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台湾南部にある台南市の烏山頭ダムで416日の朝、八田與一(ほったよいち)さんの銅像の頭部が切られているのが発見され、警察に通報されたそうです。写真を見ましたが頭部だけがスパッと鋭利なもので切られています。頭部は発見されていないので、持ち去られたようです。このニュースは産経新聞が報じましたが、この事件が何を意味するか、までは産経新聞も解説していません。

 八田與一氏は日本では無名ですが台湾では小学校の教科書にも載っている人です。大正9年(1920年)から10年もの歳月をかけて烏山頭ダムを完成させた技術者です。烏山頭ダムは当時、「東洋一のダム」と讃えられました。

台湾というと温暖で雨が多いので、さぞお米が豊富に採れるのだろうな、と思う人が多いでしょう。しかし雨は夏に集中的に降り、冬はほとんど降りません。河川も多いのですが流水量に偏りが多く、灌漑に用いることはできませんでした。沿岸部は塩害にやられていました。八田與一が台湾総督府内務局土木課の技術者として赴任した当時、台湾南部の農業の生産性はとても低いものでした。

八田與一は官田渓という河川を堰き止めて巨大なダムを建設しました。これを貯水池として用い、さらに網の目のように嘉南平原に灌漑用水路を設けました。農法の改善や田畑の管理を徹底することで嘉南平原を台湾最大の穀倉地帯に変えたのです。その偉業に台湾の人たちは今でも感謝を忘れず、八田與一の銅像の前にはいつ行っても献花が絶えないそうです。それだけに今度の事件は地元だけでなく、台湾全土で衝撃をもって受け止められています。台南市の頼清徳市長は、迅速な捜査と像の修復を指示したそうです。毎年、八田與一の命日である5月8日に慰霊祭が開かれていますが、像は早ければ1週間で修復できるので慰霊祭に何とか間に合って良かったです。 

 このニュースを聞いて私が瞬間的に閃いたのは、明治神宮に油をまいたという二人の中国人の女です。もちろん二つの事件はまったく別のものではありますが、犯行の目的は共通しているような気がします。人々に敬愛されている建造物を壊したい、汚したい、という憎しみです。

 明治神宮と違って八田與一の銅像のところまで行くのは簡単ではありません。台湾の中部にある台南という地方都市の郊外の、ダムを見下ろす小高い丘の上に銅像はあります。頭部を切り取り、頭部を持ったまま移動するには車が必要でしょう。かなり計画的な犯行だと思います。一日も早く犯人が見つかることを祈るばかりです。

 最近、日本全国で神社に放火されたりする事件が増えているそうです。これらは決していたずらなどではなく、一種のテロです明らかに日本人に対する憎悪に基づいた犯行です。こういうことをする輩が私たちの社会に確かにいるのです。手を打たなければ文化財はどんどん消失してしまいます。

 

 

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