13-15(33.4/0.0)

 3着×(10)ヌーヴォレコルト12-12(33.8/0.1)

 4着×(15)ホウライアキコ10-10(34.1/0.3)

 5着…(6)レーヴデトワール16-13(33.9/0.3)

 6着(13)アドマイヤビジン13-13(34.0/0.4)

 7着×(14)マーブルカテドラル15-15(33.9/0.5)

 8着(9)フォーエバーモア9-7(34.6/0.6)

 9着×(16)リラヴァティ7-7(34.7/0.7)

テンは「例年通りの急流」、そして中盤は「過去最速の激流」。当然前には厳しく、1~7着が道中終始10番手以下の馬、前から6頭は全て11着以下に沈んでいる。こうなると、まずは「前6頭が11・14・15・16・17・18着だった」ことから、1秒差11着の(4)ペイシャフェリスの集中力は評価。とはいえ巻き返しの条件は定めづらく、7FOPあたりに出てくれば買いだろうが、ひょっとするとサマースプリントシリーズあたりでいい所があるかもしれない。この馬自身は9〜10Fでも好走があるスペシャルウィーク産駒を短距離に向かわせる可能性自体低そうだが、桜花賞のパフォーマンスのイメージで言えば、マルセリーナの11桜花賞で逃げて5着のフォーエバーマーク(これもファルブラヴ×ダンスインザダークなので決して短距離血統ではない)にちょっと近いので、可能性として敢えて言及しておく。まあ常識的に考えると、スピードが活きる中距離戦=紫苑Sあたりが有力か。


そして中団の馬では… ※以下は会員さんにだけ配信いたします。あしからずご了承ください。

桜花賞は順当な決着、皐月賞は?【皐月賞へ向けて】

牝馬クラシック第1弾・桜花賞は、ハープスター→レッドリヴェールと人気通りの決着でした。
唯一の上がり32秒台で突き抜けたハープスターも強かったですが、年明け初戦の出走(現状件になってからは掲示板すらなし、という臨戦過程)でクビ差2着に食い下がったレッドリヴェールも極めてレベルの高いパフォーマンス。”半笑いの予想”からの配信では位置取りの自在性を見て敢えて◎レッドリヴェール○ハープスターとしたから言う訳ではないですが、各所で「圧倒的な強さ」と評されている勝ち馬だけでなく、2着馬も十分過ぎるほどの能力を示したと言って良さそうです。
いろんな方が「ブエナビスタ対レッドディザイア」の超ハイレベル・ライバル対決を重ねて見たように、今後もこの2頭が(或いはこのハイレベル決着で11着までが1秒差以内で入線した、他の馬も含めた強い世代全体が)いい勝負をしていくことを期待したいものです。

さて、今週は牡馬クラシック第1弾・皐月賞。こちらは戦前”1強”状態だった牝馬戦線とは違い、有力馬が五指に余る大混戦になっています。きさらぎ賞・共同通信杯・弥生賞の勝ち馬(トーセンスターダム・イスラボニータ・トゥザワールド)がそれぞれ1月以前にもOPを勝っているという素質馬で、しかも朝日杯FS・ラジオNIKKEI杯という2歳主要重賞を勝った馬(アジアエクスプレス・ワンアンドオンリー)が年明け初戦のトライアルで共に2着確保と、早いうちから好成績をあげていた馬たちがほぼ全て順調にきています。通常は臨戦過程から成長力に物足りなさを感じる馬が脱落して行くイメージですが、それが見当たらないぶん、厳密に能力と適性を見抜く必要が、より高まると言っていいでしょう。

皐月賞(G1・中山10F)
07:35.5-48.5-35.9=1'59"9
ヴィクトリー2-1-1-1/35.9、サンツェッペリン1-2-2-2/35.7、フサイチホウオー13-12-11-9/33.9
08:36.2-50.3-35.2=2'01"7
キャプテントゥーレ1-1-1-1/35.2、タケミカヅチ12-11-11-8/34.7、マイネルチャールズ9-9-8-6/35.0
09:34.8-48.3-35.6=1'58"7
アンライバルド11-11-12-9/34.6、トライアンフマーチ18-18-16-16/34.4、セイウンワンダー12-12-14-15/34.7
10:35.4-49.5-35.9=2'00"8稍
ヴィクトワールピサ14-13-7-8/35.2、ヒルノダムール14-15-15-12/35.0、エイシンフラッシュ11-10-10-12/35.2
12:35.8-47.1-38.4=2'01"3稍
ゴールドシップ18-18-17-6/34.6、ワールドエース17-17-17-15/34.9、ディープブリランテ3-3-4-4/36.7
13:34.1-48.0-35.9=1'58"0
ロゴタイプ7-7-8-5/35.3、エピファネイア7-7-5-3/35.6、コディーノ5-5-5-5/35.8

