夏休みにバンコクへ行ってきました。初訪問です。エネルギーに溢れる賑わいと、川沿いの昔ながらの古風な暮らしに触れてみたいと思い、以前から訪問したいと考えていました。
格安ホテルから超高級ホテルまで揃った世界屈指のホテル大国でもあり、「微笑みの国」と言われるタイのホスピタリティーにも興味がありました。
往路はライオン・エアー、帰りはエア・アジアと、いずれもLCCを利用しました。ライオンエアーはシートに液晶画面が付いていてLCCとは思えないほどでした。ツナが入ったパンとミネラルウォーターもいただけて、食事は出ないと思っていたのでうれしかったです。
ドン・ムアン国際空港に到着後、市内へはバスで向かいました。MRT線チャトゥチャックパーク駅に停まります。隣接するBTS線モーチット駅から電車に乗れば中心部まで行けます。
バスを降りると目の前がチャトチャックパーク駅なのですが、モーチット駅にはどういったらいいのか分からず、「モーチットってどこかな?」とつぶやきながら歩いていたら、後ろから来たおじさんが私を追い抜きながら「すぐ前だよ」と指を差して教えてくれました。
事前に鉄道路線図は見ていましたが理解が不十分だったようです。市内にはBTS線とMRT線があって乗り換えられる駅がいくつかあります。ただ、同じターミナル内で乗り換え可能な駅と、一度外に出て少し歩かなければならない駅があります。同じターミナル内で乗り換え可能な駅でも線が違うと駅名が異なるのも少々分かりづらいです。また、ラビットカードという日本のSuicaのような回数券ははBTS線のみで使用可能でMRT線では使えません。MRT線に乗る際は現金でトークンを購入することになるので少々めんどうです。初めて訪れた街なので仕方ありませんが鉄道を乗りこなすのに少々手こずりました。
驚いたのは駅構内の厳重な警備です。改札口に向かう途中にセキュリティチェックを受けるゲートが設置されていて、全員そこを通過して構内に入ります。過去に駅構内で事件が多発していた時期があったのかもしれません。
今回の旅行では2軒のホテルに泊まりました。バンコクにはリーズナブルに泊まれる魅力的なホテルが多くて一軒に絞れず、今回は少し欲張って二つのホテルに泊まることにしました。
スケジュールに余裕があるわけではないので、時間的にもったいないとも思いましたが、バンコクはコンパクトな街なので移動にそれほど時間はかからないだろうと踏みました。ホテルを移る日は機動力が落ちないように荷物を最小限に抑えて負担を軽減しました。
これまで、ひとつの都市を旅して複数のホテルに泊まったことはないので、新たな経験となりました。
最初に泊まったホテルはアヴァ二・リバーサイド・バンコクです。チャオプラヤ川沿いのアナンタラホテルと同じ系列でアナンタラのすぐ後ろに建つ高層ホテルです。全室リバー・ビューの客室で川の向こうに広がる街の様子が一望できて素晴らしい景観が望めます。
眼下にはアナンタラ・ホテルが見えます。こちらも良さそうです。低階層の建物で川沿いということもあり、自然を身近に感じられますね。船着場のそばにオープンエアのテーブルがあるので気持ち良く食事ができそうです。
ホテルまでは最寄り駅を降りたところにあるピアから舟で川を渡って向かいます。駅を降りるとほのかに川の水の匂いが漂ってきます。ホテルから舟で渡って移動するという経験は初めてですが、なかなかないいですね。
川沿いには他にも多くの一流ホテルが林立していて、川沿いに滞在するというのはバンコク旅行の醍醐味のひとつでもあります。
各ホテルがそれぞれ舟を出しているのでいつもたくさん走っています。
川沿いにはこうした地元の人達の家屋が点在しています。
大雨が降ったら水かさが増して浸水しそうです。
地図を見ていて思ったのですが、チャオプラヤ川は蛇のようにくねくねしながら流れています。このように蛇行していることで流れが穏やかになり、川が人々の生活の中心にあったのでしょう。だからこそこの流域に人々が集まるようになって多くの商業の発展を促してきたのだと思います。
