沖縄宣言
2009年06月26日
日本酒造組合中央会 第五十六回通常総会 沖縄宣言 平成二十一年六月十二日
沖縄宣言<全文>
わが日本の国が世界に誇る伝統民族酒は、日本酒そして本格焼酎・泡盛である。
われわれ誇り高き伝統民族酒の生産者は、本日、日本酒造組合中央会通常総会の開催地として、史上初めて、泡盛の生産地ここ沖縄に相集うこととなった。
沖縄の誇る泡盛は、バラ麹を使う点において極めて日本的なものであり、世界に例を見ない麹文化の枠を備えた蒸留酒である。
また、泡盛の麹菌“アスペルギルス アワモリ”は、¬國菌」として日本醸造学会において設定され、広く世界に宣言された黒麹菌である。すなわち、沖縄の「泡盛」は、
「日本酒」とともに、まさに日本の「國酒」と言えるのである。
「君知るや 名酒 泡盛」という、醸造学界の日本の至宝 坂口謹一郎博士の
ことばは、まさにこの日本が世界に誇りうる酒 泡盛の本質を表したものである。
われわれは今、この泡盛の生産地沖縄に相集い、麹文化がわが日本の食文化にもつ
大きな意味にあらためて思いを致し、その継承、発展に邁進する決意を新たにするものである。
われわれは、この機会に業界の総意として、次のとおり確認する。
(一)．日本が世界に誇る伝統民族酒¬日本酒」そして「本格焼酎・泡盛」は麹文化の
所産として、日本の食文化の枠を成すものである。われわれは、その生産者であることの誇りを基本として、誇るに足る「酒造り」を続ける決意を新たにする。
(一)．今日の日本においては、日本の国及び国民から、世界に誇りうる「日本らしさ」が急速に失われていくという現実がある。
このことを憂い、日本の良き風俗、習慣、そして文化が回復定着し、引き継がれていくよう、そのための国民運動に、業界を挙げて日常的に力を注ぐ決意である。
(一)．日本の誇る伝統民族酒「日本酒」「本格焼酎・泡盛」は、いずれ世界酒たるにふさわしい十分な価値を備えており、その国際化の進展を図ることは、現在の生産者たるわれわれの責務である。われわれは、これら伝統民族酒の国際化に向け、あらゆる努力を惜しまぬ決意である。
ついては、国家の立場からの施策として、次の点の実現を国に対し強く求めるものである。
(一)．「日本酒」「本格焼酎・泡盛」の「國酒」としての法制上の位置づけを明確に
行うこと。
(一)．國酒たる「日本酒」「本格焼酎・泡盛」の国際化は、国益に叶うとの観点から、
これらの海外展開に対する国家としての支援措置を充実させること。
われわれは、ここに、以上の決意を確認し、国家に対し強く要請を行うとともに、
そのことにふさわしい「國酒として誇りうる酒造り」に邁進することを誓うものである。
以上、業界の総意をもって、「國酒として誇りうる酒造り」の決意を、ここ沖縄に
おいて宣言する。
平成二十一年六月十二日
日本酒造組合中央会
第五十六回通常総会
