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6日、海上自衛隊創設70周年の節目でもある今年、相模湾で「国際観艦式2022」が開催されました。観艦式自体は3年に一回ぐらいは開かれているようですが、国際観艦式は20年ぶりだそうです。自衛隊に入隊して初めて迎える国際観艦式、という隊員もたくさんいたでしょう。12か国が参加し、海上自衛隊からは護衛艦「いずも」等20隻と航空機6機、航空自衛隊からは「ブルーインパルス」等16機が参加し、日ごろの訓練の成果を披露しました。ライブ中継が行われたので、勇壮な式であったことはよく分かりました。お天気にも恵まれて、素晴らしい式だったと思います。

 しかし、この観艦式を見て「わあーっ、自衛隊ってカッコ良いなあ~」と自衛隊に憧れて入隊する若い人たちがいるかも知れないと思うと、複雑な気持ちにもなります。自衛隊の隊員一人一人は真面目に勤務に励んでいますが、自衛隊という組織自体は非常に特殊です。一見、軍隊のように見えますが法的には軍隊ではなく警察のようなものです。身分は軍人ではなく特殊公務員です。で、それのどこが問題なの? と思われるかも知れません。しかし、東アジアの国際環境は日々、激変しています。先日、中国共産党の党大会が開かれましたが、習近平は台湾を侵略する気満々であることを隠しませんでした。あと5年のうちに(あるいはもっと早く)台湾有事が起こるかも知れません。それほどの危機が迫っている今、自衛隊という組織は「警察予備隊」の時代から何も変わっていません。旧態依然です。自衛隊の幹部はそのことを真剣に考えているのでしょうか?

 例えば護衛艦「いずも」と呼んでいますが「護衛艦」って何のことでしょうか? そんな呼称はありませんよね。普通の軍隊なら「駆逐艦」なのに、自衛隊では「護衛艦」という、意味不明な名称になっています。隊員が胸につける階級章も、よその国では絶対に使わない「1尉」「2尉」「3尉」「1佐」「2佐」等です。なぜ「少尉」「中尉」「大尉」「少佐」「中佐」にしないのでしょうか? 聞くところによると、自衛隊では「軍手」という言葉を使わないそうです。なぜか、というと「軍」という言葉を避けるからだそうです。ほとんど冗談みたいな話なのに、大真面目にそれをやっているのです。これで有事に備えられるのか・・・・不安になります。

 呼び方なんかどーでもいいよ、と考える人もいるでしょう。呼称の問題だけならまだ良いのですが、自衛官の処遇が問題です。一般企業に比べて自衛官の処遇は決して良くありません。キツイ仕事で危険も伴うのにもかかわらず、処遇が改善されたという話を聞きません。自衛官は定年も早いし、定年後の就職先も自分で探さなければならないそうです。

 もっと深刻な問題があります。かつてソマリアの海域に頻繁に海賊が出没していて、それを退治、管理する任務に海上自衛隊が派遣されたことがありました。自衛隊の海外派遣に反対する左派の野党議員は嫌がらせのためにかの有名な「ピースボート」を焚き付けて現地に行かせました。ところが「ピースボート」が海賊に出くわしてしまい、なんと海上自衛隊に保護を求めてきたのです。対処に困った艦長が防衛省に連絡して相談したそうです。そうしたらなんと! 防衛省のエライ人は「警察官の職務遂行規定にならって、禁固3年に相当する相手の行為に対しては戦闘せよ」と返事を寄越したそうです。海賊に出くわして相手を撃退しなければならない時に、どこまで戦えばよいのか、という判断は警察官の犯人に処する規定と同じだという訳です。つまり自衛隊には交戦規定がないのです。驚愕すべきことです。私がなぜこの話を知っているか、というと今年、亡くなった石原慎太郎氏の『日本よ、完全自立を』(文春新書)に書いてあったからです。

 兵士が戦場で敵に出会った時、何かを考えながら戦えるはずがありません。そんな暇はないのです。とにかく相手を倒すことしか考えられないはずです。他国の兵士はすべてネガティブ・リスト(やってはいけない事だけが決められている)で動きます。捕虜を虐待してはいけない、民間人を暴行してはいけない、とかいくつかの禁止規定があって、それ以外のことは自分の判断でやっています。ところが自衛隊の隊員はポジティブ・リスト(やっていい事が決められている)で動かなければならないのです。これでは咄嗟の判断が遅れて、自分の身が危なくなります。

 戦後77年間、日本は戦争をしなくても済んできました。それは幸運だったかも知れません。しかし、これからはおそらく戦争に巻き込まれるでしょう。その時に自衛官は自分を守りつつ、国を守ることができるのでしょうか? 今までのように、他国の軍隊に守ってもらうなどという恥ずかしい事はこれからは許されなくなるでしょう。志を抱いて自衛隊に入隊してくる若者に、任務の重さに見合う名誉を与えることもこれからは必要になると思います。

 ちなみに、自衛隊には確固とした交戦規定がないので、これを速やかに作成してほしいと要求した統合幕僚長がかつていたそうです。勇気ある(というか、当然の)建言をしたその人は当時の防衛庁長官、金丸信によって「文民統制違反」で更迭されたそうです。こういう事例があると、その後の統合幕僚長は誰も建言できなくなります。だからきっと、今でも自衛隊には交戦規定はないと思います。

 

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「岡真樹子の日本人に生まれて良かった」

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