バンはチャオプラヤ川流域を中心に発展してきたと言われています。川の流れ方を地図で見てみると本当にくねくねとしています。こうして川の流れが緩やかで移動するのに時間がかかることも、のんびりとした生活感覚を生んだ要因のひとつかもしれません。
アヴァニ・リバーサイド・バンコクに到着しチェックイン。ウェルカム・ドリンクにココナッツ・ジュースをいただきました。お手拭きが添えられていて、とてもいい香りなんです。何回も手を拭いてしまいました。
エレベーターホールの壁のデザインです。涼し気で温かみがあります。
客室からはチャオプラヤ川を挟んで大きく拡がるバンコク市内の様子が見渡せます。
夕暮れ時の景色です。
右側には大きな橋が架かっていて行き交う車も多いです。
洗面台周りです。
トイレが仕切られているのはいいですね。
橋の光が川に反射してきれいです。
川の向こうで光っているのはナイトマーケットのアジアン・ティークです。
朝のチャオプラヤ川です。
ホテルのメモ帳です。
白いメモの右側に細かい模様が入っていますが、チャオプラヤ川の波をイメージしたようなデザインですね。
朝食も素晴らしいです。カフェには穏やかで心地良い音楽がかかっています。朝の陽が反射して明るく輝くチャオプラヤ川を進む舟を眺めながら食べる朝食は格別です。種類も豊富でとても充実しています。ニシンの塩焼きもありました。
船着場に向かってアナンタラのガーデン内を歩いていたら素敵なブランコを発見。リゾート気分が盛り上がります。
年季の入ったブランコです。
プロンポン駅直結「エム・クオーティエ」内にある「Another Story」という店に行きました。欧米系のアイテムを多く扱っている雑貨店です。少々高価ですがどれもセンスのいいものばかりです。Tシャツやデニムなどの洋服もあります。
デンマークのステーショナリーです。コペンハーゲンの「normann」という鉛筆です。
幾何学っぽいデザインのノートです。
「co-incidence」というノートです。
黄色いメモパッドです。
中も同様のデザインです。
購入した商品を入れてもらった紙袋も素敵です。3本のラインが並行ではないんですね。
プルンチット駅に近い「セントラル・エンバシー」内の「Open House」という店に行きました。レストランやカフェがいくつもあるなか、中央に大きな棚が設けられていて書籍や雑貨が販売されています。
本当にレストランやカフェの中で書籍を販売しているという感じです。
天井まである高い棚に書籍がディスプレイされています。
子ども向けの児童書も多く、親子連れでも楽しめる空間です。
奥に行くと棚に書籍がずらりと並んでいます。階段を上がるともう一段高い壁に並べてある書籍を見ることができます。洋書が中心ですが日本の書籍もあります。
中央には小さいテーブルや棚があって書籍のほかにも文房具、ポストカードや絵などもあります。グッドデザイン賞のアイテムも多数あります。写真集や絵画など、アート系の高価な書籍を中心にセレクトされています。
いくつもソファが置かれていて商品をゆっくり吟味できるようになっています。家で寛ぐようなゆったりとした環境を目指した空間です。
チュラロンコン大学に向かおうとサイアム駅を降りて歩いていたら反対側であることに気づきました。少し歩いてしまっていたので大きな商業施設であるサイアムパラゴンを一周して戻ることにしました。建物の裏側にある道に入ったところ、道路の端に食べる物を売る小さい店がずらりと軒を連ねていました。店先からはいろんな匂いが立ち昇ってきます。観光客ではなく地元の人たちが立ち寄る店という感じです。いい通りを歩けたという満足感を得ました。道を間違えないとこういう環境には遭遇できないんですよね。
大学の近くには高校もあるみたいで多くの生徒さんが下校中でした。サイアム駅周辺にあるカフェは学生の人たちでどこも一杯です。
売店に行きました。教科書などの書籍をはじめ、トートバッグなどのオリジナルグッズも多数あります。選びきれないのでそこはスルーです。ノートと筆記具を見ました。
シンプルなノートを見つけました。
大学名を略して「CU」と表記されています。
