2010年07月31日

ビューティフルアイランズ2

7月26日、梅田ガーデンシネマ。

実害の無い、ごく軽微な映写事故があって、お詫びの招待券を頂いたので書きにくいが...


地球温暖化の影響を既に顕著に受けている、3つの島(南太平洋・ツバル、地中海・ベネチア、アラスカ・シシマレフ)の姿を、淡々と映し出したドキュメンタリー。

一見、外国映画のような体裁だが、日本映画。
監督・プロデューサー・編集、海南友子。
エグゼクティブプロデューサー、是枝裕和。()


無駄に長い“ワンカット長回し”の映像。
何の説明も無くただ流される、地元民の祭りや踊りの情景。

とにかく、ダレる。


テレビのドキュメンタリーや科学番組・旅紀行とは別の方法論を意識して、作っていることは理解できる。
「ドキュメンタリー作家さん」のアート作品。

しかし、「お金を払って頂いて、一般観客に観てもらう」商業映画として、どうなのよ?という気がする。


(たぶん)テーマは「地球温暖化への警鐘」だと思うが...そんなもん、いまさら言われなくたって昨今の猛暑のせいで、みんな承知済。
誰しも「これはヤバい、異常だ」と感じている。
だから、「エコ」も流行っているのだ。

本作からは、観客の目を惹きつけるような斬新さ、インパクトが感じられない。
ドキュメンタリー作家の自己満足的な“個性”は存在しているが。


ただ、作り手の意図とは違うかもしれないが、いくつかの「発見」はあった。

「世界で最初に沈む島」と言われ、現実に潮位上昇の被害を受けていながら、「沈むはずがない」と盲信している地元の老人や少女。
こういう所にも、「温暖化対策」の難しさがある。

そして、シシマレフの現地住民による「アザラシ狩り」のシーン。
銃で撃ち殺して、ナイフで切り裂くんだからね〜。
残酷だよ〜。
かわいそうだよ〜。

こういうの、欧米人は、糾弾しないのかね?  
Posted by hana2007moviefan at 17:34Comments(0)TrackBack(0)

小さな命が呼ぶとき3

7月25日、OSシネマズミント神戸。

派手な宣伝がなくて、ジミ〜に公開されてる感じだが...ほんと、「いいお話」。

難病の我が子を救うため、特効薬を作る会社まで作ってしまった男、ジョン・クラウリーの実話に基づく映画。
(本人も、監修で参加。)

難病・ポンペ病の研究の権威、ストーンヒル博士を演じたのはハリソン・フォード。
本作の製作総指揮も。
(ハリウッドでは、俳優がプロデュースに参加するのも珍しくない。日本だと、記憶に新しいのは「ラブファイト」の大沢たかおくらいか...)
ジョン・クラウリー役は、ブレンダン・フレイザー。


この物語、「幼い子供たちを救うため、みんなが一致団結」的な、甘いもんじゃないところが、いい。

起業のプロセスや企業売却/買収などの“経済活動”が当たり前のように登場し、アメリカらしい「ビジネス」の実像が描かれる。

そして登場人物たちも、いわゆる“いいひと”ではない。

自分の意のままに「研究」を進めることにしか興味のない、偏屈なバツ2男のストーンヒル博士。

出資者や企業経営者は、あくまで「利潤」第一。
(薬の世界には「許容死亡率」なんて概念があることも、初めて知った。)

そんな厳しい現実の中で、クラウリーが必死に闘い、周囲の人々も少しずつ歩み寄った結果...奇跡が現実となる。


評価は、「3つ星+」。  
Posted by hana2007moviefan at 08:49Comments(0)TrackBack(0)

2010年07月26日

ザ・ロード3

7月24日、神戸へ戻ってシネ・リーブル神戸。

滅亡した世界でわずかに生き残った人々の、必死のサバイバル・ドラマ。
(原作:コーマック・マッカーシー)
主演は、「ロード・オブ・ザ・リング」などのヴィゴ・モーテンセン。
監督:ジョン・ヒルコート。


