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「陸軍中野学校」を知っていますか? 映画でこの学校の存在を知った人もいると思いますが、旧日本陸軍が世界に誇った諜報員、つまりスパイの養成機関です。任務の性質上、その実態はベールに包まれ、陸軍の中でも極秘の存在でした。戦後も関係者は沈黙を守っていたのでどんな学校だったのか誰も分からず、さまざまな誤解や憶測で語られてきました。悪意に満ちた噂も多かったようです。謎に包まれた中野学校の正しい姿を知ってもらいたい、という思いで第一期生である日下部一郎さんが書かれた『決定版 陸軍中野学校実録』(KKベストブック 900円)を読みました。武力の戦いの陰に隠れて、決して日の当たらない任務に一生を捧げた若者たちの青春群像が生き生きと描かれていて感動しました。
近代戦争は総力戦だ、といわれます。21世紀の今も毎日、国と国とが国益を賭けてさまざまな次元で絶えず火花を散らしています。武力衝突も戦争の一つの形ではありますがひそかに、時には武力戦以上に熾烈なのが謀略戦です。大東亜戦争も武力というよりは謀略戦に負けたのではないでしょうか? 重要な情報をいかに早く手に入れるか、ということが国益を左右するのは昔も今も変わらないはずです。わが国がこれから本当の主権国家になるためにはスパイの養成は欠かせません。そのためにも、かつてあったスパイ養成機関を知ることは無駄ではないと思います。
この本の主人公、久村一郎は中野学校第一期生18名のうちの一人として登場します。昭和13年(1938年)8月に入校してから大東亜戦争の終結までのさまざまな出来事が小説のように描かれています。まるでスリルに満ちた青春冒険ドラマを読むような面白さです。久村一郎はおそらく日下部さんご自身でしょうけれども、そのほかの登場人物は実名で登場する人も多いので、歴史の勉強にもなります。終戦直後のクーデター計画など、当事者でなければ知りえない貴重な秘史も知ることができます。当時の日本のエリートの愛国心に胸を打たれます。スパイというとなにか暗い存在、怖い人たち・・という漠然としたイメージを持っている人に是非、読んでいただきたいです!
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