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DREAMS COME TRUE 35th Anniversary ウラワン 2024、さいたまスーパーアリーナに行ってきました。ウラワンとしては8年ぶりの開催で、デビュー35周年という節目と相まって、期待に胸を膨らませて参加しました。

ウラワンでは、その名のとおりヒットナンバーではないけれども、二人の思い入れの強い曲や演奏したいと思っていながらなかなか叶わない曲が披露されます。ファンの要望に沿った楽曲というよりは、むしろほとんど知られておらず奥の方に埋没しているけれども、自分たちが演奏したい曲を披露するというクリエイトする側の要望が前面に打ち出されたステージです。

これまで作ってきた数多くの楽曲のなかにはヒットしたものもあればそうでない曲もあります。それは市場でのひとつの結果ですが、ファンの間での人気を離れたところで、自分たちが好きな曲、ライブで演奏したい曲というのもあるはずです。そういう意味で、ウラワンはドリカムのアーティストとしての本領に触れることのできる稀少な機会なのです。楽曲に対する作者のこだわりが存分に表現されたライブであると受け止めています。

多くの曲を作っているのにライブで披露されるのはほんの一部の曲に限られてしまうというのが現実かもしれませんが、もっとレアな曲をたくさん披露したいという欲に駆られる思いは分かるような気がします。ヒット曲が繰り出されて、会場全体が盛り上がることで満足するという私たちファンの楽しみ方のもうひとつ先にある願望を叶えたいという思いを感じました。

それを象徴するように、今回のライブではドラムスに神保彰さんが参加されています。中村さんの猛烈な要請が叶って今回のライブに加わって下さることになったそうです。神保彰さんと言えば日本を代表するドラマーのひとりで、その技術と言ったら半端ではありません。なにせドラムだけでいろんな楽器の音を奏でてオーケストラ演奏するのです。このワンマンオーケストラという演奏ができるのは世界でも神保彰さん、ただ一人です。そして、そのワンマンオーケストラを実演されたのです。

叩く場所によって異なる楽器の音が出ます。ひと振り叩くと予めプログラミングされた音が鳴り、連打していくと様々な音が組み合わされてオーケストラになるという離れ技です。中村さんも言っていたように、超絶技巧なのにいとも簡単に演奏しているように見えるところはさすがです。
DREAMS COME TRUEwith神保彰、またとないコラボレーションのうえドラムソロまで堪能できてしまうという稀少なステージを体験できたことは、この上ない満足でした。

神保さんを迎えたことからも、リズムひとつにおいても更なる高みを追求して、楽曲を更に突きつめて表現しようとする姿勢が表れていて、演奏者としての楽曲へのレスペクトが感じられます。

また、曲に合わせてのダンスパフォーマンスも見どころです。曲に聴き入るよりも、リズムに合わせて歌って踊るというライブならではの躍動感を際立たせたステージであるところもウラワンらしさなのかもしれません。

演奏された曲のなかで私が知っていたのは「Kaiju」ともう一曲くらいでした。メロディも素敵ですが歌詞もいいですね。
「僕はKaijuだ Kaijuは君だ 想像/創造の羽根は 誰にも渡すな」
このフレーズが強く耳に残りました。この呼びかけは、問いかけも兼ねているように思われ、ウラワンのコンセプトを凝縮したように響いてきました。