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 メキシコと国境を接する米テキサス州が今、大変なことになっています。JETRO(日本貿易振興機構)が詳しく報じています。テキサス州はメキシコからの不法移民に長年、悩まされてきました。グレッグ・アボット知事(共和党)は20213月、「オペレーション・ローン・スター」と呼ばれる州独自の不法移民対策の1つとして国境にカミソリ有刺鉄線を設置しました。有刺鉄線の全長は約30マイル(約48キロ)にわたります。テキサス州政府は移民対策のこれまでの成果として、496,000件以上の不法移民の摘発、38,500人以上の逮捕、大量の合成麻薬フェンタニルの押収などを挙げています。それでも悩みは尽きないようです。

アボット知事は去年1218日、州南部のブラウンズビルに行き、不法移民の流入阻止などを目的とする「国境措置関連州法」3法案に署名しました。アボット知事は「トランプ前政権の4年間、米国での違法な越境数は過去数十年で最も少なかった」「ジョー・バイデン大統領による意図的な無策によってテキサス州は自力で守らざるを得なくなった」として関連州法を成立させるに至った経緯について説明しました。法案の概要は次のとおり。

1.    154,000万ドルを国境沿いの壁建設に充てる。不法移民の温床といわれる地域の州兵による警備費用に最大4,000万ドルを充てる。(20243月施行予定)

2.    メキシコからの違法な越境をテキサス州の犯罪とみなす。最長20年の懲役とし、母国への強制送還の仕組みを設ける。(20243月施行予定)

3.    不法移民の支援や隠れ家の運営に関し、懲役期間を最低2年から10年に引き上げる。(20242月施行予定)

これに対してホワイトハウスのアンジェロ・フェルナンデス報道官は「テキサス州の地域の安全を損なう極端な法律だ」とテキサス州を批判、移民法に違反した者をいつ、いかにして退去させるかを決めるのは州ではなく、連邦政府の役割だと反発しました。つまり不法移民対策の権限は州にあるのか連邦政府にあるのか、をめぐって今、アメリカは割れているのです。アボット知事は連邦政府を相手に独立戦争も辞さない勢いです。

米国連邦最高裁判所は122日、連邦国境警備職員に対してカミソリ有刺鉄線の撤去を認める判断を下しました。最高裁判事9人のうち、保守派のジョン・ロバーツ長官、エイミー・バレット判事を含む5人が撤去を求める連邦の主張を支持しました。

テキサス州は202310月、国境警備職員がリオグランデ川沿いに設置された有刺鉄線を切断した際、国土安全保障省がテキサス州の資産を損壊し、州の国境安全措置を妨害したとして連邦政府を訴えていました。最高裁の判断について民主党寄りのCNNは、国境措置をめぐりテキサス州と対立しているバイデン政権の大勝利、と報じました。フェルナンデス報道官は「国境付近に有刺鉄線を敷くというテキサス州の政治的な暴挙は、国境警備の前線に立つ職員の仕事を単に難しく危険にするだけだ」とテキサス州を批判しました(「APニュース」122日)。

一方、・アボット知事は、自身のX(旧ツイッター)で「これで終わったわけではない。テキサスの有刺鉄線はバイデン大統領が助長する違法な越境を効果的に抑止する策だ。国境を守るテキサス州憲法の権限を守り、バイデン政権がわれわれの資産を破壊することを阻止し続ける」と述べていまする。止まらない移民の流入は今年の大統領選挙の争点の一つになるかも知れません。

 

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