07年の「テンも上がりも35秒台、ややテンが速い前傾」「中盤は48秒台」というのを標準形とすれば、09・12・13年は前傾急流、10年はやや中弛み、そして08年は例外的超スロー。前傾急流だと急坂で差し・追い込みが届くのがデフォルトですが、昨年は中団より前で進めた組が1〜3着を独占しており、これは例年よりハイレベルなメンバーだったことと、後は馬場の高速化もあったでしょう。今年はメンバーは前述の通り豪華ですが、しかし馬場はやや差しが効きそうな状況。馬場に関してはまだ予断は許しませんが、それでも基本的にはラップなりの決着になるのではないでしょうか。
これを踏まえると、やはりバンドワゴンの回避で展開を決め打ちづらくなったのは、想定の上でも大きな要素。登録19頭のうち、キャリアの3戦とも逃げたバンドワゴンを除くと、18頭は過去3戦で一度も逃げていないというメンバーなので、何が先手を取るかによって流れも変わりそう。更に展開を決め打てても、有力馬の位置取りも比較的流動的で、その評価の上げ下げもかなり微妙なものになりそうです。

よくある(?)業者広告のように、「○点で取れる」「必ず走る穴馬が存在する」などとは、枠順が決まる前/中山の馬場の状況を見る前には決して言い切れない状況ですね。最終結論は「半笑いの予想」( http://hanwarai.net/ )から配信致します。皐月賞の全馬分析・買い目を含む今週分予想の、購読申し込み締め切りは4/18(金)15時までとなります。

いよいよ明日発売、「競馬で喰うためのラップタイムの参考書」

いよいよ明日12/13(金)発売の新著「競馬で喰うためのラップタイムの参考書」に関して、目次の全項目を公開いたします。



以前UPした内容の一部公開と併せて、ご購読の検討の材料として頂けると幸いです。

はじめに
 
Chapter01:ラップタイムの基礎知識
 01-01 ラップタイムとは何か
             〜競馬とそれ以外の競技で異なる定義〜
 01-02 2つのラップタイム
             〜「レースラップ」と「各馬の走破ラップ」〜
 01-03 ラップは何を見ると分かるのか
             〜ネットを有効活用せよ〜
 01-04 ラップを分析すると分かること
             〜「能力」も「適性」も分かるツール〜
 01-05 実際のラップ分析の手法
             〜距離に応じて分割すると分かりやすい〜
 01-06 能力と適性を見抜く基本的な考え方
             〜分割ラップで能力を比較する〜
 01-07 能力と適性を見抜く基本的な考え方
             〜分割ラップで適性を比較する〜
 01-08 ラップ分析の有効性
             〜勝つために「ラップ」が有効な2つの理由〜 
 01-09 ラップ分析の有効性
             〜「着順の罠」にハマりにくい〜
 
Chapter02:ラップで分かる能力・適性
 02-01 ラップで「能力」を見抜く極意
             〜中盤が速いとハイレベル〜
 02-02 レースレベルと馬の「能力」の考え方
             〜過去の同レースのラップと比較する〜
 02-03 レースレベルと馬の「能力」の考え方
             〜低レベルのレースをどう扱うか〜
 02-04 さまざまな「能力」の種類
             〜「スピード」「底力」「瞬発力」と「持続力」〜
 02-05 競走馬が持つ能力の種類=「資質」
             〜複数のレースから見極める〜
 02-06 ラップで分かる「適性」とは
             〜未知の「適性」にも切り込める〜
 02-07 展開による脚質の有利・不利
             〜ラップに基づく6つの分類〜
 02-08 芝とダートのラップの違い
             〜特徴を馬券に落とし込む〜
 02-09 レース距離による攻略法の違い
             〜短距離では資質の評価が大前提〜
 
Chapter03:ラップ分析を馬券に生かす
 03-01 まずは「同コースでのハイレベルレースを評価」
             〜次いで形態の似たコースの実績を重視〜
 03-02 異なる流れで好走すると信頼度UP
             〜信頼できる人気馬の条件〜
 03-03 人気と信頼度の考え方
             〜危険な人気馬とは〜
 03-04 持続力は自在性に繋がる
             〜現代競馬で最も重要な資質〜
 03-05 距離延長に繋がる持続力
             〜鍵は「後半が連続して速い流れ」〜
 03-06 コース形態の重要性
             〜コーナーのキツさと坂の有無〜
 03-07 短距離では起伏が特に重要
             〜前半ラップと坂の関係〜
 03-08 ダート短距離は3種類
             〜スピード、底力、瞬発力〜
 03-09 ダート中距離は4種類
             〜スピード+αで必要な資質〜
 03-10 キャリアと資質の考え方
             〜若駒戦ほどラップ予想が威力を発揮〜
 03-11 ラップと斤量の考え方
             〜北九州記念で軽量馬が走る理由〜
 03-12 クラスと脚質の考え方
             〜クラスが上がるほど多様性が増す〜
 
