DSCN4706

東京・銀座ソニーパークで開催中のウォークマン誕生40周年を記念した展覧会を見てきました。音楽の聴き方に革新をもたらしたウォークマンの歴史を振り返ってその軌跡を辿るとともに、各界の著名人40人がウォークマンを通じた音楽との関わりについて回想しています。それぞれウォークマンが置かれていてストーリーを読みながら自由に曲を聴くことができます。

壁に展示されたものを順番に見て回るというのではなく、大小のブロックのようなオブジェに書かれたり置かれたりしていて遊び心ある配置になっています。子ども連れでも楽しめるように工夫されています。年代ごとに発売されたモデルが展示されているので、その変遷を追うことで音楽との接し方が大きく変わってきた軌跡が見えてきます。

この黄色いオブジェはアウトドアやスポーツ用に開発された第一号機です。




DSCN4704

入り口の階段の壁にはこのようなペイントがあります。



DSCN4703

会場内に掲示されているポスターです。



ソニー壁

アーティストがカスタマイズしたウォークマンです。色鮮やかにデコレーションされたステッカーが貼られています。



ソニー壁ウォークマン②

歴代のモデルが壁一面にディスプレイされています。ウォークマンのみならず、MDやCDののもでるまでが一同に集結していて圧巻です。色鮮やかなモデルも多いですね。実にカラフルです。こうして見てみると、音楽を聴くことがよりパーソナルなものになっていき、色のバリエーションが増えていくにつれて単なる音響機器を超えたファッションアイテムのひとつにもなっていました。

古いモデルから新しい製品までを見ていくと操作ボタンの大きさが変わってきたことが分かります。指で強く押すタイプだったのが、軽く触れるだけのボタンに変化してきた様子も見られます。



ソニー壁ウォークマン

「ウォークマンDD」や「FMウォークマン」もあります。
「BEACH」って書いてある機種はもしかして防水タイプかな?いろいろありましたね。

これだけコンパクトなモデルを見ていると、家にいるときや外出しているときなど、どんなシーンにあってもいつも音楽がそばにある環境を作ったのがウォークマンです。音楽を聴く文化を大きく転換させる役割を果たしたと言えます。
それは著名人が語るストーリーを読んでいても一様に見られます。音楽が完全に生活の中に浸透していく流れをつくりました。

こうした歴代のウォークマンが駆け抜けた時代は、高性能な製品を小型化、軽量化させる日本の技術が世界の注目を浴びた時期であり、「世界最小最軽量」というフレーズが用いられるような多くの商品が世に出ました。日本の技術が絶賛された黄金時代を象徴する製品がこのウォークマンでした。



ウォークマン③

これが私の持っていたモデルです。懐かしいですね。大きいボタンを押して操作しました。展示されていた他のモデルで久しぶりにカチャッとボタンを押してテープで音楽を聴くという体験をしました。このウォークマンはもう手元にはないので寂しいですね。
テープにシールを貼ってタイトルや収録した曲名を書き込んだりするのも楽しかったです。
古いモデルではA面・B面と裏返す必要がありましたが、オートリバース機能が付いて両面通して聴けるようになったんですよね。懐かしい!



ウォークマン②

このディスクマンも持っていました。高音質なCDを聴いた時の感動が蘇ってきます。
「It's a Sony」との表記があります。このフレーズはCMでも流れていました。そういえば、昔通っていた英会話スクールで、この「It's a Sony」のナレーションをしたのは自分だと言う先生がいました。実際に発音を聞いてみたら、CMの声にそっくりだったのでおそらく本人だったのでしょう。私のリスニングが間違っていなければ?の話ですが。



ウォークマン⑤

著名人の回想を読んでいたら、モデルのラブリさんのコメントが目に留まりました。

「それまで歌詞に描かれる世界に入り込んでインスピレーションを受けていたのが、歌詞のない曲や洋楽の方が、自分の言葉が生まれやすい音楽になったんです。言葉の使い方もより詩的に、自分だけのものではなくなりました。でもその一方で、何か節目のとき、言葉にできない思いがある時は、イヤホンから流れる歌の歌詞を聴いて自分の中で確認をするんです。音楽に話しかけてもらう感覚というか。変化の中で自分がブレてしまわないように、充分すぎるほど集中していた時期だったんです。」

このストーリーを読んで、音楽と言葉の関係の面白さを感じました。

音楽を聴くことで言葉にならないものを感じることもあれば、音楽を聴いているうちに言葉が浮かんでくることもあります。
メロディーの心地良さに気持ちが高ぶったり癒されたりすることもあれば、詩のある歌が力になることもあります。
音楽と言葉のつながりって不思議ですね。



スタンプ

会場内ではスタンプラリーを行なっていて、4種類の絵柄のスタンプをリーフレットに押しました。



DSCN4708

スタンプを押したリーフレットをレセプションに持って行くとカセットケースに入ったブックレットがもらえます。テープの形をしたブックレットなんてなかなか洒落てますね。



DSCN4711

ケースの裏面はこんなふうにデザインされています。



ブックレット②

このようなコンパクトなブックレットです。ラベルに書かれたタイトルもいい感じです。



ぱらぱら

これが1979年に発売されたウォークマン一号機です。



DSCN4712

以降、発売された年代順にモデルがひとつひとつ紹介されています。発売が新しくなるにつれて、右下にある40周年のロゴマークが少しずつ左側に移動していき、ぱらぱらめくると動いて見えます。なかなか凝ってますね。

ウォークマンで聴いていた頃の自分の音楽体験を懐かしく回想しながら音楽と言葉の接点を感じる展覧会でした。ウォークマン40周年おめでとう!