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そろそろ大学入試のシーズンが近づいてきました。今年の入試で話題になるのはやはり英語の問題でしょう。萩生田文部科学大臣は2019111日、2020年度から民間が行う試験を大学入試での英語4技能の評価に活用する「大学入試英語成績提供システム」の導入を見送る、と発表しました。これは萩生田さんの英断だったと思います。民間の業者が行う試験の成績を入試に反映させるということは大学側が民間に学生の評価を丸投げしているわけで、大学側の責任放棄も問題ですが、民間の業者が文部科学省の役人の天下り先になっているという構図も大問題です。英語は文部科学省の利権の温床になっている、と言っても過言ではないでしょう。萩生田さんの英断でこの構図にメスが入ることを期待します。

 そもそもなぜ英語を日本の生徒たちにごり押しするのか、という問題意識が文部科学省になさすぎます。最近では小学校の低学年から英語をごり押ししていますが、これには語学教育の専門家は口をそろえて反対しています。当たり前です。小学校までは母語、つまり国語を集中的に学ばせなければなりません。英語などに時間を割いたら肝心の国語がおろそかになってしまいます。外国語は母語をしっかりと学んだ後に、興味のある生徒だけが好きなものを選択すれば良いのです。私が大学生の頃はまだ英語一辺倒ではなくドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語、スペイン語などの中から何か一つ必修で取らなければなりませんでした。社会に出たら語学を学ぶ時間もなくなるので、大学で英語以外の語学を学ぶのは悪いことではありません。しかしいつの頃からか、この「第二外国語」という制度は少しずつ形骸化され、英語一辺倒になってしまいました。

 日本人が英語が不得意な理由はいくつかあります。文法的に日本語とかけ離れていること、発音が日本語と異なること、言葉を紡ぐ発想(文化)自体がそもそも違うことなど。しかし、もっとも大きな理由は英語ができなくても困らないこと、です。語学は必要がなければ苦労して覚える気が起きません。必要があるからつまらない暗記に耐えられるのであって、必要もないのに苦痛に耐える物好きは滅多にいません。だから英語嫌いを増やす、現在の学校教育の「英語のごり押し」は学生に対する虐待のようなものだ、と私は考えています。「英語がなかったら、どんなに学校が楽しいだろう」と言う学生がたくさんいるのです。

 商社に勤務して外国に赴任する人や外交官になりたい人、通訳になりたい人などが英語を学ぶのは良いのですが、そんな人はごく少数です。圧倒的多数の日本人に英語は必要ありません。英語圏に旅行に行くときにちょっとした会話が出来れば便利ですが、そのレベルなら中学校の英語の教科書をきちんと学べば十分です。簡単で基礎的な単語をいろんな意味で使えるようにしておけば、結構いろいろなことが言えるものです。

 日本人は国語、つまり日本語の価値に無自覚すぎます。日本人は世界にも稀な、ユニークで繊細な言語を母語として持つという幸運に恵まれました。日本語は語彙が多く、形容詞も副詞も多い。語彙が多いということは複雑な思考ができるということです。そこからさまざまな学問や哲学や文学が生まれています。漢字に音と訓をふるというのは日本人だけが思いついた大発見です。日本人がアジアで唯一、ノーベル賞を20個以上も取る民族であることと日本語は無関係ではありません。日本語が日本人を一つに結び付け、共同体を形作るという役割も果たしています。外国人が社会に増えている今、日本語を大切にすることの重要性にもっと政治家も官僚も目覚めるべきです。

 英語のような語彙の少ない言語を学生にごり押ししていたら、ノーベル賞を日本人が取れなくなる時代は確実に訪れるでしょう。

 

 


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