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「SLEEP REVOLUTION(スリープ・レボリューション)」という本を読みました。
著者は「ハフィントン・ポスト」創業者のアリアナ・ハフィントンです。
現代の多忙な人々の睡眠をめぐって、多くの研究成果を交えながら考察しています。ひとつの研究について深く掘り下げるといううよりは、様々な実験やデータ、意見を集約した内容になっているところに、ネット新聞を運営している著者らしさが表れています。それぞれのトピックが簡潔にまとめられていて大変読みやすいです。
以下、興味を持った部分について、抜粋を含め要旨を記してみます。
睡眠が必要な理由については多数の仮説が提唱されているが、主な四つを紹介する。
1.不活発理論
睡眠中に不活発になることで身を潜め、天敵に気づかれずに済んだと考える。
2.省エネ理論
体内の代謝速度が落ちる睡眠は、毎日の消費カロリーを減らす方法として発達してきた。
3.回復理論
日中に使った資源を回復する方法として睡眠をとらえる。
4.脳可逆性理論
睡眠は脳の発達とメンテナンスを行うための機能である。
睡眠中の脳の複雑な働きは、科学者を魅了しているだけでなく、クリエイターたちにも刺激と洞察を与えている。
人工知能のエキスパート、スチュワート・ラッセルはこう言います。基本的に、眠って夢を見るということは、長い目で見れば、ずっと起きているよりも多くを学び、能力も高くなる。眠るとはつまり、知覚と動作への直接接続を切り離すことだ。そして夢を見るとは、経験を繰り返し再生して、そこから学習信号を最大限抽出するということだと。
グーグルが買収した人工知能企業「ディープマインド」創業者、デミス・ハサビスは、「我々は睡眠を非効率的な時間の使い方だと考えているが、実際には、学習と記憶に関してこれ以上効率的な時間の使い方はない。」という。
何か問題に取り組むときに「一晩寝かせる」のが実際に有効であるという報告もある。英国エクセター大学の研究によれば、思い出せなかったことを思い出す確率は睡眠によって2倍近くに高まる。眠った後に記憶へのアクセスが大きく向上することは、記憶が夜の間に研ぎ澄まされることを意味している可能性がある。このことは、私たちは重要だとみなした情報を睡眠中に活発に反復していることになるという。
夢を見ることについて。
「眠りは夢を通じて道を開いてくれる。その道は、別の次元、別の時間、別の自分、そして覚醒中の意識では届かないところにある深い洞察へとつながっている。夢の時間超越性、現実世界と大きく異なる物語のルール、夢の世界ならではの移動の仕方。こうしたことすべてが、直観や内的な知恵に至るための独自のアクセスを与えてくれる。私たちは起床した瞬間から眠りにつく間際まで、絶えず時間を気にし、知恵よりデータを崇め、仕事と各種デバイスに消費されるという世界に生きている。だからこそ、夢が持つ心の固定資産は過去のどんな時代より貴重だ。テクノロジーは時間や空間を瞬時に飛び越えることを可能にしてくれるが、夢は私たちの深い部分を互いに橋渡しすることを可能にしてくれる。」
『失われた夜の歴史』の著者でヴァージニア工科大学歴史学教授ロジャー・イーカーチは、歴史上ずっと世界各地の文化が夢を尊んできたが、私たちの文化は夢を軽んじる傾向にあると言う。深い衝動や感情に対する適切な理解も失われつつある。夢は無意識への「王道」ではないとしても、曲がりくねってはいるが多くの旅人が行き交う自己認識への道を、数えきれないほど多数の世代に与えてきた。
大衆文化では、より真実の自分を表す表現、なりたい人物像や送りたい人生を示すビジョンとして夢が取り上げられることが多い。
「シンデレラ」、「オズの魔法使い」、「不思議の国のアリス」など、映画や文学の世界で、夢は別世界への通路として描かれることも多い。
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」では、ダンブルドア校長がスネイプ先生にハリーを起こさないように言います。「寝かせておこう。夢の中は自分だけの世界だ。深海を泳ぐことも、雲より高く飛ぶこともできる。」
