2023年11月
9月30日に宝塚市のマンションの敷地内に女性が倒れているのが発見されました。彼女は宝塚歌劇団の宙組団員、有愛(ありあ)きい(芸名・25歳)さんで、自殺ではないかと現在、警察が捜査中です。11月14日、彼女の死をうけて劇団側が記者会見を行ったことはメディアで報道されました。その記者会見があまりにも酷いので、これまで宝塚の異常性を知りながら報道しなかったメディアが遅ればせながら各局、一斉に報じ始めました。東京でもほぼ同時刻に遺族側の代理人弁護士が会見を行いましたが、双方の言い分が真っ向から対立したといえるほど食い違っていました。
劇団内で上級生による下級生のいじめやパワハラが日常的にあったことは『週刊文春』がこれまで複数回、報じています。文春が裏をとらずに報道すれば名誉棄損で訴えられますから裏は取っているはずです。つまり団員から多くのリークが文春に寄せられたことが想像できますが、それを劇団側はなんと会見で完全否定しました。
記者会見を聞いていて私が一番驚いたのはヘアアイロンの件です。今年2月、宙組上級生の天彩峰里(あまいろみねり)が有愛さんに「前髪の作り方を教えてあげる」と言ってヘアアイロンを有愛さんの額に押しあてたことが文春で報じられました。有愛さんはこの件で幹部部屋に呼ばれ、宙組組長の松風輝、宙組トップスターの芹香斗亜(せりかとあ)から「これはイジメじゃないよね。(文春の)記事は事実無根だよね」と迫られたそうです。この件を質問された井傷睦之理事・制作部長は「ヘアアイロンによる火傷はよくある」という報告書を読み上げ、「(天彩峰里による故意か過失か)どちらが事実であるかを判断するのは困難である」と述べたのです。「ヘアアイロンによる火傷はよくある」って・・・・宝塚歌劇団って暴力団なのでしょうか。
驚く話はまだまだあるのですが、しかし個々の人間を批判してもあまり意味がありません。宝塚の暴力性や異常性は今、始まったことではなく百年を超える歴史の中で醸成されたものです。世間から遮断された閉ざされた世界の中で、その異常性は気づかれることなく維持されてきました。メディアは宝塚の掟の厳しさをむしろ美点として讃えていました。
宝塚歌劇団は独立した組織ではなく阪急阪神ホールディングスの「エンタテイメント」部門の一つです。「都市交通」「不動産」「エンタテインメント」「情報・通信」「旅行」「国際輸送」の6つのコア事業の一つで、阪神タイガースと並ぶドル箱的存在です。しかしそのブランドイメージも今回の事件でかなり傷ついたでしょう。阪急電鉄ほどの大企業が従業員を劣悪な職場環境にこれまで放置していたことは驚きです。
11月20日、「宝塚のドン」と呼ばれる阪急阪神ホールディングスの角和夫(すみかずお)会長が宝塚音楽学校の理事長を辞任しました。有愛さんがマンションから飛び降りた9月30日、角氏は西宮カントリークラブでゴルフをしていたそうです。有愛さんの死はすぐに伝えられましたが、役員たちはゴルフを続行し、対策を協議することもしなかったそうです。
この事件はおそらくこれから裁判になるでしょう。角氏は最高責任者として裁判にどう向き合うのか、これから注視する必要があります。
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「岡真樹子の日本人に生まれて良かった」
来年の東京都知事選に投票する前に、都民の皆さんに読んでほしい本が11月8日、発売されました。ノンフィクション作家、石井妙子氏が書かれた『女帝 小池百合子』という本です。2020年5月30日、文芸春秋社から発売され、これまでに20万部売れたそうです。3年半で20万部はすごいです。第52回大宅壮一ノンフィクション賞も受賞しています。今回、文庫化されて、安価になったのでより多くの人が手に取りやすくなりました。
3年前に私は単行本を読みましたが、事実は小説より奇なり、という言葉を噛みしめました。小池百合子といえば「日本初の女性総理大臣」に一番、近い女性だと思われていた時期があった政治家です。防衛大臣、環境大臣をつとめた国会議員でもあり、人気抜群の才女、というイメージがあります。しかし、その素顔を実はほとんどの有権者は知らずにこれまで投票していたのではないでしょうか。『女帝 小池百合子』は、小池百合子という一人の人間がこれまで歩んできた道を膨大なデータや証言に基づいてなるべく事実に近い形で蘇らせようとして、見事に成功した作品だと思います。
『女帝 小池百合子』を成功させたもっとも大きな理由は小池氏がエジプトで暮らした5年間のうち約2年間、同じ部屋で暮らした女性(単行本では早川玲子という仮名になっている)の証言でした。早川さんが出会った小池百合子は19歳だったそうです。同じ部屋で暮らすうちに、早川さんはさまざまな奇妙な出来事に遭遇します。まあ、詳細は本を買って読んでほしいです。
