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ジャーナリストの西村幸佑さんによると12月23日、イギリス外務省がこれまで未公開だった外交文書を公開したそうです。さて、その中身は・・・・今から28年前、1989年6月4日、北京の天安門広場で民主化を求める学生たちを人民解放軍が鎮圧、流血の大惨事が起きた時、北京にいたイギリスの外交官が現地の情報を収集し、本国に送った電報だそうです。そこにはなんと! 「天安門事件で少なくとも一万人以上が虐殺された」と書いてあったというのですから衝撃的です。すぐに反応しそうな中国政府がイギリスに対して抗議していないところを見ると、かなり信憑性のある数字ではないか、と思われます。さすが情報収集にかけてはプロのイギリス人ですね~
天安門事件の犠牲者の数についてはこれまでもいろいろと推測されていましたが、なにせ情報統制が厳しい国です。聞くところによると、天安門事件の犠牲者の遺族に対しても当局による嫌がらせや尋問などが行われていて、遺族も声を上げられない状況が続いているようです。
12月24日、このイギリスの外交文書公開のニュースが世界を駆け巡りました。ところが驚くべきことに、日本のマスメディアはこのニュースをほとんど取り上げていません。本来なら一面トップのニュースのはずなのに。わずかに朝日新聞が目立たないベタ記事で取り上げたそうですが読売新聞も産経新聞も報じていない(?)のはなぜなのでしょうか? みんな北京に忖度して取り上げなかったのでしょうか?
NHKは約20年前、「クローズアップ現代」という番組で国谷裕子キャスターが「天安門事件の死者は一人もいない」とはっきり言ったのですから、当然、イギリス政府に抗議しなくてはいけないはずです。「そんな数字は嘘だぁ~! 根拠はどこにあるんだ~!」とNHKはなぜ抗議しないのでしょうか?
ちょっと面白いのは香港のメディアです。香港のメディアは「イギリス外務省が、天安門事件の犠牲者の数は千人から三千人だと言っている」という形で報じたそうです。いくら北京に忖度したとはいえ、ずいぶん数字を変えてしまっています。まあ、それでも報道しないよりはマシですが。日本のマスメディアの状況は香港並みか、あるいはもっと悪いかも知れません。
今、このタイミングでイギリスがこのような文書を公開したのには、もちろん政治的な背景があります。中国に接近するドイツを牽制する意図があるのかも知れません。また香港はかつてのイギリスの植民地です。中国に返還されて以来、人権状況が悪化の一途をたどる香港に対してイギリスが影響力を強めたいという狙いがあるのかも知れません。しかし、どのような意図があるにせよ、日本にとって、また中国に弾圧されている多くの民族にとって歓迎すべきニュースなのです。それを無視する日本のマスメディアはもはや存在価値がないと言わざるを得ません。
かつて江藤淳さんは、戦後日本の言論空間を「閉ざされた言語空間」と表現しましたが、戦後72年経ってもまだ日本の言語空間は閉ざされたままです。この言語空間に風穴を開ける動きが来年こそ、あってほしいものです。
今年一年、拙ブログをお読みいただきまして有難うございました。来年もまた宜しくお願い致します。
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