日常の会話では、よりよい現実や目指すべき目標を「夢」ということも多い。それは、私たちのベストの自己がなしうることを表している。あるいは、日常生活の(目覚めているときの)恐れや先入観、妥協、皮肉、あきらめを手放すことができれば、どんな自分になれるかを表している。
ハーバード大学医学部の精神科医アラン・ホブソンはこう述べている。
「夢を見ることは、私たちの最も創造的な意識状態であるかもしれない。そこでは、さまざまな認知要素がカオス的・自発的に再構成されて、情報の新しい形態、つまり新しいアイデアが生まれる。」
事実、科学の大発見にも、夢にインスピレーションを得たとされるものがいくつもある。
たとえば19世紀半ば、米国の発明家エリアス・ハウはミシンの作り方を考え出そうとしていた。横暴な王のためにミシンを作らねばならず、失敗したら死刑になるという夢を見たという。目覚めたハウは、自分の発明の最後の決め手に気づいた。それは、手縫い用の針と同じ位置に開けていた針の穴を、先端に移動させることだった。次に悪夢を見て目が覚めたときは、細部をよく思い出そう。世界を変える発明の鍵がそこにあるかもしれない。
ロシアの科学者ドミトリ・メンデレーエフによる元素の周期表の発明も夢が突破口になったと言われている。「私は夢の中で、すべての元素が決められた場所に収まっている表を見た。目覚めてすぐにそれを紙に書き出した。後で修正が必要だと思ったのは1ヵ所だけだった。」
ドイツ生まれの心理学者オットー・レービーは、神経インパルスが化学信号であることを確かめる実験の方法を夢に見ている。彼は目覚めてすぐにメモを書きつけ、またベッドに戻った。しかし翌朝になってみると、彼は自分の書いた文字がさっぱり読めなかった。なんとか夢を思い出そうと丸一日を費やしたが、徒労に終わった。しかしその夜、運命のいたずらか、また同じ夢を見たという。今度は彼は起き上がり、まっすぐ実験室に向かって、実験を行った。こうして彼は1993年にノーベル賞を受賞した。
ここで一つの教訓は、よくよく慎重に書き留めよう。字がきれいであることは私たちが考える以上の美徳だ。
グーグルも夢から生まれたという。創業者の一人ラリー・ペイジはミシガン大学の2009年卒業式の祝辞で次のような話をしている。
「僕は23歳の時、突然目が覚めて、こんなことを考えていた。ウェッブをまるごとダウンロードしたらどうだろう、リンクもそのまま残して・・・と。すぐさまペンをつかみました。時には、夢の途中で目を覚ますことも大事です。その夜はずっとペンを走らせて、アイデアを詳しく書き出し、うまういくと自分に言い聞かせました。実は私には、検索エンジンを構築するなどどいう考えはありませんでした。でもそれからずっと後になって、ウェッブページを順位づけするいい方法を考えついたのです。そうすれば素晴らし検索エンジンができる。こうしてグーグルが生まれた。ほんとうに素晴らしい夢が現れたときは、それをつかむんです。」
ジャーナリスト、アーサー・ケストラーは理性的で直線的でタスク中心に回っている日中の生活と比べて、夢は新しい発想が生まれやすい場所だと説明している。夢の創造性がどこからくるのか。
「注意がそれまでの対象から外れて、以前は気づかれなかったものに向かう。それは、古い文脈においては的外れだったが、新しい文脈においては意味を持つものだ。創造活動とは、無から何かを創り出すことではない。
既に存在する事実、発想、能力、技術から、覆いを取り、選択し、組み替え直し、組み合わせ、合成することである。」
夢を見る慣習の歴史は古く、ヨーロッパの旧石器時代の洞窟壁画にも見て取ることができる。
今日では、有史以来初めて、夢の重要性に関する古代の知恵が科学的にも検証されはじめている。夢の物語は、頼りなく、しばしば矛盾し不条理で、始まりも中間も終わりもないが、深い謎と神秘の種を宿していることがある。そこでは、日常的な時間の感覚は失われ、別の世界への窓が現れる。
