小旅行で神戸に行ってきました。
ウォーターフロントエリアにある水族館「アトア」に足を運びました。外の暑さとはうって変わって涼し気な水中の世界に遭遇し、様々な魚たちの自由奔放な生活圏を鑑賞しました。
実際の海中の様子と見まがうほどに緑豊かな水槽のなかを遊泳しています。
イエローヘッドジョーフィッシュです。自分で掘った巣穴から顔を覗かせています。
尾びれまで真っ白で美しいですね。
オコゼが岩にぴったりと張り付いています。岩とほぼ一体化しています。
ネオンテンジクダイです。透き通った体を横に貫く背骨の青と黄色が鮮やかです。
カリビアンシーホースです。頭の形状が水の抵抗を最小限に抑える構造をしているそうですが本当かな。それにしてもきれいなレモンイエローです。
エボシカメレオンです。体の色を周囲の色や感情によって変化させ、目を別々に動かすことができるそうです。完全に葉っぱの色と同化しています。
なんと、場内に大きなカメがいました。でもほとんど動かず、係員の方が付き添っているので安心です。
ハナミノカサゴです。大きな胸ひれを使って獲物を吸い込みます。強い毒を持っていますが、食べるとおいしいそうです。茶色い縦の縞模様は太さが異なっていてお洒落です。
屋上に設置されている水槽を下の階から眺めています。
外の陽射しの強さが伝わってきます。それでも水を隔てて外の水槽の枠が揺らいでいる様子を見ていると、陽の暑さと水の涼しさの激しい攻防が垣間見えるようです。
青く光っているのはディスカスです。その美しい姿から観賞魚として人気が高く、「熱帯魚の王様」と呼ばれています。
部屋を移ると「探求の室」と名付けられた図書室が出現しました。
高い円筒状の棚を囲うように書籍が配置されています。ぐるっと回りながら本を見られるというのは、自分が魚になったみたいですね。
立派な本棚に書籍がぎっしり詰まっています。「妖怪は海にいる?」といった面白いテーマに関しての解説もあります。
考えてみれば、本来、紙の天敵とも言える水が主軸となっている水族館のなかに多くの書籍が集結していることには興味をそそられます。たんに美しい魚を鑑賞して楽しむだけに留まらず、生物を発端として広く人類や環境へと関心の領域を拡げていく余地があるというのは素晴らしいですね。自然界では天敵とも共生しながら知恵を絞って生きているのが海洋生物たちであり、それならあえて、水族館のなかに水を天敵とする紙を置くことで、我々人間もここで知恵を絞る機会が得られると考えることもできそうですね。
もっとも、ここは水族館とアートが融合したアクアリウムというコンセプトのもとに設立された経緯があるので、そう考えるともっともなことかもしれませんが、狙いは当たっているようです。
置かれている書籍のほとんどは海洋生物とそこから派生する分野に関するものです。探求心旺盛な人にとってはたまらないでしょう。
映像などビジュアルな教材も活用できるようです。
図書室内に小さな池がありました。
カメさんがこちらを向いてポーズを取ってくれました。
池に鯉が放たれている部屋もあります。涼し気な和装の壁が素敵です。
アカモンガラです。歯が赤いので「アカハモンガラ」と名付けようとしたところ、「ハ」が抜けたまま名前が付いてしまったそうです。口を開けた場面は見ることができなかったので、本当に赤い歯なのかどうかは確認できませんでしたが、もし歯が抜けていたら可笑しいですね。
目から口にかけての表情を見ると、青いペンで落書きされているようにも見えます。口髭を生やしているような。あごのあたりは余白がるようなので、もう少し何か書いてあげようかな。なかなか愉快な魚ですね。でも、繁殖期はダイバーに噛みつくこともあるそうなのでご注意を。
スパインチークアネモネフィッシュです。茶色に黄色の模様が鮮やかです。インド洋から西太平洋に生息します。そうした地域にいたら、お洒落になるのも分かるような気がします。
シロボシアカモエビです。立派な白ひげです。
鮮やかな体色をしているのは、あえて目立つことで魚などに共生種であることをアピールするためだそうです。天敵はいないのかな。それぞれの戦略があるんですね。
球の形をした大きな水槽がありました。真ん中に縦長の太い岩がどっしりと構えていて、その周りを魚たちが自由に遊泳しています。大きな水の球体を見ていると、水の惑星である地球の原始的な記憶が呼び覚まされるようなイメージが浮かんできました。
岩に張り付いて休憩していたり縦横無尽に泳ぎ回るなど、そこには自由奔放な世界が繰り広げられています。球体以前の情景を想像しながら、そこに人間社会の旧態依然とした現実の側面を重ね合わせて、生物の進化における悠久の歴史の流れに、しばし思いを馳せました。
ナンヨウハギです。尾びれの付け根に左右一対の棘を持っています。切れ味が鋭く、外科医が使用するメスを連想させるほどで、「外科医の魚」を意味する英名が由来となっているそうです。
黒い模様を見ていると、指のOKサインを横向きにした形と似ているように思えてきました。そうなんです。常にOKなんです。あるがまま、いつも自由に泳いでいるのです。
ニシキテグリです。こちらは同系色の模様があります。サンゴなどに身を寄せて生活しています。この模様でサンゴのなかにいたら、まったく見分けられないですね。
魚たちは水の中にあるそれぞれの世界を自由奔放に遊泳しています。もしかしたら自然の海のなかで泳いでいたいのかなとも思いますが、ここにいるほうが安全で快適なのかもしれません。
それにしても、魚たちの色彩感覚やデザインのセンスにはすっかり目を奪われました。生態よりもそちらのほうに関心が向きました。なぜ、そのような色や形を持ったのか、興味が尽きません。
旅のお宿は舞子に取りました。宿泊先はシーサイドホテル舞子ビラ神戸です。ホテルに戻ってみると、窓の外はすっかり夕闇に包まれていました。舞子と淡路島を結ぶ明石海峡大橋が見えます。橋を行き交う車の灯りが目立ち始めました。世界最大級の吊り橋で、橋梁技術では世界一とされています。間隔を置いて様々な色にライトアップされ、その美しさから「パールブリッジ」と呼ばれることもあるそうです。暮れ行く空からそそぐかすかな陽の光が、穏やかな明石海峡を優しく照らし出す光景にうっとりです。
翌日、朝の明石海峡です。空には飛行機雲が。
ブッフェの朝食をお腹一杯いただいて、今日はレンタカーを借りて神戸三田プレミアム・アウトレットに行ってきます。