8月24日、南アフリカのヨハネスブルグでBRICS首脳会議が開かれました。日本ではウクライナ紛争の話題ばかりですが、ロシアの国営放送ではこの会議を大きく取り上げました。それもそのはず、グローバルサウスと呼ばれる新興国グループの一つであるBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)はG7に対抗するだけの実力を着々とつけているのです。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は既に拡大しているBRICSのG20における地位は強化されると強調し、「形式的には、(G20の国々)がG7派とBRICS派に二分されることは現実味を帯びつつある」として、今後もBRICSの影響力が拡大するという考えを明らかにしました。
今回の会議は15回目で、来年はロシアが議長国を務め、ロシアのカザンが会場となる見込みです。今回、新たにアルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国の加盟が発表され、計11か国になりました。BRICSの国々は世界のGDPの30%を占め、石油の供給のなんと60%を占めます。
ロシアは世界最大の原油生産国です。2位がサウジアラビア、3位がアメリカ、4位がイラン、5位が中国、6位がカナダ、7位がイラク、8位がUAE(アラブ首長国連邦)、9位がメキシコ。ロシアとサウジアラビアがダントツの生産量です。日本は主にサウジアラビアとUAEから石油を輸入しているようです。問題はサウジアラビアとUAEが今回、BRICSに加盟したことです。岸田政権はバイデン大統領の言いなりになってウクライナを支援し、ロシアを敵視する政策を取っています。しかし日本は資源大国、アメリカとは事情が違うのです。今の日本はロシアから見たら完全に敵側に見えるでしょう。それで、日本に対する石油供給がこれからも継続されるのでしょうか。
プーチン大統領は会議にオンラインで参加し、「BRICS内に、南北輸送回廊(インドからイランを経由してロシアにつながる輸送網)だけでなく、より広範に、地域間および世界的な物流・輸送回廊の開発を扱う常設の輸送委員会を設立する時が来た」と呼びかけました。また金融システムの協力拡大について。つまり石油の国際決済をドルで行なうという慣習を変えていこうという従来の主張を述べました。プーチンは資源をもつ国々がスクラムを組み、アメリカ一極支配を覆そうという壮大な野心を実行に移しています。
これまでのように、アメリカに追随するだけでは日本は兵糧攻めに遭うおそれがあるのではないでしょうか。そういう視点からのメディアの情報があまりにも少ないことが不安になります。
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なので本音トークができると思います。よろしかったらのぞいて見て下さい!
「岡真樹子の日本人に生まれて良かった」