南へ向う「父親」(ヴィゴ・モーテンセン)と「息子」。
世界の滅亡後に生まれた「息子」。
だが母親は、荒廃した世界で生き抜く希望を失い、死を選ぶ。
心に“炎”を灯した“善き者”として生き続けるため、父子はひたすら歩き続ける...。


先月に公開されたばかりのD・ワシントン、G・オールドマン主演「ザ・ウォーカー」と似た設定(タイトルもね)。
「ザ・ウォーカー」は最終戦争/核戦争のイメージだったが、「ザ・ロード」の方は火山噴火など天変地異を想定しているらしい。
(津波の無い「2012」といった感じ?)
噴煙による“核の冬”のためか、空もどんよりと濁ったまま。
「ザ・ウォーカー」との決定的な違いは、もう地球そのものが生命を育む力を失い、死に絶えようとしているところ。


生存者の数や“コミュニティ”の残存の度合いなど、「ザ・ロード」の方が圧倒的に少なく、絶望的。
エンディングも、希望を抱かせた「ザ・ウォーカー」に対して、本作はどう考えても、先行き真っ暗。

もうここまで来てしまうと、立ち直りようが無いというか...
この極限状況の中、父親にとってのモチベーションは「息子」の存在のみ。
「息子」は、“善き者たるべし”だけを心の支えとして、この先も生きていけるのか...

さすがに「自分だったらどうする?」と考えさせられてしまう。


評価は、「3つ星+」。  
Posted by hana2007moviefan at 22:17Comments(0)TrackBack(0)

さんかく4

7月24日、シネ・リーブル梅田へ遠征。

製作は日活とテレビ大阪。
テレ東でなく「大阪」。
なのに、なんで関西公開が遅れるかな〜。
おまけに、プロジェクター上映。
(まぁ、画質は特に気にならなかったが。)

高岡蒼甫×小野恵令奈×田畑智子のストーカー・ラブコメディ。
みんな、ストーカー

仲里依紗主演「純喫茶磯辺」などの吉田恵輔監督のオリジナル脚本。
塚本晋也監督の下で照明を担当していたそうで、本作でのクレジットは「監督・脚本・照明」。


ナルシストの勘違いダメ男・百瀬(高岡蒼甫)は、東京で佳代(田畑智子)と同棲中だが、今はダレ気味。
そこへ、佳代の妹で中3の桃(小野恵令奈)が、夏休みに入って田舎から遊びにやって来る。
「発育の良い」(談:百瀬)天真爛漫な女子中学生との同居にドギマギし、やがて桃に恋してしまう百瀬。
桃の方も、百瀬に...

しかし夏休みは終わり、桃は田舎へ帰ってゆく。
その後、百瀬と佳代は些細な事から大ゲンカとなり、「別れる」と宣言した百瀬は部屋を出て行ってしまう。
別れたくない佳代は、百瀬の職場や転居先に出没するストーカーと化す
一方、桃を忘れられない百瀬は彼女のケータイへ何度も電話するが、なぜかいつも留守電。
果たして、この三角関係の行方は...


恐るべし、小野恵令奈の「破壊力」。
映画のファーストショットから、男の目線をつかまえて離さない。
これはもう、“人間凶器”。(笑)
こんな女の子と、夏の1か月を同居なんかしたら、百瀬ならずとも...です。

桃というキャラクターは、「小悪魔的」というよりも、基本“子供”。
その時その時の感情の赴くまま、勝手気ままに行動するけど、飽きちゃうのも早い。
再登場する映画後半のシーンでは、かわいい「女の子」の残酷さが炸裂。
コワい。

小野恵令奈の「素」なのか。
吉田監督の演技指導の賜物なのか。
とにかく、現時点においては、従来の日本映画界にいなかったタイプの女優。
(小悪魔を演じる女優はいくらでもいるが、“子供の素直な残酷さ”を演じられるのは...)