中は無地です。
「NO LINE」だけは英語です。
これはまたアルファベット表記で遊んでいる感じのノートです。
大学のロゴ入り鉛筆です。
文字がおしゃれです。
芯がきれいに削られています。書きやすそう。
大学を出て少し歩くと公園があります。学生というよりは地元の人たちの憩いの場みたいで、犬の散歩をしている人などが寛いでいました。
続いてタマサート大学に向かいました。路線バスで近くまでいけるようなので駅のバス停で待っていたのですが、これがなかなか来ないのです。30分ほど待ちました。やっと乗ることができて車掌さんに行き先を伝えると、
方向は間違ってないのですが大学前までは行かないので途中で乗り換えたほうがいいと言われ、乗り換えるバスの路線番号を書いた紙を渡してくれました。ただどこで降りればいいのかよく分からず戸惑っていたら近くにいた人がタマサート大学の学生で、自分は大学までは行かないが同じ場所で降りるので、近くなったら声をかけてくれると言うのです。英語で話してくれたので何とか理解できました。タイの人は観光客に優しいですね。
バスの路線図を見ると確かに大学の近くまでは行くものの、少し手前で曲がるルートになっています。近くまで行ったら降りればいいと思っていましたが、初めて乗るバスですからどこで降りればいいかまでははっきり分っていません。降りるタイミングを逸して少し離れたところまで行ってしまうことも十分あり得ます。それを知っていたからなのか親切に教えてくれたことは本当にありがたいです。
タマサート大学の売店にもチュラロンコン大学に負けず劣らず文房具がたくさんあります。入り口を入ると書籍がずらりと並んでいて、いかにも大学の売店といった感じです。文房具はないかと探していたら見当たらず、2階もあるのかと思ったら階段がありました。上に行くと、オリジナルアイテムがずらりと並んでいます。Tシャツや帽子などのグッズも豊富です。
大学オリジナルのメモ帳です。それぞれ真ん中にあるゴールドのマークと文字がかっこいいです。
メモ紙の左上にロゴマークがあります。赤色がいいですね。
タイらしいデザインのノートです。
大学名をあしらったデザインがいいですね。
正方形で薄めのノートです。活力ある色彩の表現です。
別のデザインです。
中は無地です。
リングノートです。
オレンジのロゴが鮮やかです。
真ん中にロゴマークと文字が大きくうっすらと入っています。
黄色と、
グレーと、
ピンクと、三色のページがあります。
レポート用紙を見つけました。
上部にロゴあります。無地なのがいいですね。これがなかなかないんです。
小さいリングノートです。小型なのでリングの数を減らしているのかコンパクトな印象です。
プラスチックのカバーです。
大学名の表記もあります。
中にも記載されています。
裏には「TU」と、大学名の略称があります。
筆記具を見ていたら、近くに布製のペンケースを発見。色やデザインがいくつかあるなかで、これを選びました。
大学名がストレートに表記されていてかっこいいです。
オリジナルのボールペンです。本体に貼られた値札の糊が強くて、きれいに剥がれませんでした。値札の上に更にセロテープが貼ってあり、本当にぴったりくっついていました。
クリップを見ていたら飛行機柄ときれいなブルーのクリップに目が留まりました。
折れるボールペンです。上部にライトが付いていてスイッチを入れると明るく光ります。
暗い場所で何か書きたいときにライトを照らして書けるようになっているのでしょう。折れることで光が下の方向を照らすので、ペン先が見やすくなりますね。360度折れてしまうとペンを持ちにくくなるので、持ちやすさを損なわない範囲で止まるという絶妙な角度が素晴らしいです。
その角度をつくっているのがこの構造です。
オリジナルの鉛筆です。
タイ語表記です。しかしタイ語は独特の形をしていて、まったく見当がつきません。
タイ語と言えば丸っこい記号のようなものが付いている文字が多いです。書くのが大変そう。何を意味しているのでしょうか。なんとなくこんな意味かなと当たりをつけることもできず、まったく判読不能なのでタイ語での意思疎通は難儀でした。