私は夜中に目が覚めたときは夢を思い出せる限り書き留めることにしている。そのためにライト付きのペンを用意している。朝、目覚めたときに夢を思い出したいなら、携帯電話は見ずに、外界の情報が入ってくる前に、しばしとどまって深呼吸をすると、夢をよく思い出せる。次第に、日常の物事の深層に隠されている意味に気づけるようになり外界の不協和音にかき消されがちな内なるささやきも聞き取りやすくなってくる。
覚えているのがたった一つのイメージや言葉であっても、それを書き留めよう。また、何かしらの印象や感じがぼんやり残っているだけでも、それを捉えておこう。何も覚えていない時もそう書いておく。「今朝は何も覚えていない」と。
私の経験では、書くという行為そのものが、夢に注意を払い、翌日はもう少し(すくなくとも何かしらを)覚えているように、無意識に働きかけてくれるようだ。
「新たな研究や発見が私たちをどれほどの夢の理解へと近づけても、夢の神秘さ、不思議さが失われることはない。つかまえどころのなさも夢の美しさの一部だ。夢は、別世界への出入り口、内なる別次元への時間を超えた旅であり、これからもずっとそうあり続けるだろう。」
社会学者クリスティーン・カーターはこう書いている。
「その日のことをすべてやり遂げるには時間が足りないと感じているとき、私たちは『もっと時間が欲しい』と願います。でも、実際には時間は必要ありません。必要なのは静寂です。」
私は、夜、頭の中の無駄口にエネルギーと時間を浪費せずにいると、ずっと楽に深く眠れて、翌朝、避けられない難題に対処するためのエネルギーも熱意も持てることを知った。静けさとは、しばしば立ち止まって深い自己とつながる能力だ。誰しもこの能力を身に付け、養うことができる。そしてこれは、世界が狂乱的なペースで私たちに迫ってくる今日、とりわけ重要なスキルでもある。私にとっては、外界の絶え間ない刺激から離れて静けさを味わえるようになることが、睡眠を味わえるようになるためにまず必要だった。
睡眠サイクルの専門家ティル・ローエンバーグは、「社会的時差ぼけ」という言葉を提唱した。彼の説明によると、体内時計はすべての人が持っていて、毎日の時間を刻んでいる。それはその人に特有のクロノタイプ(朝型・夜型)を決めているが、これには大きな個人差があるという。体内の正午が外界の正午と一致する人と前後に数時間ほどずれる人もいる。この外界の社会的時間と体内時計の差が社会的時差ぼけである。体内時計は、睡眠や体温、消化器系など、体のあらゆる概日リズムをコントロール脳の部分にあって、網膜に光が処理されることと、時計遺伝子と呼ばれる一群の遺伝子が発現することによって、時を刻んでいる。
「飛行機旅行の難しさは、大部分が自分のコントロール外にあることだ。どれほど入念に練った睡眠プランも、乱気流、子どもの泣き声、隣席のおしゃべりな客、突然の機内アナウンスなどで中断されがちになる。機内で眠ろうと計画していてもそれを妨げる不確定要素が多い。」
飛行機で寝て、到着したらすぐフル活動しようなんて考えずに、会議や観光の予定を入れる前に、きちんと眠れる時間を確保しておくのがベストだろう。
全米睡眠財団の元理事長チャールズ・ツァイスラーも、出発前にばたばたと忙しくしていて疲れた状態で、睡眠不足のまま旅に出ることに警鐘を鳴らしている。
ロンドンの美術館、サーペンタイン・ギャラリーでディレクターを務めるハンス・ウルリッヒ・オブリストは、1日52杯のコーヒーを飲んだと言われる小説家バルザックの多作ぶりに心酔し、その生き方、働き方を真似ようとしたという。
「僕は、睡眠は時間の無駄だと考えていた。学びたい、知りたいという好奇心の塊だからね。いつも、本を読んだり勉強したり文章を書いたりする時間が足りないと感じている。でも、もう時間の無駄だとは思っていない。なぜなら、眠れば夢を見るからだ。今は、睡眠が必要なものだと理解している。それに睡眠は、自分の内なる時計を発見するためにも必要だ。その時計に逆らうのではなく、ベストの使い方をするためにも。」