AKB48を卒業して女優業を本格化させるようだが、将来の姿が予測不能な逸材。
アイドルなのに、満島ひかりに迫るくらい大胆な場面も、既にこなしているし。
今後の活動に、大注目。


その小野恵令奈にとって、格好の“お手本”となったであろう実力派・田畑智子。
「大停電の夜に」(2005年)や「ハッピーフライト」(2008年)などが印象に残っているが、本作でも好演。
ストーカーと化した佳代が百瀬のアパートに初登場したシーンは、ホラー映画を超える衝撃と怖さ(笑)。

高岡蒼甫も、「座頭市 THE LAST」に続いての好演。
今年はこの後、三池崇史監督の「十三人の刺客」も待機中。
着実に、キャリアを積み重ねている感じ。

あと、AKB48の大島優子も、ごく短いシーンながら顔を見せている。
ほんとに短いけど、絶妙な“さじ加減”の演技。
上手くて、かつ脇役として目立ち過ぎることもない。
このブログで前に書いた通り、もっと映画のフィールドでも活躍して欲しいな〜。


吉田恵輔監督の才能と、絶妙なキャスティングが光る佳作。
コメディとしても、シリアスな恋愛ストーリーとしても、楽しめる。  
Posted by hana2007moviefan at 00:13Comments(0)TrackBack(0)

2010年07月23日

インセプション4

7月23日、109シネマズHAT神戸。
洋画の大作では「金曜封切」が珍しくないが、金曜に映画館へ行ける一般サラリーマンは、少ないはず。
今日はたまたま会社の夏季休業日だったので、その恩恵にあずかりました。

レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙の共演で話題のSFアクション。

脚本・監督は、あの「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン。
本作は、ノーランのオリジナルストーリー。
結構、難解な展開だが...見ごたえあり。
「ダークナイト」同様、上映時間がちょっと長め。(笑)


夢の中に侵入して、頭の中のアイデアを盗む技術が存在している近未来。
夢に侵入する産業スパイ集団のリーダー、コブ(ディカプリオ)。
日本人実業家サイトー(渡辺謙)がコブに持ち込んだ依頼は、「頭の中から盗む」のではなく、ライバル企業の社長の息子に「会社を潰す」という考えを「植え付ける」=インセプションすることだった。
その社長は死の床に就いており、息子は後継社長への就任目前。

極めて難しい「インセプション」の依頼に対し、成功すれば“ある条件”の実行をサイトーに約束させ、コブは依頼を受ける。
しかし、夢の中にコブの亡き妻・モルが出没し、彼のミッション遂行に影を落とす...。


「他人の夢の中に入る」という設定は、さほど珍しくはない。
最近では、塚本晋也監督の「悪夢探偵」など。
本作では、「アイデアを盗む/植え付ける」や「夢からの覚め方」などの設定がユニーク。

冒頭の“舞台”は、日本。
(だからと言って、「城」が出てくるのはねぇ...。“夢の中”とは言いつつも。)
一瞬、500系新幹線が登場したりするところは、かなりマニアックな感じ。


新幹線だけでなく...ディカプリオ・渡辺謙以外のキャスティングも、なかなかいいチョイス。
「NINE」「パブリック・エネミーズ」などのマリオン・コティヤール。
「X−MEN:ファイナル・ディシジョン」「JUNO/ジュノ」などのエレン・ペイジ。
ノーラン作品の常連、キリアン・マーフィー、マイケル・ケインなど。

渡辺謙に関しては...サイトーが何故、東洋人/日本人として設定されたのか、正直なところ、よく判らなかったが。
しかし、英語のセリフも含めて、ハリウッド映画の中で全く違和感を感じさせない力量は、さすが。
「2001年宇宙の旅」みたいな老けメイクも披露。


ラストは、まさに悪夢から覚めたような、穏やかなハッピーエンド(だと思いたい)。
あれが、「現実」の出来事だと祈りたい...。
ディカプリオをはじめとするキャストの熱演が、観客をそういう気分にさせる。


ところで。
「踊る3」の上映前には横浜ゴムのタイヤCMが流れ、「インセプション」の上映前にはブリジストンのタイヤCMが。
もし、ディカプリオと織田裕二が共演したとしたら...  
Posted by hana2007moviefan at 23:38Comments(0)TrackBack(0)