きれいに削ってあります。
チャオプラヤ川に近く、通りの向こうには大きな公園もあって、人もそれほど多くないのでゆったりとした環境にあるという印象です。中心部にあり駅からも近くて賑わいのあるチュラロンコン大学とはまた違った雰囲気を感じます。
タマサート大学を後にして、駅に向かうバスに乗りました。けっこういい時間になっていて渋滞に遭遇するのは間違いないと覚悟しました。予想通り、駅に向かうにつれてバスの進み具合が遅くなりました。歩いたほうが早いように思うほど進まなくなりました。
そうはいっても一日歩いて足がくたくたなので、そうもいきません。さらには途中からスコールが降り始め、大つぶの雨が落ちてきました。駅に到着するまで1時間近くかかりました。
市内の渋滞が酷いことはなんとなく知っていましたが、実際に体験してみてそのヘビーな度合いを身に沁みて感じました。駅から離れた場所への移動には困惑しました。乗りたいバスを待っていても全然来ないので待ちぼうけです。目的のバスが一時間に何本走っているか分からず、15分か20分おきくらいに来るだろうと考えていましたがいっこうに来ません。
朝夕のラッシュ時以外は多少緩和されるようですが、それでも渋滞は恒常的に続いるみたいです。車での移動には覚悟が必要だと思いました。タクシーに乗ったからといって早く着けるとも限りません。バンコク市内の移動はなるべく鉄道+徒歩にしたほうがいいと思いました。
ドライバーは運転が下手だという話もあるようですが、むしろ上手でなければあの流れの中を走り抜けることはできないと思います。頻繁に車線変更はするし信号のない場所で合流するし、阿吽の呼吸のような見えないシグナルに制御されているような不思議な秩序を感じます。ぶつからないのが本当に不思議です。
それにしてもタイの人たちは長い時間騒ぐこともなく待っていることには感心します。バンコクの人たちは当たり前のように気長に待っているのです。あそこまで穏やかに待っていられるのはなんと大らかな気性なのかと感心しますね。
渋滞がひどい理由としては、迂回路が少ない、信号が少ない、車の台数が多い、通勤通学の時間帯が集中している、といった要因が指摘されているようですが、それに加えて私が思うのは郊外と市内を結ぶ鉄道の路線が限られているからではないかということです。家の近くに鉄道が走っていなければ車で移動せざるを得ないからです。
それともうひとつ、道路整備を進めにくい特別な理由があるように思われます。市内の至る所に重要な文化財や建物が点在しているため簡単に道路を拡張したり増設することが困難であるというバンコクならではの事情があるように思います。各所にある文化財は効率的な交通システムの構築とは違った次元にあるものとしてその価値が尊重されているのです。だから渋滞の解消は一筋縄ではいかないのでしょう。
もしかするとタイの人たちはそういう事情を分かっているからひどい渋滞にも寛容でいられるのかもしれません。
横断歩道はあっても信号がないところも多いし、歩道も未整備なところが多くて歩きづらいし自転車で走ることも危険度が高そうでほとんど乗っている人を見ませんでした。
それにしてもあれだけ車が密集している中を多くのバイクがすり抜けるように走っているのを見ていて、事故にならないのが不思議です。その場に遭遇することはありませんでしたが、実際は事故も多いようです。
バイクタクシーの後ろに女性が横向きで乗った状態で疾走する姿は日本ではあり得ない光景ですね。ひとつ間違えば命の保証はないでしょう。あの勇気はどこからくるのか不思議に思います。
それから移動手段では電車の乗り継ぎにも少々困惑しました。空港から市内に行くときのチャトチャックパーク駅とモーチット駅でもそうでしたがBTS線とMRT線では乗り換えの際、同じ駅の構内で乗り換えられる駅と一回外に出て少し歩かなければならない駅があります。サラデーン駅とシーロム駅との接続でも外に出る必要があります。初めは路線線図を見てもその違いが理解できませんでした。案内表示がたくさんあるわけではないので少々苦労しました。
