マダムの部屋

愛国女性のつどい花時計代表でもあるマダムが思った事など書いています。

2015年12月

「ミスター危機管理」が語る「日本の欠陥」

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「外事警察」といわれても、ピンとこない人が多いと思います。麻生幾が書いた小説『外事警察』がNHKドラマになったことで多少は知られるようになりましたが、外事警察は任務自体が秘密のことが多いので、存在を知る人はあまりいません。スパイ行為を捜査するのが「外事警察」の本来の任務だそうですがグローバル化した社会においては犯罪やテロも国際化、凶悪化しています。おそらくこれから「外事警察」が活躍する場面は増えることでしょう。

 「危機管理」という言葉の生みの親であり「ミスター危機管理」と呼ばれた佐々淳行さんが書かれた『日本赤軍とのわが「七年戦争」ーザ・ハイジャック』(文春文庫・581円)を読みました。現役を退いた佐々さんが半世紀に及ぶご自身の危機管理人生を振り返り、その中から「ハイジャック事件」に焦点をしぼって書かれたものです。人質を取って立てこもり、要求を次々に出してくる犯人グループと「人命尊重」の一点張り、何の戦略も戦術もない日本政府とのやり取りが臨場感あふれるドラマのように克明に描かれています。その場にいた人でなければ書けない貴重な記録です。「外事警察」捜査官の知られざる苦闘が分かります。

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 この本は冒頭、昭和45年(1970年)331日に発生した「よど号ハイジャック事件」で始まります。私もおぼろげながらこの事件のことは覚えています。記憶があいまいになっていたのですが、この本で全貌が分かりました。昭和45年から平成11年(1999年)までの29年間に日本ではなんと! 20件ものハイジャック事件が起きていたそうです。すべてが赤軍派によるものではないにせよ、こんなにハイジャックが頻繁に起きたのはやはり航空行政の不備と政府の「国家としての断固たる意思」の欠如によるものだろうと思います。

 私がハイジャック、と聞いてすぐに思い浮かぶのは「人命は地球より重い」という言葉です。昭和5084日、マレーシアの首都、クアラルンプールにあるアメリカ大使館とスウェーデン大使館が日本赤軍をなのるゲリラによって占拠されました。犯人たちは日本に拘置されている赤軍派メンバー7人の釈放と脱出のための日航機の派遣を要求、もし要求が入れられないなら人質を射殺する、と脅してきました。釈放しろと要求されたメンバー7人の中には「あさま山荘事件」の犯人二人も含まれていました。逮捕したばかりの連続企業爆破事件の犯人もいました。捜査官が苦労してようやく捕らえた犯人をむざむざ釈放するなど言語道断だし釈放されたらまた似たような事件を起こすに決まっています。しかし、事なかれ主義の日本政府(三木武夫首相、福田赳夫副総理)は「人命は地球より重い」という無責任な言葉で犯人の要求に屈したのです。日本の対応は世界中から非難され、軽蔑されました。

 現場で指揮に当たっていた佐々さんの悔しさが伝わってきます。この本を通じて佐々さんが伝えたかったことは日本の法律の不備や欠陥、そのような中でも治安維持のために闘ってきた警官たちの奮闘ではなかったでしょうか?

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日本とトルコの友情秘話がついに映画化!

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 以前、私のブログでも紹介した日本とトルコの友情秘話がついに映画になりました! この話自体はかなりの人が最近、知っていて、もう秘話とは言えないかも知れませんが、映画になることによってさらに多くの人が知ることになるでしょう。何しろトルコでは小学校の教科書にも載っている有名な話だそうですから、日本人が知らないこと自体が異常です。この映画がヒットして、やがて教科書にも載るような動きにつながればいいなあ、と思っています。

 まずはブログを読んでくださいね~↓

http://blog.livedoor.jp/hanadokei2010/archives/4357294.html

 今回の映画の原作は『海難1890』というタイトルで小学館文庫から出版されています。今年はエルツウ―ルル号事件から125年目という記念すべき年で、今年79日に行なわれたこの映画のクランクアップ記者会見には安倍首相とトルコのエルドアン首相がメッセージを寄せられたそうです。

