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11月24日、台湾の統一地方選挙(県市長選挙)が行われました。六つの直轄市の市長と16の県の首長、地方議会の議員の選挙も一緒にやったので大きなイベントでした。結果は日本でも報じられましたが、与党である民進党の惨敗でした。中国との統一を訴える国民党が大勝したのですから、中国は笑いが止まらないでしょう。
台湾の選挙といえば中国の介入や工作はつきものです。今回も相当のお金が動き、中国に買収された組織や議員がかなりいたようです。しかし、中国の介入があるのは事前に分かっているのですから、それに対して与党、民進党があまりにも無策だったのは本当に残念です。台湾初の女性総統だった蔡英文の次期、総統選への出馬もこれで怪しくなりました。同じ女性として蔡英文を応援していたのですが、彼女は官僚としては優秀でも政治家には向いていなかったようです。
日本ではあまり報じられていませんが、今回、住民投票(国民投票)も一緒に行なわれました。この国民投票の内容は10項目あるのですが、日本人としては「えっ、こんなことを国民投票で決めるの?」という、ビックリ仰天の内容でした。
10の項目のうち、なんと五つが同性愛者に関するものです。たとえば「民法の婚姻規定を異性によるものに限定することについて賛成か否か」→賛成7割、反対3割で可決。「民法において同姓婚を保障することについて賛成か否か」→賛成3割、反対7割で否決。「性別平等教育法に基づく教育の各段階における性別平等教育において、同性愛教育を行うことについて賛成か否か」→賛成3割、反対7割で否決。どうやら今、台湾では学校で同性愛者について教えるかどうかで揉めているようです。しかし、日本も他人事ではありません。「性別平等教育法」なんていう、とんでもない法律ができないように目を光らせていないと、日本だって危ない! 要注意です。
エネルギーに関する項目が三つ。「火力発電所の発電量を少なくとも毎年平均1%ずつ減少させることについて賛成か否か」→賛成8割、反対2割で可決。「石炭を利用した一切の発電施設の新設・拡張を停止するエネルギー政策を確立することについて賛成か否か」→賛成8割、反対2割で可決。「2025年までに原子力発電施設の運用を全面的に停止することについて賛成か否か」→賛成6割、反対4割で可決。えっ、火力発電所も原子力発電所も止めてしまって、電気はどうするの? その代替案は、どこにも何も書かれていないのです。実に不思議です。
日本に関する項目が二つあるのですが、これが問題大有りです。「3・11の原子力発電所事故に関連する福島等5県産の農産品や食品の輸入規制を政府が維持することについて賛成か否か」→賛成8割、反対2割で可決。東日本大震災の時、台湾は世界でもっとも多額の寄付をしてくれました。そのことで台湾の日本における存在感は一挙に大きくなり、修学旅行先に台湾を選ぶ高校も急増しました。しかし、その一方で福島県産の農産物だけでなく、放射能汚染などあるはずもない茨城、栃木、千葉、群馬などの農産品まで台湾に輸出できない状態が未だに続いているのです。そして、台湾政府の輸入規制措置を国民もまた支持しているのです。この背景には日本の国際的地位を貶めようとする中国や韓国の世論工作があるとみて、間違いないでしょう。
もう一つ、日本に関する項目がありました。「台湾という呼称で2020年東京五輪を含む国際スポーツ大会への参加申請を行うことについて賛成か否か」→賛成4.5割、反対5.5割で否決。台湾はこれまで国際スポーツ大会に出場する際「チャイニーズ台北」という奇妙な呼称でしか出られませんでした。中国が大会を主催する国に「台湾を名乗って選手を出場させるな」という圧力をかけていたからです。台湾の選手がメダルを取っても国旗(中華民国の国旗)を掲げることもできませんでした。
だから2020年の東京五輪には台湾チームが「台湾」という呼称で出場できるように署名を集めたりして、日本人有志が活動していたのです。台湾でも大きなうねりをこの運動は起こしていました。しかし、そのことに警戒心を抱いた中国は今回の国民投票にさりげなくこの項目を入れてきました。そして、なんと国民投票に負けてしまったのです! これで日本人有志と台湾人有志の努力も水泡に帰しました。ガックリ😞!
このような世論工作の臭いぷんぷんの内容をそのまま投票にかけることに対して、民進党は何の警戒心も抱かなかったのでしょうか? 国民投票には法的拘束力はないとはいえ、政府の政策をやはりある程度は制限します。民進党は自分で自分の首を絞めてしまったのではないでしょうか?
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