道路事情でもうひとつ気づいたことは、日本の車がとても多いことです。トヨタ、ホンダ、マツダの3社の車をよく見かけました。意外に欧州の車は多くないという印象です。ベンツ、BMWといったところです。
渋滞はひどいものの、あまり違和感のない見慣れた光景に思えたところもあるのですが、それは日本車が多いことと関係しているのかもしれません。
ある日の昼食です。魚が乗ったフライドライスとアイスティーを注文しました。赤い紅茶には少々びっくりしました。少しフルーティーな味です。
唐辛子が入っているものの思ったほど辛くないですね。骨付きの魚も新鮮でおいしいです。
サイアムパラゴン内にある大きな文房具店に行きました。デザイン文具ではなく一般文房具のお店ですがシンプルなノートをいくつも見つけました。この売り場の少し先にはkiki.kやモンブランの販売コーナーもあります。
いたって普通のノートですが、模様が気に入りました。見た瞬間に「てんとう虫ノート」と名付けました。
横罫線です。
「e-file」という名称のノートです。
続いてターコイズ・ブルーのきれいなノートです。
右下に文字が刻印されています。
「THINKIN」という文字が円を描くように配置されています。
中は無地です。
文字のデザインだけでなく全体が丸みを帯びた、かわいい感じのノートです。
「me.Style」という名称のノートです。
太いコルクで紙の上下を挟んだメモ帳です。
上下めくりのリングノートです。
「ARCHIMYCHEAL」という表記が浮き彫りになっています。
無地です。上下どちらの向きでも使えそうな感じでいいですね。
フェルト地のようなリングノートです。温かみのあるグレーです。
ベーシックなリングノートです。
中は無地です。
表面が糸のような素材で覆われていて色合いがとても素敵なノートです。
一目見て気に入りました。
ルンピ二公園付近を散策しました。大型統合地区「One Bangkok」の建設が進められていました。なんでもバンコクの新しいランドマークとなるもので、オフィス、ホテル、マンション、商業施設が集結してひとつの街のようなエリアが誕生します。環境に配慮した設計で進められているようですが、渋滞解消の先行事例となるのでしょうか。
公園前の大通りを歩いたら物凄い渋滞です。脇道に入っても通りを横切れないほどひっきりなしに車が走ってきます。「One Bangkok」開業後、交通がスムーズになるといいですね。
「THINK SPACE」という店に行きました。バンコク郊外の「Sentral East Ville」という商業施設内にあります。初めは市内からタクシーで行こうと考えていましたが、渋滞は避けたいと思ったので最寄り駅まで電車で行って、そこからタクシーで行くことにしました。最寄の駅を降りると、目の前の通りをバスが走っていたので、もしやバスで行けるかもと期待しましたが、聞いてみると目的地の近くまで行くバスはないとのこと。観念してタクシーで向かいました。
運転手さんに英文字の場所名と地図を見せたら知ってるようなので安心して乗りました。しばらく走って到着しました。早速、案内板を見てどこにあるかと探したのですが出ていません。ただ同系列のB2Sというお店はあるので、おそらくここだろうと思って行ってみたら予想外に小さいお店。いたって普通の書店なのです。あれ、これはおかしいと思い、店員さんに「THINK SPACE」という大きな店があるかどうかと尋ねたところ、知らないという返答です。えっ、あんなに大きい話題の店を知らないのかとびっくりしました。しかも同業なのに。
このモール内にはB2Sは2店舗あり、もう一軒のほうにも入って店員さんに聞いたのですが同様の返事です。これは困ったことになりました。そこで、もう一度このモールの名前を確認してみると「Cristal」という名称です。私が行こうとしたのは「Sentral」です。もしかして違うモールに来ているのではないかという疑問が頭をよぎりました。そこで、なるべく見ないつもりでいたスマホを取り出して地図で検索してみました。詳細を調べてみると、なんと「Sentral」モールの少し上に、今自分がいる「Cristal」モールがあるではないですか。やっぱり違う場所だったのです。ショックを受けるとともに疑問が晴れたうれしさで身体がすーっと軽くなりました。早速タクシーで向かい、無事に到着することができたのです。
