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青森県の奥入瀬渓流と十和田湖に行ってきました。
新幹線で八戸駅まで行き、そこからレンタカーを借りて奥入瀬方面へ向かいました。

梅雨で雨が続いていたこともあって川は荒れているだろうと思っていましたが、意外にも流れは穏やかでした。
いくつかのポイントで車を停めて渓流へ降りてみました。川沿いの遊歩道を歩いて、時折川に架かる橋を渡って左右を行き交いながらながら山林の中を散策しました。


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緑溢れる森を流れる清流が涼し気です。


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岩に生えた苔もみずみずしい。


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岩陰に溜まる水も激しく循環していきます。川岸に降りて水に触ってみました。冷たくてとても澄んでいます。


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陽の光が差し込み、水底を明るく照らしています。


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川の周囲は隙間なく生い茂った樹々で囲まれています。ところどころで樹々に陽が当たり、生い茂る葉が変幻自在に鮮やかな色を見せています。思いっきり深呼吸して自然の恵みを体いっぱいに吸い込みました。


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このような大樹がいくつも見られます。


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狭くなった岩の間を流れていきます。


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中流は流れが穏やかなところも多いです。


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一瞬だけ陽の光が差し込みました。川底の様子がうっすらと見えます。


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九段の滝です。水の落ち方が左右で異なっていて味わいがあります。


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銚子大滝です。遊歩道の階段を歩いて上からも下からも流れを見ることができます。


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高さはそれほどでもありませんが、横に大きく拡がって落ちる流れには迫力があります。水しぶきも凄いです。
水が叩きつけられる音が重低音のようにずっと響き渡っていました。


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散策から戻ってきて見たところ、周りに湯気のように霧が立ちこめていました。まるでステージに表れたアーティストを照らし出そうと舞っているかのように。素敵な瞬間でした。


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雲井の滝です。


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水量は少なめですが、向きを変えながら落ちてくる流れは芸術的です。


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大小の岩や木の間をぬって水が流れています。小さな葉も多く見られますが水量が増加しても流されてしまわないのでしょうか。


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渓流はどこも洋々たる葉をつけた樹々で覆われていて、ほとんど光が入ってきません。こんなふうに太陽はかすかに顔を覗かせるだけです。


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小刻みな段差を流れる様子を見ているとリズミカルなものを感じます。


五感を全開にして溢れる自然の恵みを存分に味わいました。しっかりデトックスしました。川の水は雨の影響で濁っていることもなく透き通っていて冷たいです。時折耳に届く鳥のさえずりも心地良く響いていました。
大木が倒れているところも散見され、その間をぬって水が流れていきます。川沿いに残った木の根元がそのままの状態で残っていたりします。いつどのように倒れたのか、どれくらい時間が経過したのかと思いを巡らせ、いつの間にかタイムスリップしていました。

そういえば泳いでいる魚を見ませんでした。特定の場所にしかいないのか水面まで上がってこないのでしょうか。雨が続いた後だからかもしれません。



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十和田湖に着きました。
湖畔を散策しました。向こう岸まで何も遮るものがなく広く一望できます。水面の揺れもなく本当に穏やかです。水面の色が千変万化する様子はずっと見ていて飽きることがありません。




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水面が鏡のように美しい景観を映し出しています。少し時間が経つと水面の表情が変わっていきます。光と雲と風と水の見事なシンフォニーに感動しました。


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水面に映る青と白と緑のコラボレーションが絶妙です。手前の水面に映る雲の細かい揺らぎは小魚の群れを見ているようです。


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水平線を光に照らされた水がきらきらと弾けています。散りばめられた宝石が小躍りしているようです。


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入り江の奥の山々まで見透せて気分爽快です。


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湖の周囲は豊かな緑の木々に囲まれています。


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本当に水が透き通っていて底の様子もよく見えます。緑の色の濃さが少しずつ変わっていくところは驚愕の美しさです。同じような光景を描いた絵画を見て驚嘆することも多いですが、実際に目にした自然の美しさそのままは絵では表現できないと思ってしまいますね。本当にきれいです。