2010年07月19日

借りぐらしのアリエッティ4

7月18日、TOHOシネマズ西宮OSでの第2戦。
映像の鮮明なデジタル上映版を鑑賞。

スタジオジブリ作品。
正直、「また、同じようなものを...」という感じがして、最初は観るつもりはなかった。
気が変わったのは、予告編第2弾を見てから。
俳優陣の「声の演技」に魅力を感じたので。


で、観てみると。
はっきり言って、「ポニョ」より遥かに素晴らしく、面白い。

原作は、メアリー・ノートン作「床下の小人たち」。
ジブリのアニメーター、米林宏昌が初監督。
(宮崎駿は、企画・脚本。)

最近の宮崎駿のオリジナル原作・監督作品は、あまりにも“宮崎色”の個性が前面に出過ぎて、内容のバランスが崩れていた。
本作には、そういうところがない。
ファンタジー性とエンターテインメント性が、バランスよくまとまっている。

音楽も、宮崎作品の定番・久石譲ではなく、フランスの歌手・ハープ奏者セシル・コルベル。

これら“新しい血”の導入が、本作ではプラスに働いたようである。


声の方は。
志田未来が、「声」だけでもこれほど上手いとは...意外だった。
そして、三浦友和・大竹しのぶ・樹木希林・竹下景子、そして「サマーウォーズ」の神木隆之介という磐石の布陣。
藤原竜也は出番が少な過ぎて、もったいなかった感じ。


アメリカのディズニー/ピクサー、日本のスタジオジブリ。
この夏、それぞれの持ち味を十二分に見せつけた東西の大スタジオが、絶好調。


それにしても、エンドロールのスタッフ・キャスト表記。
肩書き・職能が書かれていない五十音順の羅列。
この“悪平等”の発想、なんとかならんものか。  
Posted by hana2007moviefan at 15:48Comments(0)TrackBack(0)

シュアリー・サムデイ3

7月18日はTOHOシネマズ西宮OSで二連戦。

小栗旬・第一回監督作品。
(プロデューサーと脚本は、「クローズZERO」の山本又一朗と武藤将吾。)
初監督にしては、上々の出来。

不純な動機で高校でバンドを組んでいた五人組(小出恵介・勝地涼・鈴木亮平・綾野剛・ムロツヨシ)。
文化祭の復活を求めて教室に篭城するが、手違いで本当の爆破事件に発展させてしまい、退学処分になる。
それから三年後、謎の女(小西真奈美)の出現で、彼らはヤクザに追われる破目に。
「バカで最強だった俺たちを取り戻す
五人は、再び疾走を始める...。


小栗旬の“映画愛”がてんこ盛り。

スクリーンに一番最初に登場する、配給・製作の映画会社マークに「声を当てる」というサービス精神。
逆に、ウンチクをアピールしたい“映画マニア監督”がよくやりたがる、過去の名作映画からの引用・リスペクト的なシーンは、入れていない。
(これは、好印象。)

人脈をフルに活用した、チョイ役に至るまで豪華俳優陣で固めたキャスティング。
ここまでやらなくても...というか「ここまでやれば、どんな話でも面白くなるよね」という気もしないではないが。
恐らく、俳優業で多忙な小栗旬ゆえ、オーディションなどに時間をかけられない事情もあったのかも。

その俳優陣をコントロールする力量も、十分。
常にアドリブ過剰気味の竹中直人に、余分な事をさせていない。
また、主役の五人組(実質、4人?)を演じた俳優の能力を、存分に引き出している。
(特に、勝地涼と綾野剛。)

小西真奈美は、大人の女性の色っぽさと強さを見せて好演。
ヤクザのボスを演じた舞台俳優の吉田鋼太郎の怪演は、強烈なインパクト。


難を言えば。
初監督の気負いゆえか、「詰め込み過ぎ」になっているところ。
五人の仲間の青春ストーリー、主人公・巧(小出恵介)と年上の女性・美沙(小西真奈美)との十年越しのプラトニックな想い、さらに父と子(=巧と、その父(竹中直人)など)の関係性...etc。