タクシーに乗ったはいいものの、大通りを横切る道がないので少し先まで走ってからUターンして戻るというのです。簡単に反対車線に入れないのですね。確かに反対車線に渡ってからタクシーを拾おうと考えましたが、渡る術がありませんでした。そもそも渡れるほどの車の隙がないのです。大通りの反対側へ行くには車で回るしかないという、歩行者にはつらいバンコク郊外の厳しい交通事情を体験しました。
それでも「THINK SPACE」を見に行くことは今回の旅で一番の楽しみだったので、何としても見に行きたかった願望が叶って良かったです。
反省点として思ったことは、場所の事前確認が甘かったことと、タクシーの中から外を注意深く見ていれば「Sentral」を通り過ぎていたことに気づいたかもしれないということです。ぼーっとしていてはいけなかったのです。最初に乗ったタクシーの運転手さんも英文表記の名前ではよく分からないような仕草ではあったので、タイ語ではっきりと意思表示できなかったこちらの準備不足は否めませんが。
それにしても、こんなに隣接した場所に二つ大きなモールがあるとは思いもよりませんでした。地図で検索したときに気づきそうなものですが見逃しました。周辺情報をもう少し詳細にに調べておくべきでした。店員さんに知らないと言われたときは、もしかして経営不振のため今の小さい店に縮小したのではないかなどと考え、半ばあきらめかけていたので、モールが2箇所あると分かったときは本当に安堵しました。
もしものときのスマホの利便性を痛感しました。旅行の間はなるべく見ないようにしているのですが、いざというとき、こういう場面ではやっぱり頼りになりますね。
タクシーに乗って行き先を告げるとき、言葉で伝えにくいところはスマホで地図を見せれば理解してもらいやすいので、最初からスマホの地図を見せて伝えるべきでした。スマホを見せてタクシーに乗っている人はけっこう見かけていたので、それに倣えばよかったと思います。
やっと「THINK SPACE」にたどり着きました。喉がからからだったので店に入る前に一息入れようと近くの店でアイスティーを買い、入り口の前の椅子に座ってしばし休憩。
こうして店の中のディスプレイを外から見ているだけでなんかわくわくしてきます。
店内はこんな感じです。この店はクライン・ダイサム・アーキテクチャーという日本のデザイン事務所が設計を手がけています。「Open House」もここがデザインしています。
書籍、文具、生活雑貨を複合させた大きなお店です。3階層になっていて各階の壁側に大きな書棚があります。
ぎっしり書籍が並べられた棚は壮観です。上から見ると各階の棚が重なるように見えて奥行きが感じられます。
3階は文房具とカフェ、2階では高級文具や革小物、1階には生活雑貨や机、椅子などのちょっとしたインテリア商品があります。文具売り場がとても広くて筆記具の品揃えがすごいです。筆記具だけでひとつの空間がつくられていて、壁には包装された筆記具が部屋を一周するようにずらりと並び、中央のテーブルには様々なタイプのペンが集結し、ばらで並んでいます。
2階にはパーカーやラミーなどの高級筆記具があります。
ふらっと椅子や机を見ていたらコンパクトで持ち運び可能な折りたたみ式の机がありました。持ち運びできて、どこでもすぐに広げられてすごく使い勝手の良さそうな机なので本当に買おうかと思いました。
2階と3階には売り場の端に小さいテーブルが細長く設置されていて自由に座れるオープンスペースになっています。コンセントも付いていて電源を取ることも可能です。ノートパソコンを開いている人もいました。
各階の間は階段または小さいエスカレータで移動できます。店の半分が吹き抜けのような大きな空間になっていて、これだけの書籍があってもまったく威圧感がなく開放的な雰囲気です。