小池百合子の学歴はエジプトのカイロ大学を4年で卒業した(しかも首席で!)というものでした。エジプト通の人であれば、エジプト人でも入学が難しい名門大学に外国人が入学し、しかも4年で卒業することなどまずあり得ないということは分かります。これまで選挙のたびに小池氏の学歴詐称の噂はありましたが、しかしそれでも選挙公報に堂々と「エジプト・カイロ大学卒業」と書かれてきました。来年の都知事選挙にもし小池さんが出馬すれば、また「エジプト・カイロ大学卒業」と書かれるでしょう。しかし、それは果たして本当なのか。
今回の文庫化にあたり、大きな改訂が行われました。それはカイロでの同居人だった早川玲子さんが本名で登場する点です。早川さんではなく北原百代さん、になった訳です。北原さんは現在、80歳を超えていらっしゃいますがお元気で、記憶力も衰えていないそうです。ネットでは北原さんのお話を直接、聞けるサイトもあります。つまり、北原さんは「私は実在の人間だ」ということを訴えるために勇気を出して実名公表に踏み切ったのです。よほどの覚悟がなければ出来ないことです。『女帝 小池百合子』が話題の本になっても、新聞やテレビがまったく取り上げようとしなかったことへの抗議の意味も実名公表にはあったでしょう。
大手メディアが今度こそ権力者に忖度することなく、この本の存在をきちんと視聴者に伝えるかどうか、これから注視していかなければなりません。
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「岡真樹子の日本人に生まれて良かった」
「文化の日」の前日、11月2日に赤坂御用地にある「赤坂御苑」で秋の園遊会が天皇皇后両陛下の主催で開かれました。園遊会が開かれるのはコロナ禍のため5年ぶりになるそうです。天候にも恵まれ、ようやく園遊会が開かれたこと自体は良かったと思います。しかしテレビの画像を見た私は、ちょっと驚きました。スポーツ大会の中継などを見ていても、観客は今、ほぼノーマスクでくつろいで試合を見ているのに、なぜ招待客も天皇陛下も皇后陛下も一様にマスクをなさっているのでしょうか。ちょっと異様な風景でした。
園遊会といえば華やかな社交の場です。各地方自治体の職員や各分野の功績者とその配偶者らが招待される、一生に一度の晴れの場です。男も女も目いっぱいお洒落をして臨む場なのに、マスクをつけることに皆さん、違和感はないのでしょうか。声が通らないし、相手の顔が見えないじゃないですか。おまけに飲み食いは「禁止」だそうで、ソフトドリンクだけ、というケチケチぶり。いくら何でももっと優雅に楽しく、美味しいものも召し上がっても良いのになあ、と余計なことを考えました。
日本人は真面目すぎて楽しむことが下手、といわれますがここまで来るとビョーキです。いつまでコロナ、コロナと怖がっているのでしょうか。真面目に、お行儀よくすることがそれほど大事なのでしょうか。しかし、もっと違和感、というか怒りを感じたのは園遊会にあの、木原誠二とその妻が招待されたという情報を聞いた時です。木原夫妻が出席したかどうか、は確認できていませんが招待されたことは事実です。木原誠二がどういう人物なのか、はこのブログに来てくださる方はご存じだと思うので繰り返しません。しかし、天皇皇后両陛下が親しく言葉を交わされるのにふさわしい人物なのかどうか、は子供でも判断できることだと思います。
園遊会に招待されるのは各界から推薦された人物です。省庁からも官僚が推薦されて出席します。木原を推薦したのはおそらく内閣府でしょう。つい、こないだまで内閣官房副長官だったのですから。しかし、木原の妻の元夫である安田種雄さんの遺族が10月18日に警視庁大塚署に刑事告訴をし、大塚署は25日に告訴状を受理しています。これから安田種雄さん不審死事件は再再捜査されることになるでしょう。そのタイミングで、木原夫妻を園遊会に招待するというのは不敬ではないでしょうか。
内閣府の担当者は何も考えず、事務的に木原夫妻を推薦したのかも知れません。しかし推薦者のリストを岸田首相は一応、見ているはずです。リストを見て、何も考えなかったのだとしたら、やはり岸田という人の感覚は異常です。犯罪者(かどうかはまだ分かりませんが)の疑いをかけられている人間を妻にしている木原。そして自身も事件のもみ消しをしたのではないかという疑いを持たれている木原。そんな人間を陛下に会わせても問題ないと判断したのなら、即刻、総理大臣を辞めるべきです。
日本には右翼という人たちがいるはずなのですが、その人たちはなぜこんな不敬を許しているのでしょうか。
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