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スイスの時計、フランク ミュラーのメモ帳です。腕時計に似せているのか横に細長い形をしています。



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文字盤の上では独立して自分のの持ち場を保ち、襟を正してきりっとしている数字ですが、ここではいろんな向きで折り重なるようにごちゃごちゃになっています。時計の中では一糸乱れず緊張感を持っていた数字たちが、時の流れから解放されて思いっきり羽根を伸ばしてくつろいでいるように見えます。「7」などは寝転がっているような感じですね。
時間のONとOFFでいうと、OFFタイムの数字たちを見ているようで面白いですね。



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「フランク ミュラー」の文字が腕時計の樽型に似せてカーブしています。



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メモ帳の中にも数字が大きく配されています。文字盤の中では身をかがめて小さくなっていた数字たちが、ここぞとばかり伸び伸びとしているように見えます。



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「1」の数字が腕時計のバンドのようです。遊び心に富んでいますね。
ダンスを踊っているようにも見えて躍動感にあふれています。


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シンプルなページもあります。



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ところどころにきれいな色のトレーシングペーパーが挟まれています。



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黄緑。



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赤色。



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青色。



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裏面はこんな感じです。



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1秒たりともずれることなく時を刻み続ける時計。12人の時間たちが秒針をバトン渡しのように送り続けています。一瞬たりとも停滞することなく、早まった行動をとることもなく完璧に時間という秩序を保っているのです。そこには12人の個性が織りなす最高のチームワークを見るような気がします。それぞれ異なる時間を生きながらも同じ時を刻んでいるというように。文字盤の数字が人のように見えてきます。

フランク・ミュラーの言葉です。
「世の中、生まれた時間は何時何分、死ぬ時も何時何分でご臨終、会社に行く時間は何時、ランチは何時・・・・と、人間はあらゆるシーンで時間に支配されている。その束縛、規制を壊したいんだ。」

彼は文字盤にある数字を通常の位置ではなくシャッフルさせたモデルも作っています。時間の秩序に対して、とことん新たな挑戦を挑んでいるのです。「時の哲学者」と呼ばれるのも頷けます。

このメモ帳には、彼がほどいた時のかけらが散りばめられているように感じます。1ページずつ書き綴っていくことで、そのかけらのひとつひとつが掬い取られ、また新たな時間が紡がれていくような気がします。