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峠道を昇って発荷峠展望台に到着。高台から望む十和田湖の絶景です。見晴らし抜群で思わず大声をあげて叫びたくなりました。


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遠方に見える山に雲がかかっていません。雲がすれすれまで来ているのに、山に遠慮するように横に伸びる山頂がはっきり見えています。


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突き出した陸の先端近くを小さいボートが走っています。気持ち良さそう。


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横に目をやると、山の中腹にかすかに道路が見えます。長くくねった道路もそのほとんどは樹々に囲まれています。


峠を降りて休屋というエリアへ行きました。ここは遊覧船の停泊所のひとつになっていて、大きな船が停まっていました。遊覧船乗り場の周辺を散策した後で食事をしようと思い、近くにあったお店の人に何時まで営業しているのか聞いたところ、まもなく閉めるとのこと。今、午後3時半過ぎです。
えっ、もう閉店?とびっくりしました。そうなんです。この近辺は飲食できるお店が極めて少ない上に、夕方には閉店してしまうのです。

時節柄、観光客が激減していることも影響しているのかもしれませんが、それを差し引いても奥入瀬渓流、十和田湖一体は、意外に観光地化されておらず、自然のままにわが道を行くという雰囲気を感じます。

渓流沿いの道路にしてもきれいに舗装されていなくて凹凸が激しく、渓流側に滑り止めのような段差も設けられておらず、もし滑ってもそのまま川に落ちるだけですが自分の判断で自由に走ってください、というように自然そのままを提供することに徹底していると感じます。高揚感に浸ったまま安易に自然を満喫しようとしていると痛い目に遭いかねない、と思わず気を引き締めました。それが観光する人に自律を促すことになっているのかどうか定かではありませんが、渓流にも湖にもまったくごみが落ちていませんでした。


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まだ食事ができる喫茶店があると聞き、行ってみました。近くに高村光太郎作の「乙女の像」という彫刻があるからなのか高村光太郎に関する書籍がたくさん置いてありました。自由に閲覧できます。ハムチーズサンドをいただきましたがが絶品のおいしさです。夕方のひとときをたゆたうようにまどろみながらゆったりとした時間を満喫しました。店内にも店の外にも外国の人がちらほら見受けられました。コーヒーを手に、移りゆく湖面の表情を眺めながら、しばらくのどかな時間を満喫しました。


宿泊先は十和田プリンスホテルです。湖の西側で奥入瀬渓流の反対側なので少し遠かったですね。客室はいたって普通のビジネスホテルという感じですが、朝食が素晴らしいです。ビュッフェではなく個別に定食が配膳されました。和洋組み合わせたメニューで種類が多くて、小食な私にとってはこれが夕食であってもいいくらいです。小さくカットされたフルーツの入った甘さを抑えたヨーグルトは絶品です。

レストランの大きな窓からは十和田湖が一望できます。湖までの間には広い芝生が敷かれていてとてもきれいです。芝生の上を歩いて散策したりバドミントンをしている人もいて、それぞれ思い思いに朝の時間を楽しんでいるようでした。紙飛行機を飛ばして遊んだら気持ち良さそうだなと思いました。

しばらく湖面を眺めていると微妙に水面の表情が変化していきます。光と雲と風と水が織り成すシンフォニーです。動画のような自然の変遷を眺めながらの朝食は最高に贅沢な時間でした。

夕食はここでは摂らなかったのですが、このホテルの夕食はフランス料理のみです。「湖畔のオーベルジュ」と称されるように食事が売りのホテルなのです。朝食は完全なフレンチではありませんが、そのメニュー、サービスともに予想を上回る上質な体験となりました。

一方、客室はいたって普通のビジネスホテルといった感じで、以前は企業の保養所か学校の合宿所だったところを改装したようにも感じられます。客室のすぐ外に、ほとんど使用されていないと思われる古いテニスコートもあります。コートにネットも付いておらず、ほとんど手入れされていない感じでオブジェかと思うほどです。朝食と宿泊施設とのアンバランスなところが面白いホテルだと思いました。連泊するのではなく、2~3ヶ月に1回くらいの間隔で食事をしに来るというようにリピートして楽しみたいホテルですね。