わざわざ足を運ばなければならない郊外だからこそ作れる空間なのかもしれません。混んでいなくて、ふらっと入ってゆっくり見て回れる感じがいいですね。知的感性を刺激するものがたくさんあるなかで自由に寛げる環境があるというのはいいですね。店名どおりの知的な空間が拡がっていました。
「Open House」も同様ですが、商品を選ぶ空間が広く確保されていて、ゆったりとした開放的な雰囲気のお店は増えているのかもしれません。リラックスした状態で商品を選べるお店というのはバンコクでも人気のようです。
ただ、こうしたゆったり寛げるスペースをつくれるのも中心部から離れた郊外だからこそなのかもしれません。
ここまでわざわざ足を運んだ甲斐がありました。
木製のペン立てを見つけました。木目の色合いが素晴らしいです。
この木目を見ていると、チャオプラヤ川の水面の水しぶきを想像します。
四方それぞれ木目の色調が異なるので、違った味わいがあります。
「THE WOOD’S TALE」というロゴが入っています。
購入した筆記具とクリップをペン立てに入れてみました。
2軒目のホテルはバンコク・マリオット・ホテル・ザ・スリウォンです。
2018年にオープンしたばかりの新しいホテルということで早速利用してみようと思いました。チャオプラヤ川の内側にあって中心部寄りですが駅からは少し離れた場所にあります。周囲には思ったほど高層ビルがないので客室からは視界が開けた市内の様子を見渡すことができます。
少々困ったのはホテルへのアクセスです。ホテルから最寄り駅まではシャトルバスが出ているのでそれに乗りました。帰りは一般のバスで帰ろうとしてサイアム駅近くのバス停でホテル方面に向かうバスを待っていたのですが、これがなかなか来ません。本当にいっこうに来ないのです。かれこれ30分くらいたってようやく来ました。やっと乗れたと思い一安心したのも束の間、走り出したと思いきや、その後いっこうに進まなくなりました。タクシーで移動するか、時間のことは考えずにあえてバスを利用するか、悩ましいところです。
フラットな洗面台がいいですね。
バスタブがあります。
客室備え付けのメモ用紙です。
客室から見た夜景の様子です。いくつものビル群に灯るたくさんの夜の光に、バンコクのエネルギーを感じてみたいと思っていたので、この景観は満足できるものでした。
リバービューもいいですが、こうしたビル群の夜景も街の活気が感じられていいものです。
中心部でも比較的緩やかに高層ビルが建てられているので、これだけたくさんのビルがあってもそれほど窮屈さを感じません。この開放感のなかにあるエネルギーがいいですね。密集しているようでいてどこか緩い感じがあるところがバンコクらしさなのかとも思います。
このホテルを選んだ理由のひとつは、この木目調の大きな丸テーブルが気に入ったからです。実際にソファに座ってテーブルの前で寛いでいるとモダンで落ち着いた雰囲気が味わえてやっぱりいいですね。
木製の大きな丸テーブルが素敵で、ソファに座ると思わずノートを広げて何か書きたくなるような知的な刺激が得られました。
早朝、ホテル前の通りの様子です。平日なので出勤する人たちでしょうか。既に交通量は多いです。
このホテルは、近くにこれといった大きな見どころもなさそうなので閑静なローカルエリアかと思っていましたが、行ってみてびっくりです。ホテル前の通りには店がびっしり並んでいて、少し歩くとナイトマーケットで盛り上がる繁華街なのです。これは予想外でした。
今朝の朝食はこんな感じです。ちょっと取りすぎたかな。
アイスクリームはいくつか種類があります。今日はストロベリーにしました。
翌日の朝、同様にダイニングで朝食を食べていたら案内係の人が歌を口ずさみながらテーブルの横を通っていきました。楽しそうに歩いている姿を見ていて、こちらもにも陽気な気分が伝わってくるようで幸せな気持ちになりました。宿泊者にとって自分が楽しくもてなされていると感じられること、これこそ最高のホスピタリティーだと思います。素晴らしい!