ホテルの睡眠環境について。
この数十年間は、スポーツジム、ビジネスセンター、無線通信、アメニティー、レストランなどの充実に重点が置かれてきたが、やっと最高の睡眠環境の提供をめぐって激しい競争が繰り広げられるようになってきた。大多数の宿泊客がほんとうに求めているのは、夜ぐっすり眠れることだ。ジムもレストランも外で見つけることができる。が、旅行者が眠れる場所はホテル以外にない。
睡眠最前線で大きなイノベーションを起こしているホテルの一つに、ニューヨーク市のベンジャミン・ホテルがある。このホテルでは枕を選べる。子守唄が流れる枕、あおむけ用の枕、横向き寝用の枕など、幅広い選択肢がある。またサービスの一つに、仕事を終える時間を知らせてくれる「ワークダウン・コール」がある。いわば「ウェイクアップ・コールの逆バージョンで、仕事を終えたい時刻をフロントに伝えておく。その時刻が来ると「そろそろ寝る支度にかからないと予定どおりにベッドに入れませんよ」と電話がかかってくる、というわけだ。
こうしたサービスの提供は今のところ上級クラスのホテルに限られている。すべてのランクのホテルで当たり前になる日を待ち望んでいる。
「健康的に生活できるよう助けてくれるテクノロジーは素晴らしい。しかし、よく眠るための近道はどこにもない。世界最高峰のテクノロジーでも、睡眠不足による膨大なデメリットを解消することはできない。まずは自分で自分の睡眠を優先させることが不可欠だ。」
睡眠を見直すことのすすめ。
「理由やきっかけは何であれ、睡眠を増やすと、人生には仕事や生産性よりはるかに多くのものがあることにきっと気づくだろう。眠ることは、憂き世のごたごたに向きがちな私たちの注意をもっと高い現実へと向けさせてくれる、最も簡単な日々の営みなのだから。」
「どうやら私たちは、睡眠とともに長い冒険物語をつむぐ間に、どこかでこの不思議さの感覚を見失ってしまったようだ」
「私たちの日常は、何かしている状態や、あれこれの気晴らしや、至急メールにかつてないほど消費されている。けれども毎晩、眠りが私たちを待っていてくれる。ただそこに素直に伏して、抱えているものを引き渡せばいい。もしかすると、寝つけない人が多い理由はここにあるのかもしれない。私たちは、もっと精力的に働かなくてはいけない、決してガードを降ろしてはいけない、常に戦っていなくてはならない、と聞かされ続けてきた。だから刀を置くことができなくて、睡眠とも戦ってしまう。あるいは、このオンデマンド時代、睡眠すら指先一つで手に入るとどこかで錯覚していて、そうできないことにストレスを抱えてしまう。」
睡眠がどのように進化してきたのか、確実なことは決してわからないかもしれない。しかし、眠りを取り戻す旅は、眠りが人類にずっともたらしてくれていたものを取り戻す旅でもある。
「科学は今後も、尽きない睡眠の秘密を次々に明らかにしていくだろうが、それでも眠りの不思議さは決して失われたりしない。それはなんと素晴らしいことだろう。眠りや夢は、時間の超越性や、回復と再生、自己とつながる機会、日々の心配事からの自由をもたらしてくれる。これらは、今や目覚めている時間にはきわめて手に入りにくい、貴重な宝物だ。」
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以下、本書を読んで私が考えたことを簡単に記してみます。
睡眠は脳の知覚と記憶を蘇らせるうえで非常に重要な機能を果たしていることが分かります。脳をメンテナンスするという眠りの機能には納得します。一度覚えたことを定着させるためには、「思い出す」という動作を繰り返すことで確かなものになるということは、日常の中でよく感じています。
「一晩寝かせる」という表現は言い得て妙ですね。
夢からヒントを得たり、それがきっかけとなって偉大な発明が生まれたエピソードは大変興味深いものです。夢にまで見るほど夢中になっていたということなのでしょう。一夜の夢の物語からも何らかの意味を感じ取ろうとするこだわり方に、真の天才ならではの能力を感じます。
