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9月23日、国連総会で韓国の文在寅大統領が演説をしました。今年は議場で演説するのではなく、事前に録画しておいたものを議場で流すという形で行われました。しかし、これが文在寅大統領の失点につながりました。文大統領はこの演説の中で「朝鮮戦争の終戦宣言をすることに対する国際社会の支持」を訴えました。朝鮮戦争は1953年に休戦していますが、まだ終戦していません。これを何とか終戦させて、自分の功績にしたいというのがかねてよりの文大統領の望みです。しかし、同じ民族同士が話し合えば解決できるはずなのに、なぜそれを国連に持ち込むのかも意味不明です。おそらく最近、北朝鮮との関係がギクシャクしているからかも知れません。
ところが、このビデオが議場に流れる前に、大変な事件が起きました。韓国の海洋水産部(日本で言えば省)所属の漁業指導員が海上で作業中、北朝鮮に向けて進み、南北境界線を超えてしまったそうです。北朝鮮の警備艇が彼を発見して、しばらく様子を見たのちに射殺し、遺体を海上で焼却したそうです。この漁業指導員がなぜ南北の境界線を超えたかは分かりませんが、自分の意志で北に向かったようです。いくら境界線を超えたとはいえ、いきなり射殺し、しかも遺体を焼くという異常な行為をした北朝鮮に対して、韓国では国民の怒りが沸騰しています。野党は「与党はこの事件を知りながら、事件を隠蔽しようとしたのではないか」とか「なぜ国連演説の内容を修正しなかったのか」と政府を責めています。青瓦台(大統領府)は「事件の信憑性が確認されていない状態の中、国連の演説を修正する判断ができない状況だった」と弁明しています。確かに、時間的に修正は無理だったかも知れません。
文在寅大統領はここのところ北朝鮮に冷水を浴びせられるような事が多いようです。それでも、北に対する忠誠心は薄らいでいないのが哀れと言うべきでしょうか。冷たくされればされるほど、一層、北朝鮮に忠誠を誓っているように見えます。その結果、トランプ大統領からも「俺は韓国から離れたい」と言われる始末です。
さて今年、国連は創立75周年を迎えました。国連憲章はいつ、どこで署名されたか知っていますか? 1945年6月26日、サンフランシスコで署名されました。1945年6月といえば、日本は大東亜戦争の最終局面に入ったところです。敗戦直前です。もちろんこの国連憲章に日本は署名していません。戦後の日本人は国連憲章を「平和の理想」と思い込まされてきました。しかしこの国連憲章にはいわゆる「敵国条項」というものがあります。
第53条2項に「本条1で用いる敵国という言葉は、第二次世界大戦中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される」。第107条には「この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動で、その行動について責任を有する政府がこの戦争の結果として取り、または許可したものを無効にし、または排除するものではない」とあります。ちょっと分かりづらいのですが、ここで言っている「署名国の敵であった国」というのは日本とドイツのことです。ロシアはこの「敵国条項」を盾にとって、ソ連の北方領土の占拠は合法だった、と主張しています。
日本は国連を仕切っている第二次世界大戦の勝ち組にとっては未だに「敵国」と見なされています。だから、いくらお金を出しても常任理事国になれるはずがありません。 日本の国連に対する分担金はアメリカについで加盟国のなかで二番目に多いです。日本の国連通常予算分担金は約11%で、金額にするとなんと! 約2億7700万ドルです。ちなみに安全保障理事会常任理事国は5ヶ国ありますが、分担金はアメリカが22%、イギリスが5.6%、フランスが5%、ロシアが1.7%、中国はたったの3%です。
日本の外務省は、日本が常任理事国になることを夢見ているようで、国連に対して卑屈な態度になりがちです。しかし、国連自体がもう機能不全に陥っています。国際社会の紛争を解決する能力がありません。常任理事国のうちの一か国でも反対すれば、実行に移せないので結局、大胆な行動はできません。
それに対してトランプ大統領は9月、イスラエルと敵対関係にあったUAE(アラブ首長国連邦)の間を見事に仲裁して見せました。この功績はアメリカの反トランプ派であるメディアですらも称賛しています。国連が長年かかってもできなかった中東和平への道筋をトランプ大統領がつけたことは事実です。
第二次世界大戦後の世界の秩序を維持する機関だった国際連合はその使命を果たせない機関に成り下がっています。これからは脱国連時代が来るのではないでしょうか。
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