真夏の方程式(2013) : 白竜さんを愛する場所

※ネタバレが困る方は今すぐ閉じてください！
作品の白竜度★★☆☆☆

東野圭吾原作で連続ドラマにもなった「ガリレオシリーズ」の劇場版第2作として公開されました。実は私はこの作品を観ていなかったので、よく知りません…湯川教授については、このページに辿り着いた皆さんの方がお詳しいのではないでしょうか(笑)
美しい海のシーンが印象的な映画でした。

「真夏の方程式(2013年)」

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＜あらすじ＞
子ども嫌いで有名な湯川が、10歳の少年・恭平と海辺の町で夏を過ごすことになり、事件に巻き込まれていく姿を描く。手つかずの美しい海が残る玻璃ヶ浦で海底資源の開発計画が持ち上がり、その説明会に招かれた湯川は、宿泊先の旅館「緑岩荘」でひとりの少年・恭平と出会う。やがて旅館の近くで男性の変死体が発見され、遺体の身元が「緑岩荘」に宿泊していた元捜査一課の刑事・塚原だということがわかる。地元警察は塚原の死を転落死として処理しようとするが、現地入りした捜査一課の岸谷美砂は、塚原の死に不可解な点があることに気づき、湯川に事件解決への協力を依頼する…(映画.comより抜粋)

のっけから14年前の事件の犯人として逮捕された記録から始まります。

この容疑者写真の出だし・・なんか前にもあったような気がします(笑)
あ、そうだ…「女がいちばん似合う職業」でもありましたね！

白竜さんは、映画やドラマで犯人や悪役が多いですけど…この映画では、こんな出だしではありますが、違います。

その実は、愛する女性と血を分けた娘を守るために罪を被って刑期を務めた男なのであります！

彼の名は仙波英俊。
元ホステス・三宅伸子(西田尚美さん)殺しの容疑で刑期を終え、今は出所しています。しかし、そこには隠された真実があり…当時逮捕に関わった刑事・塚原の変死体が上がった事から、過去を紐解かれて行くのです。

その秘密を探るために今回、湯川教授は奮闘するわけですね。

岸谷(吉高由里子さん)が聞き込み調査をする中、辿り着いたのが一見の寿司屋。
店主に事情を聴きながら常連客のアルバムを観るシーン。

お、白竜さんやないかい！
それにしても、この映画では大体1時間以上は写真でしか白竜さん演じる仙波は出てきません(笑)

15年近く前の写真として作ってあるので、色褪せて、若い雰囲気にしてありますね。こういう小道具を作るお仕事って楽しそう…と、ドラマや映画を観ているといつも思います。

寿司屋の大将は言います。
「節ちゃんは人気があってね、みんな節ちゃん目当てに通ってたよ」

そして、この写真に写る…仙波(白竜さん)と寿司屋の看板娘・節子(風吹ジュンさん)は当時恋愛関係にありました。しかし、仙波は妻帯者、二人は不倫関係でありました。
その後、当時既に仙波の子を身ごもっていた節子は、その事実を伏せて川畑(前田吟さん)と結婚しました。泥沼三角関係やないかい！ｗ

まぁ、仕方ないよね…見た目が白竜さんなら不倫しちゃうわ。

そして、いよいよ湯川は仙波の居所を突き止めました。
1時間以上経ってやっと登場する！視聴者(私)もワクワクです。

仙波は刑期を終えた後、末期の脳腫瘍に侵されており、現在はホスピスに入所しているとか。
気の毒やなぁ…

そして、いよいよ仙波(白竜さん)の登場です！

ドキドキ…

お…え？お…おお…

おお！？
なんと、ものすごい特殊メイクで登場！
そうですよね…苦労したんです仙波は…女房も死に別れ、会社も失くし、無実の罪を被り刑期を終え…そして、末期の脳腫瘍ですからね…彼の人生を考えたら壮絶です。

末期脳腫瘍がどんな状態になるのか調べてみました。
①手足のしびれ、麻痺
②耳が聴こえなくなる
③言葉が上手く話せない
④相手の言葉が理解できない

…等、辛い諸症状が表れる事があるそうです。

抗がん剤を続けると、毛も抜けますからね。年齢によってはハゲたままです。だから仙波さんも禿げ上がったメイクが必要だったんですね～。

私の父は数年前(60代)に一番強力な抗がん剤治療を長く続けましたが、今はむしろ若々しい毛が生えそろっています。個人差ですよね。父の体力も毛根もすごいと思う。

しかし、余りの衝撃登場に岸谷(吉高さん)がドン引きです！
湯川が当時の事件について問いかけます。
が、仙波は静かに…「私は何も知らない」と言うだけでした。

これ以上、話すことはないといった様子でナースコールを押そうとする仙波…

すごいですね、手までメイクしてあります。がん治療を受けると、歯や爪もボロボロになります。細かく表してありますね。

最後に、ipadであるホームページを見せます。

節子が、川畑の子として育てた娘。
それは実は仙波の娘である成実(杏さん)。

成実はずっと、美しい故郷の海「玻璃ヶ浦の海」を守る活動をしています。
かつての仙波の家から撮った海の写真を載せたそのトップページには、「あなたを待っています」とメッセージが綴ってありました。

そして湯川は、成実の現在の写真を渡し、その場を立ち去ろうとします。

その時
「海を守ってくれてありがとうとその人に…」
上手く出ない声を振り絞って、伝えるのでした。

湯川たちが帰った後…

仙波は病室でなにやらもぞもぞしています。
…っていうか、こんな白竜さん観たことない！
こんな、こんな病室で、車椅子で…もちろん、役なんだけども(笑)
なんだか色々ショッキングで観てる間、声が出ませんでした。

サイドチェストから何か取り出します。

がんばって！もうちょっとだよ！

あ、床に落ちちゃった。
節子と赤ん坊の成実の写真でした。長年ずっと大切に持っていたのですね。

この写真は、例のお寿司屋さんで撮られたもので…
節子が川畑と結婚した後も、大切に大切に財布に入れて持っていたのでした。

彼にとって成実とのつながりは、この写真だけ…
この写真を眺めながら、ぼんやり過去を思い出します…

ホステス殺人事件…その犯人は「成実」でした。
寿司屋時代の仲間・伸子が、金をせびりに節子の家に押し掛けた時、家には成実だけでした。その家で幸せそうに暮らしている様子を垣間見、仙波を好きだった伸子は嫉妬と憎悪で成実を責め立てました。そして、成実は包丁で伸子を刺してしまったのです…

仙波は急いで節子と成実の元へ走り、証拠の包丁を受け取ります。
妻も死に、会社も潰れ、一人きりの自分が罪を被るのはなんでもないと。

節子は引き止めます。