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アメリカはいつ日本の存在を脅威と感じ、いつ本気で「日本を潰さなければならない」と考え出したのでしょうか? 中国の利権がほしかったアメリカが日本の中国大陸進出を快く思わなかったことは事実でしょうが、そのずう~っと前からアメリカは日本の存在を気にしていたようです。しかし、お人好しの日本人はアメリカの野望にずっと気づかなかったのです。
日本とアメリカの近・現代史を長いスパンで客観的に見て、結局は大東亜戦争に至ってしまった「アメリカの日本征服計画」を明らかにしようとした画期的な本があります。『アメリカの「オレンジ計画」と大正天皇』(かんき出版・1800円)です。著者の鈴木壮一さんは元銀行マンですが、在野の歴史研究家です。一時、歴史学会に進もうと思われた時期もあったようですが学会の状況に失望し、独学で研究なさってきました。「幕末史を見直す会」代表で、定期的に勉強会を主催なさっています。『アメリカの「オレンジ計画」と大正天皇』は『勝ち組が消した開国の真実』『日露戦争と日本人』に続く「日本近代史見直しシリーズ」第3弾です。
明治31年(1898年)、アメリカはハワイを併合します。この年はアメリカが太平洋に対する野心を隠さなくなった年で、アメリカ軍艦「メイン号」の爆発、沈没事件を口実にスペインに宣戦布告します。スペインに勝ったアメリカはスペイン領だったキューバを保護国にし、フィリピン、プエルトリコ、グアムまで奪ってしまいます。アメリカ大統領、マッキンレーはアメリカの植民地となったフィリピンについて「アメリカの使命は神の恵みによってフィリピンをアメリカに併合し、フィリピン人をキリスト教に改宗させ、再教育することだ!」と言い放ちます。
ハワイ併合の前の年、海軍次官だったセオドア・ルーズベルト(のちに大統領)は「オレンジ計画」=太平洋制覇のための日本征服計画をやる気満々で策定します。それを甥のフランクリン・ルーズベルト(大東亜戦争開戦時の大統領)が実行に移した、と鈴木さんは見ていらっしゃいます。
セオドア・ルーズベルトといえば愛称「テディ」で「大の親日家」「柔道の愛好家」などと言われてきました。「日露戦争を仲介してくれた日本の恩人」などと書いている教科書もありますが、この本ではまったく別の面が描かれています。教科書が妙に持ち上げる人物は要注意、ということでしょうか?
偉大だった明治天皇に比べて影の薄い大正天皇について、この本で鈴木さんは非常に高く評価されています。語られることの少ない大正天皇の素顔ってこういう方だったのか、ととても面白かったです。お勧めの一冊ですよ~!
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