中国の近現代史はアヘン戦争でイギリスに負けた時から始まる、孫文は「三民主義」を唱えた中華民国の建国の父、毛沢東は地主に虐げられていた農民を解放して土地を公平に分配した、日本は中国の領土だった満州を侵略して満州国を建てた・・・・今、日本の教科書ではこんなふうに教えていないでしょうか? 中国についてこれまで私たちが習ってきた歴史はほとんど嘘で、シナリオを書いていたのは毛沢東だったーこんな衝撃的な事実を明らかにした本が去年の秋、出版されました。『真実の中国史[1840-1949]』(李白社)です。

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  熱っぽく語る宮脇淳子氏                        

 17日(土)、この本を書かれた宮脇淳子さんの講演会が東京・文京シビックセンターでありました。主催は「戦略・情報研究会」(代表 久野潤 kunojun@amethyst.broba.cc)です。歯切れの良い、いつもの「宮脇節」は絶好調でとても楽しい、良く分かるお話でした。

  
 中国史を考える時、つい私たちが騙されてしまうのは「中国」という言葉だと思います。「中国」という言葉を中国人自身が使うようになったのは1911年の辛亥(しんがい)革命の時、つまり20世紀になってからのことです。辛亥革命は清朝の将校たちが起こしたクーデターでしたが、彼らのほとんどが日本の陸軍士官学校に留学した経験がありました。当時、彼らは自分の国を「支那」と呼んでいましたが「支」も「那」も良い意味ではないので「中国」と言い換えることにしました。そして辛亥革命=黄帝即位紀元4609年としたので、これが「中国五千年」というフレーズになりましたが、これは日本に対抗してでっち上げた嘘です。黄帝というのは伝説の皇帝ですが、これは神武天皇を意識して創りあげたものだし「4609年」は日本の皇紀2600年の2倍、古い国ということにしようということで決めた数字です。

 1840年のアヘン戦争に負けて中国は西欧列強に分割され、屈辱の歴史が始まった、というのも嘘です。実際には1894年の日清戦争で清が日本に負けたことから欧米列強の介入が始まり、清は半植民地化されます。しかし、日本のせいで中国の近代史が始まった、と言うのは悔しいので毛沢東はイギリスに負けたから、というふうに歴史を書き換えたのです。

 宮脇先生のお話を聞いているとつくづく日本人と中国人は違う民族だ、ということを感じます。日本人は歴史の客観性を大切にしますが、中国人にとっての歴史とは「勝利の物語」です。自分たちにとって都合が良ければそれで良いのです。今、中国共産党は自分たちの正統性を証明するために歴史の捏造を繰り返しています。「南京大虐殺」などというデタラメな話を作り上げるのは、そうしなければ政権を維持できないからです。

 しかし日本の教科書を執筆している学者は真実を知ってか知らずか、嘘の歴史を日本の子供たちに教えています。これでは学者、研究者を名乗る資格はありません。今、中国は「これが中国史だと日本の子供に教えなさい」と日本の文科省に圧力をかけていますが、それは「歴史」ではなく「政治」なんだということをまず、私たち自身が知り、多くの人に伝えてゆく必要があります。

 

 私たちが中国をなかなか理解できないのは日本という国がまれに見る幸福な国だから、かも知れません。海に囲まれた日本列島の中でわが国は古代からずっと同じ広さの国土を保ってきました。このこと自体があり得ないほど幸運なことです。万世一系の天皇のもとで国民は同じ言葉、同じ文化、同じ伝統を共有してきました。貧富の格差も比較的少なく、階級差もさほどひどくなく、職業による差別も男女差別もほとんどありません。私たちにとってはこういうことはごく当たり前ですが、中国人から見れば夢のような話です。悔しくて憎くて仕方がないのも分かるような気がします。

 最近、知ったのですが中国には「嘘つき」に該当する言葉がないそうです。嘘をつくのは当たり前だから、だそうです。これって本当なのでしょうか? もし本当なら、私たちは恐ろしい国の隣にいることになります。真実の中国史をしっかり学んで、中国人とこれからどうやって付き合うか、考えるためにもとても良い本が出版されたと思います。