「夢」が持つ謎や神秘さ、不可思議なものという側面も重要だと考えます。私たちは、分かりやすいものを好んだり、細かい部分を特定しようとしたり、明確な選択肢を求めたりしがちです。しかし、謎めいたものや、よく理解できないもの、ふわっとしていてつかみどころのないようなものから、実は、待ち望んでいたひらめきやアイデアが得られることのほうが多いように感じます。「何でこんなストーリーの夢を見たんだろう」と不思議に思うこともありますが、そのような物語の中にこそ、偉大なヒントが潜んでいるんですね。夢に対する向き合い方が変わるような気がします。
グーグルのラリー・ペイジの話や著者の経験にもあるように、書くという行為そのものが無意識に働きかけているという点も理解できます。手の動きと脳の機能が眠ることによってつながった瞬間と言えます。ただし、オットー・レービーのように自分の書いた文字が読み取れないほど乱れた文字ではいけませんね。私にも同様の経験はよくあるので身につまされます。きれいな字で書きましょう、と言いたいところですが、実際に、ひらめいたことで眠りから覚めたとしたら、落ち着いて書いてはいられないでしょう。なぐり書きのようなことも、場合によっては良いのではないでしょうか。それにしても、同じ夢を2回見られるなんて幸運です。さすがノーベル賞級の研究者は違います。夢の中まで研究に満ちているんですね。
「時間がない」と感じるのは、実は、足りないのは時間ではなくて「静寂」だ、というのは頷けます。時間がなくなるのは、気が散って集中できない状態が続いた結果なのです。様々な刺激に満ちている環境のなかでは集中力は維持できません。刺激を追いやり、静けさを味わうスキル身に付けることが重要になるというのは全くその通りです。特に都会では、静寂な環境を確保することは至難の業です。日中、外に出て完全に静かな場所を探すことは難しいです。街の中に静寂な空間を提供するというビジネスがあれば大人気になることは間違いないだろうなどと、実は以前から考えていたりします。人気が出るとかえってうるさくなるかもしれませんが。
静寂な空間といえばホテルです。本来は宿泊がメインのはずですが、ジムやレストラン、会議室など、サービスの多様化を優先させたこともあり、肝心の客室の静寂さが後回しになってきたということには賛同します。広い宴会場に大勢の人が集まることで、ホテル内も騒がしくなっています。
私は海外で宿泊するホテルを選ぶ際は、繁華街から少し離れた、客室数が中規模以下のところを対象にして考えるようにしています。ホテルの予約サイトの中には、防音対策が施された客室であることを表示しているところもあるので、参考にしています。防音仕様の客室は以外に少ないのが実情のようです。おそらく、設備にかなりコストがかかるのだと思いますが、今後はぜひとも重視してほしいポイントです。
この本の巻末には、静寂な環境での睡眠が約束された快適なホテルのリストが載っています。世界を探せば、静けさに浸れるホテルは少なくありません。睡眠をテーマにした旅行を計画してみるのも面白いかなと考えています。といっても一日中寝ているつもりはないのですが。
すべての人が持っている体内時計には個人差があり、その人特有の時間があるという話も興味深いです。十分な睡眠時間がとれなかったり、眠る時間が不規則になることが多い傾向にありますが、生活リズムを整え、維持し、メンテナンスすることで、次なる活動へのエネルギーを得るためにも、自分の体内時計を知ることは大変重要なのだと再認識しました。自分が持っている時間のリズムを正常に維持するためにも、まずは休息を確保することですね。時には、睡眠時間を削っても優先させなければならないことがあるような場面もありますが、良質な眠りの確保に意識的であることの重要性は変わりません。今流れている自分の時間に気づくことですね。
どんなに忙しくても、誰も自分の代わりに眠ってはくれません。自分が休むしかないのです。
「スリープ・レボリューション」を読んで、そんなふうに考えました。
今夜も良い夢が見られますように。おやすみなさい。