 原作を読んだ時から映画化されるといいなあ、と思っていたのですが本当に映画化されるとは思いませんでした。題材が地味なのでスポンサーがつくかどうか不安でした。しかし偶然とはいえない、奇蹟のようなきっかけがありました。遭難したトルコの軍人たちを必死で救助した和歌山県・串本町の田嶋町長と田中光敏監督はなんと 大学の同級生だったそうです。田嶋町長が「うちの地元にはすごくいい話がある。一度この話を読んでくれないか」と、エルツウ―ルル号の事故の話を手紙で田中監督に知らせたそうです。その手紙には「映画化するなら俺も尽力したい。でもうちの町には金がない」と書かれていたそうです。そこで日本・トルコ友好120周年記念式典に田中監督が行って映画化の企画書を参列者に配ったそうです。そこから映画化のプロジェクトが動き出しました。

 この映画には原作にはない登場人物がいます。遭難者を救助した村の医師です。この映画の前半部分の主人公ともいえる重要人物です。この役を演じているのが私の好きな内野聖陽だったので、いっそう楽しめました エルツウ―ルル号の遭難シーンはミニチュアを制作して特撮で撮影したそうですが迫力満点で、地面が揺れているような感覚を味わえました。日本人、トルコ人のエキストラ、約1000人が撮影に参加したそうで、最近にない大作と言えます。感動すること間違いナシです。是非、ご覧下さいね!






 

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三島由紀夫自刃から45年

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 三島由紀夫ってやっぱり天才なんだ! と私が感じたのは「憂国」という短編映画を見た時でした。三島由紀夫が脚本を書き、演出をし、自ら主人公を演じた映画です。登場人物は二人だけで、三島の相手役の女優も三島が選んだ人だったそうです。モノクロで一言の台詞もない、実験的な作品でしたが強烈な印象を受けました。日本の文化がぎゅっと凝縮されたような美しい作品で、あんな美しい映画はあとにも先にも見たことがありませんでした。

 1125日は三島由紀夫が市ヶ谷の陸上自衛隊東部総監部に立て籠もり、自衛官の前で演説したのち自刃した日です。今年はそれから45年目の年でした。毎年、この日には三島由紀夫の死を悼む有志によって「憂国忌」が開かれています。三島由紀夫の自刃をリアルタイムで私は知りませんが、今は1125日が特別の日だと考えるようになりました。そして三島由紀夫というのはどういう人だったのだろうか、もっと知りたい、と思うようになりました。三島由紀夫について書かれた本は山のようにあります。三島の文学や思想について、「三島事件」について書かれた物もありますがどれも難解で読みづらい、という気がしました。特に文学好きでもない私にも読めるような本はないだろうか、と考えていたところなんと! ピッタリの本が出版されました。『三島由紀夫が生きた時代―楯の会と森田必勝―』(青林堂・1400円)です。まさに節目の年にふさわしい本が登場したのです著者は「自治基本条例に反対する市民の会」会長であり「外国人参政権に反対する市民の会」東京代表、保守活動家としても有名な村田春樹さんです。

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村田春樹さんはかつて、三島由紀夫が率いていた「楯の会」の最年少会員でいらっしゃったそうです。この本は村田さんの青春時代の日記のような形式を取っています。村田さんが大学に入学して以来、森田必勝さんと出会い、「楯の会」に入会したこと、自衛隊に体験入隊したこと、三島由紀夫と会ったこと、そして「三島事件」勃発、「楯の会」メンバーのその後、と実際に体験した人でなければ書けないことが克明に書かれています。当時の日本の政治、世の中の動きもよく分かります。私のような一般人だけでなく、三島研究者にとってもとても貴重な記録文学だと思います。

 森田必勝さんは「楯の会」学生長で、「楯の会」のなかで唯一、三島由紀夫と共に切腹した方です。これまで森田さんについて書かれた本はほとんどありませんでしたが、村田春樹さんは森田さんについて、このように書いていらっしゃいます。

森田さんはどういう人物だったのか。一口で言うととにかく明るい人だった。男女問わず誰からも好かれる人だった。亡くなったからではない。お世辞抜きに素晴らしい青年だった。頭も性格も良く、元気いっぱいの体。まさに前途有為な青年を絵に描いたような人だった。森田さんが来ると一気に周囲がぱあーっと明るくなった・・・・・

 三島自刃から45年、三島由紀夫が命をかけて切望した憲法改正はまだ実現していません。日本国憲法は健在です。安全保障関連法案を国会で審議している時も、野党の一部に「この法案は憲法違反ではないか」などという、とんでもないことを言う議員がいました。自衛隊は未だに法的には軍隊ではありません。この状態を何とかしなければならない、と考える人は少なくないはずなのですが。憲法について、自衛隊について、深く知りたい方にお勧めの一冊です



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