ストップ高となった銘柄が翌日にはストップ安に沈むなど「逃げ足の速いマネーが大部分」(国内証券)とはいうものの、市場関係者は、東証1部も含めて新規マネーが誘発される可能性があるとの期待感を示す。
<きっかけはブイ・テクノロジー(7717.T: 株価, ニュース, レポート)>
市場関係者によると、個人投資家の口座が多いネット証券経由の売買ランキングでは、東証1部の主力株に混ざって新興市場の銘柄が上位に入っている。「ブイ・テクノロジー(7717.T: 株価, ニュース, レポート)などが目立つ」(同関係者)という。
液晶ディスプレイなどの開発、製造、販売を手がける同社は21日、実用評価を進めてきた新型露光装置(EGIS)において、先に決まっていた総額50億円の受注に引き続き、総額45億円の受注を受けたと発表し、材料視された。
インベストラスト代表の福永博之氏は「新規株式公開(IPO)銘柄の値もちの良さも、個人投資家の間で注目された」と指摘する。4月2日にマザーズ市場に新規上場した情報・通信のソケッツ(3634.T: 株価, ニュース, レポート)の初値は8000円で公開価格を81%上回った。4月17日には4750円まで下落したものの、直近は6000円台まで急速に値を戻している。
<東証1部に比べ値動きの軽さ魅力>
個人投資家が新興市場に向かう背景には、東証1部のもたつきもある。28日の日経平均は前日の米株反落にもかかわらず、前営業日比終値近辺での推移となり「良く言えば底堅いものの、9500円を抜けるエネルギーや材料が見当たらず、個人投資家はリターンを得づらいと感じているのではないか」(国内投信)との声が出ている。
カブドットコム証券マーケットアナリストの山田勉氏は「2006年のライブドア・ショックで新興市場から資金流出が起こり、株価が上場来高値から50分の1にまで下落した銘柄もある。個人投資家にとって買いやすいのは当然」とみている。山田氏は「値動きにベットしてリターンが得られる、すなわちトレンド・フォローが効く新興市場はやりやすいとの認識が個人投資家の間で広がっているようだ」と述べた。
別のネット証券関係者は「我が社に口座を開設している個人投資家の多くがヘビー・トレーダー。彼らは毎日ポジションをフラットにして終わるので、現在の新興市場のような値動きの軽さが重要となる」と述べた。
楽天投信投資顧問、代表取締役社長の大島和隆氏は、足元で中小株のパフォーマンスが東証1部のコア30銘柄を上回っていることも一因とみる。大島氏は「東証1部の時価総額で非常に大きな割合を占めるトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)および電機を含むその傘下産業は、米ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)問題の見極めで動けないというタイミングでもある。トヨタすなわち東証1部ととらえる個人投資家が新興市場に向かっている」と分析している。
(ロイター日本語ニュース 石渡 亜紀子)