回想シーンが長いために、映画の中盤にかけてのストーリー展開がちょっと遅い感じがしたこと。

そして、小栗旬の主演作「キサラギ」の物語構造との相似性など...。


とにかく、この一本目でそれなりの実績は残せるでしょうから、小栗旬監督の次回作がどんな作風になるのか、それに期待したい。


評価は、「3つ星+」。  
Posted by hana2007moviefan at 11:29Comments(0)TrackBack(0)

2010年07月18日

エアベンダー4

7月17日、109シネマズHAT神戸。
ここでは「トイ・ストーリー3」は吹替版しか上映してくれなかったが、本作は字幕・3D版を上映してくれたので、“ホーム”にて鑑賞。

M.ナイト・シャマラン監督によるアクション系ファンタジー。
(プロデューサーは、フランク・マーシャル&キャスリーン・ケネディ。)
大して期待はしておらず、「シャマラン監督がこのジャンルの作品を手がけるのは、珍しいから。」だけが鑑賞動機だったが...

予想外に、面白かった。
監督の趣味か、妙に“東洋系”の雰囲気が漂う。
何より、しっかりと人間ドラマが描かれているところが、いい。

主人公は「気の国」のエアベンダー、アン(ノア・リンガー)。
世界の平和を司る“アバター”となる星のもとに生まれたが、その重圧のため修行から逃げ出していた。
戦乱の中、自らの宿命を受け入れ、役割を果たす決意を固めるラストが凛々しい。

世界の支配を企む「火の国」。
強大なオザイ王(クリフ・カーティス)に疎まれ、勘当されたファイヤーベンダー・ズーコ王子(デヴ・パテル)。
勘当を解く条件は、アバターを捕らえること。
ズーコ王子は、強い執念でアンを追う。
この王子に、後見役の伯父・アイロや、王子が戻ると立場が危うくなる軍司令官・ジャオらが絡む。

そして、氷の中で眠り続けていたアンを目覚めさせ、行動を共にする「水の国」のウォーターベンダー兄妹、サカ(ジャクソン・ラスボーン)とカタラ(ニコラ・ペルツ)。
アンと共に、彼らも戦いの中で成長してゆく。


キャスティングも素晴らしい。
何と言っても、主演のノア・リンガー。
独特の風貌と、激しいアクションをこなす身体能力。
テコンドーをやってるそうで、彼の年齢グループにおけるテキサス州のチャンピオンなんだとか。

ズーコ王子を演じたデヴ・パテルは、あのアカデミー賞作品「スラムドッグ$ミリオネア」の主演俳優。
父親、そして男勝りの妹に対して、屈折した感情を抱く青年役を好演。

美少女が多いところも、ポイントが高い(笑)。
ニコラ・ペルツ演じる、修行中のウォーターベンダー、カタラ。
そして、サカと恋に落ちる「北の水の国」の王女・ユエ。
彼女も、世界を救うため、自らの悲しい役割を果たすことに...。
さらに、ズーコ王子の妹。
兄とは正反対の残忍さを持った美しい笑顔に、ゾッとしてしまう。
本作では登場シーンが少なかったが、ダース・ベーダーのようにパート2で大活躍することになりそう。


アメリカのTVアニメ・シリーズが原作。
三部作で映画化の予定らしく、本作の冒頭には「パート1 水の国」とテロップが入る。
パート2は、本作では出番の少なかった「土の国」編になるのかな
若いメイン・キャスト陣は、続投するのだろうか

それにしても、こういうジャンルも日本の実写映画にはほとんど無い...。
アニメだと、安直なファンタジーが粗製乱造状態だけど。
仮に本作を日本で実写化するとしたら、どんなキャスティングになるだろう  
Posted by hana2007moviefan at 22:56Comments(0)TrackBack(0)

必死剣 鳥刺し3

7月11日、これも109シネマズHAT神戸で。

またまた、藤沢周平原作の時代劇作品。
本作の監督を務めたのは、「愛を乞うひと」「レディ・ジョーカー」「しゃべれども しゃべれども」などの平山秀幸。
主演は、豊川悦司・池脇千鶴。

