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台湾の首都、台北にある「国立故宮博物院」の宝物が上野の東京国立博物館で一般公開され、大変な人気だそうです。「国立故宮博物院」の宝物が海外に出るのはこれが初めてだそうで「日本なら」といって貴重な作品群を外に出してくれた台湾側の厚意に感謝したいです。私も以前、台湾で見たことがありますが、本当に素晴らしいものばかりです。それもそのはず、中国共産党との内戦に負けた蒋介石が台湾に亡命する時、北京の故宮にあったこれらの宝物をアメリカの軍艦を使って運び出した、という歴史があるのです。いつか蒋介石が大陸の支配者に返り咲いたとき、これらの宝物は中華民族のリーダーとしての蒋介石の正統性を示すものになるはずでした。しかし、その日が来ないまま、宝物は台湾で観光客の目を楽しませることになりました。
ところが、この一大イベントがあやうく中止になるところだったのを知っていますか? ことの発端はポスターやチケットの文字が「台北 国立故宮博物院展」となるべきなのに「国立」の字が抜けて「台北 故宮博物院展」となっていたことが発覚したのです。東京国立博物館が作成したポスターは「台北 国立故宮博物院展」となっていたのですが、共催したメディア(NHK、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞など)が作成したポスターやチケットは「台北 故宮博物院展」となっていたそうです。このことが伝わると台湾では大騒ぎになったそうです。
台湾の馬英九総統は激怒して「21日までに正式名称を載せたポスターに差し替えない場合は展覧会を中止する」と通告してきたそうです。東京と九州で開催される予定だった展覧会が中止になったらこれは大騒ぎです。単に展覧会が中止になっただけでなく外交問題に発展する可能性もあります。慌ててポスターを作り直し、東京国立博物館の館長が謝罪してようやく事なきを得たようです。しかし、なぜこんな事態になったのでしょうか?
そう、もうお分かりですよね。例によって日本のメディアが中国様に気兼ねしたからです。「国立」という文字をそのままにすると台湾(中華民国)を国家として認めている、けしからーん、と中国様に怒られるのではないか、それなら「国立」の字を削除してしまえばいい、という浅知恵によるものなのでしょう。実際、誰が犯人かは曖昧にされましたが、おそらくNHKか毎日新聞か朝日新聞でしょう。これほど卑屈なメディアが世界に存在するでしょうか?
日本のマスメディアが中国の機嫌をそこねることを極端に恐れるのは今回が初めてのことではありません。NHKなど台湾のニュースをほとんど流しません。中国のニュースは毎日のように流しているのに。東日本大震災の時、台湾が世界でもっとも高額の200億円(!)もの義援金をくれたこともまったく伝えませんでした。恥ずかしい、の一言です。
日本のメディアが台湾を日陰者のように扱うので、台湾について日本人はほとんど知らされていません。未だに台湾は中国の一部だと思っている人がたくさんいるのは悲しいし、日本の国益にも反することです。この展覧会をきっかけにして台湾に関心を持つ人がもっと増えてほしいです。
「日本文化チャンネル桜」の「台湾チャンネル」でもこの問題を取り上げて解説していますので、是非ご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=PAN1bBALtc4
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