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 1022日、ロンドンで先進七か国(G7)の貿易相会合が開かれました(オンラインで)。名指しは避けたものの、中国を念頭にして農業製品や衣料品などの国際的な供給網(サプライチェーン)で行われている(のではないかと懸念される)強制労働が議題に取り上げられました。これまでも新疆ウイグル自治区で採れる新疆綿(品質が優れているといわれる)がウイグル人を強制労働させて収穫されているという噂はありました。今回のG7では、さらに踏み込んで強制労働排除のための国際的な仕組みづくりが必要だという認識で一致し、共同声明には「自由で公平なルールに基づく多国間貿易システムに強制労働の余地はない」という文言が盛り込まれました。萩生田経産大臣もこの会合に参加したのですから、日本も国内の企業が強制労働に関わっていないかどうか、人権侵害をしていないか、検証する責任が生じたわけです。

 最近は「ユニクロ」や「無印良品」「しまむら」などの店で、お洒落な衣服や下着が驚くほど安く手に入るようになりました。しかし、これをグローバリズムのお陰だと喜んでばかりはいられません。私たちが身につけている衣服が、もしかしたらウイグル人を奴隷のように使って作られたものなのかも知れないのです。それを知った上でなお、その服を気軽に身に着けられるでしょうか?

 今年の15日、アメリカは「ユニクロ」の男性用シャツを輸入禁止にしました。「ユニクロ」が中国で製品を生産する過程において人権侵害に関わっている疑いを払拭しきれない、というのがその理由でした。「ユニクロ」の会長兼社長の柳井正氏はこのような疑いを否定し続けています。しかし、発言が曖昧で、具体性に乏しいので疑惑が払しょくされていません。

 アメリカだけでなく欧州の国々も新疆綿が奴隷労働によって大量に収穫され、衣料品になっているのではないか、という疑いを持っています。72日、フランス当局がファーストリテイリング傘下の「ユニクロ」フランス法人の捜査に着手した、というニュースが流れました。その後の後追い報道はありませんが、その後どうなったのでしょうか?

 柳井正氏はかつて「政治問題にはノーコメント」と言ったことがあります。しかしこれは中国で商売をする経営者が口にしていい言葉ではありません。経済と政治は別問題、というのは民主主義国家において通用する話であって、中国ではすべてが政治なのです。かつて中国で反日暴動の嵐が巻き起こった時、上海にある「ユニクロ」の店舗も暴徒に襲われて滅茶苦茶にされました。中国ではいつ権力闘争が勃発するかも分からないし、それがいつ自分の商売に影響を与えるか、も分かりません。社員がいつスパイ容疑で逮捕されるかも分かりません。中国で商売をすること自体がリスクと隣り合わせです。

 現在、100万人とも300万人ともいわれるウイグル人が「再教育施設」と呼ばれる収容所で過酷な扱いを受けている、ということが脱出したウイグル人の証言によって明らかになっています。中国当局は「再教育施設は職業訓練所のようなもの」と言っていますが、ウイグル人の学者や研究者、著名な作家なども「再教育施設」に収容されているのですから、中国当局の主張は真っ赤な嘘でしょう。また臓器売買が行われているとか、集団レイプが行われているという、おどろおどろしい証言が後を絶ちません。これが嘘であるかどうか、は中国が民主化されたあとに初めて明らかになることでしょう。確かなことは、日本のような民主主義国家の企業が一党独裁国家の中国に金儲けのためにのこのこ出かけていくことは倫理的に見て恥ずかしいことではないか、ということです。

 日本政府はアメリカやEU諸国に比べて中国の人権問題に及び腰だという非難を浴びています。岸田政権にはそのような汚名を払拭し、次の国会で「中国の人権問題非難決議」を採択して欲しいです。