いいホテルを選べてうれしいです。
さて、チェックアウトしようとロビーに降りたのですが、奥にラウンジがあるようなのでせっかくだから見ておこうと覗いてみました。足を踏み入れたら目の前に素敵なオブジェが現れました。大きなガラスケースの中に入っていて真っ先に目を引かれました。重ねられた書籍の上に絵の具のパレットが乗っています。
使いかけの絵の具が剥き出しになった状態のまま置かれています。
中がからになった絵の具のチューブがあります。どれもまさに今まで使っていたもので、ちょうど作品が仕上がって使い切った状態のままそこにある、といった感じです。どんな作品を描いたのか興味が湧きますね。一仕事を終えた充実感が感じられるとともに、この次はどんな色の絵の具を使って絵を描くのだろうかと想像しました。
奥に目を向けると広いラウンジです。これがなんともゴージャスな空間で驚きました。
グレーのソファがかっこいい!
天井近くまである大きなガラスの棚が何本もあって、中に書籍がディスプレイされているという素晴らしいインテリアです。こんな調度品のもとで寛げるならいつまでもじっとしていたくなります。素晴らしい!
こんなソファに座ったら時間を忘れそう。
ガラス戸の中にある書籍は立っていたり斜めになっていたり倒れているものもあります。重なり具合がまたいいですね。
「バンコク・ポスト」紙が置かれています。
それにしても素晴らしい空間です。こんな場所でなら一日中読書していてもいいですね。そういう滞在もありかもしれません。今日は一日中ここにいたいですね。いやいや、もうチェックアウトしないと。また来ようかな。
知的刺激に溢れ、新しい発想が生まれる隠れ家のような場所に感じられました。泊まるだけではもったいない、ホテルを超えたホテルとも言えるような空間でした。
今回の旅ではリバービュー、シティビューともに客室からの眺望がいい高層階に宿泊しました。バンコクは手軽にいいホテルに泊まれる街だと言えそうです。ふたつのホテルに泊まるという私の選択は、目論見通りの贅沢な経験が得られたことで満足できるものとなりました。
大都市に滞在するときのホテルはなるべく中心部は避けて喧騒から離れた場所で選ぶようにしていますが、渋滞のひどいバンコクの場合は駅から近いことは必須ですね。あるいは川沿いのホにテルに泊まって、ホテルのなかでゆっくりで寛ぐという楽しみ方をするがいいかもしれません。
知的刺激に満ち溢れた空間です。この場所でなら何をしていても新しい発想が生まれてくるような気がします。
バンコクでもスマホは必需品のようで日本と同じ光景が見られました。電車に乗っていたときに読書していた人を一人だけ見ました。ブックカバーを掛けずにそのまま読んでいました。乗り物の中で本を読んでいる人を見たのは後にも先にもこの時だけでした。
タイ語の書籍だったのでタイトルは分かりませんでしたが、ドアの横に立ちながら熱心に読んでいた光景が強く印象に残っています。
今回の旅でも事前に書いておいた地図をもとに移動しました。またひとつ自分の世界地図に新たなページが加わりました。
日本への帰路はエア・アジアを利用しました。荷物は小型キャリーケース、ショルダーバッグ、紙袋の3つを持っていましたがずべて機内持ち込みできました。重量は計測されませんでした。日本から乗ったライオン・エアーでは計測があったのですが。エア・アジアではそもそも量らないのかバンコク発だからなのか、意外にノーチェックでした。荷物をコンパクトにまとめたことが奏功しました。
情緒豊かな自然を残しながら、一方で世界から最先端の新しい波を取り込もうとする気性にも富む。この多面的な姿こそ、この街に世界の人々が惹きつけられる理由なのでしょう。知的刺激に満ちたいい旅ができました。