二つの故郷



2ヶ月間のパリ滞在が終わろうとしている。

日本に再び一時帰国する日が目の前に近づいて来た。

夏の終わりのあの庭は、まだ夏色が濃く、

緑も生い茂った庭だったけれど、

今はきっと、秋模様に変わっていることだろう。



去年、パリから日本へ数年間 拠点を移すつもりで

このアトリエを閉じ日本に帰国した日から、ちょうど一年を迎える。

あの日 先に待っている辛い日々を受け入れなければならない覚悟を決め、

旅立ったあの時と全く同じ景色が見える。

母は数年どころか、1年と経たないうちに旅立ってしまった。


大きく変わってしまった僕の現状とは裏腹に、

きっと今は、あの頃に咲いていた花と全く同じ花が、

今年も咲いている事だろう。

僕は、どんな気持ちで、その花達と再会するのだろうか。


今日のパリの街も、あの日のように、

秋の日差しに、街路樹の葉がキラキラと輝いている。

まるで、一年前のあの日に戻ったかのようだ。

今回パリを離れるのは、ほんの1ヶ月間だけ。

だから寂しくはないはずなのに、

一年前のあの時の僕が今蘇って、なんだかとても寂しい。



いつの日か、日本にいても、パリにいても、

どちらとも「お別れ」を感じない日が来たらいいなあ、と思うけれど、

それは、欲張りな話なのかもしれない。



8月に10ヶ月ぶりに日本からパリに戻った時、

この街も、僕にとって「帰ってきたな…」と思える場所になっていた。

つまり、もう一つの故郷だった。

気づいてみれば、水戸の実家で過ごした時間と、

ほぼ同じ時間をこのパリで過ごしているのだから

それも当然のことかもしれない。

次またこの街に戻るのは

街路樹の葉が落ち始めて、

街のショーウインドーがクリスマス色になる頃。


しばしのおわかれを惜しみつつ、

先日のレッスンの残りの花材で作ったこの花を、

僕を花の道へと導いてくれた街、

僕の帰りを待ってくれている街、

もう一つの故郷、PARISに捧げます。









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フラワーレッスン


今日のパリは、晴れ時々曇り

気温も高めで、やや汗ばむ陽気でした。


一昨日は 「イルドレ」代表の広瀬佳子さんとご一緒に

日本からいらしたお二人、そしてもうお一人、

すでに日本でフローリストとしてご活躍のMさんがご参加くださいました。

皆さんのご希望で、「投げ入れ」のアレンジ。

ダリア、ガーデンローズ、バジル、ミント、シンフォリカルポス、

ユーカリ、ミモザ、コリアンダー など、

見た目だけでなく、香りも楽めます!

本当に沢山の花を、皆さんとてもお上手に活けてくださいました!


一年ぶりにさせていただいたレッスン。

1年前に、このアトリエを一時閉鎖した時のことを思い出します。

色々とあったけれど、こうしてまた皆さんと

こんな花時間を過ごすことが出来ます事、

皆さんの喜んでくださる様子を目の前で見ることが出来ます事、

それはとても幸せで、また、とても稀な事。



皆さんの笑顔を見ていると、

やっぱりこの仕事、いい仕事だなあと、

心からそう思います。





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秋景


今日のパリは曇り時々晴れ、

秋が益々深まっています。

実家の庭はそろそろ 

ヨウシュヤマゴボウのみが色濃く、葉は赤く染まり始めて、

菊芋や、コスモス、秋明菊が盛りを迎えて、

あたりからは、沢山の虫の声が聴こえている頃なはずだ。



今回は、薔薇の実と、コスモス、ブラックレースフラワー、

そしてコリアンダーのアレンジ。

秋の夕方近く、虫の声が聞こえそうな、

秋の野山の姿をそのままに表しました。



やはり、自然な花姿ほど、優しく、美しく、心に響くものはない、

僕の今は、そこに母との思い出が重ねてしまうけれど、

見る人たちが、それぞれの人生の中の秋の思い出を

この花の、秋の野山の花姿に重ねてくれたら、

僕はとても嬉しい。



特別でなくていい。当たり前でいい。

この花達の美しさは、この花達が、一年間の生きてきた証。


この春から秋に季節が流れ、

目が吹き出し、花が咲き、実がなる、それは、

陽が差し、雨に濡れ、風に揺れ、虫達が受粉してある姿。

その中の一つでも欠けたら、この姿はない。

それを大切にしながら、一つの風景を作っていく。

すると、とても静かで、でもとても大きな力に満ちたものになる。

それには新しさも、古さもない、流行もない。



僕のしている事は、ただ、

その花が、自然から受け、放出する美のエネルギーを、

止めないように、消さないように、集めながら、

ただ、花を挿しているだけ。







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