海坂藩では、藩主(村上淳)が愛妾・連子(関めぐみ)の気まぐれに翻弄され、藩政は混乱し領民の生活は困窮していた。
藩士・物見三左エ門(豊川悦司)は、意を決して連子を城中で刺殺。
しかし意外にも、切腹などではなく、1年間の閉門という寛大な処分を言い渡される。
その間、献身的に三左エ門の生活を支えたのは、亡き妻の姪・里尾(池脇千鶴)。

閉門が明けた後、三左エ門は中老・津田(岸部一徳)に剣の腕を見込まれ、藩主の警護役となる。
藩主家は、政治に苦言を呈する別家・帯屋(吉川晃司)と対立しており、一触即発の状態。
三左エ門は、帯屋との対決へと追い込まれてゆく...。


いわゆる「殺陣」のシーンは、終盤に爆発。
息詰まるリアルな斬り合いの中で、三左エ門の「生」への強烈な執念がほとばしる。
最後の最後に、三左エ門の秘剣「必死剣 鳥刺し」が繰り出された相手とは...。

「それが使われるとき、使い手は半ば死んでいる」と言われる“必死剣”。
はて、三左エ門はどうやってそれを会得したのだろうか
死ぬほど厳しい修行をした、ということなのかな?


豊川悦司は「今度は愛妻家」に続き、妻に先立たれて生きる目標を見失った男を演じる。
「今度は愛妻家」のカメラマン・俊介は、気力をなくしてグータラな生活を送っていたが、本作の三左エ門は死に場所を求めて、藩政の病巣を排除すべく無謀な行為に及ぶ。
両極端の人物を、豊川悦司は見事に演じ分けている。

その三左エ門を「生」につなぎとめる役割を担ったのが、池脇千鶴が演じた里尾。
濡れ場あり、三左エ門との永遠の別れを覚悟した号泣シーンありと、実力派女優の本領を発揮。


評価は、「3つ星+」。  
Posted by hana2007moviefan at 22:46Comments(0)TrackBack(0)

2010年07月17日

アデル ファラオと復活の秘薬3

7月11日、109シネマズHAT神戸。

脚本・監督は、あのリュック・ベッソン。
“女インディ・ジョーンズ”系の映画かと思っていたが...途中からコメディへと変調。

1911年のフランス・パリ。
女性ジャーナリスト・アデル(ルイーズ・ブルゴワン)は、瀕死の妹を救うため、ファラオが持っていたと言われる“復活の秘薬”を捜し求めて、エジプトへ。
(ここで、宿敵であるマッドサイエンティスト、デュールブーの邪魔が入るところなどは、まさに「インディ・ジョーンズ」調。)

パリに持ち帰ったミイラを蘇らせるため、蘇生術を使ってジュラ紀の翼竜()を復活させた罪で投獄されたエスペランデュー教授を救出した(いや、脱獄させた)アデル。
彼女は、ミイラを蘇生させて“復活の秘薬”を手に入れることができるのか


よく考えてみれば、「ファラオの復活の秘薬」に頼らずとも、最初からエスペランデュー教授にお願いすれば、妹を救えたのではという気もするが...

アデルが変装(コスプレ)を繰り返して、エスペランデュー教授の留置場に入ろうと悪戦苦闘するあたりから、コメディ路線に入ってゆく。

復活した「ラムセス2世」御一行様も...「ハムナブトラ」シリーズのような恐ろしさは微塵も無い、コント集団。


原作コミックの映画化らしいが、これがフランス人好みのストーリーなのかな
半分フザケてるような展開に、今ひとつノリ切れなかった。

ヒロイン・アデルを演じたルイーズ・ブルゴワンも、日本的な“美人”の判断基準とはちょっと違うような...


「1911年」という時代設定が、ラストのアノ船の登場につながるわけだが...
よもや、ヒロインが○○○○○○と共に海の藻屑と消えるわけもなく、さらなる冒険ストーリーが続くんだろうけど、映画の続編は作られるのだろうか
少なくとも日本では、キビしいように思えるが。


評価は厳しく、「3つ星−」。
  
Posted by hana2007moviefan at 15:32Comments(0)TrackBack(0)