Chapter04:ラップで馬券を獲る 実践編
04-01 基本は「同コースでの価値あるラップ」
             〜13年目黒記念・ムスカテール〜
04-02 最も信頼しやすい資質=「持続力」
             〜日経賞が示すフェノーメノの資質〜
04-03 馬場の変化は、適性と組み合わせて意識
             〜13年青葉賞敗退組の巻き返し〜
04-04 資質の変化・成長を見抜いて狙い撃つ
             〜エイシンフラッシュ、驚異の成長〜
04-05 臨戦過程が資質の変化に寄与
             〜13年宝塚記念・フェノーメノの死角〜
04-06 マイルは中盤の差に注目
             〜13年NHKマイルC・エーシントップの死角〜
04-07 スプリント戦は「テン」「上がり」の起伏適性
             〜テン上り坂で強いフォーエバーマーク〜
04-08 ダートはラップで並びを読む
             〜13年南部杯・エスポワールシチーの逆転劇〜
04-09 ダート中距離4種類の狙い分け
             〜場名だけ・距離だけの分類に縛られずに資質を見抜く〜
04-10 ダート中距離4種類の狙い分け
             〜逃げ馬が恵まれる4つの条件〜
04-11 ダート短距離3種類の狙い分け
             〜ナムラタイタンの狙い頃〜
04-09 ダート短距離3種類の狙い分け
             〜コース別、テン3Fラップの修正値〜
 
特別収録1:JRA 10競馬場ラップデータ
東京・中山・京都・阪神・中京・札幌・函館・新潟・福島・小倉
 
特別収録2:JRAGI 分割ラップデータ&ワンポイントアドバイス
朝日杯FS・有馬記念・フェブラリーS・高松宮記念・桜花賞・皐月賞・天皇賞春・NHKマイルC・ヴィクトリアM・オークス・ダービー・安田記念・宝塚記念・秋華賞・菊花賞・天皇賞秋・エリザベス女王杯・マイルCS・ジャパンC・阪神JF
 
Column:ラップで読み解く名馬論4編
タップダンスシチー/ダイワスカーレット/エイシンフラッシュ/ウオッカ
 
あとがき
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”半笑い”的ラップ理論の到達点

「競馬で喰うための
ラップタイムの参考書」

現時点での半笑い的ラップ理論の集大成!
ハッキリ言って自信作ですっ!

Chapter01:ラップタイムの基礎知識
Chapter02:ラップで分かる能力・適性
Chapter03:ラップ分析を馬券に生かす
Chapter04:ラップで馬券を獲る 実践編
特別収録1:JRA 10競馬場ラップデータ
特別収録2:JRAGI 分割ラップデータ&ワンポイントアドバイス
Column:ラップで読み解く名馬論4編(タップダンスシチー/ダイワスカーレット/エイシンフラッシュ/ウオッカ)
初の共著

「半笑い×夏目耕四郎の
ラップ思考だけで
馬券が当たるメカニズム」

同じ【ラップ】をツールとする
夏目氏と主張を戦わせ対談を交え
競馬を立体的に把握する
【ラップ思考】を提案!
ダート中距離攻略

「人生が変わる競馬
〜ダート中距離があれば
永遠に飯が食える〜」

単行本第3弾は
緻密なラップ分析を駆使した
ダート中距離戦攻略法!
●なぜダート中距離は
稼げるのか
●ラップ分析の基礎と応用
●儲かる11コース
完全攻略法
など
ダート短距離攻略

「当たり前なのに
まだバレていない
競馬で勝つためのルール」

単行本第2弾は
ダート短距離戦攻略法!
●ダ短距離を制す「5大要素」
●全コースラップデータ
●具体的な狙い方・馬券構築法 
など
「WIN5」も攻略!

「半笑いの馬券定理
競馬で勝つための本質」

「WIN5」攻略をメインに、データ分析から従来馬券の購入に必要な考え方も詳しく解説!
半笑いの馬券術

「半笑いの馬券術」
超欲張ってみました!
渾身の馬券攻略本、完成!!
  1)中盤ラップ分析テクニック
  2)皐月賞◎○への道程
  3)上田琢巳氏対談
  4)競馬場ラップデータ
  5)G1&重賞ラップデータ
  袋とじ)騎手データ/お宝レース
「ROUNDERS」Vol.2
R2


「ROUNDERS」Vol.2
2011/11/12発売
第2号・騎手特集
半笑いの寄稿内容は
「ラップで読み解く騎手の資質」
1,995円(税込)
http://rounders.biz/
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