去年の年末に岩屋毅外相が中国へ行って王毅外相と会い、中国人が来日する際のビザを大幅に緩和したことで猛烈な批判を浴びました。SNSでは「#岩屋外相更迭」が24万3,000件を超えました。しかし、日本にとって何の利益にもならない(観光客が多少、増えて多少、旅館や観光会社が儲かること以外は)ビザの大幅緩和をなぜわざわざ岩屋氏がやったのか、ということの背景は分かりませんでした。外務省内部でも異論があり、自民党議員の反対もあったというのに。しかしようやく、彼の目的が見えてきました。
ジャーナリストの山口敬之氏によると、2024年11月21日から北京で医療ツーリズムをテーマにした国際的な展覧会が開かれていたそうです。医療ツーリズムって分かりますよね? 医療が進んでいない国の国民(富裕層)が先端的な技術を持つ病院で医療を受けることを目的に外国へ旅行することです。旅行兼治療をするツアーということです。特に中国人の富裕層が日本へ来るケースが多いと言われています。
中国人が観光目的で来日する際のビザはこれまで3年間のマルチビザと5年間のマルチビザの2種類でした。ところが今回の緩和によってなんと!10年間のマルチビザというのが新設されました。こんな重大なことを議論もせず、決定する権限が外務大臣にあるということ自体が驚きです。
65歳以上の中国人が来日する際にはこれまで在職証明書が必要でしたが、これからは不要になりました。これによって、何が起きるでしょうか? 年配の金持ちの中国人が気軽に、何度も日本に来て長期間、滞在し、治療を受けることができるようになります。山口氏の取材によると、岩屋の地元、大分県別府市に「毅と医療を考える会」という団体があるそうです。秘書(岩屋恒久氏―岩屋の弟)が事務を受け持っています。昨年だけでこの団体は276万円の政治献金を受け取っていることが政治資金収支報告書から明らかになりました。この団体の収入は個人からの献金で、ほとんどが医者、歯医者からだとか。ああ、そういうことだったのね~とようやく分かりました。
献金をくれる人、つまり自分に利益をもたらす人のために、外務大臣という地位を利用して便宜をはかる・・・これって受託収賄罪になるのではないでしょうか。中国のカジノ業者「500ドットコム」から100万円をもらったことから今、アメリカに行きづらくなっている岩屋ですが、なぜこの人はそこまで金に汚いのか。
日本と中国との間の懸案は何一つ、解決していません。理由も分からず中国で拘束され、いまだに釈放されていない日本人が17人もいます。去年9月に深圳で日本人の男児が残虐に殺害された事件も、中国は一切、謝罪していません。中国にいる日本人の安全は保証されていません。中国は何一つ、譲歩していないのに、何をもって「日中間の関係が改善された」と言えるのでしょうか。
石破首相は任命責任があるのだから、なぜ岩屋を外相にしたのか説明すべきです。
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「岡真樹子の日本人に生まれて良かった」