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5月20日10時、台湾の首都、台北の総統府前の広場を約2万の観衆が埋め尽くしました。台湾に初の女性総統が誕生し、その就任式がこれから行なわれるのです(台湾では「就任」ではなく「就職」と言うんですね)。広場に入るにはIDカードが必要で、首からIDカードをぶら下げていない人は入場できません。荷物チェックに合格すると係員が一人一個ずつ、紙袋を渡してくれます。何が入っているのかな・・と中を見ると帽子、タオル、ペットボトルのお水が。さすが南国、台湾ですね!
正面の舞台には「中華民国第十四任総統副総統就職慶祝大会」と書かれた横断幕がかかり、至るところに台湾の国旗が翻っています。舞台の両側に巨大なスクリーンがあり、後ろの人はスクリーンを見て,今、何が行なわれているか分かるようになっています。前総統の馬英九氏とこれから総統になる蔡英文氏が並んで歩いてくるのがスクリーンに映し出されます。総統府の建物のなかで二人がにこやかに握手をする様子、そして蔡英文氏が孫文の肖像画に向かって深々と礼をし、宣誓する姿、署名する姿がスクリーンに映し出されました。ちなみに台湾総統府の建物は大正8年(1919年)から使われています。台湾第5代総督である佐久間左馬太(さまた)の時代、日本の新領土となった台湾に「恒久なる行政庁舎」を建てることが発議され、なんと280万円という予算がつけられたのです。以来、1世紀近い歳月が過ぎて今もなお、台湾を代表する建築物でありつづけています。
さて厳かな儀式は意外とあっけなく終わり、あとは歌あり、踊りあり、寸劇ありの楽しいショータイムが約1時間。舞台と観客が一体となって、どんどんお祭り気分が盛り上がってゆきます。ただ、戦後の台湾の歩んできた道のりを40分ぐらいの寸劇に凝縮して見せたのですが、そのなかでなんと!「二・二八事件」を描いて見せたのには驚きました。「二・二八事件」というのは昭和22年(1947年)2月28日、蒋介石ひきいる中国国民党の軍隊が台湾の民衆を虐殺(犠牲者は約2万人~3万人といわれる)した事件です。日本統治時代に育った台湾のエリートを狙い撃ちした白色テロ(国民党政府による民衆弾圧)でした。国民党政権では絶対に触れることのできなかった台湾のタブーだった事件です。劇という形にせよ、堂々と描いてみせた民進党政権、素晴らしいスタートでした
さて、新総統、蔡英文さんとはどんな女性なのでしょうか? 何人かの台湾の人たちの話を総合すると,飾らない人柄、質素で素直で欲がなくて仕事一筋・・・つまり舛添都知事とは正反対の人、という感じでしょうか? 彼女は自分のプライベートをほとんど明かしていません。独身で猫を2匹、飼っているそうですがそれ以外、自分のことをほとんど語りません。しかし決して冷たい訳ではなく、さばさばした気さくなおばさん、という感じです。一世一代の晴れ舞台である総統就任式にいつもの髪型、いつもの服装、いつもの靴で登場したことが何よりも彼女をよく現わしています。
台湾の経済は今,大変,苦しいそうです。中国に過度に依存した経済をどう構造的に立て直すか、失業率をどのようにして下げるか、これから蔡英文さんの手腕が問われることになります。中国政府は台湾への観光客を制限しているので、観光業も打撃を受けることは間違いありません。でも、それなら日本から台湾へもっと観光に行こうではありませんか? 台湾は食べ物は美味しいし人は優しいし治安は良いし、自然も変化に富んでいます。高山植物あり、珍しい昆虫あり、日本統治時代の遺物もたくさんあります。修学旅行にも社員旅行にもお勧めですよ
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