ホテルを後にして八甲田山へ向かいました。十和田湖の西側を北上しながら山林の中を疾走します。この辺も路面があまりきれいではないので慎重に運転しました。

八甲田山ロープウェイ入口に到着。ここからロープウェイで山頂まで昇ります。天候としては霧が立ち込めているとのことで、見晴らしは良くないとのこと。でもせっかく来たので行くことにしました。

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ロープウェイの中から山頂を見ています。360の度大パノラマです。一面が木々で覆われていてまさに樹海です。


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山頂に到着。やはり霧のために市内の街並みまでは見通せなかったのですが、近くの山々はなんとか望めました。


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雲がもくもくと迫ってきていますが、陽は差しているので樹々は明るく見えます。


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雲が引いた瞬間に遠くの山々が見渡せました。


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山頂周辺は植物の宝庫です。


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遊歩道があるので少し歩いてみました。


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行き交うのがやっとというくらい細い道です。たくさんの植物が生い茂る中を進んでいると探検家になったような気分ですね。


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綺麗な花を見つけました。葉が虫に食べられて穴だらけです。新鮮なんでしょう。


山頂をガイドしているおじさんが30分ほど行くときれいな沼があると教えてくれました。写真を見せてくれて本当にきれいな沼で、見に行きたいのはやまやまだったのですが時間が限られていたので今回は見送りました。


八甲田山に別れを告げ、県道で十和田市内へ向かいました。この県道は今までの道とはうって変わりきれいに舗装されていてとても走りやすい道です。時折、開けた高原道路や村落のある田舎道を通り抜けながら車を走らせました。他に走る車も少なく、時折周囲に目をやりながら自分のペースで走れて快適なドライブでした。


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十和田市現代美術館に着きました。建築ユニットSANAAの西沢立衛が設計を手掛けています。敷地内にある馬のオブジェを見つけました。カラフルですがどこか痛々しい感じもします。


敷地を離れた近くにもいくつかオブジェがあります。大通りに面した住宅街にあって地元の人が自転車でたくさん来ていました。街にすっかりなじんでいる美術館のように感じます。買い物のついでにふらっと寄ってお茶を飲みながら一息入れる場所として気軽に利用されているのかもしれません。街の中にアートスポットが溶け込むように点在しているというのはいいですね。


近くにカフェがいくつもあるようなので、せっかく来たのだからと、美術館でもらったガイドを見て目星を着けたお店に行ってみることにしました。しかし、通りを歩いていてもほとんどのお店が休業していて、目的のカフェも営業しているかどうか怪しく思えてきました。着いてみたら案の定、閉まっていました。今日は日曜日なのですが休業なんですね。他に開いている店はないかとしばらく散策していたら一軒見つけました。

「14-54 CAFE」というお店です。入口が大きくて奥まで広くなっています。おしゃれで雰囲気も良さそうなので入ってみました。

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このような深いソファと小さいテーブルの組み合わせたカフェのインテリアは珍しいですね。


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なんと店内に卓球台が2台もあります。


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奥には芸術関係の書籍がたくさん置かれた書棚があります。


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この店は十和田現代美術館と提携関係にあり、美術館所蔵の書籍を閲覧できるようになっています。美術館だけでなく、こうして街のなかで身近にアートに触れられるような工夫がなされているんですね。素晴らしい。


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ガパオライスとカフェオレを頼みました。デニム地のコースターなんてかっこいいですね。よく見るとテーブルクロスに穴が開いています。アクセントとしてそのまま生かすというワイルドな感じがいいですね。


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以前は家具屋か工場だったような感じがします。コンクリート張りの床も印象的です。どこかカリフォルニアの雰囲気のある開放感溢れるお店でした。


十和田市街を後にして再び八戸に戻りました。2泊3日、走行距離330㎞の旅でした。道路もすいていて、とても快適なドライブ旅行ができました。